JP2007270383A - パルプの漂白方法 - Google Patents
パルプの漂白方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007270383A JP2007270383A JP2006097815A JP2006097815A JP2007270383A JP 2007270383 A JP2007270383 A JP 2007270383A JP 2006097815 A JP2006097815 A JP 2006097815A JP 2006097815 A JP2006097815 A JP 2006097815A JP 2007270383 A JP2007270383 A JP 2007270383A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pulp
- treatment
- light irradiation
- acid
- bleaching
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Paper (AREA)
Abstract
【課題】 光漂白処理にパルプの洗浄処理を組合わせることで光照射時間を短縮し、効率の良い、環境への負荷の小さい漂白方法を開発すること。
【解決手段】 酸処理後洗浄したパルプに対して波長100〜400nmの紫外光及び/または可視光による光照射処理を2回以上繰り返し、前記の各々の光照射処理後にパルプを脱水及び/または洗浄をすることを特徴とするパルプの漂白方法を提供する。前記光照射処理中に、波長250〜290nmにおけるパルプスラリーの濾液の吸光度が上昇して最大値の90%以上となる時点から下降して90%までとなる時点の間で前記脱水及び/または洗浄処理を実施することができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、酸処理後洗浄したパルプに、紫外光及び/または可視光の照射処理を2回以上繰り返し、各回の光照射処理終了後にパルプを洗浄することを特徴とするパルプの漂白方法に関するものである。
紙パルプ工場の漂白工程から排出される物質が環境に与える影響に関心が集まる中、従来の塩素及び/または塩素系薬品を主に用いた漂白方法から、元素状塩素(Cl2)を使用しない非塩素(ECF)漂白や更に進んで塩素系薬品を全く使用しない完全無塩素(TCF)漂白が全世界的に主流となりつつある。このような背景から、ECF漂白やTCF漂白で使用される薬品としては、二酸化塩素や過酸化水素、酸素、オゾンなどの薬品類に限定されてきている。しかしながら、これらの薬品のみでは、組合せも自ずと限定されることもあり、漂白によって得られるパルプ品質、特に白色度の向上には限界があり、あるいはそれらを達成するためには高価な薬品を大量に使用する必要がある等の問題が生じてきている。これらの問題を解決するために、これまでにない漂白性能に優れた非塩素系薬品、あるいは新たな漂白方法の開発が求められている。
従来からパルプに由来する各種の金属が酸素系漂白薬品の分解を促進し、酸素系漂白薬品を無駄に消費することが知られている。そこで、この金属を除去し、酸素系漂白薬品の漂白効率を高める技術として、比較的低温の酸処理及び/またはキレート剤処理などが提示されている。この酸処理の技術として、リグノセルロース材料から製造されたパルプを酸素漂白によって脱リグニンする方法において、まず、パルプに亜硝酸塩及び酸を添加してパルプを前処理し、続いて酸素漂白を行う漂白方法、あるいは、蒸解処理された化学パルプに対して、酸処理を行った後、アルカリ性媒体中で過酸化物と加圧酸素による脱リグニンを行う漂白方法が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。また、このほか、蒸解処理された化学パルプに対して、高温高圧の酸素漂白処理を行い、次いで酸処理またはキレート剤処理を行った後、アルカリ性媒体中で過酸化物、または過酸化水素と酸素により脱リグニン・漂白を行う漂白方法が開示されている(例えば、特許文献3)。
また、ECFまたはTCF漂白パルプの退色に係わる物質に関する最近の新たな知見として、従来のリグニンやその変性物以外にヘキセンウロン酸が関与していることが知られ出している。このヘキセンウロン酸は、蒸解工程においてヘミセルロース中のメチルグルクロン酸から脱メチルすることで生成する。このヘキセンウロン酸はパルプの退色性に関与していると言われている.このヘキセンウロン酸を除去する方法の一つとして、比較的高温の酸処理技術が提示されている。これは、漂白前のパルプを高温かつ酸性条件下で処理することにより、このヘキセンウロン酸及びリグニン変性物を酸加水分解し除去するものである。例えば、硫酸塩法またはアルカリ法によって製造したセルロースパルプの懸濁液を加熱し、85〜150℃で約2〜5のpHで処理し、セルロースパルプ中のヘキセンウロン酸の少なくとも50%を除去し、パルプのカッパー価を2〜9単位減少させる技術が開示されている(特許文献4参照)。
光照射を利用する漂白技術として、未晒しクラフトパルプの過酸化水素漂白において紫外光を照射する技術(例えば、非特許文献1、あるいは特許文献5参照)、あるいは未晒しクラフトパルプの酸素漂白において紫外光を照射する技術(例えば、非特許文献2参照)が開示されている。
特許第2895977号公報
特開平6−101186号公報
特開平6−158573号公報
特表平10−508346号公報
特開2002−88673号公報
B.Marccia,et al.J34〜J39、JOURNAL OF PULP AND PAPER SCIENCE: VOL.17,NO.2,March 1991
J.AbBot,et al.p198〜202、Appita Vol,46,No.3,May 1993
本発明の目的は、光漂白処理にパルプの洗浄処理を組合わせることで光照射時間を短縮し、効率の良い、環境への負荷の小さい漂白方法を開発することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、酸処理洗浄したパルプに波長100〜400nmの紫外光及び/または可視光を照射する過程において、漂白中のパルプスラリーを濾過した濾液の波長250〜290nmにおける吸光度が上昇し、ある時点で最大になった後に減少すること、また、吸光度が最大値の90%以上となる時点で処理パルプの脱水及び/または洗浄を行うと、非常に効率良く高白色度のパルプが得られることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、酸処理後洗浄したパルプに対して波長100〜400nmの紫外光及び/または可視光による光照射処理を2回以上繰り返し、前記の各々の光照射処理後にパルプを脱水及び/または洗浄をすることを特徴とするパルプの漂白方法であり、ここで、前記光照射処理中に、波長250〜290nmにおけるパルプスラリーの濾液の吸光度が上昇して最大値の90%以上となる時点から下降して最大値の90%までとなる時点の間で前記脱水及び/または洗浄処理を実施することができる。
本発明によれば、高白色度のパルプの製造において光照射処理時間を短縮することが可能となり、効率が良く、環境への負荷も小さい。
本発明の漂白方法の対象となる化学パルプは、針葉樹や広葉樹のような木材を原料とするものが好ましいが、ケナフ、麻、バガス、イネ等の非木本性の植物を原料とするものであってもよく、特に限定しない。本発明に使用される化学パルプを得るための蒸解法としては、クラフト蒸解、ポリサルファイド蒸解、ソーダ蒸解、アルカリサルファイト蒸解等の公知の蒸解法を用いることができるが、パルプ品質、エネルギー効率を考慮すると、クラフト蒸解法が好適である。さらにクラフト蒸解法としては通常法の他、修正蒸解法として、MCC、EMCC、ITC、Lo−solids法等が知られているが、特に限定することなく本発明に適用できる。木材チップは公知の条件でクラフト蒸解することができるが、例えば、次の条件を挙げることができる。蒸解液の硫化度は7〜75%、好ましくは15〜45%、有効アルカリ添加率は絶乾木材重量当り5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、蒸解温度は140〜170℃である。また、蒸解方式は、連続蒸解法あるいはバッチ蒸解法のどちらでもよく、また蒸解装置の方式は特に問わない。
本発明で使用する化学パルプは、公知の蒸解法により得られた未漂白化学パルプを洗浄、粗選及び精選工程を経て、酸素脱リグニン処理されたものである。酸素脱リグニン処理の条件は公知の方法で行うことができる。広葉樹化学パルプの場合、酸素脱リグニン処理後のカッパー価は5〜15の範囲が良く、好ましくは7〜15、さらに好ましくは8〜12である。この酸素脱リグニン処理は公知の中濃度法あるいは高濃度法で実施される。例えば、中濃度法の一般的な反応条件としては、パルプ固形分濃度10〜18重量%、温度100〜110℃、反応時間60〜120分間、反応器内圧力3〜6kg/cm2が挙げられ、水酸化ナトリウム添加率及び酸素添加率は目標とするカッパー価によって調整される。
本発明において、化学パルプを酸処理後洗浄することが必須である。酸処理に使用する酸の種類は、無機酸でも有機酸でも良い。無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、亜硫酸、亜硝酸、リン酸、二酸化塩素発生装置の残留酸などの鉱酸を使用できる。有機酸としては、酢酸、乳酸、蓚酸、クエン酸、蟻酸などを使用できる。好適には、硫酸である。酸処理時のpHは、1.0〜6.0の範囲であり、好ましくは1.0〜5.0、更に好ましくは2.0〜5.0、最適には2.5〜3.5である。pHが1.0未満の場合はヘキセンウロン酸等と有害金属の除去は充分であるが、酸が過剰であるため粘度低下が大きくなる。一方、pHが6.0を超えると酸濃度が低く、ヘキセンウロン酸等と有害金属の除去が不十分となる。ヘキセンウロン酸の多い広葉樹パルプの場合、酸処理時のpHを2.5〜3.5とすると、酸処理の温度を低下させることが可能であり、酸処理コストを低減できるという効果が生じてくる。
酸処理は大気圧下、加圧下のいずれでも実施可能であり、処理温度としては80℃〜180℃、好ましくは80℃〜130℃である。温度が30℃以上80℃未満では金属除去の面では効果はあるが、ヘキセンウロン酸等の除去効果がない。なお、100℃未満であれば耐圧性の反応容器を必要としないので設備コスト的に有利である。
酸処理時のパルプ濃度は、0.1〜50重量%の範囲であり、好ましくは1.0〜30重量%、更に好ましくは2.0〜20重量%である。
ヘキセンウロン酸等と有害金属の除去効果は、酸処理時のpH、反応温度、及び反応時間で決定される。これより、反応時間は他の2条件に合わせて適宜設定されるが、反応温度90℃では反応時間1.5〜6時間、反応温度95℃では反応時間50分間〜5時間、反応温度100℃では反応時間30分間〜4.5時間、反応温度120〜130℃では反応時間5〜50分間が典型とされている。
また、酸性条件下で行われるオゾン漂白も本願の対象とする酸処理の一形態であり、通常の酸性オゾン漂白の条件が適用できる。ちなみに、一般的な酸性オゾン漂白の条件は、オゾン濃度1〜20重量%のオゾンガスを用いて、pH1.0〜8.0、パルプ濃度0.1〜50重量%、温度は25〜95℃が好適とされている。また、ここでの圧力についても負圧の状態から加圧された状態まで特に限定されない。
なお、酸処理に際しては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等のキレート剤を併用することにより金属の除去を促進させ、その後の光照射処理における漂白反応をさらに促進する効果が得られる。
酸処理の結果、その後の紫外光及び/または可視光の光照射処理において漂白効果が促進される理由は明白ではないが、パルプ中の残留リグニンと金属イオン、特に鉄イオンとが金属錯体を形成し、これが光照射処理によって着色化する。従って、酸処理によって金属イオンを除去することによって光照射処理による漂白効果が向上すると推察される。
本発明においては、前記酸処理後洗浄したパルプに対して、アルカリ性条件下で、波長100〜400nmの紫外光及び/または可視光の光照射を行うが、アルカリ性条件としては、pH10〜13が好ましい。このpH調整のために使用するアルカリとしては、通常のアルカリ性薬剤が使用可能であるが、取扱い易さ等の点から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウムが特に好ましい。
本発明の光照射処理時のパルプ濃度は0.1〜12重量%が好ましい。0.1重量%未満では漂白反応効率は高くなるものの、エネルギー効率が低下するため好ましくない。12重量%を超える場合には、照射装置内でのパルプスラリーの流動性が悪くなるため、漂白反応効率が低下するため好ましくない。
また、光照射処理時の温度は20〜95℃が好ましい。20℃未満では漂白反応効率が低く、一方、95℃を超える場合には、パルプ品質悪化の可能性が生じることや、あるいは反応装置内圧力が大気圧を超える可能性が生じるため、耐圧性を考慮した装置設計が必要となることなどの点で、いずれも好ましくない。
本発明の光照射装置において、照射する光の波長としては、100〜400nmの波長が好ましいが、180〜360nmの波長が特に好ましい。100nm未満の波長では、セルロースの光分解が促進されるためパルプ強度が著しく低下し、また400nmを超える波長では、光着色物質の光励起が不十分であるため光漂白性が大幅に低下するので、いずれも好ましくない。
照射する光源としては、100〜400nmの波長領域の光を有するものを使用することができ、具体的には、キセノンショートアークランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ等〔木下忍「UV照射装置」、接着(2002年、46巻7号)p20〜27、あるいは杉森彰「光化学 第8章光化学の実験方法I」、(裳華房、1998年発行)p126〜136、参照〕が一例として挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。
また、光照射処理装置においてパルプが受ける照射の程度は、光照射処理装置内でのパルプの滞留時間を調節することや、照射光源のエネルギー量を調節すること等により、任意に設定できる。
また、本発明の光照射処理においては、助剤として、還元剤(NaBH4、ヒドラジン、水素)、酸化剤(酸素、オゾン、二酸化チタン)、過酸化物(過酸化水素、過酢酸、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)を併用して、光照射反応効率を高めることができる。
本発明において光照射処理を少なくとも2回行うことが特徴であるが、各々の光照射処理終了後、パルプを脱水及び/または洗浄することが必須である。光照射処理中においては系内に着色成分が溶出しこれが光照射処理の効率を低下させるが、このような溶出成分を除去することにより、光照射処理の効率を低下させないと考えられる。
例えば、図1に示されるような装置を用いて光照射処理中のパルプスラリーを濾過して濾液を調整し、波長250〜290nm、好ましくは波長260〜270nmにおける該濾液の吸光度を経時的に測定すると、光照射処理の進行に伴い濾液の吸光度が上昇し、ある時点で最大になった後に減少していく。本発明においては、濾液の吸光度が最大になる時点、若しくはその近辺の時点で光照射処理を終了させ、パルプの脱水及び/または洗浄を行うことにより、脱水及び/または洗浄を行わない場合と比較して、光照射の処理時間を短縮しても高い白色度を得ることができる。すなわち、光照射処理による漂白の効率を高めることができる。
処理パルプの脱水及び/または洗浄は、前記濾液の吸光度が上昇して最大値の90%以上となる時点から下降して90%までとなる時点の間で行うのが好ましい。吸光度が最大値の90%以上となる前、または最大値の90%以下となった以降に処理パルプの脱水及び/または洗浄を行った場合、漂白効率の向上が十分ではないので好ましくない。
なお、パルプの脱水及び/または洗浄には、パルプ製造において公知の脱水機及び/または洗浄機を用いることができる。また、洗浄には新水のほか、酸処理以降の漂白工程で発生する漂白排水や抄紙工程から発生する抄紙排水等を使用することができる。
次に実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
・パルプ白色度の測定:パルプを離解後、Tappi試験法T205os−71(JIS P 8222)に従って坪量60g/m2の手抄きシートを作製し、JIS P 8148に準じてパルプの白色度を測定した。
・吸光度の測定:パルプスラリーを8ミクロンの濾紙で濾過した濾液のサンプルを265nmの光の吸光度を測定した。
<実験装置>
実施例、比較例で用いた紫外光照射反応装置を図1に示した。光照射反応槽(1)として、4Lガラス製シリンダー(100mmφ×620mmH)を用いた。この光照射反応槽(1)には、図に示す撹拌機(4)、散気管(5)の他、温度調節装置並びにpH測定器を備えている。また、光照射光源(16W低圧水銀ランプ、日本フォトサイエンス社製AY−1)は、石英ガラス管(25mmφ×470mmH、厚さ2mm)内に設置し、光照射光源周辺には、空気を注入できる構造となっている。
[実施例1]
日本製紙株式会社製の広葉樹酸素脱リグニン後のクラフトパルプ(カッパー価11.6、ISO白色度45.6%)を用い、以下の条件でオゾン処理を行い、カッパー価3.0、白色度60.6%のパルプを得た。
・パルプ白色度の測定:パルプを離解後、Tappi試験法T205os−71(JIS P 8222)に従って坪量60g/m2の手抄きシートを作製し、JIS P 8148に準じてパルプの白色度を測定した。
・吸光度の測定:パルプスラリーを8ミクロンの濾紙で濾過した濾液のサンプルを265nmの光の吸光度を測定した。
<実験装置>
実施例、比較例で用いた紫外光照射反応装置を図1に示した。光照射反応槽(1)として、4Lガラス製シリンダー(100mmφ×620mmH)を用いた。この光照射反応槽(1)には、図に示す撹拌機(4)、散気管(5)の他、温度調節装置並びにpH測定器を備えている。また、光照射光源(16W低圧水銀ランプ、日本フォトサイエンス社製AY−1)は、石英ガラス管(25mmφ×470mmH、厚さ2mm)内に設置し、光照射光源周辺には、空気を注入できる構造となっている。
[実施例1]
日本製紙株式会社製の広葉樹酸素脱リグニン後のクラフトパルプ(カッパー価11.6、ISO白色度45.6%)を用い、以下の条件でオゾン処理を行い、カッパー価3.0、白色度60.6%のパルプを得た。
オゾン処理条件:パルプ濃度10重量%、オゾン添加量7kg/ADTP、温度55℃、処理時間30秒、pH2.5の条件で行い、処理終了後、パルプを水洗した。
このようにして得られたオゾン処理パルプを15g(絶乾)採り、パルプ濃度を0.5重量%とした後、NaOHを用いてパルプスラリーのpHを11.5に調整した。このスラリーを図1の光照射反応装置に注入し、撹拌しながら、温度25℃、処理時間120分、254nmに主波長を持つ低圧紫外線ランプを使用の条件で、処理時間を変えた紫外光照射処理を行った。紫外光照射時間が0.5時間(濾液の吸光度は最大値の90%の時点)に達した段階で一度パルプを洗浄した後にパルプスラリーのpH、濃度を再調整し、紫外光照射処理を再開した。反応を終了したパルプは、吸光度を測定した後、洗浄し、手抄きシートを作成し白色度を測定した。結果を図2、図3に示した。
[実施例2]
紫外光照射時間が1時間(濾液の吸光度はほぼ最大値の時点)に達した段階で一度パルプを洗浄した以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3に示した。
[実施例3]
紫外光照射時間が1.5時間(濾液の吸光度は最大値の91%の時点)に達した段階で一度パルプを洗浄した以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3に示した。
[実施例4]
紫外光照射時間が0.25時間(濾液の吸光度は最大値の80%の時点)に達した段階で一度パルプを洗浄した以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3、に示した。
[実施例5]
紫外光照射時間が2.5時間(濾液の吸光度は最大値の75%の時点)に達した段階で一度パルプを洗浄した以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3に示した。
[比較例1]
光照射反応途中のパルプ洗浄を行わなかった以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3に示した。
[実施例2]
紫外光照射時間が1時間(濾液の吸光度はほぼ最大値の時点)に達した段階で一度パルプを洗浄した以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3に示した。
[実施例3]
紫外光照射時間が1.5時間(濾液の吸光度は最大値の91%の時点)に達した段階で一度パルプを洗浄した以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3に示した。
[実施例4]
紫外光照射時間が0.25時間(濾液の吸光度は最大値の80%の時点)に達した段階で一度パルプを洗浄した以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3、に示した。
[実施例5]
紫外光照射時間が2.5時間(濾液の吸光度は最大値の75%の時点)に達した段階で一度パルプを洗浄した以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3に示した。
[比較例1]
光照射反応途中のパルプ洗浄を行わなかった以外は、実施例1と同様な条件で紫外光照射処理を行なった後、得られたパルプの白色度を測定した。結果を図2、図3に示した。
図2に示したように、紫外光照射反応途中のパルプ洗浄を行わなかった場合は紫外光照射時間が1時間の時点で吸光度がほぼ最大値0.209となった(比較例1)。吸光度が最大値の90%である0.188よりも高い時にパルプを洗浄した場合は(実施例1〜3)、図3に示したように、洗浄せずに反応を継続した場合(比較例1)と比較して短時間の紫外光照射反応で高い白色度が得られ、漂白効率が大きく向上した。これに対して、図2に示したように、吸光度が最大値の90%になる前にパルプを洗浄した場合(実施例2)や、吸光度が最大値の90%以下になった後にパルプを洗浄した場合(実施例3)には、いずれの場合も図3に示したように、比較例1よりも漂白効率の向上効果は高いが、実施例1〜3と比較すると漂白効率の向上効果は低かった。
20:光照射反応槽
21:石英ガラス管
22:光照射光源
24:散気装置、散気管
27:攪拌機
21:石英ガラス管
22:光照射光源
24:散気装置、散気管
27:攪拌機
Claims (5)
- 酸処理後洗浄したパルプに対して波長100〜400nmの紫外光及び/または可視光による光照射処理を2回以上繰り返し、前記の各々の光照射処理後にパルプを脱水及び/または洗浄をすることを特徴とするパルプの漂白方法。
- 前記光照射処理中に、波長250〜290nmにおけるパルプスラリーの濾液の吸光度が上昇して最大値の90%以上となる時点から下降して最大値の90%までとなる時点の間に前記脱水処理及び/または洗浄処理を実施することを特徴とする請求項1記載のパルプの漂白方法。
- 前記光照射処理がpH10〜13のアルカリ性条件で行われることを特徴とする請求項1ないし2記載のパルプ処理方法。
- 前記酸処理がpH1〜6、温度80℃以上の条件下で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパルプの漂白方法。
- 光照射処理が、酸化剤、還元剤、過酸化物の群の中から選択された少なくとも1種類の化合物の存在下で行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパルプの漂白方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006097815A JP2007270383A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | パルプの漂白方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006097815A JP2007270383A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | パルプの漂白方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007270383A true JP2007270383A (ja) | 2007-10-18 |
Family
ID=38673470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006097815A Pending JP2007270383A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | パルプの漂白方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007270383A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015064209A1 (ja) | 2013-10-30 | 2015-05-07 | ユニ・チャーム株式会社 | 使用済み衛生用品からリサイクルパルプを製造する方法 |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006097815A patent/JP2007270383A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015064209A1 (ja) | 2013-10-30 | 2015-05-07 | ユニ・チャーム株式会社 | 使用済み衛生用品からリサイクルパルプを製造する方法 |
US10280560B2 (en) | 2013-10-30 | 2019-05-07 | Unicharm Corporation | Process for manufacturing recycled pulp from used sanitary goods |
US10895039B2 (en) | 2013-10-30 | 2021-01-19 | Unicharm Corporation | Process for manufacturing recycled pulp from used sanitary goods |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2445414C2 (ru) | Способы карбонатной предварительной обработки и варки целлюлозного материала | |
FI116393B (fi) | Menetelmä selluloosamassan delignifioimiseksi ja valkaisemiseksi | |
WO2007132836A1 (ja) | 漂白パルプの製造方法 | |
WO2005121442A1 (ja) | パルプの漂白方法 | |
JP2009074234A (ja) | 細砕セルロース繊維材のスラリーを処理する方法 | |
JP2010144273A (ja) | リグノセルロース物質の化学パルプの製造方法 | |
JP2014508866A (ja) | 高カッパー価に蒸解された化学パルプの酸素脱リグニン後の濾過液を処理するための方法及び設備 | |
JP5232164B2 (ja) | 高温での最終オゾン処理によって化学紙パルプを漂白する方法 | |
JP2008088606A (ja) | 漂白パルプの製造方法 | |
RU2141016C1 (ru) | Способ отбелки целлюлозы и других целлюлозных и лигноцеллюлозных волокнистых материалов и трехстадийный способ отбелки целлюлозных и лигноцеллюлозных материалов | |
JP2007270383A (ja) | パルプの漂白方法 | |
JP5915263B2 (ja) | パルプの製造方法 | |
JP4356380B2 (ja) | 製紙用漂白パルプの製造方法 | |
USH1690H (en) | Process for bleaching kraft pulp | |
JP5471050B2 (ja) | Tcf漂白方法 | |
EP2006441B1 (en) | Processes and systems for the bleaching of lignocellulosic pulps following cooking with soda and anthraquinone | |
JP2006283211A (ja) | 化学パルプの漂白方法 | |
JP2006283213A (ja) | パルプの漂白方法及び漂白装置 | |
JP4603298B2 (ja) | パルプの漂白方法 | |
JP2011001637A (ja) | 漂白パルプの製造方法 | |
JP2011001636A (ja) | 漂白パルプの製造方法 | |
CA2435813C (en) | Bleaching of pulp with chlorine dioxide after alkaline bleaching | |
CN114174589B (zh) | 漂白纸浆的制造方法 | |
JP2000290887A (ja) | リグノセルロースの漂白方法 | |
Zeinaly et al. | The use of TAED in the last phase of CMP peroxide bleaching |