JPH06116183A - アミノ置換スピロ化合物の製法 - Google Patents

アミノ置換スピロ化合物の製法

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JPH06116183A
JPH06116183A JP10819892A JP10819892A JPH06116183A JP H06116183 A JPH06116183 A JP H06116183A JP 10819892 A JP10819892 A JP 10819892A JP 10819892 A JP10819892 A JP 10819892A JP H06116183 A JPH06116183 A JP H06116183A
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裕介 行本
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勉 江幡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医薬品として有用な抗菌性化合物の合成中間
体を簡便に得る。 【構成】 γ−アルコキシ−β−ケトエステル誘導体に
スピロ環を構築し、次いでこのものを還元した後にトリ
オール体とし、そして置換スルホニル基を導入して得ら
れる、式(2) 【化1】 (式中、X、Y、Zは置換スルホニル基を表わす。)で
表わされる化合物に対し、式(3) QCH2NH2 3 (式中、Qは置換基を有することもあるフェニル基を表
わす。)で表わされる化合物を反応させ、式(4) 【化2】 (式中、Qは置換基を有することもあるフェニル基を表
わす。)で表わされる化合物を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性化合物として有
用な化合物の合成中間体およびそれらの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成抗菌薬として有用なピリドンカルボ
ン酸系化合物の置換基として、スピロ環状構造を有する
含窒素飽和複素環置換基が有用であることが明らかにな
りつつある。特に、ピロリジンにアミノ基およびスピロ
環を有する構造とも表現できる置換基が有用であり、例
えば、7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン-5- イル
基や8-アミノ-6- アザスピロ[3.4] オクタン-6- イル基
等を挙げることができる。前者を置換基として導入する
ためには7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン誘導体
を、また後者を導入するためには8-アミノ-6- アザスピ
ロ[3.4] オクタン誘導体を得て、これらを反応させるの
が最も簡便な方法のひとつである。
【0003】これらのスピロ環状構造を有する化合物を
得るために、例えば7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプ
タン誘導体はアセト酢酸誘導体から出発する合成法によ
って行っていた(特開平2-231475号公報参照)。この、
7-アミノ-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン誘導体をアセト
酢酸誘導体から合成する方法は、工程数が多いことから
操作や収率、副生物、精製法等について問題があった。
【0004】そこで本発明者らは、7-アミノ-5- アザス
ピロ[2.4] ヘプタン誘導体をより簡便に得る方法を鋭意
検討した。その結果、γ−アルキルオキシ−β−ケトエ
ステル誘導体にスピロ環状構造を構築して式1の化合物
を得、そしてこれをトリオール体に変換してこの化合物
の水酸基に置換スルホニル基を導入して、トリス置換ス
ルホニルオキシ化合物である式(2)の化合物に転換し
た。そしてこの化合物に対してベンジルアミン誘導体を
反応させることによって目的とする7-アミノ-5- アザス
ピロ[2.4] ヘプタン誘導体が、短工程でしかも簡便に、
かつ収率よく得られることを見いだし本発明を完成し
た。
【0005】
【発明の構成】本発明は、式(1)
【0006】
【化6】
【0007】(式中、R1は、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
することもあるフェニル基とメチレンとから構成される
ベンジル基、 t-ブチル基、 メチレンと炭素数1から6のアルキルオキシ基とで構
成されるアルキルオキシメチル基、または、 テロラハイドロピラン-2- イル基もしくはテロラハイ
ドロフラン-2- イル基、を表わし、R2は、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
することもあるフェニル基、 炭素数1から6のアルキル基、または、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
することもあるフェニル基とメチレンとから構成される
ベンジル基、を表わす。)で表わされる化合物に関し、
また、式
【0008】
【化7】 で表わされる化合物に関し、さらに式(2)
【0009】
【化8】
【0010】(式中、X、YおよびZは同一または各々
異なっていてもよく、 炭素数1から6のアルキルスルホニル基(alkyl-SO
2-)、または、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
することもあるフェニル基とスルホン基(-SO2-)とか
ら構成されるアリールスルホニル基(aryl-SO2-)、を
表わす。)で表わされる化合物に関し、そして式(2)
【0011】
【化9】
【0012】(式中、X、YおよびZは同一または各々
異なっていてもよく、 炭素数1から6のアルキルスルホニル基、または、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
することもあるフェニル基とスルホン基とから構成され
るアリールスルホニル基、を表わす。)で表わされる化
合物と式(3) QCH2NH2 3 (式中、Qはハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル
基、シアノ基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数
が1から6のハロゲノアルキル基および炭素数が1から
6のアルキルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる
置換基を有することもあるフェニル基を表わす。)で表
わされる化合物とを反応させることを特徴とする式
(4)
【0013】
【化10】
【0014】(式中、Qはハロゲン原子、ニトロ基、カ
ルバモイル基、シアノ基、炭素数が1から6のアルキル
基、炭素数が1から6のハロゲノアルキル基および炭素
数が1から6のアルキルオキシ基からなる群の置換基か
ら選ばれる置換基を有することもあるフェニル基を表わ
す。)で表わされる化合物の製法に関する。
【0015】式(1)または(2)の化合物において、
置換基 R1、 R2、 X、YおよびZがフェニル基を有する
置換基である場合にそのフェニル基は、ハロゲン原子、
ニトロ基、カルバモイル基、シアノ基、炭素数が1から
6のアルキル基、炭素数が1から6のハロゲノアルキル
基および炭素数が1から6のアルキルオキシ基からなる
群の置換基から選ばれる置換基を有することもある。こ
の場合に、フェニル基の置換基としては1種類の置換基
を1以上有していてもよく、また、複数種の置換基を各
々1以上有していてもよい。
【0016】式(1)で示す化合物を合成する出発原料
であるγ−アルキルオキシ−β−ケトエステル誘導体
は、4-クロロアセト酢酸エステル誘導体から文献記載の
方法によって(D. Seebachら、Synthesis, 1986, p37-
38)合成することができる。一方、ハイドロキシアセチ
ルクロライド誘導体とメルドラム酸とを反応させて得ら
れるアシルメルドラム酸を、脱炭酸的なアルコール分解
反応に付すことによっても容易に得ることができる。
【0017】式(1)で示す化合物は上記のγ−アルキ
ルオキシ−β−ケトエステル誘導体にスピロ環部分を構
築するべく、式(5) XA-CH2-CH2-XB 5 (式中、XAおよび XB は各々が求核置換反応において脱
離する原子または官能基を意味する。)で表わされる化
合物を塩基性条件下に反応させて得ることができる。
【0018】式(5)で表わされる化合物に関し、具体
的な XA および XB の例としては、塩素原子、臭素原子
もしくはヨウ素原子等のハロゲン原子、そしてp-トルエ
ンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基もし
くはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の置換ス
ルホニルオキシ基、またジメチルスルホニウム基、メチ
ルエチルスルホニウム基、ジエチルスルホニウム基等の
ジアルキルスルホニウム基等を挙げることができる。な
お、このジアルキルスルホニウム基の場合にはカウンタ
ーアニオンとしてハロゲンイオン等の陰イオンを伴うこ
とがある。
【0019】γ−アルキルオキシ−β−ケトエステル誘
導体と式(5)の化合物との反応に際しては適当な溶媒
の存在下に反応させてもよいが、反応溶媒としては下記
のものを例示することができ、さらにこれらは混合溶媒
として使用してもよい。
【0020】アルコール系:メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール等、 エーテル系:ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等、 ハロゲン化炭化水素系:クロロホルム、塩化メチレン、
エチレンクロリド等、 アミド系:N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア
セトアミド、N-メチル-2- ピロリドン等。
【0021】また塩基としては下記に例示するものを使
用することができる。
【0022】無機塩基:炭酸カリウム、炭酸水素カリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等 有機塩基:トリアルキルアミン類(トリエチルアミン、
ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン等)、
ジアルキルアニリン類(N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジ
エチルアニリン等)、複素環化合物類(ピリジン、4-ジ
メチルアミノピリジン、モルホリン、1,8-ジアザビシク
ロ[5.4.0] ウンデセ-7- エン等)アルコキサイド類(ソ
ジウムメトキサイド、ソジウムエトキサイド、t-ブトキ
シカリウム等)。
【0023】なお、式(5)の化合物は炭素数2のポリ
メチレン鎖を有しており、構築されるスピロ環は3員環
である。従って、式(5)のポリメチレン鎖の炭素数が
3あるいは4となった化合物を反応させれば構築される
スピロ環は4員環あるいは5員環となった化合物が得ら
れよう。
【0024】反応後、生成する式(1)の化合物は通常
の方法、例えばシリカゲルクロマトグラフィー、再結
晶、再沈殿および蒸留等の方法或いはこれらを組み合わ
せて単離精製することができる。
【0025】式(1)で示した化合物において、置換基
R1 の例としては先に示した種類の置換基でよいが、置
換基 R1 は単にこれらに限定されるものではなく、水酸
基の保護基であって、簡便に脱離できるものであればよ
い。
【0026】次に式(1)の化合物を式(2)の化合物
へ変換するのであるが、これを得るのに必要な下記の構
造を有するトリオール体の合成について説明する。
【0027】
【化11】
【0028】先ず、式(1)の化合物のケトン、エステ
ルをアルコールへ還元するのであるが、このために金属
水素錯化合物を使用し還元すればよい。この反応は、通
常、適当な溶媒中で冷却下から溶媒の沸点の間の温度に
おいて反応させればよい。
【0029】金属水素錯化合物の例としては、水素化リ
チウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、ナトリウ
ム水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウム、水
素化ホウ素ナトリウム等を挙げることができる。
【0030】また、反応溶媒としてはジエチルエーテ
ル、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類、或いは水素化ホウ素ナトリウム
の場合にはメタノール、エタノール等のアルコール類も
使用できる。
【0031】生成する化合物は通常の方法、例えばシリ
カゲルクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿および蒸留
等の方法あるいはこれらを組み合わせて単離精製するこ
とができる。このようにして次の構造を有するジオール
体を得ることができる。
【0032】
【化12】
【0033】次に、このジオール体の水酸基の保護基で
ある置換基 R1 を除去するのであるが、除去法としては
使用した保護基に応じて通常知られている適当な除去法
を適用すればよい。酸や塩基を反応させる方法、あるい
は触媒存在下の接触還元による方法等である。このよう
にしてスピロ構造を有するトリオール体が得られる。
【0034】このトリオール体を閉環反応の原料とする
ために式(2)の化合物のトリススルホニルオキシ体へ
と変換する。このために、トリオール体を適当な溶媒に
溶解して塩基性条件下に置換スルホニルクロライドと反
応させればよい。
【0035】置換スルホニルクロライドの例としては、
メタンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスル
ホニルクロライド、p-トルエンスルホニルクロライド等
を挙げることができる。
【0036】また、反応溶媒としては、ジエチルエーテ
ル、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレ
ン、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素系等を例
示することができる。
【0037】塩基としては、トリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアル
キルアミン類、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルア
ニリン等のジアルキルアニリン類、4-ジメチルアミノピ
リジン、モルホリン、ピリジン等の複素環化合物類を例
示することができる。
【0038】式(2)で示した化合物がトリススルホニ
ルオキシ化合物である場合に、このスルホニル基は既に
述べたような置換スルホニル基であればよい。ここで、
置換スルホニル基は酸素原子ともに置換スルホニルオキ
シ基を形成して式(2)の化合物に対してアミン誘導体
を反応させる際の脱離基としての機能を果たすこととな
る。即ち、求核置換反応の脱離基としての機能を果たす
のあれば当該置換基部分は置換スルホニルオキシ基に限
定されないのである。
【0039】次にトリススルホニルオキシ化合物を式
(4)への化合物への変換するのであるが、このトリス
スルホニルオキシ化合物に対して式(3) QCH2NH2 3 (式中、ハロゲン原子、炭素数が1から6のアルキル
基、炭素数が1から6のハロゲノアルキル基、炭素数が
1から6のアルキルオキシ基、ニトロ基、カルバモイル
基およびシアノ基からなる群の置換基から選ばれる置換
基を有することもあるフェニル基を表わす。)で表わさ
れる化合物を反応させれば目的のアミノ置換スピロ化合
物を得ることが出来る。
【0040】この式(3)の化合物との反応に際して
は、無溶媒または適当な溶媒の存在下に20から 150℃程
度の範囲の温度で、塩基存在下に反応させればよい。
【0041】溶媒としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール等のア
ルコール系溶媒、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系
溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、エチレンクロリド
等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N,N-ジメチルホルムア
ミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2- ピロリ
ドン等のアミド系溶媒、ベンゼン、キシレン等の芳香族
炭化水素系溶媒を使用すればよい。この他水を溶媒とし
てもよく、さらに上記の溶媒を適当に組み合わせたもの
でもよい。
【0042】塩基としては、炭酸カリウム、炭酸水素カ
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の無機
塩基類、有機塩基として、トリエチルアミン、ジイソプ
ロピルエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキ
ルアミン類、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニ
リン等のジアルキルアニリン類、ピリジン、4-ジメチル
アミノピリジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.
4.0] ウンデセ-7- エン等の複素環化合物類、ソジウム
メトキサイド、ソジウムエトキサイド、t-ブトキシカリ
ウム等のアルコキサイド類を例示することができる。
【0043】反応後、生成した式(4)の化合物は通常
の方法、例えばシリカゲルクロマトグラフィー、再結
晶、再沈殿および蒸留等の方法或いはこれらを組み合わ
せて単離精製することができる。
【0044】上記のようにして得られる式(4)の化合
物は7位の不斉炭素に基づくラセミ体であるが、各々の
対掌体は通常知られた方法で分割することができる。さ
らに、式(1)の化合物を還元する際に、光学活性配位
子を有する触媒を使用する不斉水素化や、光学活性配位
子を有する金属水素錯化合物を使用する還元等の不斉還
元を行うことによって、式(2)の化合物を立体をコン
トロールして合成し、このものに既に述べた変換を行な
うことによって式(4)の立体異性体の一方を選択的に
得ることも可能である。
【0045】また、還元においてはケトンとエステルの
両者を同時に還元してジオール体とする方法もあるが、
ケトンのみをまず還元し、生ずる水酸基を保護した後、
エステルを還元し、次いでR1を除去してジオール体とし
てこれに置換スルホニルクロライドを反応させた後に閉
環を行い、この後に水酸基部分をアミンに変換する方法
も考えられる。
【0046】
【実施例】次に本発明を実施例によって詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】参考例1.4-ベンジルオキシアセト酢酸メ
チル イミダゾール 170 mg をジクロロメタン 5 ml に溶解
し、氷冷攪拌下にベンジルオキシアセチルクロライド 4
10 mg をジクロロメタン 5 ml に溶解した溶液を滴下し
た。10分後、氷冷攪拌下に4-ジメチルアミノピリジン 3
05 mg を加え30分攪拌した。ここへメルドラム酸 288 m
g を加え、室温で12時間攪拌した。溶媒を減圧下に留去
し、残留物を酢酸エチルおよび1N塩酸に分配した。有機
層を分離した後、飽和食塩水にて洗浄して無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後ろ過し、濾液から溶媒を減圧留去し
た。
【0048】得られた残留物にメタノール 10 mlを加え
12時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。標題化
合物を酢酸エチルおよびn-ヘキサン(1:5, v/v)の混合
溶媒の流分から油状物として352 mg得た。
【0049】1H-NMR(CDCl3, 90MHz)δ:3.52(2H, s), 3.
69(3H, s), 4.12(2H, s),4.57(2H, s), 7.33(5H, s).
【0050】実施例1.1-ベンジルオキシアセチル-1-
メトキシカルボニルシクロプロパン 4-ベンジルオキシアセト酢酸メチル 12.8 g、 1,2-ジブ
ロモエタン 13.6 gを無水 N,N- ジメチルホルムアミド
60 mlに溶解し、炭酸カリウム 15.9 g を加えて室温で
2日間攪拌した。反応液を氷水 40 mlに加え、酢酸エチ
ル 150 ml ずつで3回抽出した。有機層を 15%食塩水に
て洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧
留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて精製した。標題化合物を酢酸エチルおよびn-ヘキ
サン(1:5, v/v)の混合溶媒の流分から油状物として
7.93 g 得た。
【0051】1H-NMR(CDCl3, 90MHz)δ:1.52(4H, s), 3.
67(3H, s), 4.57(2H, s),7.34(5H, s).
【0052】実施例2.1-(1'-ベンジルオキシ-2'-ハイ
ドロキシエチル)-1-ハイドロキシメチルシクロプロパン 無水テトラハイドロフラン 150 ml に水素化リチウムア
ルミニウム 2.43 g を加え、氷冷攪拌下に1-ベンジルオ
キシアセチル-1- メトキシカルボニルシクロプロパン
7.93 g を無水テトラハイドロフラン 40 mlに溶解した
溶液を滴下した。室温で40分間攪拌し、次いで加熱還流
した。氷冷下に水 26 ml、15% 水酸化ナトリウム水溶液
26 ml、水 76 mlを順次加えた。析出物を濾去し、濾液
を乾燥後溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルクロ
マトグラフィーにて精製した。標題化合物を酢酸エチル
およびn-ヘキサン(1:1, v/v)の混合溶媒の流分から油
状物として 4.58 g 得た。
【0053】1H-NMR(CDCl3, 90MHz)δ:0.54(4H, m), 2.
92(2H, brs), 3.37(2H, m),3.64(2H, s), 3.71(2H, q),
4.59(2H, s),7.34(5H, s).
【0054】実施例3.1-(1',2'- ジハイドロキシエチ
ル)-1-ハイドロキシメチルシクロプロパン 1-(1'-ベンジルオキシ-2'-ハイドロキシエチル)-1-ハイ
ドロキシメチルシクロプロパン 4.58 g を酢酸 1 ml お
よびメタノール 25 mlの混合溶媒に溶解し、5%パラジウ
ム炭素 1.5 gを加え、2気圧の加圧下の水素ガス雰囲気
下に接触還元した。6時間後反応を止め、触媒を濾去
し、濾液の溶媒を減圧留去した。標題化合物を油状物と
して 2.2 g得た。
【0055】1H-NMR(CDCl3+D2O, 90MHz)δ:0.48(4H,
m), 3.16(2H, m), 3.64(3H, m).
【0056】実施例4.1-[1',2'- ビス(メタンスルホ
ニルオキシ)エチル]-1-メタンスルホニルオキシメチル
シクロプロパン メタンスルホニルクロライド 5.29 g、 1-(1',2'-ジハイ
ドロキシエチル)-1-ハイドロキシメチルシクロプロパン
1.05 g を無水テトラハイドロフラン 30 mlに溶解し、
この溶液に氷冷攪拌下にトリエチルアミン 4.67 g を滴
下して室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧下に留去し、
残留物に酢酸エチルを加え、有機層を水洗し無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥した。残留物をシリカゲルクロマト
グラフィーにて精製した。標題化合物を酢酸エチルおよ
びn-ヘキサン(2:1, v/v)の混合溶媒の流分から白色結
晶として 2.19 g 得た。
【0057】融点:60 - 60.5 °1 H-NMR(CDCl3, 90MHz)δ:0.94(4H, m), 3.04(3H, s),
3.07(3H, s),3.12(3H, s), 3.81 - 4.62(5H, m).
【0058】実施例5.7-ベンジルアミノ-5- ベンジル
-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 1-[1',2'- ビス(メタンスルホニルオキシ)エチル]-1-
メタンスルホニルオキシメチルシクロプロパン 366 mg
をベンジルアミン 2 ml に溶解し、100 ℃で2時間加熱
した。減圧下にベンジルアミンを留去した後、残留物を
シリカゲルクロマトグラフィーにて精製した。標題化合
物を酢酸エチルおよびn-ヘキサン(1:1,v/v )の混合溶
媒の流分から油状物として 164 mg 得た。
【0059】1H-NMR(CDCl3, 90MHz)δ:0.20 - 1.12(4H,
m), 1.48(2H, brs),2.44 - 3.12(5H, s), 3.56 - 3.92
(4H, m),7.31(5H, s), 7.35(5H, s).
【0060】参考例2.7-ベンジルアミノ-5- ベンジル
-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン 7-アミノ-5- ベンジル-5- アザスピロ[2.4] ヘプタン
6.69 g、ベンズアルデヒド 3.86 g をトルエン 400 ml
に溶解し、p-トルエンスルホン酸一水和物760 mgを加
え、水を除去しながら 2日間加熱還流した。溶媒を減圧
留去した後、残留物にメタノール 200 ml を加え、氷冷
攪拌下に水素化ホウ素ナトリウム 1.26 g を加え、室温
で5時間加熱攪拌した。減圧下に溶媒を留去し、残留物
に酢酸エチルと少量の水を加えて振盪した後、有機層を
分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した
後、溶媒を減圧下に留去した。残留物をシリカゲルクロ
マトグラフィーにて精製した。標題化合物を酢酸エチル
およびn-ヘキサン(1:1, v/v)の混合溶媒の流分から油
状物として 5.03 g 得た。1H-NMRスペクトルは実施例5
で得たものと一致した。
【0061】実施例1から実施例5にかかわる反応を次
の式にまとめた。式中、Bnはベンジル基を、Meはメチル
基を、Msはメタンスルホニル基を表わす。
【0062】
【化13】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 255/54 9357−4H 255/55 9357−4H 255/58 9357−4H C07D 209/96 9284−4C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式1 【化1】 (式中、R1は、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
    基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
    のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
    ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
    することもあるフェニル基とメチレンとから構成される
    ベンジル基、 t-ブチル基、 メチレンと炭素数1から6のアルキルオキシ基とで構
    成されるアルキルオキシメチル基、または、 テロラハイドロピラン-2- イル基もしくはテトラハイ
    ドロフラン-2- イル基、 を表わし、R2は、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
    基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
    のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
    ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
    することもあるフェニル基、 炭素数1から6のアルキル基、または、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
    基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
    のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
    ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
    することもあるフェニル基とメチレンとから構成される
    ベンジル基、 を表わす。)で表わされる化合物
  2. 【請求項2】 式 【化2】 で表わされる化合物
  3. 【請求項3】 式2 【化3】 (式中、X、YおよびZは同一または各々異なっていて
    もよく、 炭素数1から6のアルキルスルホニル基、または、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
    基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
    のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
    ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
    することもあるフェニル基とスルホン基とから構成され
    るアリールスルホニル基、 を表わす。)で表わされる化合物
  4. 【請求項4】 式2 【化4】 (式中、X、YおよびZは同一または各々異なっていて
    もよく、 炭素数1から6のアルキルスルホニル基、または、 ハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、シアノ
    基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数が1から6
    のハロゲノアルキル基および炭素数が1から6のアルキ
    ルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる置換基を有
    することもあるフェニル基とスルホン基とから構成され
    るアリールスルホニル基、 を表わす。)で表わされる化合物と式3 QCH2NH2 3 (式中、Qはハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル
    基、シアノ基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数
    が1から6のハロゲノアルキル基および炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる
    置換基を有することもあるフェニル基を表わす。)で表
    わされる化合物とを反応させることを特徴とする式4 【化5】 (式中、Qはハロゲン原子、ニトロ基、カルバモイル
    基、シアノ基、炭素数が1から6のアルキル基、炭素数
    が1から6のハロゲノアルキル基および炭素数が1から
    6のアルキルオキシ基からなる群の置換基から選ばれる
    置換基を有することもあるフェニル基を表わす。)で表
    わされる化合物の製法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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