JP3081854B2 - 光学活性なレボブノロール合成中間体の製造方法 - Google Patents

光学活性なレボブノロール合成中間体の製造方法

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JP3081854B2 JP04030144A JP3014492A JP3081854B2 JP 3081854 B2 JP3081854 B2 JP 3081854B2 JP 04030144 A JP04030144 A JP 04030144A JP 3014492 A JP3014492 A JP 3014492A JP 3081854 B2 JP3081854 B2 JP 3081854B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性なレボブノロー
ル(Levobunolol, 5-[2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルア
ミノ) プロピルオキシ]-1-テトラロン) を合成するのに
有用な新規な合成中間体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】レボブノ
ロールはその構造中に光学活性な炭素原子を有してお
り、この(−)異性体はβ−アドレナリン性神経遮断剤
として、(+)異性体の約60倍の、またラセミ化合物
の約2倍の効力を有することが知られている。従来、こ
の化合物はラセミ体のまま使用されるか、あるいは目的
物質であるレボブノロールを合成した後に各光学活性体
に分割する方法で光学分割されていた。
【0003】例えば、特公昭48−43734号公報、
特開昭48−49748号公報には、レボブノロールの
合成中間体の合成について報告されているが、いずれも
光学活性には言及されていない。また、特公昭49−4
218号公報にはレボブノロールの異性体混合物に
(−)または(+)酒石酸を加えて光学分割する方法
を、特表昭63−502503号公報には、レボブノロ
ールの光学分割の可能性を開示しているが、これらはい
ずれも目的物質であるレボブノロールを合成した後の操
作についてであり、合成中間体の段階での光学分割では
ない。
【0004】効率よく光学活性物質を合成するには、で
きるだけ早い段階で光学活性体を選択することにより、
以降の合成工程に原料、反応時間の短縮ができる等、好
都合となることが多い。従って、本発明の目的は、光学
活性なレボブノロールを合成するのに有用な光学活性な
合成中間体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために合成中間体の段階で光学活性体とする
方法について鋭意検討した。その結果、先に本発明者ら
は特開平2−73082号公報において、〔R〕−3−
クロロ−1,2−プロパンジオールから〔R〕−グリシ
ドールを合成する方法を開示したが、この〔R〕−グリ
シドールが光学活性なレボブノロール合成中間体の合成
に有用であることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明の要旨は、 (1)式(2):
【0007】
【化8】
【0008】で表される5−ヒドロキシ−1−テトラロ
ンと、式(4):
【0009】
【化9】
【0010】で表される〔R〕−グリシドールとを、不
活性有機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよびジアル
キルアゾジカルボン酸エステルの存在下、酸化−還元的
脱水縮合させることを特徴とする、式(1):
【0011】
【化10】
【0012】で表される光学活性な〔S〕−(+)−5
−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−テトラロンの
製造方法、並びに ()式(3):
【0013】
【化11】
【0014】で表される〔R〕−3−クロロ−1,2−
プロパンジオールを不活性有機溶媒中、塩基の存在下に
式(4):
【0015】
【化12】
【0016】で表される〔R〕−グリシドールに変換せ
しめ、次いで得られた〔R〕−グリシドールと、式
(2):
【0017】
【化13】
【0018】で表される5−ヒドロキシ−1−テトラロ
ンを不活性有機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよび
ジアルキルアゾジカルボン酸エステルの存在下、酸化−
還元的脱水縮合させることを特徴とする、式(1):
【0019】
【化14】
【0020】で表される光学活性な〔S〕−(+)−5
−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−テトラロンの
製造方法に関する。
【0021】学活性なレボブノロール合成中間体であ
る式(1)で表される〔S〕−(+)−5−(2,3−
エポキシプロポキシ)−1−テトラロンは、前記のよう
に式(2)で表される5−ヒドロキシ−1−テトラロン
と、式(4)で表される〔R〕−グリシドールとを、不
活性有機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよびジアル
キルアゾジカルボン酸エステルの存在下、酸化−還元的
脱水縮合させることにより得られる。ここで用いられる
式(2)で表される5−ヒドロキシ−1−テトラロン
は、公知の方法により入手可能な化合物であり、例えば
1,5−ジヒドロキシナフタレンの還元により容易に得
られる。
【0022】式(4)で表される〔R〕−グリシドール
は、例えば式(3)で表される〔R〕−3−クロロ−
1,2−プロパンジオールを不活性有機溶媒中、塩基の
存在下に反応させることにより得ることができる(特開
平2−73082号公報)。この反応において用いられ
る不活性有機溶媒としては、特に限定されないが、エー
テル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ベンゼン、
トルエン等が使用され、好ましくはエーテル、テトラヒ
ドロフランが挙げられる。また、ここで用いられる塩基
としては、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、金属ア
ルコラート、苛性カリウム等が使用され、好ましくは金
属ナトリウム、水素化ナトリウムが挙げられる。反応温
度は適宜選択されるが通常0〜100℃、好ましくは0
〜30℃である。また、反応時間は通常1〜24時間で
ある。反応終了後、反応混合物から〔R〕−グリシドー
ルを単離・精製するには、通常の有機化合物の単離・精
製において用いられる方法と同様にして行なわれる。例
えば、蒸留あるいはカラムクロマトグラフィーの手段が
例示される。また、反応混合物から〔R〕−グリシドー
ルを単離・精製することなく反応液をそのまま用いて、
式(2)で表される5−ヒドロキシ−1−テトラロンと
の反応に供してもよい。
【0023】このように〔S〕−(+)−5−(2,3
−エポキシプロポキシ)−1−テトラロンは、式(2)
で表される5−ヒドロキシ−1−テトラロンと、式
(4)で表される〔R〕−グリシドールとの反応により
得られるが、この反応で用いられる不活性有機溶媒とし
ては、前記の〔R〕−グリシドールを得る場合と同様に
エーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン等が挙げられるが、溶解度の点からテトラ
ヒドロフランが好ましい。また、ジアルキルアゾジカル
ボン酸エステルとしては、RO2 CN=NCO2 Rで表
される化合物であり、但し、Rはメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル等の炭素数1〜4のアルキル基を意
味する。
【0024】本反応における〔R〕−グリシドールの使
用量は、5−ヒドロキシ−1−テトラロンに対して通常
1〜10当量、好ましくは1〜2当量、またトリフェニ
ルホスフィンの使用量は、5−ヒドロキシ−1−テトラ
ロンに対して通常1〜10当量、好ましくは1〜2当
量、ジアルキルアゾジカルボン酸エステルの使用量は、
5−ヒドロキシ−1−テトラロンに対して通常1〜10
当量、好ましくは1〜2当量である。反応温度は適宜選
択されるが、通常0〜110℃、好ましくは10〜30
℃である。また、反応時間は通常1〜24時間である。
【0025】反応終了後、反応混合物から本発明の
〔S〕−(+)−5−(2,3−エポキシプロポキシ)
−1−テトラロンを単離・精製するには、通常の有機化
合物の単離・精製において用いられる方法と同様にして
行なわれる。例えば、カラムクロマトグラフィーあるい
は再結晶の手段が例示される。
【0026】このようにして得られた〔S〕−(+)−
5−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−テトラロン
、t−ブチルアミン極性溶媒中で加熱することによ
って、光学活性なレボブノロールを製造することができ
る。
【0027】
【実施例】以下、実施例および参考例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により
何ら限定されるものではない。 実施例1 水素化ナトリウム(60%)2.3gをテトラヒドロフ
ラン50mlに懸濁させ、氷冷下、〔R〕−3−クロロ
−1,2−プロパンジオール6.5gを滴下し、さらに
約30分間攪拌した。得られた反応液に5−ヒドロキシ
−1−テトラロン5.0gを加え、窒素ガス雰囲気下、
氷冷して、別途調製したトリフェニルホスフィン16.
2g及びジエチルアゾジカルボン酸エステル10.9g
のトルエン80ml混合液を添加し、さらに室温下、約
24時間攪拌した。反応液を水洗後、苛性ソーダ水にて
洗浄した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−
ヘプタン=1/4)により精製して、純粋な目的化合物
である〔S〕−(+)−5−(2,3−エポキシプロポ
キシ)−1−テトラロン6.4g(収率95%)を得
た。このものはさらにジエチルエーテルから再結晶して
分析に供した。
【0028】融点: 67.1℃ 〔α〕25 D (C,3.00、メタノール): +24.
8° 元素分析値: 理論値(%): C 71.54 H 6.47 実測値(%): C 71.70 H 6.54
【0029】実施例2 5−ヒドロキシ−1−テトラロン10.0g、〔R〕−
グリシドール6.9gをテトラヒドロフラン100ml
に懸濁させ、窒素ガス雰囲気下、氷冷して、別途調製し
たトリフェニルホスフィン24.3g及びジイソプロピ
ルアゾジカルボン酸エステル18.9gのトルエン10
0ml混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て目的化合物である〔S〕−(+)−5−(2,3−エ
ポキシプロポキシ)−1−テトラロン12.1g(収率
90%)を得た。
【0030】参考例 〔S〕−(+)−5−(2,3−エポキシプロポキシ)
−1−テトラロン12.1g、t−ブチルアミン20.
3gをイソプロピルアルコール140mlに溶解し、4
時間加熱還流した。溶媒及び過剰のt−ブチルアミンを
減圧下に留去し、残渣を塩酸エタノール及びイソプロピ
ルエーテルにより結晶化させ、塩酸レボブノロール1
6.4g(収率90%)を得た。
【0031】
【発明の効果】学活性な〔S〕−(+)−5−(2,
3−エポキシプロポキシ)−1−テトラロンは、光学活
性なレボブノロールを高収率に製造できる合成中間体で
あり、本化合物を利用することによって工業的に有利に
光学活性なレボブノロールを製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 303/00 - 303/22 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(2): 【化1】 で表される5−ヒドロキシ−1−テトラロンと、式
    (4): 【化2】 で表される〔R〕−グリシドールとを、不活性有機溶媒
    中、トリフェニルホスフィンおよびジアルキルアゾジカ
    ルボン酸エステルの存在下、酸化−還元的脱水縮合させ
    ることを特徴とする、式(1): 【化3】 で表される光学活性な〔S〕−(+)−5−(2,3−
    エポキシプロポキシ)−1−テトラロンの製造方法。
  2. 【請求項2】 式(3): 【化4】 で表される〔R〕−3−クロロ−1,2−プロパンジオ
    ールを不活性有機溶媒中、塩基の存在下に式(4): 【化5】 で表される〔R〕−グリシドールに変換せしめ、次いで
    得られた〔R〕−グリシドールと、式(2): 【化6】 で表される5−ヒドロキシ−1−テトラロンを不活性有
    機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよびジアルキルア
    ゾジカルボン酸エステルの存在下、酸化−還元的脱水縮
    合させることを特徴とする、式(1): 【化7】 で表される光学活性な〔S〕−(+)−5−(2,3−
    エポキシプロポキシ)−1−テトラロンの製造方法。
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