JP2818890B2 - アリルアミン化合物の製造方法および同化合物の製造用中間体の製造方法 - Google Patents

アリルアミン化合物の製造方法および同化合物の製造用中間体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、単為生殖性の原生動物による疾病の治療
や、植物例えば豆類のうどんこ病などのかびによる被害
の防除に有用な抗生物質アニソマイシンおよびその誘導
体を製造するために有用な反応中間体である 一般式 (式中、Arは置換または無置換のアリール基、*は光学
活性炭素をそれぞれを意味する) で示されるアリルアミン化合物の製造方法および同化合
物の製造用中間体の製造方法に関する。
[従来技術および解決すべき課題] 上記アリルアミン化合物[XVI]は、これを環化する
ことによって 一般式 で示されるヒドロキシピロリジン化合物[XXI]に導か
れ、さらにこれを脱水処理することによって、 一般式 (上記各式中、Arおよび*は上記定義のものと同じ意味
を有し、Zはアミノ基の保護基を意味する) で示される光学活性3,4−デヒドロピロリジン化合物に
導かれ、必要に応じてそのN−保護基を除去することに
よってさらにN−遊離の化合物に導かれる。
一般式[I]で示される上記光学活性化合物の製造に
関しては、つぎの反応経路1で示すように、D−チロシ
ンを出発原料とする方法(Tetrahedron Lett.,29,4419,
1988,S.ジェーガム(S.Jegham),B.C.ダス(B.C.Da
s))が知らている。
(上記各式中、Arは4−メトキシフェニル、Bocはt
−ブチルオキシカルボニル、Meはメチルをそれぞれ意味
する)。
しかし、この反応経路の方法では中間体[V]がラセ
ミ化しやすく、そのため最終製品である光学活性化合物
[I]の光学純度に問題があった。またこの方法ではAr
が4−メトキシフェニルに限定されており、上記化合物
[I]の同族体は未だ開発されていなかった。
本発明は、上記の如き実情に鑑み、アニソマイシンお
よびその同族体を製造する上で有用なアリルアミン化合
物[XVII]の製造方法を提供することを目的とする。本
発明はまた、同アリルアミン化合物[XVI]の製造に有
用な中間体である含窒素化合物XVI]の製造方法を提供
することを目的とする。
[課題を解決するための手段] アリルアミン化合物は、 一般式 (式中、Arは置換または無置換のアリール基、*は光学
活性炭素をそれぞれ意味する) で示される化学構造を有する。
また、上記アリルアミン化合物[XVI]の製造に有用
な中間体である含窒素化合物およびアリルアルコール化
合物は、 一般式 で示される化学構造、および 一般式 (上記各式中、Arおよび*は上記定義のものと同じ意味
を有し、YはNHCO2t−Bu、NHCO2Bn(Bnはベンジル基を
意味する)、BnONCO2Bn、o−C6H4(CO)2N、NC(C
6H4、HCONH、p−Me(C6H4)SO2NH、C6H5SO2NHまた
はN3を意味する)で示される化学構造をそれぞれ有す
る。
本発明によるアリルアミン化合物[XVII]の製造方法
は、 一般式 (式中、Arおよび*は上記定義のものと同じ意味を有
し、Yは上記定義の基のうちN3以外のものを意味する) で示される含窒素化合物を塩基で処理するか、または上
記一般式においてYがN3である含窒素化合物[XVI]を
水素化反応に付する方法である。
上記方法に使用する含窒素化合物[XVI]の本発明に
よる製造方法は、 一般式 で示されるアリルアルコール化合物を、一般式R2O2CN=
NCO2R2で示されるジアゾカルボン酸ジアルキルおよび一
般式P(R3(上記各式中、Arおよび*は上記定義の
ものと同じ意味を有し、R2はアルキル基、R3はアリール
基またはアルキル基をそれぞれ意味する)で示される三
級ホスフィン化合物の存在下、一般式YH(Yは上記定義
の基のうちN3以外のものを意味する)で示される化合物
と反応させるか、または(C6H5O)2PON3と反応させる方
法である。
上記方法に使用するアリルアルコール化合物[XV]を
製造するには、 一般式 で示されるエポキシプロパン化合物をリチウムアセチリ
ドと反応させて 一般式 (上記各式中、Arおよび*は上記定義のものと同じ意味
を有する) で示されるエチニルアルコールとし、これを部分還元す
る。
アリルアミン化合物[XVI]からデヒドロピロリジン
化合物[I]を得るにはつぎの方法がとられる。
まず、上記アリルアミン化合物[XVI]を一般式Ar′C
OX1またはAr′CO2COAr′(上記各式中、Ar′は置換また
は無置換のアリール基、X1はハロゲン原子をそれぞれ意
味する)で示されるアミド化試剤で処理して、 一般式 で示されるベンズアミド化合物を製造する。
得られたベンズアミド化合物[XVIII]を臭素、塩化
ヨウ素、ヨウ素、ピリジンのHBr3塩、N−ブロモコハク
酸イミドより成る群から選ばれた環化試剤で処理して、 一般式 で示されるアシルオキシピロリジン化合物を製造する。
得られたアシルオキシピロリジン化合物[XIX]のア
ミノ基を保護試剤で保護して 一般式 で示されるN−置換ピロリジン化合物を得、ついで同化
合物[XX]のアシルオキシ基を加水分解して、 一般式 で示されるヒドロキシピロリジン化合物を製造する。
得られたヒドロキシピロリジン化合物[XXI]は、こ
れを脱水処理することによって、 一般式 (上記各式中、Ar、Ar′および*は上記定義のものと同
じ意味を有し、Zはアミノ基の保護基を意味する) で示される光学活性3,4−デヒドロピロリジン化合物に
導かれ、必要に応じてそのN−保護基を除去することに
よってさらにN−遊離の化合物に導かれる。
ヒドロキシピロリジン化合物[XXI]を脱水して化合
物[I]を得るには、(i)ヒドロキシピロリジン化合
物[XXI]に二硫化炭素ついで一般式R1X2で示される化
合物を反応させて、 一般式 (上記各式中、Ar、Zおよび*は上記定義のものと同じ
意味を有し、R1はアルキル基またはアラルキル基、X2
ハロゲン原子またはスルホニルオキシ基、Y′はOCS2R1
をそれぞれ意味する) で示されるキサンテート化合物を得、ついで同化合物
[XXII]を脱離反応に付する方法、(ii)ヒドロキシピ
ロリジン化合物[XXI]を酸処理する方法、(iii)ヒド
ロキシピロリジン化合物[XXI]の水酸基をハロゲン、
p−トルエンスルホン酸エステル基またはアセチルオキ
シ基で置換し、得られた化合物を脱離反応に付す方法な
どがある。
上記アリルアルコール化合物[XV]の原料である1−
アリール−2,3−エポキシプロパン化合物[X]の製造
方法を反応経路2に示し、また上述した本発明によるヒ
ドロキシピロリジン化合物[XXI]さらには光学活性3,4
−デヒドロピロリジン化合物の製造方法を反応経路3に
示す。
本発明において、上記一般式で示される各化合物の定
義について上記反応経路3の反応順に説明する。
エポキシプロパン化合物[X]のアリール基Arとして
は、フェニル、ナフチル、インドリル、ビフェニルなど
の無置換アリール基、および芳香環にフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン原子や、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチルなどの炭素数1〜4のア
ルキル基、メトキシ、エトキシなどの炭素数1〜4のア
ルコキシ基、ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ
基、シアノ基、トリフルオロメチル基などの置換基を有
するフェニル、ナフチル、インドリル、ビフェニルなど
の置換アリール基が例示される。また、同化合物[X]
の*は光学活性炭素を示す。
アリルアルコール化合物[XV]から含窒素化合物[XV
I]を得る反応で使用するジアゾカルボン酸ジアルキルR
2O2CN=NCO2R2のアルキル基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどの炭素数1〜
4のアルキル基が例示され、三級ホスフィンP(R3)の
R3基としてはフェニルのようなアリール、n−ブチルの
ようなアルキル基が例示される。
アリルアミン化合物[XVI]のアミド化試剤Ar′COX1
またはAr′CO2COAr′におけるアリール基Ar′として
は、フェニル、ナフチルなどの無置換アリール基、およ
び芳香環にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン
原子や、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チルなどの炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ、エト
キシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基、ニ
トロ基、アセチル基、ベンゾイル基などの置換基を有す
るフェニル、ナフチルなどの置換アリール基が例示され
る。また、同アミド化試剤におけるハロゲンX1としては
塩素、臭素などが例示される。
アシルオキシピロリジン化合物[XIX]のアミノ基保
護のためのカルバメート化またはアミド化に使用される
保護試剤としては、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸ベン
ジル、クロロ炭酸t−ブチルなどのクロロ炭酸アルキ
ル、クロロ炭酸アラルキル、ハロゲン化アセチル、無水
酢酸、ハロゲン化ベンゾイル、無水安息香酸などが例示
される。したがって、アミノ基の保護基としてのZは、
ベンジルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニ
ルなどのオキシカルボニル基、アセチル、ベンゾイルな
どのアシル基のように容易に除去可能な置換基である。
キサンテート化合物[XXII]のY′がOCS2R1である場
合、R1としては、メチル、エチルなどのアルキル基、ベ
ンジルなどのアラルキル基が例示される。
つぎに、上記反応経路2および3の各反応の条件につ
いて反応順に説明する。
(A)まず、エポキシプロパン化合物[X]の製造につ
いて上記反応経路2に従って説明する。
反応経路2の出発原料である2,3−エポキシプロパン
誘導体[VIII]において、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素などのハロゲン、またはメタンスルホニルオキシ、
トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホ
ニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、3−ニト
ロベンゼンスルホニルオキシなどのスルホニルオキシ
基、ベンジルオキシ、ジフェニルメチルオキシ、トリチ
ルオキシなどのアラルキルオキシ基、アリルオキシ基な
どの容易に脱離可能な置換基を示す。
まず、2,3−エポキシプロパン誘導体[VIII]を不活
性溶媒中で−100℃〜−10℃の低温下で一価の銅塩0.005
〜2.0モル当量の存在下にアリールリチウムと反応させ
る。不活性溶媒としては、例えばヘキサン、ペンタン、
ヘプタン、トルエンなどの炭化水素、エーテル、テトラ
ヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルな
どのエーテル類あるいはこれらの混合溶媒が使用され
る。銅塩としてはCu2(CN)、Cu2I2などを用いること
ができる。アリールリチウムとしては、先に定義したア
リール基(Ar)を有するものが適宜選択されて使用され
る。通常はリチウムキュープレート試剤を用いる。この
際、(i)化合物[VIII]の置換基Xがハロゲンである
時は、化合物[VIII a]からハロヒドリン[IX a]が得
られ、(i)Xがトルエンスルホニルオキシなどのスル
ホニルオキシ基である時は、化合物[VIII b]からエポ
キシプロパン化合物[X]が得られ、(iii)Xがアラ
ルキルオキシやアリルオキシなどである場合は、化合物
[VIII c]から化合物[IX b]が得られる。
(i)の方法では、ハロヒドリン[IX a]に極性溶媒
中で塩基を反応させるか、あるいは非極性溶媒と上記塩
基の水溶液との二層系で相関移動触媒を用いて化合物
[IX a]と塩基を反応させることによって、上記化合物
[X]を得ることができる。塩基としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムなどが使用され、極性溶媒としては、水、メタノー
ル、アセトン、エーテルなどが使用され、非極性溶媒と
してはヘキサン、エーテル、ジクロロメタンなどが使用
される。
また(iii)の方法では、化合物[IX b]から公知の
方法、例えばパラジウム触媒を用いた水素化分解あるい
はオレフィンの異性化を伴う酸分解により保護基を除
き、化合物[IX b]をジオール[XI]とし、さらにこれ
を本発明者らにより開発された方法、即ち、p−トルエ
ンスルホン酸などの酸触媒存在下ベンズアルデヒドでア
セタール化して化合物[XII]とした後、これを臭素あ
るいはN−ブロモコハク酸イミドを用いてブロモヒドリ
ンのベンゾイルエステル[XIII]とし、さらにこれを塩
基で処理してエポキシプロパン化合物[X]を得ること
ができる(Synthesis,1985,503参照)。ここで塩基とし
ては、やはり水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどが使用される。
(B)つぎに、本発明によるヒドロキシピロリジン化合
物[XXI]の製造について上記反応経路3に従ってさら
に詳しく説明する。
a) まず、反応経路2を経て製造されたエポキシプロ
パン化合物[X]を不活性溶媒中でリチウムアセチリド
と反応させて、エチニルアルコール化合物[XIV]を得
る。リチウムアセチリドとしては市販のリチウムアセチ
リドのエチレンジアミン錯体を用いるか、またはブチル
リチウム、フェニルリチウムなどのリチオ化試剤の不活
性溶媒中にアセチレンガスを導入して調整したものを用
いる。不活性溶媒はエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンなどのエーテル類、トルエン、ヘキサンなどの
炭化水素、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
アミドなどの非プロトン系極性溶媒およびこれらの混合
物から適宜選んで使用する。リチウムアセチリドはエポ
キシプロパン化合物[X]に対して1〜5モル当量用い
られ、同化合物[X]に−70℃〜80℃の温度範囲で反応
させられる。
b) エチニルアルコール化合物[XIV]を部分還元し
てアリルアルコール化合物[XV]を得る。この部分還元
はリンドラー触媒を用い、1〜5気圧の水素雰囲気でア
セトン、メタノール、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸
などの溶媒中で反応を行なうことにより達成できる。
c) アリルアルコール化合物[XV]を光延反応(Mits
unobu,Synthesis,1981,1参照)により、ジアゾカルボン
酸ジアルキル(R2O2CN=NCO2R2)および三級ホスフィン
化合物P(R3の存在下、一般式YHで示される化合物
と反応させて、アリルアルコール化合物[XV]とは立体
配置が反転した含窒素化合物[XVI]を得る。アリルア
ルコール化合物[XV]に反応させられる化合物YHとして
は、上記定義の基Yを有するものが適宜使用される。た
だし、YはN3である含窒素化合物[XVI]を得るにはYH
の代わりに(C6H5O)2PON3を用いる。光延反応は、基質
であるアリルアルコール化合物[XV]に、基質に対して
YHまたは(C6H5O)2PON3、ジアゾカルボン酸ジアルキル
および三級ホスフィンを各々1〜5モル当量反応させる
ことにより達成できる。ここでジアゾカルボン酸ジアル
キルとしては上記定義のアルキル基R2を有するものが適
宜使用され、三級ホスフィンとしては上記定義の基R3
有するものが適宜使用される。反応溶媒としてはエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテルなどのエーテル類を用いること
ができる。反応温度は−78℃〜室温の範囲である。
d) 含窒素化合物[XVI]を水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、ヒドラジンなどの塩基で処理してアリルア
ミン化合物[XVI]とする。ただし含窒素化合物[XVI]
中のYがN3であるときは、パラジウム、白金などを用い
る水素化反応で含窒素化合物[XVI]をアリルアミン化
合物[XVI]とする。
(C)e) こうして得られた本発明のアリルアミン化
合物[XVI]を一般式Ar′COX1またはAr′CO2COAr′(式
中、Ar′は先に定義した意味を有し、X1は塩素、臭素の
ようなハロゲン原子を意味する)で示されるアミド化試
剤と反応させて、ベンズアミド化合物[XVIII]とす
る。
f) ベンズアミド化合物[XVIII]を含水溶媒たとえ
ば水−アセトリニトリル混合溶媒中で環化試剤で処理し
て、C−4位のエピマー混合物としてアシルオキシピロ
リジン化合物[XIX]を得る。環化試剤としては、先に
定義したものから適当なものを選んで使用する。同環化
試剤としてヨウ素を使用する場合には、これをベンズア
ミド化合物[XVIII]に1〜3当量反応させる。
g) アシルオキシピロリジン化合物[XIX]のアシル
オキシ基を直接加水分解すか、または同化合物[XIX]
のアミノ基を塩基の存在下に一般式ZHで示される化合物
と反応させてN−置換ピロリジン化合物[XX]を得た
後、これを加水分解してヒドロキシピロリジン化合物
[XXI]とする。一般式ZHで示される化合物としては、
先に定義したZを有するものが適宜使用される。塩基と
しては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミ
ン、ピリジンなどの有機塩基が適宜使用される。N−置
換ピロリジン化合物[XX]のベンゾイル基の加水分解
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基の存
在下に行なう。
h) ヒドロキシピロリジン化合物[XXI]を脱水処理
してデヒドロピロリジン化合物[I]に導く。ヒドロキ
シピロリジン化合物[XXI]の脱水方法としては、
(i)同化合物[XXI]をキサンテート化合物[XXII]
に変換し、ついで同化合物[XXII]を脱離反応に付する
方法、(ii)ヒドロキシピロリジン化合物[XXI]を硫
酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸などの酸で処理す
る方法、(iii)ヒドロキシピロリジン化合物[XXI]の
水酸基を塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、p−
トルエンスルホン酸エステル基、アセチルオキシ基など
に変換した後、得られた化合物を塩基の存在下に脱離反
応に付する方法などがある。
一例としてキサンテート化合物[XXII]を経由する方
法(i)をさらに詳しく説明する。ヒドロキシピロリジ
ン化合物[XXI]を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などの無機塩基の存在下に二硫化炭素と反応させて、ジ
チオカルボン酸塩とし、これを一般式R1X2(式中、R1
先の定義と同じ意味を有し、X2は塩素、臭素、ヨウ素な
どのハロゲン原子またはp−トルエンスルホニルオキ
シ、ベンゼンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキ
シ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどのスルホ
ニルオキシ基を意味する)で示されるアルキル化もしく
はアラルキル化試剤と反応させて、キサンテート化合物
[XXII]を得る。このキサンテート化合物[XXII]をo
−ジクロルベンゼン、ニトロベンゼン、メジチレン、キ
シレンなどの高沸点溶媒中で加熱還流すると、3,4−デ
ヒドロピロリジン化合物[I](Zは先に定義したもの
のうち水素以外の基)と4,5−デヒドロピロリジン化合
物[XXIII]の混合物が得られる。この反応において例
えばZがベンジルオキシカルボニル基であり、R1がメチ
ル基であるキサンテート化合物[XXII]をo−ジクロル
ベンゼン中で加熱還流すると、化合物[I]と化合物
[XXIII]が6.2:1の混合物として得られる。3,4−デヒ
ドロピロリジン化合物[I]はシリカゲルなどを用いて
クロマトグラフィーで混合物から分離することができ
る。
i) 3,4−デヒドロピロリジン化合物[I]はそれ自
体マニソマイシン合成に有用な中間体であるが、必要に
応じて、アルカリ加水分解、あるいはパラジウムを用い
る水素化分解などそれ自体公知の方法により、3,4−デ
ヒドロピロリジン化合物[I]の保護基Zを除去して、
N−遊離の3,4−デヒドロピロリジン[XXIV]として用
いることもできる。
上記一連の反応によってそれぞれ中間的に得られる化
合物は、通常は単離した後つぎの工程に使用するが、必
ずしも単離を行なわなくてもよい。
[発明の効果] 本発明は以上の通り構成されているので、本書冒頭で
述べた従来法のように中間体がラセミ化しやすく、その
ため最終製品である光学活性化合物の光学純度が低いと
いった問題を生じることなく、高純度の光学活性物質を
製造することができる。また、本発明によって、一般式
[XXI]で示されるヒドロキシピロリジン化合物に属す
る種々の同族体、ひいては一般式[I]で示される3,4
−デヒドロピロリジン化合物に属する種々の同族体を得
ることができる。
[実 施 例] 本発明の技術的特徴を例証するために、以下に実施例
および参考例をいくつか挙げる。ただし、これらは本発
明を限定するものではない。これら実施例および参考例
において、上述説明でローマ数字[I]〜[XXIV]で示
した化合物群にそれぞれ属する具体的化合物を、上記ロ
ーマ数字に対応するアラビア数字[1]〜[24]で示
す。また、割合を示す%はすべて重量%を示す。
まず、本発明方法の出発原料[XV]の1つであるR−
(−)−アリルアルコール[15]の合成について参考例
として説明する。
参考例1 R−1−ベンジルオキシ−2,3−エポキシプロパン[8
c]からのS−(+)−1−(4−メトキシフェニル)
−2,3−エポキシプロパン[10]の合成 4−ブロモアニソール3.03ml(24.2mM)のテトラヒド
ロフラン10ml溶液をアルゴン気流下−78℃に冷却し、n
−ブチルリチウム15%ヘキサン溶液14.8ml(23.0mM)を
滴下し、混合液を30分撹拌し、反応を遂行させた。この
反応液を−78℃でシアン化第一銅1.03g(11.5mM)のテ
トラヒドロフラン10ml懸濁液にキャヌラを用いて加え、
同温度でさらに30分間撹拌を行なった。こうしてリチウ
ムキュープレート試剤の懸濁液を調製した。
別途に、特開昭61−132196号公報記載の方法によって
得られた光学純度の高いR−(1)−エピクロルヒドリ
ン[8a]を原料として光学純度の高いR−(−)−1−
ベンジルオキシ−2,3−エポキシプロパン[8c](96%e
e)を合成した。
上記リチウムキュープレート試剤の懸濁液に、−78℃
でR−(−)−ベンジルオキシ−2,3−エポキシプロパ
ン[8c]1.20g(7.3mM)のテトラヒドロフラン溶液を滴
下し、混合液を3時間同温度で撹拌した後、さらに−25
℃で1時間撹拌した。反応液に飽和食塩水20mlおよびエ
ーテル100mlを加えて抽出を行ない、エーテル層を飽和
食塩水20mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル12
0gでカラムクロマトグラフィーに付し、エーテル:ヘキ
サン=1:2の溶媒によるフラクションより無色油状のS
−(+)−アルコール[9b]1.97g(収率98%)を得
た。
[α]23 D:+7.0(C=3.11,MeOH) NMR(CDCl3)δ:1.80(1H,d,J=4.5Hz,D2Oで消失),
2.75(2H,d,6.3Hz),3.20−3.60(2H,m),3.80(3H,
s),3.90−4.10(1H,m),4.55(2H,s),6.70−7.20(4
H,m),7.33(5H,s) IR(neat)cm-1:3450,1620,1520,1240 MS m/e:273(M+1),121(100%)。
S−(+)−アルコール[9b]1.75g(6.45mM)のメ
タノール30ml溶液に活性炭に担持した20%水酸化パラジ
ウム50mgを加え、同溶液を水素ガス1気圧雰囲気下で16
時間撹拌した。反応液をセライト濾過した後、減圧下で
溶媒を留去し、S−ジオール[11]1.19g(収率99%)
を得た。これをエタノール+ヘキサンの混合液で再結晶
して、板状晶を得た。
mp:74−75℃ NMR(CDCl3)δ:2.30(2H,br s,D2Oで消失),2.65(2
H,d,J=6.4Hz),3.25−4.0(3H,m),3.70(3H,s),6.80
(2H,d,J=8.6Hz),7.10(2H,d,J=8.6Hz) IR(neat)cm-1:3400,1610,1510,1240,1130 MS m/e:182(M+)、121(100%)。
S−ジオール[11]1.17g(6.4mM)のベンゼン溶液10
mlにベンズアルデヒド0.65ml(6.4mM)およびp−トル
エンスルホン酸水和物30mg(2M%)を加え、反応器にデ
ィーン・スターク装置を取り付けて5時間加熱還流を行
なった。反応液にエーテル50mlを加えて抽出を行ない、
エーテル層を飽和重曹水20mlおよび飽和食塩水20mlで順
次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ついで減
圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲル70gでカ
ラムクロマトグラフィーに付し、エーテル:ヘキサン=
1:10の溶媒によるフラクションよりアセタール[12]1.
65g(収率95.5%)を得た。
NMR(CDCl3)δ:2.65−3.25(2H,m),3.75(3H,s),
3.60−4.60(3H,m),5.70(0.6H,s),5.95(0.4H,s),
6.80(2H,d,J=8.6Hz),7.10(2H,d,J=8.6Hz),7.30−
7.50(5H,m) IR(neat)cm-1:1620,1520,1250 MS m/e:270(M+)、149(100%)。
アセタール[12]1.31g(4.85mM)の四塩化炭素15ml
溶液にN−ブロモコハク酸イミド917mg(5.01mM)を加
え、室温で20時間撹拌を行なった。生じた沈澱物をセラ
イト濾過し、濾液を飽和重曹水10mlおよび飽和食塩水10
mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。つ
いで溶媒を減圧下に留去し、黄色の油状物としてS−ブ
ロモベンゾエート[13]1.87gの粗生成物を得た。
この粗生成物をメタノール10ml溶液とし、これに炭酸
カリウム850mg(6.15mM)を加え、5時間室温で撹拌を
行なって、溶媒の大部分を減圧下で留去した。この残留
物にエーテル30mlを加えて抽出を行ない、エーテル層を
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。ついで減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲル50
gでカラムクロマトグラフィーに付し、エーテル:ヘキ
サン=1:9の溶媒によるフラクションよりS−(+)−
1−(4−メトキシフェンル)−2,3−エポキシプロパ
ン[10]546mg(収率81.2%)を得た。
[α]28 D:+1.0゜ (C=1.0,CHCl3) NMR(CDCl3)δ:2.50(1H,d,d,J=2.44,4.88Hz),2.7
0−2.85(2H,m),3.0−3.20(1H,m),3.80(3H,s),6.8
0(2H,d,J=8.55Hz),7.10(2H,d,8.55Hz) IR(neat)cm-1:1610,1515,1240 MS m/e:164(M+)、121(100%)。
参考例2 S−(+)−エピクロヒドリン[8a]からの[10]の合
4−ブロモアニソール1.25ml(10mM)のテトラヒドロ
フラン5ml溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチル
リチウム15%ヘキサン溶液6.1ml(9.5mM)を滴下し、20
分撹拌を行なった。得られた淡黄色溶液を−78℃でシア
ン化第一銅488mg(5mM)のテトラヒドロフラン10ml懸濁
液にキャヌラを用いて加え、混合液を同温度で30分撹拌
した後、−45℃で20分撹拌した。こうしてリチウムキュ
ープレート試剤の懸濁液を調製した。
この懸濁液に特開昭62−6697号公報記載の方法で得ら
れた光学純度の高いS−(+)−エピクロルヒドリン
[8a]463mg(5mM)のテトラヒドロフラン溶液を滴下
し、同溶液を室温に戻した後、2.5時間撹拌した。つい
で飽和塩化アンモニウム水溶液10mlおよびエーテル30ml
を加えて抽出を行ない、エーテル層を飽和重曹水10mlお
よび飽和食塩水10mlで順次洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。
減圧下で溶媒を留去し、粗S−(+)−クロルヒドリ
ン[9a]1.36gを得た。これをテトラヒドロフラン15ml
に溶解し、粉末状水酸化ナトリウム600mg(15mM)を加
え、溶液を11時間室温で撹拌した。ついでエーテル150m
lを加えて抽出を行ない、エーテル層を飽和食塩水で洗
浄液が中性になるまで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧下で溶媒を留去した後、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、エーテル:ヘキサン
=1:10の溶媒によるフラクションよりS−(+)−1−
(4−メトキシフェニル)−2,3−エポキシプロパン[1
0]609mg(収率74%)を得た。
参考例3 S−(+)−1−(4−メトキシフェニル)−2,3−
エポキシプロパン[10]610mg(3.72mM)のジメチルス
ルホキシド5ml溶液に90w/w%のリチウムアセチリド・エ
チレンジアミン錯体520mg(5.1mM)を徐々に加えた後、
混合液を1時間室温で撹拌した。
飽和食塩水3mlを注意深く加えた後、エーテル50mlを
加えて抽出を行ない、エーテル層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を
留去した。得られた残渣をシリカゲル35gでカラムクロ
マトグラフィーに付し、エーテル:ヘキサン=1:3溶媒
によるフラクションよりR−(+)−エチニルアルコー
ル[14]578mg(収率82%)を得た。
[α]23 D:+3.84゜ (C=1.04,CHCl3) NMR(CDCl3)δ:2.00(1H,br s),2.05(1H,t,J=2.6
Hz),2.35(2H,dd,J=2.44,5.4Hz),2.80(2H,m),3.80
(3H,s),3.80−4.10(1H,m),6.80(2H,d,J=8.5Hz),
7.10(2H,d,J=8.55Hz) IR(neat)cm-1:3450,3300,2150,1615,1515 MS m/e:190(M+),121(100%)。
参考例4 R−(+)−エチニルアルコール[14]405mg(2.13m
M)の酢酸エチル10ml溶液にリンドラー触媒(鉛で被毒
された5%パラジウム−炭酸カルシウム)6mgを加え、
混合物を水素雰囲気下室温で1時間撹拌した。反応液を
セライト濾過し、濾液を減圧下溶媒留去し、残渣をシリ
カゲル12gでカラムクロマトグラフィーに付し、エーテ
ル:ヘキサン=1:3の溶媒によるフラクションよりR−
(−)−アリルアルコール[15]383mg(94%)を得
た。
[α]22 D:−11.1゜ (C=1.06,CHCl3) NMR(CDCl3)δ:1.65(1H,br s),2.0−2.40(2H,
m),2.45−2.90(2H,m),3.80(3H,s),3.70−4.00(1
H,m),5.00−5.30(2H,m),5.60−6.10(1H,m),6.80
(2H,d,J=8.55Hz),7.10(2H,d,J=8.55Hz) IR(neat)cm-1:3400,1610,1520,1240 MS m/e:192(M+),121(100%)。
つぎに本発明の実施例を示す。
実施例1 R−(−)−アリルアルコール[15]2.03g(10.6m
M)、トリフェニルフォスフィン3.33g(12.7mM)および
フタルイミド1.87g(12.7mM)のテトラヒドロフラン溶
液の混合物を−20℃に冷却し、この混合物に撹拌下ジイ
ソプロピルアゾジカルボン酸エステル2.5ml(12.7mM)
を20分かけて滴下し、さらに同温で12時間撹拌を行なっ
た。反応液を室温に戻し、シリカゲル20gを加え、減圧
下溶媒を留去した。残った粉状残渣をシリカゲル100gで
カラムクロマトグラフィーに付し、エーテル:ヘキサン
=1:7の溶媒によるフラクションより無色油状物として
アリルアミンのフタルイミド誘導体S−(+)−[16]
2.89g(収率85%)を得た。
[α]26 D:+147.7゜ (C=1.01,CHCl3) NMR(CDCl3)δ:2.40−3.50(4H,m),3.71(3H,m),
4.30−4.70(1H,m),4.70−5.15(2H,m),5.50−6.00
(1H,m),6.80(2H,d,J=8.55Hz),7.10(2H,d,J=8.55
Hz),7.55−7.80(4H,m) IR(neat)cm-1:1780,1710,1620,1520,1400 MS m/e:321(M+),174(100%)。
実施例2 アリルアミンのフタルイミド誘導体S−(+)−[1
6]2.83g(8.8mM)のエタノール100ml溶液にヒドラジン
の一水和物0.66g(13.2mM)を加え、5時間加熱還流を
行なった。溶媒を減圧下に留去し、クロロホルムを加
え、セライトで濾過し、濾液を減圧下に溶媒留去し、ク
ーゲロールで蒸留して無色油状のS−(+)−アリルア
ミン[17]1.57g(収率93%)を得た。
bp:140℃/0.8mmHg [α]26 D:+23.1゜ (C=1.07,CHCl3) NMR(CDCl3)δ:1.50(2H,br s),1.80−3.15(5H,
m),3.80(3H,s),5.00−5.20(2H,m),5.60−6.10(1
H,m),6.80(2H,d,J=8.55Hz),7.10(2H,d,J=8.55H
z)。
参考例5 S−(+)−アリルアミン[17]500mg(2.62mM)の
ジクロルメタン10ml溶液に0℃でトリエチルアミン0.44
ml(3.1mM)および塩化ベンゾイル0.34ml(2.88mM)を
加え、1時間撹拌を行なった。反応液を室温に戻した
後、ジクロルメタン10mlを加え、有機層を水および飽和
食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧下に留去し、S−(−)−ベンズアミド
[18]880mgを無色針状晶として得た。エタノール+ヘ
キサンの混合液で再結晶を行なって純粋なS−[18]80
0mg(収率94%)を得た。
mp:110−112℃ [α]22 D:−6.66゜ (C=0.36,CHCl3) NMR(CDCl3)δ:2.10−2.50(2H,m),2.90(2H,d,J=
6.6Hz),3.79(3H,s),4.20−4.60(1H,m),5.00−5.20
(2H,m),5.60−6.15(2H,m),6.80(2H,d,J=8.55H
z),7.10(2H,d,J=8.55Hz),7.35−7.55(3H,m),7.60
−7.80(2H,m) IR(neat)cm-1:3310,2920,1630。
参考例6 S−(−)−ベンズアミド[18]120mg(0.41mM)の
アセトニトリル:水=1:1(v/v)6ml溶液にヨウ素310mg
(1.23mM)を加え、室温で3日間撹拌を行なった。反応
液に飽和重曹水および5%亜硫酸ナトリウム水溶液5ml
を加え、ヨウ素の色が消えたのを確認した後、ジクロル
メタン20mlを加えて抽出を行なった。有機層を飽和食塩
水で洗浄した後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下
溶媒を留去し、残渣をシリカゲル5gでカラムクロマトグ
ラフィーに付し、メタノール:クロロホルム=3:97の溶
媒によるフラクションより2−メトキシフェニルメチル
−4−ベンゾイルオキシピロリジン[19]114mg(収率9
0%)を得た。
NMR(CDCl3)δ:1.502.55(3H,m,1HはD2Oで消失),2.
80(2H,t,J=7.1Hz),2.90−3.70(3H,m),5.30−5.60
(1H,m),6.80(2H,d,J=8.55Hz),7.10(2H,d,J=8.55
Hz),7.30−7.70(3H,m),7.90−8.10(2H,m) IR(neat)cm-1:3350,1710,1270,1240。
参考例7 ピロリジン[19]390mg(1.25mM)のジクロルメタン5
ml溶液に0℃でトリエチルアミン0.27ml(1.63mM),ク
ロロ炭酸ベンジル0.21ml(1.5mM)を加え、室温で12時
間撹拌を行なった。減圧下大部分の溶媒を留去した後、
残渣にエーテル50mlを加えて抽出を行ない、エーテル層
を飽和重曹水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去し、カル
バメートすなわち2−メトキシフェニルメチル−4−ベ
ンゾイルオキシ−N−ベンジルオキシカルボニルピロリ
ジン[20]628mgを粗生成物として得た。
参考例8 上記カルバメート[20]628mgの粗生成物をメタノー
ル10mlに溶かし、炭酸カリウム190mg(1.38mM)を加
え、室温で2時間撹拌を行なった。ついで、減圧下で大
部分の溶媒を留去し、エーテル30mlを加えて抽出を行な
った。エーテル層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、残渣をシ
リカゲル12gでカラムクロマトグラフィーに付し、エー
テル:ヘキサン=4:1の溶媒によるフラクションよりヒ
ドロキシカルバメートすなわち2−メトキシフェニルメ
チル−4−ヒドロキシ−N−ベンジルオキシカルボニル
ピロリジン[21]388mg(収率91%)を得た。
NMR(CDCl3)δ:1.60−2.00(4H,m),2.50−3.70(4
H,m),3.80(3H,s),3.90−4.50(2H,m),5.20(2H,br
s),6.80(2H,m),7.10(2H,br d),7.35(5H,s) IR(neat):3400,1690,1515cm-1
参考例9 ヒドロキシカルバメート[21]148mg(0.43mM)のベ
ンゼン3ml溶液にテトラブチルアンモニウムハイドロゲ
ンサルファート148mg(0.43mM)および二硫化炭素34ml
(0.56mM)を加え、10分間撹拌後、50%水酸化ナトリウ
ム水溶液1mlを加え、25分室温で撹拌を続けた。こうし
てジチオカルボン酸塩を生成せしめた後、ヨードメタン
33ml(0.52mM)を加え、3時間激しく撹拌を行なった。
反応液にエーテル30mlを加えて抽出を行ない、エーテル
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣190mgをシリ
カゲル8gでカラムクロマトグラフィーに付し、エーテ
ル:ヘキサン=1:2の溶媒によるフラクションよりキサ
ンテート[22]182mg(収率90%)を得た。
NMR(CDCl3)δ:2.0−2.30(2H,m),2.50(2H,s),2.
65(1H,s),2.65−3.50(4H,m),3.80(3H,s),4.00−
4.45(1H,m),5.20(2H,m),5.60−5.80(0.66H,m),5.
80−6.10(0.33H,m),5.70−7.20(4H,m),7.40(5H,
s) IR(neat)cm-1:1700,1605,1520,1410,1250,1200,110
0。
参考例10 キサンテート[22]123mg(0.26mM)の0−ジクロル
ベンゼン10ml溶液を200℃で1.5時間加熱した。ついで、
減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、エーテル:ヘキサン=1:7の溶媒に
よるフラクションよりR−(−)−2−メトキシフェニ
ルメチル−N−ベンジルオキシカルボニル−3,4−デヒ
ドロピロリジン[1]59.5mg(86%)を得た。
mp:49−50℃(エーテル+ヘキサンの混合液より再結
晶) [α]26 D:−190.4゜ (C=1.0,CHCl3) NMR(CDCl3)δ:2.60−3.30(2H,m),3.77(3H,s),
3.60−3.90(2H,m),4.05−4.30(1H,m),4.60−4.90
(1H,m),5.20(2H,m),5.70(2H,m),6.75−7.10(4H,
m),7.40(5H,s) IR(neat)cm-1:1700,1600,1510,1410 MS m/e:323(M+),121(100%)。
参考例11 R−(−)−N−ベンジルオキシカルボニル−3,4−
デヒドロピロリジン[1]117mg(0.36mM)のエチレン
グリコール3ml溶液に水酸化ナトリウム1.0g(25mM)を
加え、120℃で14時間加熱撹拌を行なった。塩化メチレ
ンを加えて抽出を行ない、有機層を飽和食塩水で洗浄し
た後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下
で留去し、残渣をシリカゲル5gでカラムクロマトグラフ
ィーに付し、メタノール:クロロホルム=5:95の溶媒に
よるフラクションよりR−(−)−2−メトキシフェニ
ルメチル−3,4−デヒドロピロリジン[24]72mg(収率8
9%)を得た。
[α]24 D:−101.2゜(C=1.44,テトラヒドロフラ
ン),文献値[α]D:−89.3゜(C=1.26,テトラヒド
ロフラン)(前掲のTetrahedron Lett.,29,4419,1988) NMR(CDCl3)δ:2.15(1H,br s,D2Oで消失),2.44(2
H,d,J=6.8Hz),2.60−2.95(2H,m),3.79(2H,s),4.0
0−4.35(1H,m),5.65−5.95(2H,m),6.80(2H,d,J=
8.55Hz),7.10(2H,d,J=8.55Hz) IR(neat)cm-1:33
00,1610,1515,1240,1180。
NMRおよびIRの各スペクトル値は文献値と一致した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 271/16 C07C 271/16 311/16 311/16 C07D 207/12 C07D 207/12 207/20 207/20 209/48 209/48 (56)参考文献 特公 昭41−11335(JP,B1) 米国特許4667038(US,A) J.Med.Chem.,13(5) (1970)p.814−819 J.Med.Chem.,11(3) (1968)p.534−541 J.Organometallic Chem.,285(1985)p.437−447 Synthesis,(2)(Fe b.1987)p.139−141 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 1/00 - 409/44 C07D 209/48 C07D 207/12 C07D 207/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 で示されるアリルアルコール化合物を、一般式R2O2CN=
    NCO2R2で示されるジアゾカルボン酸ジアルキルおよび一
    般式P(R3で示される三級ホスフィン化合物(上記
    式中、Arは置換または無置換のアリール基、*は光学活
    性炭素、R2はアルキル基、R3はアリール基またはアルキ
    ル基をそれぞれ意味する)の存在下、一般式YH(YはNH
    CO2t−Bu、NHCO2Bn(Bnはベンジル基を意味する)、BnO
    NCO2Bn、o−C6H4(CO)2N、NC(C6H4、HCONH、p
    −Me(C6H4)SO2NHまたはC6H5SO2NHを意味する)で示さ
    れる化合物と反応させるか、または(C6H5O)2PON3と反
    応させ、 一般式 (式中、Arおよび*は式[XV]のものと同じ意味を有
    し、YはNHCO2t−Bu、NHCO2Bn(Bnはベンジル基を意味
    する)、BnONCO2Bn、o−C6H4(CO)2N、NC(C
    6H4、HCONH、p−Me(C6H4)SO2NH、C6H5SO2NHまた
    はN3を意味する) で示される含窒素化合物を得ることを特徴とする含窒素
    化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式 で示されるアリルアルコール化合物を、一般式R2O2CN=
    NCO2R2で示されるジアゾカルボン酸ジアルキルおよび一
    般式P(R3で示される三級ホスフィン化合物(上記
    式中、Arは置換または無置換のアリール基、*は光学活
    性炭素、R2はアルキル基、R3はアリール基またはアルキ
    ル基をそれぞれ意味する)の存在下、一般式YH(YはNH
    CO2t−Bu、NHCO2Bn(Bnはベンジル基を意味する)、BnO
    NCO2Bn、o−C6H4(CO)2N、NC(C6H4、HCONH、p
    −Me(C6H4)SO2NHまたはC6H5SO2NHを意味する)で示さ
    れる化合物と反応させるか、または(C6H5O)2PON3と反
    応させ、 一般式 (式中、Arおよび*は式[XV]のものと同じ意味を有
    し、YはNHCO2t−Bu、NHCO2Bn(Bnはベンジル基を意味
    する)、BnONCO2Bn、o−C6H4(CO)2N、NC(C
    6H4、HCONH、p−Me(C6H4)SO2NH、C6H5SO2NHまた
    はN3を意味する) で示される含窒素化合物を得、該含窒素化合物を塩基で
    処理するか、または上記一般式においてYがN3である含
    窒素化合物[XVI]を水素化反応に付し、 一般式 (式中、Arおよび*は式[XVI]のものと同じ意味を有
    する) で示されるアリルアミン化合物を得ることを特徴とする
    アリルアミン化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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J.Med.Chem.,11(3)(1968)p.534−541
J.Med.Chem.,13(5)(1970)p.814−819
J.Organometallic Chem.,285(1985)p.437−447
Synthesis,(2)(Feb.1987)p.139−141

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JPH03115251A (ja) 1991-05-16

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