JPH06115472A - スクータ型車両の荷物収納室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】物品収納室の防水処理の必要がなく、部品点数
の削減および組立性の向上を図り、外観の向上を図るこ
とができるスクータ型車両の荷物収納室を提供すること
にある。 【構成】このスクータ型車両の荷物収納室は、シート１
５の下部に物品収納室２０を有するスクータ型車両にお
いて、車体の両側をカバーするフレームアッパカバー６
の上端縁から内側部に、抜勾配をもってフレームアッパ
カバー６と一体に上部が開放された収納室部１２を形成
し、この収納室部１２をモノコックボディ３の箱形部９
内に嵌合して物品収納室２０を形成するようにしたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はスクータ型車両の荷物
収納室に関する。

【０００２】

【従来の技術】スクータ型車両では、シートの下部にヘ
ルメット等を収納するための物品収納室が設けられるも
のがある。一方、最近では、車体フレームを鋼板溶接製
のモノコックボディ構造とし、モノコックボディに箱状
の収納室を形成してその内面に内装材を張って物品収納
室とするようにしたものが多くみられるようになってい
る。

【０００３】従来の物品収納室は、物品収納室内を防水
するためフレームの溶接継目箇所にシール材を塗布した
り、モノコックボディの物品収納室上端とフレームアッ
パカバーの上端との防水を図るためのモノコックボディ
側の上端にフランジを形成し、フランジ部に防水材を取
り付けてフレームアッパカバーとの間における隙間が生
じないようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スクータ型車両ではいずれもモノコックボディとフレー
ムアッパカバーとの間に防水対策を施さなければならな
いため、それに要する資材および部品点数が多く必要と
なると共に組立時の作業が多く、コストアップの要因と
なっており、また防水材やパッキン類が外部から見えて
車体の外観を著しく損うという問題点がある。

【０００５】この発明は、上述した事情を考慮してなさ
れたもので、ヘルメット等を収納する物品収納室の防水
処理の必要がなく、部品点数の削減および組立性の向上
を図り、外観の向上を図ることができるスクータ型車両
の荷物収納室を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明に係るスクータ型車両の荷物収納室は、シ
ートの下部にヘルメット等を収納する物品収納室を備え
るスクータ型車両において、車体の両側をカバーするフ
レームアッパカバーの上端縁から内側部に、抜勾配をも
ってフレームアッパカバーと一体に上部が開放された収
納室部を形成し、この収納室部をモノコックボディの箱
形部内に嵌合して物品収納室を形成するようにしたもの
である。

【０００７】

【作用】上記構成により、フレームアッパカバーの上端
部と収納室部とは一体に連なって形成されているので、
フレームアッパカバーの上端と収納室部の上端とのシー
ル、および物品収納室内のシールを施さずとも防水性を
有し、水の浸入がない。またフレームアッパカバーの組
付と同時に物品収納室が形成されるので、防水処理作業
やその防水用資材が不要となり、部品点数の大幅な削減
と作業工程の減少が図られる。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
して説明する。

【０００９】図１はこの発明を適用したスクータ型車両
の車体後方部を示し、図２は上記スクータ型車両に採用
される車体フレーム１を示す。この車体フレーム１はダ
ウンフレーム２を備えると共にダウンフレーム２より後
上方部に鋼板溶接製のモノコックボディ３を備えてい
る。

【００１０】車体フレーム１のモノコックボディ３部を
含むスクータ型車両の車体後部は図１に示すように、左
右に対をなすフレームロアカバ５とフレームアッパカバ
ー６により覆われ、このフレームロアカバー５とフレー
ムアッパカバー６によりスクータ型車両の車体後部の外
観が構成される。フレームロアカバー５はレッグシール
ド７のレッグリアシールド８の両側方下部に沿って前方
に延び、図示しないレッグフロントシールドあるいはフ
ロントカバーとほぼ面一となるように装着される。フレ
ームアッパカバー６はレッグリアシールド８の後方立上
部と面一となるように形成され、このレッグリアシール
ド８から後上方に延設される。フレームアッパカバー６
は左右が対をなすように構成しても、左右一体の構成と
してもよい。

【００１１】フレームアッパカバー６は樹脂により成形
されるもので、図３および図４に示すようにモノコック
ボディ３の両側上半部から後部上面をカバーし、モノコ
ックボディ３の箱形部９の上面対応部分は開放され、後
部上面はフューエルタンクやオイルタンクの給油口１０
が臨む箇所にフューエルリッド１１が設けられて開閉可
能とされている。

【００１２】この発明では、図５に示すようにフレーム
アッパカバー６の開口部上端か内側部に抜勾配を有して
箱形の収納室部１２がフレームアッパカバー６と一体に
形成されており、この収納室部１２はモノコックボディ
３の箱形部９の内部に丁度嵌合する大きさとされ、その
とき収納室部１２の底面１２ａはモノコックボディ３の
箱形部９の底面９ａ上に、また箱形部９の側壁９ｂ，９
ｂの上端はフレームアッパカバー６の上端部６ａ，６ａ
の下面に当接して置かれる。このフレームアッパカバー
６の上端部にはシート１５の下面に密着するため防水モ
ール１６を取り付けるための突部１７，１７が設けられ
ている。

【００１３】モノコックボディ３の箱形部１２およびフ
レームアッパカバー６の収納室部１２の底面１２ａ，９
ａの形状は、図４に示すようにヘルメット１８を収納す
るに適するようやや前傾した傾斜状に形成されている。
図４において１９はシートロックを示す。

【００１４】したがって、フレームアッパカバー６の上
端と収納室部１２とは成形により一体に連なっているの
で、フレームアッパカバー６の上端と収納室部１２の上
端とのシール（防水対策）や、モノコックボディ３の箱
形部９のシールを施さずとも防水性を有する構造となっ
て水の侵入のない物品収納室２０となる。

【００１５】またフレームアッパカバー６の組付と同時
に物品収納室２０が形成されるため、防水処理作業やそ
の防水用資材が不要となり、部品点数の削減に加え作業
工程の減少を図ることができる。

【００１６】さらに、シート１５には、図６および図７
に示すように、物品収納室２０の頂部の周縁に沿って設
けられた防水モール１６と液密に係合する係合部２１が
形成される。係合部２１はシート１５の下面に、周方向
に沿って延設され、この係合部２１が防水モール１６と
係合することにより、物品収納室２０内に液密に保持さ
れ、雨水等の侵入が防止される。

【００１７】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、フレー
ムアッパカバーと収納室部が一体成形されているので部
品点数が少なくできると共にシール対策が減少し、組立
工程も簡略化されて大幅なコストダウンを達成すること
ができる。また車体のシート後部から中央部にかけて部
品の合せ部がなくなるので隙間の発生がなく、シートを
開けたときの外観もよくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明を適用したスクータ型車両の車体後方
部の斜視図。

【図２】図１のスクータ型車両に用いられる車体フレー
ムを示す図。

【図３】スクータ型車両のフレームアッパカバーとモノ
コックボディの箱形部との取付関係を示す側面図。

【図４】図１の物品収納室部分の縦断面図。

【図５】図１の物品収納室部分を示す横断面図。

【図６】スクータ型車両の物品収納室を覆うシートを示
す側面図。

【図７】図６に示すシートの底面図。

【符号の説明】

１ 車体フレーム ２ ダウンフレーム ３ モノコックボディ ５ フレームロアカバー ６ フレームアッパカバー ７ レッグシールド ８ レッグリアシールド ９ 箱形部 １１ フューエルリッド １２ 収納室部 １５ シート １６ 防水モール １７ 突部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートの下部にヘルメット等を収納する
   物品収納室を備えるスクータ型車両において、車体の両
   側をカバーするフレームアッパカバーの上端縁から内側
   部に、抜勾配をもってフレームアッパカバーと一体に上
   部が開放された収納室部を形成し、この収納室部をモノ
   コックボディの箱形部内に嵌合して物品収納室を形成す
   るようにしたことを特徴とするスクータ型車両の荷物収
   納室。