JPH0611290Y2 - 片持スラブの主筋保持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、片持スラブの主筋保持具に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

片持スラブの主筋（上端主筋）を所定位置に保持する手
段として、当該主筋の基端側を梁主筋に番線により結束
することが従来一般に行われている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の従来技術においては、配筋作業者の技能レベルに
より、配筋精度がまちまちで信頼性に乏しい。また、万
が一、結束不良により主筋位置が下がったままで片持ス
ラブのコンクリートが打設されてしまった場合、重大な
結果を招く虞れがある。

上記従来例の問題点に鑑み、本考案は、熟練工でなくて
も、簡単に精度良く作業できる簡単な構成の主筋保持具
を提供せんとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による片持スラブの主筋保持具は、硬鋼線を曲げ
加工して成り、受け筋を支持する略Ｖ字状に屈曲した支
持部の一端に、当該支持部と同一平面内において逆Ｕ字
状に屈曲し、梁主筋に対して上方から係合する第１屈曲
部を設け、他端には、当該支持部と直角な平面内におい
て逆Ｕ字状に屈曲し、片持スラブの主筋に対して上方か
ら係合する第２屈曲部を設けてあることを特徴とするも
のである。

〔作用〕

上記の主筋保持具によれば、次のようにして、片持スラ
ブの主筋の基端側を梁主筋に固定することができる。即
ち、主筋保持具の第１屈曲部を梁主筋に上方から係合さ
せ、かつ、片持スラブの主筋が載置された受け筋を支持
部に支持させた状態で、主筋保持具の第２屈曲部側をそ
の弾性復元力に抗して梁主筋周りに回転させるように弾
性変形させ、この状態で、第２屈曲部を受け筋上にある
片持スラブの主筋に上方から係合させるのである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示す。図におい
て、Ａは片持スラブの主筋保持具を示し、Ｂは片持スラ
ブ、Ｃは梁、１は片持スラブＢの主筋、２は配力筋、３
は梁主筋、４はスターラップ、５は前記主筋１の受け筋
である。

前記主筋保持具Ａは、硬鋼線を所定形状に折曲加工した
後、熱処理したものであって、受け筋５を支持する略Ｖ
字状に屈曲した支持部6cの一端に、当該支持部6cと同一
平面内において逆Ｕ字状に屈曲し、梁主筋３に対して上
方から係合する第１屈曲部6aを設け、他端には、当該支
持部6cと直角な平面内において逆Ｕ字状に屈曲し、片持
スラブＢの主筋１に対して上方から係合する第２屈曲部
6bを設けて構成したものである。

上記の主筋保持具Ａを使用すれば、次のようにして、主
筋１の基端側を所定位置に精度良く保持できる。

先ず、第１屈曲部6aを梁主筋３に係止させて、主筋保持
具Ａを梁主筋３に吊り下げておく。

次に、受け筋５を、主筋１の基端側が梁主筋３の下面に
当接する位置まで持ち上げると共に、主筋保持具Ａを、
梁主筋３周りに上方へ回転させる。

この状態で支持部6cの自由端側、つまり第２屈曲部6b側
を、支持部6cの弾性復元力に抗して、さらに上方へ持ち
上げ、第２屈曲部6bを、受け筋５上にある主筋１に上方
から係止させるのである。

〔考案の効果〕

本考案による主筋保持具は上述した構成によりなるか
ら、この主筋保持具を使用することにより、第１屈曲部
を梁主筋に係止させ、支持部で受け筋を支持した状態
で、第２屈曲部側をその弾性復元力に抗して梁主筋周り
に弾性変形させて、第２屈曲部を受け筋上にある片持ス
ラブの主筋に係止させるといった簡単な作業により、主
筋を所定位置に固定でき、熟練工でなくても簡単に且つ
精度良く配筋作業できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、第１図は
縦断側面図、第２図は斜視図、第３図は正面図である。 Ａ……主筋保持具、１……片持スラブの主筋、３……梁
主筋、５……受け筋、6a……第１屈曲部、6b……第２屈
曲部、6c……支持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】硬鋼線を曲げ加工して成り、受け筋を支持
   する略Ｖ字状に屈曲した支持部6cの一端に、当該支持部
   6cと同一平面内において逆Ｕ字状に屈曲し、梁主筋に対
   して上方から係合する第１屈曲部6aを設け、他端には、
   当該支持部6cと直角な平面内において逆Ｕ字状に屈曲
   し、片持スラブの主筋に対して上方から係合する第２屈
   曲部6bを設けてあることを特徴とする片持スラブの主筋
   保持具。