JPH0610894Y2 - リフィールケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンパクトケースに収納される化粧料の交換
用中皿を収納するリフィールケースに関するものであ
り、更に詳しく言えば、リフィールケースに収納された
状態でも化粧料を使用できるようにした考案である。

〔従来の技術〕

従来より、白粉、ファンデーション等を収納するコンパ
クトケースは、化粧料を使いきってしまった際など、新
たに化粧料を交換できるよう、化粧料を交換用中皿に充
填してリフィール化したリフィール機構を設けていた。
また近頃では、使用者がコンパクトケースと化粧料を選
び、組み合わせる事のできるよう、化粧料の収納されて
いないコンパクトケースと、化粧料が収容されたリフィ
ールケースとが別個に販売されている場合もあった。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、このリフィールケースは紙や発泡シートで成形
され、多くは交換用中皿をコンパクトケースに装着した
時点で捨てられてしまうものであった。また、強度的に
も弱く、取り扱いにも注意を必要としていた。従って、
リフィールケース単体では使用する事ができず、交換用
中皿とコンパクトケースを合わせて購入しなければなら
ず、不経済であった。

また現在ではＴＰＯに応じてコンパクトケースに収納す
る化粧料の色を替えるため、使用途中の中皿を保管して
おくケースも望まれていた。

〔課題を解決する為の手段〕

化粧料２を充填した交換用中皿１は、上端外周壁にフラ
ンジ部４を突設する。このフランジ部４の一端には、あ
る程度の弾性を有した切片５を連設する。この切片５の
先端は、パイプ状にカールさせて装着部８を構成する。
この交換用中皿１は、装着部８、若しくは切片５の弾性
を利用してコンパクトケース３２に取り外し可能に装着
される。

ケース１１は、上面に交換用中皿１が納置される凹所１
３を刻設する。この凹所１３の側面には、前記装着部８
が突入し側壁に当接する装着孔１５を刻設する。更にこ
の凹所１３の底面には、交換用中皿１の底面のほぼ全面
が覗け、且つ交換用中皿１の底面を押し上げる事の可能
な露出穴１６を穿設して、ケース１１を弾性変形可能な
枠状にする。このケース１１内には、前記交換用中皿１
の切片５の弾性と自身の弾性によって交換用中皿１を取
り外し可能に弾性保持させる。

このケース１１には、カバー１２を開閉自在に蝶着す
る。このカバー１２は、透明な合成樹脂で成形し、一端
に閉じた状態でケース１１の先端に設けられた係合部２
１と係合する係合突部２７を設ける。更にカバー１２の
下面には、交換用中皿１のフランジ部４を上方より押え
る押え部３１を突設する。

本考案は以上構成のリフィールケースである。

〔作用〕

流通の段階、つまり交換用中皿１が未使用状態では、交
換用中皿１の装着部８が装着孔１５の側面に当接し、反
対側が凹所１３の側壁に当接しており、ケース１１が弾
性を有した枠状になっているため、交換用中皿１の切片
５の弾性及びケース１１の弾性によって、交換用中皿１
がケース１１の凹所１３に係止している。また、カバー
１２が閉じた状態で、係合突部２７とケース１１の係合
部２１が係合して、交換用中皿１の上面を被っている。

このリフィールケースより直接化粧料２を使用したい場
合には、閉じているカバー１２の係合突部２７とケース
１１の係合部２１の係合を解除し、カバー１２を開いて
交換用中皿１の化粧料２を露出させる。使用後もカバー
１２を閉じて係合突部２７をケース１１の係合部２１に
係合させ、交換用中皿１の上面を被わせる。

また、コンパクトケース３２に交換用中皿１を装着する
場合、ケース１１の露出穴１６より交換用中皿１の底面
を押し上げ、切片５の弾発力及びケース１１の弾発力に
抗してケース１１より交換用中皿１を取り外し、コンパ
クトケース３２の所定の、交換用中皿１の装着部８若し
くは切片５の弾発力を利用した装着方法によりコンパク
トケース３２に装着する。

〔実施例〕

先ず、本考案実施例の交換用中皿１について説明する。
交換用中皿１は、アルミニウム板等の薄肉金属板より略
四角形の皿状に成形されており、化粧料２が充填される
充填部３の上端が外方向に折り返され、フランジ部４と
なっている。このフランジ部４の一縁部には、屈曲した
舌状の切片５が突出しており、この切片５の先端は、下
方にパイプ状にカールしてカール部６となっている。ま
た、このカール部６の両端には、頭部が半球状をした端
末部材７が圧入止着されており、カール部６が装着部８
を構成している。尚、切片５は金属薄板が有している弾
性によって、ある程度の弾性を有して屈曲するよう構成
されている。また、交換用中皿１の下面には、商品名、
価格、色の名称等が記載されたラベル９が貼着されてい
る。

次に、この交換用中皿１が収納されるリフィールケース
１０について説明する。リフィールケース１０は、ケー
ス１１にカバー１２が開閉自在に蝶着して構成されてい
る。ケース１１の上面には、交換用中皿１が納置される
略四角形状の凹所１３が刻設されている。この凹所１３
の三方の側壁には、交換用中皿１のフランジ部４を受け
るベランダ状の段部１４が設けられている。また残る一
方の側壁には、交換用中皿１の装着部８が突入する装着
孔１５が刻設されている。この装着孔１５の側面は、交
換用中皿１の装着部８が当接するよう構成されている。
また、装着孔１５の側面と反対がわの凹所１３側面まで
の距離は、交換用中皿１の装着部８を含む幅よりも僅か
に狭くなっている。また、凹所１３の底面には、交換用
中皿１下面のラベル９が覗け、且つ交換用中皿１を上方
に押し上げる事の可能な露出穴１６が穿設されている。
その結果、ケース１１は枠状となり、幅、長さ方向に弾
性を有するものとなっている。その結果、交換用中皿１
は、交換用中皿１の装着部８を含む幅よりも凹所１３の
装着孔１５の側面と反対がわの凹所１３側面までの距離
よりも僅かに長くなっているため、自身の切片５の弾性
とケース１１の弾性によって、ケース１１の凹所１３に
取り外し可能に弾性保持されている。

更に、ケース１１の装着孔１５がわ外側壁端面には、一
対の切り欠き部１７が刻設されている。この切り欠き部
１７の一方の側壁には、端部を有したピン状の軸支突部
１８が突出している。このそれぞれの切り欠き部１７に
設けられた軸支突部１８は、それぞれの端部が向かい合
う様に突出している。この軸支突部１８の端面の上部
は、テーパー状に削除したテーパー部１９となってい
る。更に、反切り欠き部１７がわ外側壁端面には、中央
より一方が削除された削除部２０となっている。この削
除部２０の側壁には、係合部２１が突出している。また
残った端面は、上方に膨出部２２を膨出させている。更
に、カバー１２上面の凹所１３の削除部２０の方向を除
く三方の周縁には、突リブ２３が周設されている。

カバー１２は、透明な合成樹脂より成形されている。カ
バー１２の一端下面には、ケース１１の切り欠き部１７
に突入する一対の蝶番片２４が垂下している。この蝶番
片２４の外がわ側壁には、ケース１１の軸支突部１８が
係合して、ケース１１とカバー１２を開閉自在に連結す
る軸支孔２５が穿設されている。この軸支孔２５と蝶番
片２４の下端の間は、ガイド溝２６によって連結されて
いる。その結果、軸支突部１８先端のテーパー部１９
と、蝶番片２４のガイド溝２６とによって、軸支突部１
８を軸支孔２５に容易に突入させやすくなり、組立てが
簡単なものとなる。またカバー１２の先端は、ケース１
１とは反対側が削除されて削除部２０となり、ケース１
１の膨出部２２が突入し、上面に露出するようになって
いる。更に残った端面には、ケース１１の削除部２０に
突入する前面壁２７が垂下している。この前面壁２７の
端面には、ケース１１の係合部２１と係合してカバー１
２が閉じた状態で保持される係合突部２７が突出してい
る。その結果、ケース１１の膨出部２２を下方に、カバ
ー１２の前面壁２７を上方に押圧することにより、係合
部２１と係合突部２７の係合を解除させ、ガマグチ状に
開蓋できるようになっている。更に、カバー１２の両側
端下面には、側面壁２９が垂下している。この側面壁２
９は、カバー１２を閉じた時内側にケース１１上面の突
リブ２３が嵌合して、カバー１２の横方向のガタツキを
阻止している。同時に、交換用中皿１の上面に載置され
るシート３０の脱落も防止している。更に、この側面壁
２９の内側には、カバー１２を閉じた時、交換用中皿１
のフランジ部４を上方より押える押え部３１が突出して
いる。

次に、前記交換用中皿１が装着されるコンパクトケース
３２について説明する。コンパクトケース３２は、器体
３３と蓋体３４とより構成され、一端が蝶番３５により
開閉自在に連結されている。また他端には、蓋体３４を
閉じた状態で保持する保持機構３６を設けている。蓋体
３４の下面には、鏡３７が貼着されている。器体３３の
上面には、パフ等の塗布具３８が収納される塗布具収納
所３９、及び交換用中皿１が納置される化粧料収納所４
０を並列に刻設している。

この化粧料収納所４０には、交換用中皿１の装着部８、
若しくは切片５の弾性を利用したリフィール機構４１が
設けられ、交換用中皿１を着脱可能に保持している。こ
のリフィール機構４１は、リフィールケース１０の保持
機構３６と同じように、化粧料収納所４０の幅を交換用
中皿１の装着部８を含めた長さより僅かに狭く構成し、
化粧料収納所４０への装着時に交換用中皿１の切片５の
弾性を利用して取り外し可能に弾発保持させている。
尚、交換用中皿１とコンパクトケース３２のリフィール
機構４１は、交換用中皿１とリフィールケース１０の保
持機構３６と必ずしも同じでなくてもよい。例えば、化
粧料収納所４０に交換用中皿１の装着部８が取り外し可
能に係合する係合部材を設け、この係合部材によって交
換用中皿１を化粧料収納所４０内に装着させる事もでき
る。

また塗布具収納所３９と化粧料収納所４０を並列に配置
した構成ばかりでなく、上下に配置した構成でも実施可
能である。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、交換用中皿１をコンパクトケー
ス３２のリフィール機構４１と同様に着脱操作ができる
保持機構３６を設けたケース１１に装着し、このケース
１１に透明のカバー１２を開閉自在に蝶着したため、従
来のリフィールケースのように、リフィールケース１０
に収納されたまま内部の化粧料２を覗く事ができ、しか
もリフィールケース１０に収納されたまま、カバー１２
を開いて化粧料２を使用する事ができるものとなってい
る。また、ケース１１の交換用中皿１の保持機構３６に
より、交換用中皿１の再装着が可能となり、ＴＰＯに応
じてコンパクトケース３２中の化粧料２を交換し、リフ
ィールケース１０に収納しておく事ができるものとなっ
ている。

更に、ケース１１の底面に穿設された露出穴１６によ
り、交換用中皿１の底面に貼着されたラベル９を外部よ
り覗く事ができるため、購入時に装着されていた交換用
中皿１と異なった交換用中皿１が装着されていたとして
も、化粧料２の色とラベル９で確認できるようになって
いる。また、この露出穴１６によって、容易に交換用中
皿１を押し上げる事ができるようになっている。更に、
この露出穴１６によって、ケース１１は弾性を有した枠
状となり、交換用中皿１、ケース１１及びカバー１２の
寸法誤差を吸収でき、不良率を減少させる事ができる。

加えて、ケース１１及びカバー１２の先端にそれぞれ膨
出部２２と前面壁２７を設け、この膨出部２２と前面壁
２７によるガマグチ形状として簡単な開蓋機構を構成し
たため、リフィールケース１０を安価に提供できるもの
となっている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例のリフィールケースの分解斜視
図。第２図は、化粧料の塗布可能状態の斜視図。第３図
は、本考案交換用中皿が装着されるコンパクトケースの
斜視図、 １……交換用中皿、２……化粧料、４……フランジ部、
５……切片、８……装着部、１１……ケース、１２……
カバー、１３……凹所、１５……装着孔、１６……露出
穴、２１……係合部、２８……係合突部、３１……押え
部、３２……コンパクトケース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧料(2)を充填し、上端外周壁にフラン
   ジ部(4)を突設し、該フランジ部(4)の一端にある程度の
   弾性を有した切片(5)を連設し、該切片(5)の先端をパイ
   プ状にカールさせて装着部(8)を構成し、該装着部(8)若
   しくは切片(5)の弾性を利用してコンパクトケース(32)
   に装着される交換用中皿(1)を収納する容器であって、 上面に交換用中皿(1)が納置される凹所(13)が刻設さ
   れ、該凹所(13)の側面に前記装着部(8)が突入し側壁に
   当接する装着孔(15)が刻設され、底面に交換用中皿(1)
   の底面のほぼ全面が覗け、且つ交換用中皿(1)の底面を
   押し上げる事の可能な露出穴(16)を穿設して弾性変形可
   能な枠状となり、前記交換用中皿(1)の切片(5)の弾性と
   自身の弾性によって交換用中皿(1)を取り外し可能に弾
   性保持したケース(11)と、 該ケース(11)に開閉自在に蝶着し、透明な合成樹脂で成
   形され、一端に閉じた状態でケース(11)の先端に設けら
   れた係合部(21)と係合する係合突部(27)を設け、下面に
   交換用中皿(1)のフランジ部(4)を上方より押える押え部
   (31)を突設したカバー(12)と、 より構成される事を特徴とするリフィールケース。