JPH06106919A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH06106919A
JPH06106919A JP4286731A JP28673192A JPH06106919A JP H06106919 A JPH06106919 A JP H06106919A JP 4286731 A JP4286731 A JP 4286731A JP 28673192 A JP28673192 A JP 28673192A JP H06106919 A JPH06106919 A JP H06106919A
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    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
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    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/0041Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts comprising different tread rubber layers
    • B60C11/005Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts comprising different tread rubber layers with cap and base layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/11Tread patterns in which the raised area of the pattern consists only of isolated elements, e.g. blocks

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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来よりもさらに氷上での走行性能を向上す
ることのできる空気入りタイヤを提供すること 【構成】 ブロック12をタイヤ幅方向に延びる二本で
一組のサイプ14により挟まれた幅狭領域16と、両側
に位置する幅広領域18とに区画する。幅広領域18の
タイヤ幅方向一方の端部のタイヤ周方向長さaと、他方
の端部のタイヤ周方向長さbとが異なるようにする。こ
れにより、幅広領域のタイヤ周方向の長さがタイヤ幅方
向で同一とされた従来のブロックよりも、ブロックのエ
ッジ圧を上昇させることができ、氷上の水膜を切る効果
が向上して、従来の空気入りタイヤよりも良好な駆動性
及び制動性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気入りタイヤに係
り、特にブロックパターンを有し、そのブロックにサイ
プが形成された空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】氷雪路を走行する車両に用いられるタイ
ヤとして、ブロックにサイプを設け、このサイプのエッ
ジ効果によって氷雪路の走行性能を向上させる空気入り
タイヤが提案されている。
【0003】図7に示すように、この空気入りタイヤ1
00のブロック112は踏面の形状が矩形状とされてお
り、タイヤ周方向(矢印A方向)中央部にタイヤ幅方向
(矢印B方向)に延びる一対のサイプ114が設けられ
ている。サイプ114に挟まれた中央の領域は、幅狭領
域116とされ、両側の幅広領域118よりも剛性が小
さくされている。ブロック112が路面に接して路面か
らタイヤ外周接線方向の摩擦力を受けた際には、剛性の
小さい幅狭領域116が幅広領域118よりも大きく変
形して、一対のサイプ114のうち一方が閉じ、他方が
開き、幅狭領域116のエッジ効果により駆動性能及び
制動性能が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一対のサイ
プを設けることにより、ある程度の効果は認められるも
のの、空気入りタイヤ100でもスパイクタイヤの氷上
性能には至っておらず、更なる特性の向上が市場で望ま
れている。
【0005】本発明は上記事実を考慮し、従来よりもさ
らに氷上での走行性能を向上することのできる空気入り
タイヤを提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の空気入り
タイヤは、実質的にタイヤ幅方向に延びる二本で一組の
サイプにより挟まれた幅狭領域と、前記サイプを介して
前記幅狭領域の両側に位置する幅広領域と、を有するブ
ロックを備え、前記幅広領域のタイヤ幅方向一方の端部
のタイヤ周方向長さと他方の端部のタイヤ周方向長さが
異なることを特徴としている。
【0007】請求項2記載の空気入りタイヤは、請求項
1記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの深さを
h、前記幅狭領域のタイヤ周方向平均長さをTS、前記
幅広領域のタイヤ周方向平均長さをTLとしたときに、
0.1<TS/h<0.5、かつ0.78<TL/h<
2.07、かつ0.1≦TS/TL≦0.8としたこと
を特徴としている。
【0008】請求項3記載の空気入りタイヤは、請求項
1または請求項2記載の空気入りタイヤにおいて、前記
幅広領域のタイヤ幅方向側端部の長い側のタイヤ周方向
長さをa、短い側のタイヤ周方向長さをbとし、前記ブ
ロックのタイヤ幅方向平均寸法をWとしたときに、0.
03<(a−b)/W<0.4としたことを特徴として
いる。
【0009】
【作用】請求項1記載の空気入りタイヤによれば、新品
または摩耗した後において空気入りタイヤが接地して、
駆動又は制動によってブロックがタイヤ外周接線方向の
摩擦力を受けると、ブロックは変形されるが、幅狭領域
と幅広領域との剛性に差があるため、幅狭領域の変形は
幅広領域に比較して大となる。このため、摩擦力を受け
たブロックでは、2本のうち一方のサイプは閉鎖され、
他方のサイプが開口されて、開口されたサイプ側の幅狭
領域の踏面側角部のエッジ効果により走行性能(駆動性
能及び制動性能)が得られる。特に、本発明の空気入り
タイヤでは、幅広領域のタイヤ周方向の長さをタイヤ幅
方向で異なるようにしたので、幅広領域のタイヤ周方向
の長さがタイヤ幅方向で同一とされた従来のブロックよ
りも、摩擦力が作用した際のエッジ圧を上昇させること
ができる。これによって、氷上の水膜を切る効果が向上
して、従来の空気入りタイヤよりも良好な駆動性及び制
動性を得ることができる。
【0010】請求項2記載の空気入りタイヤによれば、
0.1<TS/h<0.5、かつ0.78<TL/h<
2.07、かつ0.1≦TS/TL≦0.8としたの
で、幅狭領域の剛性、幅広領域の剛性が最適になると共
に、幅狭領域と幅広領域との剛性差が最適となり、ブロ
ックの耐久性を維持しつつ走行性能(駆動性能及び制動
性能)を最も向上することができる。
【0011】なお、TS/hが0.1以下であると、幅
狭領域の剛性が低下しすぎ、エッジ圧を十分上昇させる
ことができず、水膜を切る効果が低減する。
【0012】TS/hが0.5以上であると、剛性が大
きすぎ、エッジが立ちにくく、水膜を切る効果が低減す
る。
【0013】一方、TL/hが0.78以下であると、
ブロック剛性の低下により、ブロックがひしゃげ変形し
てブロックのエッジ部しか路面と接触しなくなり、摩擦
係数が低下する。
【0014】TL/hが2.07以上であると、幅広領
域が擦過する間に、摩擦熱により水膜が発生し、摩擦係
数の低下をきたす。
【0015】また、請求項3記載の空気入りタイヤによ
れば、0.03<(a−b)/W<0.4としたので、
摩擦力が作用した際のエッジ圧を上昇させる効果が最も
高くなる。
【0016】なお、(a−b)/Wが0.03以下であ
ると、ブロック部分の幅方向剛性差が小さく、エッジ圧
上昇の効果が期待できない。
【0017】また、(a−b)/Wが0.4以上である
と、ブロック幅方向での剛性差が大きすぎ、剛性小の部
分の変形が大きくなり、ブロックが接地しなくなるため
氷上性能が落ちる。
【0018】
【実施例】本発明の第1実施例を図1乃至図4にしたが
って説明する。
【0019】図1に示すように、本実施例の空気入りタ
イヤ10はブロックパターンを有しており、ブロック1
2は、略角柱状を呈している。
【0020】図2に示すように、ブロック12のタイヤ
周方向(矢印A方向)寸法T(平均)は、好ましくは1
5mm≦T≦40mm、さらに好ましくは20mm≦T
≦35mmの範囲である。
【0021】ブロック12には、実質的にタイヤ幅方向
(矢印B方向)に延びる互いに平行とされた一対のサイ
プ14が形成されている。なお、ここで言うサイプ14
とは、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.6
mm以下の溝幅を有するものを言う。これらのサイプ1
4の長手方向両端部はブロック12のタイヤ幅方向側の
側壁12Aまで達しており、ブロック12はこれらのサ
イプ14によってタイヤ周方向に3つの領域に区画され
ている。これら一対のサイプ14に挟まれた領域は幅狭
領域16とされ、この幅狭領域16のタイヤ周方向両側
に隣接する領域は幅広領域18とされている。
【0022】幅狭領域16の幅TSと、幅広領域18の
幅TLとの比率TS/TLは、好ましくは0.1≦TS
/TL≦0.8であり、さらに好ましくは0.2≦TS
/TL≦0.5である。ここで、幅狭領域16の幅TS
は、1.5mm〜10mmの範囲内が好ましく、さらに
は2.5mm〜7mmの範囲内が好ましい。
【0023】図3に示すように、幅広領域18のタイヤ
周方向幅TLと幅広領域18の踏面18Aから測ったサ
イプ14のサイプ深さhとの関係は、0.78<TL/
h<2.07とすることが好ましく、幅狭領域16の幅
TSと、サイプ14のサイプ深さhとの関係は、0.1
<TS/h<0.5とすることが好ましい。
【0024】図2に示すように、幅広領域18は、タイ
ヤ幅方向側端部のタイヤ周方向長さが幅方向で異なるこ
とが好ましい。幅広領域18のタイヤ幅方向側端部の長
い側のタイヤ周方向長さをa、短い側のタイヤ周方向長
さをb、ブロック12のタイヤ幅方向平均長さをWとし
たときに、ブロック12は、0.03<(a−b)/W
<0.4を満足することが好ましく、0.07<(a−
b)/W<0.3を満足することがさらに好ましい。
【0025】また、ブロック12のタイヤ周方向側端部
がタイヤ幅方向となす角度をαとしたときに、αは0°
≦α<30°とすることが好ましく、5°≦α<30°
とすることがさらに好ましい。さらに、サイプ14がタ
イヤ幅方向となす角度をβとしたときに、βは0°≦β
<15°とすることが好ましく、0°≦β<10°とす
ることがさらに好ましい。
【0026】一方、幅狭領域16のタイヤ幅方向側端部
は、幅広領域18のタイヤ幅方向側端部からブロック1
2の内側へ0〜3mm以内の位置とすることが好まし
く、0〜1.5mm以内の位置とすることがさらに好ま
しい。
【0027】図1に示すように、本実施例の空気入りタ
イヤ10は、3種類の異なる形状のブロックを備えてい
る。タイヤ赤道面CL側からショルダー側へ向けてブロ
ック12A、ブロック12B、ブロック12Cとされて
いる。
【0028】ブロック12Aでは、幅広領域18のタイ
ヤ周方向側の端部がタイヤ幅方向に対して右上がりに傾
斜しており、サイプ14の長手方向がタイヤ幅方向であ
る。
【0029】ブロック12Bでは、幅広領域18のタイ
ヤ周方向側の端部がタイヤ幅方向に対して左上がりに傾
斜しており、サイプ14の長手方向がタイヤ幅方向であ
る。
【0030】ブロック12Cでは、幅広領域18のタイ
ヤ周方向側の端部がタイヤ幅方向に対して右上がりに傾
斜しており、サイプ14の長手方向がタイヤ幅方向であ
る。
【0031】なお、ブロック12A、ブロック12B及
びブロック12Cの全体を平均すると、幅広領域18の
タイヤ周方向側の端部の傾斜角度αは9°、幅広領域1
8のタイヤ周方向平均幅TLは13.2mm、幅狭領域
16のタイヤ周方向幅TSは3.5mmであり、幅狭領
域16のタイヤ幅方向長さは幅広領域18よりも片側で
1mm短く設定されている。また、サイプ14は、幅広
領域18の踏面18Aから測った深さサイプ深さhが1
1mmであり、幅が0.5mmである。
【0032】また、ブロック12A、ブロック12B及
びブロック12Cの全体を平均すると、タイヤ周方向寸
法Tが33mmであり、タイヤ幅方向寸法Wが28.7
mmである。
【0033】図3に示すように、本実施例の空気入りタ
イヤ10のトレッド11は、2種類のゴムでトレッド1
1の厚さ方向へ2層に形成されており、CAP 側、すなわ
ち路面に接地する踏面側の上層11Aには、独立気泡を
有する発泡ゴムが使用され、BASE側、すなわち下層11
Bには低発熱性の発泡されていない通常のゴムが使用さ
れている。
【0034】空気入りタイヤ10において、トレッド1
1の踏面側がトレッド11の全体積の少なくとも10%
の体積を有する発泡ゴムよりなるのが好ましい。
【0035】発泡ゴムは、発泡率が5〜50%の範囲
で、平均気泡径が5〜150μmの独立気泡を有し、硬
度が45°〜75°としたことにより、トレッド11の
踏面の表面に現れた独立気泡のエッジ効果によって、一
層効果的に氷上性能を向上し、かつ良好な氷上性能を長
く維持することができる。
【0036】ここで、トレッド11の踏面側の発泡ゴム
の占める割合がトレッド11の全体積の10%未満では
氷上性能の向上の効果が少ない。また、発泡ゴムの硬度
Hdは45°〜70°が望ましく、好ましくは50°〜
70°であり、さらに好ましくは、54°〜70°であ
る。発泡ゴムの硬度Hdは高い程高い接地圧の下でも気
泡がつぶれず、氷上性能は向上する。ここに、硬度Hd
は、JIS K6301に準拠し、室温にて測定したも
のである。発泡ゴムの硬度Hdが45°未満では耐摩耗
性が悪化し、トレッド11のへたりが発生するため好ま
しくなく、70°を越えるとトレッド11が固くなり過
ぎ、作業性が悪化し、また、発熱が多くなるため好まし
くない。
【0037】また、発泡ゴムの発泡率Vsは、5〜50
%の範囲が望ましく、好ましくは5〜30%である。こ
こで、発泡ゴムの発泡率Vsは、Vs=(ρ0 /ρ1
1)×100(%)で表され、ρ1 は発泡ゴムの密度
(g/cm3 )、ρ0 は発泡ゴムの固相部の密度(g/
cm3 )である。発泡ゴムの発泡率Vsが5%未満で
は、低温時の柔軟性が得られず、50%を超えると、耐
摩耗性が低下して乾燥路面での耐摩耗性が実用的に不十
分となるため好ましくない。
【0038】さらに、発泡ゴムの独立気泡の平均気泡径
は5〜150μmが望ましく、好ましくは10〜100
μmである。発泡ゴムの独立気泡の平均気泡径が5μm
未満では氷雪性能の改良効果が少なく、150μmを超
えると耐摩耗性能が大幅に低下し、いわゆる耐ヘタリ性
が低下し、走行中にブロックの変形、サイプ14及び補
助サイプ30の目づまりなどを起こし、雪上性能が低下
し、また、耐カット性が低下しブロック欠けが多くな
り、さらに、製造時に安定した形状を得ることが困難に
なるため好ましくない。
【0039】なお、発泡ゴムは、特定のカーボンブラッ
クを特定の重量部用いた通常のゴム配合物に発泡剤を加
えて通常のタイヤ製造方にしたがって加熱加圧する際形
成される。発泡剤としては、例えば、ジニトロソペンタ
メチレンテトラアミンに尿素を併用した系、また、ベン
ゼンスルフォニルヒドラジド誘導体、中でもオキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジドなどが製造加工性を考慮
すると好ましい。
【0040】また、トレッド11が含有するゴム成分
は、例えば天然ゴム、ポリイソプロピレンゴム、ポリブ
タジエンゴム、ブチルゴム、低スチレン含有のスチレン
・ブタジエン共重合ゴムの単独、または、これからの重
合物の2種以上の混合物である。これらの重合物を用い
ることによりトレッド11は低温において充分にゴム弾
性を有することができる。
【0041】本実施例では、上層11Aの発泡ゴムのト
レッド11の全体積に占める割合は、26%であり、上
層11Aと下層11Bとの境界面32は、周方向主溝3
4の深さの略1/2の位置である。また、上層11Aの
発泡ゴムは発泡率Vsが18%、平均発泡径が25μ
m、硬度が64°であり、下層11Bのゴムは硬度が6
2°である。
【0042】次に本実施例の作用を説明する。ブロック
12において幅狭領域16の剛性は、両側の幅広領域1
8の剛性よりも小さいため、図4に示すように、駆動時
又は制動時にブロック12が路面20に接し、ブロック
12にタイヤ外周接線方向の摩擦力(図4矢印F方向)
が作用した場合に、幅広領域18の変形は小さく、幅狭
領域16の変形は大い。これによって、2本のサイプ1
4のうち矢印F方向側のサイプ14が閉じ、矢印F方向
側とは反対方向側のサイプ14が開き幅狭領域16の踏
面16A側の角部16Bのエッジ効果が得られると共
に、発泡ゴムの独立気泡によるエッジ効果も加わって駆
動性、制動性が得られる。
【0043】特に、本実施例の空気入りタイヤ10で
は、幅広領域18のタイヤ周方向の長さをタイヤ幅方向
で異なるようにして、0.03<(a−b)/W<0.
4としたので、幅広領域のタイヤ周方向の長さがタイヤ
幅方向で同一とされた従来のブロックよりも、摩擦力が
作用した際のエッジ圧を上昇させることができる。これ
によって、氷上の水膜を切る効果が向上して、従来の空
気入りタイヤよりも良好な駆動性及び制動性を得ること
ができる。
【0044】ここで、ブロック12のタイヤ周方向寸法
Tが40mmを超えた場合には、ブロック12のタイヤ
周方向長さの増加に伴って、その接地圧が低下すること
からエッジ効果を期待し難く、駆動性能及び制動性能が
低下するため好ましくない。一方、タイヤ周方向寸法T
が15mm未満の場合には、ブロック12の剛性が小さ
くなり過ぎる結果、やはりブロック12のエッジ効果を
期待し難く、駆動性能及び制動性能が低下するため好ま
しくない。
【0045】幅狭領域16の幅TSと、幅広領域18の
幅TLとの比率TS/TLが0.8を超えると幅狭領域
16と幅広領域18の剛性差が少なくなり制動時及び駆
動時にサイプ14が開き難くなりエッジ効果が期待でき
なくなり、0.1未満になると幅狭領域16の剛性が低
下しすぎて幅狭領域16の耐久性が低下するため好まし
くない。
【0046】また、新品時に幅狭領域16の踏面16A
を、幅広領域18の踏面18Aよりも突出させると、幅
広領域18の接地圧が下がるため好ましくなく、また、
剛性の高い幅広領域18の摩耗速度が剛性の低い幅狭領
域16を上回り、摩耗の進行にともなってさらに幅狭領
域16が幅広領域18よりも突出して幅広領域18の接
地圧を低下させるため好ましくない。
【0047】なお、TS/hが0.1以下であると、幅
狭領域16の剛性が低下しすぎ、エッジ圧を十分上昇さ
せることができず、水膜を切る効果が低減する。
【0048】TS/hが0.5以上であると、剛性が大
きすぎ、エッジが立ちにくく、水膜を切る効果が低減す
る。
【0049】また、TL/hが0.78以下であると、
ブロック剛性の低下により、ブロックがひしゃげ変形し
てブロックのエッジ部しか路面と接触しなくなり、摩擦
係数が低下する。
【0050】TL/hが2.07以上であると、幅広領
域が擦過する間に、摩擦熱により水膜が発生し、摩擦係
数の低下をきたす。
【0051】一方、(a−b)/Wが0.03以下であ
ると、ブロック部分の幅方向剛性差が小さく、エッジ圧
上昇の効果が期待できない。
【0052】(a−b)/Wが0.4以上であると、ブ
ロック幅方向での剛性差が大きすぎ、剛性小の部分の変
形が大きくなり、ブロックが接地しなくなるため氷上性
能が落ちる。
【0053】αが30°以上であると駆動性及び制動性
を向上させる効果が低下するため好ましくなく、また、
βが15°以上である場合も駆動性及び制動性を向上さ
せる効果が低下するため好ましくない。
【0054】〔第2実施例〕次に、本発明の第2実施例
を説明する。
【0055】本実施例は、幅狭領域16の踏面16Aを
幅広領域18の踏面18Aよりも低く設定した例であ
る。ここで、タイヤ新品時においては、幅狭領域16の
踏面16Aから測ったサイプ14のサイプ深さhs と、
幅広領域18の踏面18Aから測ったサイプ14のサイ
プ深さhとの比率hs /hは、hs <h、好ましくは
0.55≦hs /h≦1である。なお、本実施例では幅
狭領域16の踏面16Aが幅広領域18の踏面18Aよ
りも3mm低く設定されており、hs /hは0.73で
ある。
【0056】幅狭領域16の踏面16Aを幅広領域18
の踏面18Aよりも低く設定することにより、幅狭領域
16の踏面16Aと幅広領域18の踏面18Aとはタイ
ヤ回転中心からの距離が異なることになる。したがっ
て、新品時から摩耗初期の間では、幅狭領域16が幅広
領域18よりも突出することはなく、幅広領域18の接
地圧が低下することを抑制することができる。しかも摩
耗中期以降は幅狭領域16の剛性が上昇するので幅狭領
域16の突出する速度が遅れるため、摩耗末期まで良好
な駆動性及び制動性を維持することができる。
【0057】〔第3実施例〕次に、本発明の第3実施例
を図5にしたがって説明する。なお、第1実施例と同一
構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0058】本実施例の空気入りタイヤ10は、第1実
施例の空気入りタイヤ10と同様にトレッド11が2種
類のゴムでトレッド11の厚さ方向へ2層に形成されて
おり、上層には独立気泡を有する発泡ゴムが使用され、
下層には低発熱性の発泡されていない通常のゴムが使用
されている。
【0059】ブロック12の各幅広領域18には、実質
的にタイヤ幅方向に延びる幅方向補助サイプ30が形成
されている。なお、サイプ14に投影した幅方向補助サ
イプ30の合計の長さは、1本のサイプ14の長さの5
0%以上とすることが好ましい。
【0060】また、ブロック12は、幅狭領域16の踏
面16Aから測ったサイプ14のサイプ深さをhs 、幅
方向補助サイプ30の深さをha 、幅方向補助サイプ3
0とブロック12の端縁との間、または幅方向補助サイ
プ30とサイプ14との間の平均距離をaとしたとき
に、0.8×(h−hs )<ha <2×(h−hs )か
つ、0.3<ha <1.5の関係を満足することが好ま
しい。
【0061】次に本実施例の作用を説明する。タイヤ新
品時においては、モールドに接した上層11Aの踏面の
表面は滑らかであり、発泡ゴムの独立気泡によるエッジ
効果が十分発揮できないが、ブロック12に設けられた
幅方向補助サイプ30のエッジ効果が新品時〜摩耗初期
における接地面積の不足分及び独立気泡のエッジ効果の
未発揮分を補うことができ、サイプ14のエッジ効果と
共に氷上やウエット路面において良好な制動性、駆動性
を得ることができる。
【0062】使用によりトレッド11の摩耗が進行する
にしたがって幅方向補助サイプ30は徐々に消滅する
が、この際には、トレッド11の接地面積が徐々に増大
すると共にトレッド11の踏面の表面の粗さが出て、さ
らに発泡ゴムの独立気泡も現れるため、これらの効果と
サイプ14のエッジ効果とによって氷上やウエット路面
において良好な制動性、駆動性を摩耗末期に至るまで得
ることができる。
【0063】なお、その他の作用効果は第1実施例と同
様である。 〔第4実施例〕次に、本発明の第4実施例を図6にした
がって説明する。なお、第1実施例と同一構成に関して
は同一符号を付し、その説明は省略する。
【0064】本実施例の空気入りタイヤ10では、ブロ
ック12の各幅広領域18に実質的にタイヤ周方向に延
びる周方向サイプ32が形成されている。この周方向サ
イプ32の平均深さは、周方向主溝の深さの15%〜7
5%の範囲内にあることがブロック12の剛性を維持す
るためには好ましい。この周方向サイプ32のエッジ効
果によって、良好な耐横滑り性能を得ることができる。
【0065】さらに、使用によりトレッド11の摩耗が
進行するにしたがってトレッド11の接地面積が増大す
ると共にトレッド11の踏面の表面の粗さが出て、さら
に独立気泡が現れるため、本実施例の空気入りタイヤ1
0はタイヤ新品時から摩耗末期に至るまで、一定した良
好な耐横滑り性能を得ることができる。その他の作用効
果は第1実施例と同様である。
【0066】なお、ブロック12のタイヤ周方向側の端
部はタイヤ幅方向に対して何れの方向へ傾斜させてもよ
く、同じくサイプ14の方向もタイヤ幅方向に対して何
れの方向へ傾斜させてもよい。
【0067】(試験例)以下の表1には従来例の空気入
りタイヤ(図7に示すブロックを備えた空気入りタイ
ヤ)及び本発明の空気入りラジアルタイヤに夫々規定内
圧を充填し、これらの空気入りタイヤを定積載状態のト
ラック(2D−4車)の全輪へ装着して、氷上における
トラックの停止距離を測定した結果が指数で示されてい
る。
【0068】なお、測定値は従来例の空気入りラジアル
タイヤの停止距離を100としており、数値が小さいほ
ど停止距離が短いことを示す。なお、試験タイヤは何れ
もトレッドに発泡ゴムを用いており、その発泡の構成は
前述のとおりである。
【0069】また、各タイヤともタイヤサイズは11R
22.5であり、ブロックの個数及び実際に路面に接す
る踏面の面積は同一とした。
【0070】なお、実施例タイヤ5とは図1の空気入り
ラジアルタイヤの幅狭領域を幅広領域よりも低くしたも
のであり、実施例タイヤ6とは図1の空気入りラジアル
タイヤの幅狭領域を幅広領域よりも低くし、さらに幅方
向補助サイプを設けたものである。
【0071】
【表1】
【0072】また、図8には、幅広領域18のタイヤ幅
方向側端部の長い側のタイヤ周方向長さaと短い側のタ
イヤ周方向長さbとの比率を変化させた場合の氷上μ
(指数)の値が示されている(なお、Wは30mm、Tは
26.5mm)。この試験では、試験タイヤをトラック
(2D−4、10輪)に装着し、時速20キロで走行さ
せてタイヤをロックさせてブレーキングし、停止距離を
測定して停止距離の逆数を氷上μの値をした。なお、数
値が大きいほど氷上性能が良好なことを示す。
【0073】表1及び図8に示す試験結果からも、本発
明の空気入りタイヤ10は従来の空気入りタイヤより
も、氷上性能が向上していることは明らかである。
【0074】
【発明の効果】請求項1記載の空気入りタイヤは上記構
成としたので、エッジ圧が上昇し、従来よりも氷上性能
を向上できるという優れた効果を有する。
【0075】請求項2記載の空気入りタイヤは上記構成
としたので、幅狭領域の剛性、幅広領域の剛性を最適に
維持できると共に、幅狭領域と幅広領域との剛性差が最
適となり、ブロックの耐久性を維持しつつ走行性能を最
も向上できるという優れた効果を有する。
【0076】請求項3記載の空気入りタイヤは0.03
<(a−b)/W<0.4としたので、摩擦力が作用し
た際のエッジ圧を上昇させる効果を最も高くできるとい
う優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る空気入りラジアルタ
イヤのブロックを示すトレッドの展開図である。
【図2】ブロックの平面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る空気入りラジアルタ
イヤのブロックを示すタイヤ周方向に沿った断面図であ
る。
【図4】本発明の第1実施例に係る空気入りラジアルタ
イヤのブロックが摩擦力を受けて変形した状態を示すタ
イヤ幅方向から見た側面図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る空気入りラジアルタ
イヤのブロックを示すトレッドの展開図である。
【図6】本発明の第4実施例に係る空気入りラジアルタ
イヤのブロックを示すトレッドの展開図である。
【図7】本発明の他の実施例に係る空気入りラジアルタ
イヤのブロックを示す斜視図である。
【図8】aとbとの比率を変化させた場合の氷上μ(指
数)の値を示すグラフである。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ 12 ブロック 14 サイプ 16 幅狭領域 18 幅広領域
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60C 11/12 C 8408−3D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にタイヤ幅方向に延びる二本で一
    組のサイプにより挟まれた幅狭領域と、 前記サイプを介して前記幅狭領域の両側に位置する幅広
    領域と、 を有するブロックを備え、 前記幅広領域のタイヤ幅方向一方の端部のタイヤ周方向
    長さと他方の端部のタイヤ周方向長さが異なることを特
    徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記サイプの深さをh、前記幅狭領域の
    タイヤ周方向平均長さをTS、前記幅広領域のタイヤ周
    方向平均長さをTLとしたときに、0.1<TS/h<
    0.5、かつ0.78<TL/h<2.07、かつ0.
    1≦TS/TL≦0.8としたことを特徴とする請求項
    1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記幅広領域のタイヤ幅方向側端部の長
    い側のタイヤ周方向長さをa、短い側のタイヤ周方向長
    さをbとし、前記ブロックのタイヤ幅方向平均寸法をW
    としたときに、0.03<(a−b)/W<0.4とし
    たことを特徴とする請求項1または請求項2記載の空気
    入りタイヤ。
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