JPH0610642U - ダンパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性体１を固定バンド５によってシャフト２
に固定するダンパについて、ダンパの軸方向長さを縮小
し、部品点数を削減する。 【構成】 固定バンド５を一つとして部品点数を削減
し、この固定バンド５を弾性体１の軸方向略中央に配置
するとともに質量体６を弾性体１の外周に挿着して固定
バンド５と質量体６を径方向に並べ、これによりダンパ
の軸方向長さを縮小する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ダンパの改良に関する。本考案のダンパは自動車エンジン等の回転 駆動系（主に等速ジョイント（ＣＶＪ））に装着され、ドライブシャフト等の回 転シャフトに生起される振動を吸収減衰するダイナミックダンパとして用いられ る。

【０００２】

【従来の技術】

公知の、この種のダンパは、図３に示すように、質量体２１の軸方向両側にそ れぞれ弾性体２２をシャフト２３に固定する固定バンド２４，２５を配置してい る（特開平２−６２４４２号公報参照）。したがってこのダンパには次の問題が ある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ダンパの軸方向長さが長く、この方向の取付スペースが大きい。すなわちダ ンパの軸方向長さをａ、質量体２１の軸方向長さをｂ、固定バンド２４，２５の 軸方向長さをそれぞれｃとして ａ＞ｂ＋２ｃ・・・・Ａ式 であって、ダンパの軸方向長さが長いものである。 固定バンド２４，２５が二つ必要であって、部品点数が多い。また固定バン ド２４，２５を何れか一つとした場合には、弾性体２２をシャフト２３に固定す ることはできるものの、ダンパのバランスが悪くなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は以上の点に鑑み、上記従来技術にみられる問題を解消すべく案出され たものであって、この目的を達成するため、円筒形を呈してシャフトの外周に挿 着され、軸方向両端部にそれぞれ外周方向に突出した座を設けた弾性体と、前記 弾性体をその軸方向略中央で前記シャフトに固定する固定バンドと、円筒形を呈 して前記弾性体の外周に挿着され、前記弾性体に前記座をもって支持された質量 体と、よりなるダンパを提供する。

【０００５】

【作用】

固定バンドを一つとして部品点数を削減し、この固定バンドを弾性体の軸方向 略中央に配置するとともに質量体を弾性体の外周に挿着して固定バンドと質量体 を径方向に並べ、これによりダンパの軸方向長さを縮小する。すなわち上記Ａ式 から２ｃが削除されて、上記Ａ式がａ＞ｂとなる。

【０００６】

【実施例】

つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明すると、当該ダンパは、図１に 示すように、弾性体１、固定バンド５および質量体６の三部品よりなる。

【０００７】 弾性体１はゴム状弾性材によって単品で円筒形に加硫成形されてシャフト２の 外周に挿着され、軸方向両端部にそれぞれ外周方向に突出した環状の座３，４を 一体成形している。弾性体１の内周面はダンパの全長に亙ってシャフト２の周面 と接触している。 固定バンド５は弾性体１をその軸方向略中央でシャフト２に固定している。固 定バンド５はエンドレスのものでも、円周の一部をカットしたＣ字形のものでも 良い。 質量体６は金属により円筒形に成形されて弾性体１の外周に挿着され、弾性体 １に上記した一対の座３，４をもって支持されている。質量体６と弾性体１の座 ３，４以外の部分は非接触であり、質量体６と固定バンド５も非接触である。質 量体６と座３，４は組立て後に接着してもしなくても良い。

【０００８】 上記ダンパは次の作用効果を奏する。 固定バンド５と質量体６が径方向に並べられているために、ダンパの軸方向 長さを従来より縮小することができる。ダンパの軸方向長さは質量体６の軸方向 長さに座３，４の一部の軸方向長さを和したものである。 固定バンド５が一つで良く、ダンパの部品点数を従来より削減することがで きる。また固定バンド５が弾性体１をその軸方向略中央でシャフト２に固定する ものであるために、固定バンド５が一つであっても、ダンパのバランスが悪くな ることが無い。

【０００９】 弾性体１の材質を変更することなく、また質量体６の質量を変更することなく 上記ダンパの固有振動数を小さくするには、図２に示すように、弾性体１の内周 面の軸方向両端部にそれぞれテーパ状の空間７，８を形成する。これによりダン パの大きさを全く拡大することなく、固有振動数を小さくすることができる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は次の効果を奏する。 固定バンドと質量体を径方向に並べたために、ダンパの軸方向長さを従来よ り縮小することができる。 固定バンドが一つで良く、ダンパの部品点数を従来より削減することができ る。また固定バンドが弾性体をその軸方向略中央でシャフトに固定するものであ るために、固定バンドが一つであっても、ダンパのバランスが悪くなることが無 い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るダンパの半裁断面図

【図２】本考案の他の実施例に係るダンパの半裁断面図

【図３】従来例に係るダンパの半裁断面図

【符号の説明】

１ 弾性体 ２ シャフト ３，４ 座 ５ 固定バンド ６ 質量体 ７，８ 空間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒形を呈してシャフト（２）の外周に
   挿着され、軸方向両端部にそれぞれ外周方向に突出した
   座（３）（４）を設けた弾性体（１）と、前記弾性体
   （１）をその軸方向略中央で前記シャフト（２）に固定
   する固定バンド（５）と、円筒形を呈して前記弾性体
   （１）の外周に挿着され、前記弾性体（１）に前記座
   （３）（４）をもって支持された質量体（６）と、より
   なるダンパ。