JPH06106371A - レーザビーム溶接方法 - Google Patents

レーザビーム溶接方法

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JPH06106371A
JPH06106371A JP3031328A JP3132891A JPH06106371A JP H06106371 A JPH06106371 A JP H06106371A JP 3031328 A JP3031328 A JP 3031328A JP 3132891 A JP3132891 A JP 3132891A JP H06106371 A JPH06106371 A JP H06106371A
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Kenji Matsuno
建治 松野
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕高い溶接効率で、かつ高速で重ね合せ部をレー
ザビーム溶接する。 〔構成〕少なくとも一方の溶接部材1の重ね合せ部3の
内面となるべき面1bの端面1a近傍に沿って、多数の
微小な深さの凹溝4を形成した後、重ね合せ部3を形成
する。密着部6と空隙部5が交互に形成される程度の加
圧力で、重ね合せ部3を加圧しながら、少なくとも空隙
部5周辺の端面1a部分にレーザビーム9が当たるよう
に、端面1aの延びる方向に沿って所定の角度でレーザ
ビーム9を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば容器のフランジ
部と蓋よりなる重ね合せ部や、容器口部に嵌入されたカ
ップ状蓋よりなる重ね合せ部等をレーザビームによって
溶接する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザビームは狭い領域にエネルギーを
集中することが可能であるため、最近金属板の溶接等へ
の実用が拡ってきた。レーザビームを金属板の重ね合せ
部の溶接に適用する場合は、通常重ね合せ部に垂直にレ
ーザビームを照射して、一方の板を溶融し、さらに重ね
合せ部界面近傍の材料を溶融して溶接を行なう。このよ
うな方式の溶接では、溶接に寄与しない余分の材料を溶
融しなければならないため溶接効率が悪く、溶接速度を
上げるにはかなり大きなレーザ出力のレーザビーム発生
装置を必要とし、さらに溶融された一方の板には溶融痕
跡が残って外観を損ずるという問題を生ずる。
【0003】最近溶接すべき部分の近傍のみをレーザビ
ーム照射によって溶融する隅肉溶接法が提案されている
(特開昭57−112986号公報)。この方法はティ
ンフリースチールの隅肉溶接に適用されるものである
が、重ね合せ部を冷却部材によって締め付けて、隅肉部
にレーザビームを照射して溶接を行なうものである。こ
の方式の溶接の場合は、余分の材料を溶融することがな
いので溶接効率は、前記の従来の方法の場合よりは高い
が、それでも材料表面からのレーザビームの反射による
損失のため、溶接効率は十分とはいい難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比較的高い
溶接効率で、すなわち比較的出力の小さなレーザで高速
溶接を行なうことが可能な、重ね合せ部のレーザビーム
による溶接方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の重ね合せ部のレ
ーザビーム溶接方法は、第1の溶接部材の端面と第2の
溶接部材の端面が揃うように重ね合せられた、重ね合せ
部の端面に沿ってレーザビーム溶接を行なう方法であっ
て、少なくとも一方の溶接部材の重ね合せ部の内面とな
るべき面の端面近傍に沿って、多数の微小な深さの凹溝
を形成した後、重ね合せ部を形成し、端面近傍に沿って
密着部と空隙部が交互に形成される程度の加圧力で、重
ね合せ部を加圧しながら、少なくとも空隙部周辺の端面
部分にレーザビームが当たるよう、端面の延びる方向に
沿って端面の板厚方向に対して実質的に直角にレーザビ
ームを照射して溶接を行なうことを特徴とする。
【0006】さらに本発明の重ね合せ部のレーザビーム
溶接方法は、第1の溶接部材の端面が第2の溶接部材の
表面の上にあって段部となるように重ね合せられた、重
ね合せ部の端面に沿ってレーザビーム溶接を行なう方法
であって、少なくとも第1の溶接部材の重ね合せ部の内
面となるべき面の端面近傍に沿って、多数の微小な深さ
の凹溝を形成した後、重ね合せ部を形成し、端面近傍に
沿って密着部と空隙部が交互に形成される程度の加圧力
で、重ね合せ部を加圧しながら、第2の溶接部材の重ね
合せ部内面に対して中心軸が10〜60度の角度を有するレ
ーザビームを、少なくとも空隙部周辺の端面部分、およ
び上記表面の該端面の近傍部(以下表面近傍部とよぶ)
に当たるよう、端面の延びる方向に沿って照射して溶接
を行なうことを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明の場合、深さが微小な凹溝
に基づく空隙部および空隙部周辺の端面部分にレーザビ
ームが当たる。空隙部に入ったレーザビームは、空隙部
の高さが微小なので、空隙部内で有効に多重反射して、
すなわち空隙部の壁の間で反射を繰り返して空隙部の周
囲の部分を効率よく溶融する。同時に空隙部周辺の端面
部分および密着部近傍の端面部分も溶融する。そのため
密着部は3方から溶融し、溶融しない固相部分も熱伝導
により溶融温度に近い温度まで昇温する。そのため密着
部が形成される程度の、従って溶接中に重ね合せ部が押
し潰されない程度の軽い加圧によって、密着部の未溶融
の固相部分は容易に圧接される。従って重ね合せ部の端
面に沿って一様に溶融して溶接する場合に比べて、溶接
に要するエネルギーが少なくて済む。すなわちより高い
エネルギー効率でレーザビーム溶接を行なうことができ
る。なお空隙部は高さが微小なので、溶融した材料によ
って実質的に埋められる。加圧力は上記の程度である
故、溶接中の押し潰しにより、溶融した材料のはみ出し
や飛散等が起こるおそれがない。
【0008】請求項2記載の発明の場合の作用も、請求
項1記載の発明のそれと殆ど同じであるが、この場合は
第1の溶接部材の端面が第2の溶接部材の表面の上にあ
るので、レーザビームの照射方向が制約され、レーザビ
ームは第2の溶接部材の重ね合せ部内面に対して中心軸
が10〜60度の角度を有するように照射される。
【0009】レーザビームの中心軸の角度が10度より小
さいと、表面の端面近傍部での溶融材料の量が少なくな
り、高速溶接時に空隙部に埋め残しを生じ易くなるので
好ましくない。 中心軸の角度が60度を越えると、空隙
部内に進入するレーザビームの量が減少し、空隙部の周
囲における溶融が遅くなるので、高速溶接が困難にな
り、また表面の端面近傍部での板厚方向溶融深さが増大
して、その部分の外観や性質に悪影響を与えるので好ま
しくない。
【0010】
【実施例】図1において、1は金属板(例えば低炭素鋼
板)よりなる第1の溶接部材、2は同じ金属板よりなる
第2の溶接部材であって、両者は端面1aおよび端面2
aが揃うように、すなわち同一の面を形成するように重
ね合されて重ね合せ部3を形成している。図2に示すよ
うに、第1の溶接部材1の重ね合せ部3の内面1bの端
面1a近傍に沿って、互いに近接した多数の、深さhが
微小な凹溝4が形成されている。図1の場合、凹溝4の
長さ、すなわち奥行きは重ね合せ部3の幅よりも小さ
い。従って端面1a、2a近傍に沿って、凹溝4によっ
て形成される洞穴状の高さhが微小な空隙部5と、横幅
wが微小な密着部6が交互に繰り返されて形成されてい
る。
【0011】図3の10は、第1の溶接部材1の端面1
aの近傍部表面に凹溝4を形成するための装置の例を示
したものであって、11は下部案内具、12は上部押え
具、13は送りフィンガー、14は支持ロール、15は
凹溝4に対応する突条15aが形成されたローレット加
工ロールである。第1の溶接部材1は下部案内具11と
上部押え具12の間を送りフィンガー13によって移送
されながら、重ね合せ部3の内面1bとなるべき面の端
面1a近傍部に沿って、ローレット加工ロール15によ
って凹溝4を形成される。
【0012】図1において、7、8は加圧部材であっ
て、密着部6を形成可能程度の、かつ溶接中に重ね合せ
部が押し潰されない程度の加圧力で重ね合せ部3の端面
近傍部を加圧する。
【0013】9はレーザビームであって、9aはその中
心軸である。レーザビーム9は、中心軸9aが端面1
a、2aの板厚方向に対し実質的に直角方向になるよう
に、かつ焦点面が端面近傍にあって、少なくとも空隙部
5の周辺の端面部分に当たるように照射される。この場
合レーザビーム9は、端面1a、2aの長手方向すなわ
ち溶接方向に対して直角方向より傾斜させることがで
き、通常、直角方向より溶接方向に45度あるいは反溶接
方向に45度の範囲内で傾斜できる。レーザ照射部でのレ
ーザビーム9の直径Dは、使用するレーザの種類によっ
て異なるが、通常は0.1〜0.5mm程度のものが用いられ
る。レーザビーム9のレーザとしては、炭酸ガスレーサ
゛およびYAGレーザ等が好ましく用いられる。
【0014】空隙部5の高さhは、レーザビーム9が進
入できるように、当該レーザの波長以上であり、かつ後
記のように空隙部5の周囲に生じた溶融メタルによって
適正に埋められる値以下であり、通常はレーザビームの
照射部における直径Dの50%以下に、より好ましくは30
%以下に定められる。炭酸ガスレーザを用いる場合、高
さhは0.01mm以上で0.1mm以下、より好ましくは0.02mm
以上で0.07mm以下であることが望ましい。さらにレーザ
ビーム9が容易に進入できる空隙部5の幅dはできるだ
け大きく、一方密着部6の幅wはできるだけ小さくする
ことが望ましい。通常は、密着部6の幅wはレーザビー
ム9の直径D以下が好ましく、より好ましくは直径Dの
50%以下に定められる。空隙部5の幅dは密着部6の幅
wの30%以上、好ましくは50%以上に定められる。その
最適値は、金属板の種類、板厚、溶接速度、レーザの波
長、レーザの出力、レーザビームの照射面における直径
およびレーザビームのエネルギー分布等の影響を受ける
ので、これらの要因に基づいて実験により定められる。
【0015】重ね合せ部3の端面近傍部の溶接は次のよ
うにして行なわれる。重ね合せ部3を加圧部材7、8に
より、圧接可能の適度の加圧力で加圧しながら矢印A方
向に移動して、レーザビーム9を照射すると、空隙部5
に入ったレーザビーム9は、空隙部5内で多重反射し
て、すなわち空隙部の側壁や奥壁に当たって反射を繰り
返して空隙部5の周囲のメタルを溶融する。空隙部5は
高さが微小なので、空隙部5の端面近傍の溶融メタルが
表面張力により内部に引き込まれて空隙部5を埋める。
【0016】一方密着部6の上下近傍の端面では、レー
ザビーム9が反射されるので、レーザビーム9の出力が
比較的小さく、かつ高速移動のため照射時間が短い場合
は、メタルの溶融する奥行きは空隙部5に比べて浅くな
る。しかしレーザビーム照射による温度上昇と、空隙部
5周囲の溶融メタルからの熱伝導によって約1000℃以上
には温度が上がるため、密着部6の固相で残った部分は
加圧部材7、8の加圧によって圧接されて、溶接部16
が形成される。上記加圧力は、溶接中の重ね合せ部3を
押し潰す程大きくはないので、溶接部16が押し潰され
て溶融メタルがはみだしたり、あるいは飛散するおそれ
はない。
【0017】図4では、第1の溶接部材1の端面1aが
第2の溶接部材2の表面2bの上にあって、端面1aが
段部となっている。図1の場合と同様に、第1の溶接部
材1の重ね合せ部3の内面1bの端面1a近傍部に沿っ
て、互いに近接した多数の、高さhが微小な凹溝4が形
成されている。凹溝4の長さ、すなわち奥行きは重ね合
せ部3の幅よりも小さい。従って端面1a近傍に沿っ
て、凹溝4によって形成される洞穴状の高さが微小な空
隙部5と、横幅wが微小な密着部6が交互に繰り返され
て形成されている点は、図1の場合と同様である。
【0018】図4の場合は、第2の溶接部材2の表面2
bがレーザビーム9側に延びているため、レーザビーム
9の照射方向が図1の場合と異なる。すなわちレーザビ
ーム9は、第2の溶接部材2の重ね合せ部3における内
面2cと中心軸9aのなす角がθが10〜60度、より好ま
しくは15〜45度となるように、かつ少なくとも空隙部5
周辺の端面1a部分、および表面2bの端面1aの近傍
部2dに当たり、かつ焦点面がほぼ端面1aにくるよう
に照射される。
【0019】この場合のレーザビームの直径Dとは、図
4に示すように、レーザビーム9が当たった、表面の端
面近傍部2dの最外側の部分2d1、および端面1aの
最上部1a1(第1の溶接部材1の外面1cに当たる場
合は、その最外側の部分)を通り、中心軸9aと平行な
中心線を有する仮想円筒の直径をいう。第1の溶接部材
1の板厚に比べて直径Dが比較的大きいレーザビーム9
を用いるときには、レーザビーム9は端面近傍部2d、
端面1a、および外面1cの一部にわたって照射され
る。図1の場合についても、ほぼ同様なことがいえる。
【0020】この場合も、図1の場合とほぼ同様にして
重ね合せ部3を矢印A方向に移動させながら、レーザビ
ーム9を照射することにより溶接部16を形成すること
ができる。ただしこの場合は、レーザビーム9が第2の
溶接部材2の表面の端面近傍部2dに対して斜めに当た
るので、空隙部5内での多重反射が図1の場合よりも一
段と活発に行なわれ、また密着部6上の端面1aにも表
面の端面近傍部2dから反射したレーザビーム9が当た
るので、他の条件が同じのときは、図1の場合よりも溶
接効率が高い、すなわちより高速で溶接を行なうことが
できる。
【0021】図5は、図4のようにして形成された溶接
部16の平面図を示したものであり、図6および図7は
それぞれ、元の空隙部5および密着部6に対応する部分
の断面図を示す。図5において、1a’は元の端面1a
と表面2bの交線に対応する部分、5’は元の空隙部5
に対応する部分、6’は元の密着部6に対応する部分で
ある。斜線で示す17は溶融凝固部、多数の点が打たれ
た18は圧接部である。
【0022】図8のように、重ね合せ部3の幅よりも空
隙部5の深さ、すなわち奥行が大きく、空隙部5が重ね
合せ部3を突き抜けていてもよい。この場合も、図4の
場合とほば同様にして、レーザビーム9を照射すること
により効率よく、溶接部16を形成することができる。
【0023】以下に図4の場合の具体的データを示す。
板厚が0.21mmのティンフリースチールのブランクの端面
近傍部を図3に示す装置10でローレット加工して、図
2に示すような、深さhが0.04mm、幅dが約0.09mm、長
さが約0.3mmの断面円弧状の多数の凹溝4を、そのピッ
チが0.2mmになるように作製した。このブランク1とロ
ーレット加工を行なわない点以外は同様のブランク2を
重ね合せて、重ね合せ幅2mmの図4に示すタイプの重ね
合せ部3を形成した。
【0024】この重ね合せ部3を加圧部材7、8によっ
て、溶接方向10mm幅当たり約2kgfの加圧力で加圧し
て、毎分40mの速度で移動させながら、出力が1.2kw
で焦点距離が95.3mmのレンズで集光した炭酸ガスレーザ
を照射角θが25度になるようにして、重ね合せ部3に照
射して溶接を行ない、溶接部16を形成した。得られた
溶接部は16は、奥行き約0.2〜0.3mmにわたって融接あ
るいは圧接されており、好ましい溶接強度を有してい
た。
【0025】比較のため、ローレット加工を行なわない
ブランク2と同様のブランク1を用いた点以外は、前記
と同様にしてレーザ溶接を行なった。得られた溶接部で
は、奥行きが約0.05mm程度の溶融ビードがブランク1の
端面近傍に形成されただけであり、好ましい溶接強度を
得ることが出来なかった。
【0026】第2の溶接部材2の重ね合せ部3の内面に
も凹溝4を形成して、図9や図10に示すような空隙部
5を設けて、前述のようにしてレーザ溶接を行なっても
よい。また第2の溶接部材2のみに凹溝4を形成しても
よい。
【0027】図11は、図1の方式の場合の応用例を示
したものである。20は、フランジ部21を有する金属
缶胴(例えば錫めっき鋼板よりなる)、22は金属蓋
(例えば錫めっき鋼板よりなる)であって、フランジ部
21と金属蓋22の周縁部22aが重ね合せられて、周
状の重ね合せ部23が形成されている。周縁部22aの
端面近傍内面には凹溝が予め形成されていて、そのため
重ね合せ部23の端面近傍には空隙部5が周方向に多数
存在する。重ね合せ部23をフランジ受け24と押圧具
25によって加圧し、同時に缶胴20および蓋22を軸
心の周りに回転しながら、端面にレーザビーム9を照射
して溶接部16を形成することによって、缶胴20と蓋
22を接合することができる。
【0028】図12は、図4の方式の場合の応用例を示
したものである。26は、絞り口部27を有する金属缶
胴、28はカップ状の金属蓋である。蓋27は口部27
にぴったりと嵌入されて周状の重ね合せ部29が形成さ
れている。口部27の端面近傍内面には予め凹溝が多数
形成されていて、そのため重ね合せ部29の端面近傍に
は空隙部5が周方向に多数存在する。重ね合せ部29を
中子30と押圧ロール31によって加圧し、同時に缶胴
26と蓋28を軸心の周りに回転しながら、端面にレー
ザビーム9を照射して溶接部16を形成することによっ
て、缶胴26と蓋28を接合することができる。次に図
13に示すように、蓋28の周壁部の口部27より突出
した部分28aを口部27の外周を覆うように巻締める
ことによって、安全でかつ外観の優れた口端部32を形
成することができる。
【0029】図14は、図4に示すタイプの空隙部5と
密着部6を有する重ね合せ部34を形成された金属缶胴
プリフォーム35を矢印A方向に移動しながら、二対の
ロール36、37により加圧しながら、各ロールの加圧
部の中間において、移動方向の直角方向に対し角度αだ
け斜め方向(基準面に対する角はθ)から、レーザビー
ム9を照射して溶接部16を形成し、金属缶胴38を製
造する状態を示したものである。
【0030】重ね合せ部3の重ね合せ幅は極く小さい
(例えば0.2mm)が、空隙部5は重ね合せ部3内にあっ
て、重ね合せ部3を突き抜けていない。この場合の加圧
力も、密着部6が形成される程度であって、溶融メタル
のはみ出しや飛散が起こるような過剰な加圧は行なわな
い。缶胴を製造する場合は、溶接部16が凝固した後、
ロール等により加圧して段差部を実質的に消失させるこ
とが望ましい。
【0031】本発明は、以上の実施例によって制約され
るものでなく、例えば溶接部材は熱可塑性プラスチック
よりなるものであってもよい。また凹溝4の形状も適宜
のものでよく、例えば図15に示すように、格子状に交
差する凹溝部分4a、4bよりなるものであってもよ
い。さらに図16に示すように、波状にローレット加工
して、凹溝4を形成したものであってもよい。
【0032】図15では、第1の溶接部材1の重ね合せ
部3の内面1bに、互いに交差する傾斜した凹溝部分4
a、4bが形成されている。これらの凹溝部分4a、4b
を重ね合せ部3の空隙部5とすることができる。このよ
うな凹溝部分4a、4bは例えば、最初に凹溝4aを斜
めの凸条を有するローレット加工ロールを用いて加工
し、ついで凹溝4bを反対方向に傾斜した凸条を有する
ローレット加工ロールで同様に加工することによって得
られる。この場合、重ね合せ部3の空隙部5の横幅を比
較的大きく、かつ密着部6の横幅を比較的小さくできる
利点がある。
【0033】図16の場合、第1の溶接部材1の端面近
傍部は波状に加工されており、比較的幅dが広い凹溝4
を重ね合せ部3の空隙部5にすることができる。このよ
うな波状の端面近傍部は、例えば図3でローレット加工
ロール15と円筒表面が薄い弾性体よりなる支持ロール
14とを組み合わせて加工することによって得られる。
すなわちローレット加工ロール15により凹溝4cが形
成され、さらにその反対側の支持ロール表面の薄い弾性
体を変形させて突起部40が形成され、比較的幅広の凹
溝4が支持ロール側に形成される。この場合も、重ね合
せ部3での密着部6の幅が狭く、かつ空隙部5の幅が広
くできるので、比較的効率の高い溶接が可能となる。
【0034】
【発明の効果】本発明の重ね合せ部のレーザビーム溶接
方法は、溶接部材の重ね合せ部を、比較的高い溶接効率
で、すなわち比較的出力の小さなレーザビームの照射
で、高速溶接を行なうことができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の態様である重ね合せ部
に、レーザビームを照射している状態を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の第1の溶接部材を裏側からみた斜視図で
あって、第1の例の凹溝を示す図面である。
【図3】図2に示す第1の溶接部材の凹溝を形成する装
置の例を示す一部切断正面図である。
【図4】本発明における第2の態様である重ね合せ部
に、レーザビームを照射している状態を示す斜視図であ
る。
【図5】図4の方法によって形成された溶接部の平面図
である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う縦断面図である。
【図7】図5のVII−VII線に沿う縦断面図であ
る。
【図8】本発明における第3の態様である重ね合せ部
に、レーザビームを照射している。状態を示す斜視図で
ある。
【図9】本発明における第4の態様である重ね合せ部の
正面図である。
【図10】本発明における第5の態様である重ね合せ部
の正面図である。
【図11】本発明の、第1の応用例を示す一部切断正面
図である。
【図12】本発明の、第2の応用例を示す一部切断正面
図である。
【図13】図12の溶接部を巻締めることにより被覆し
た後の状態を示す要部縦断面図である。
【図14】本発明の、第3の応用例を示す要部斜視図で
ある。
【図15】本発明における、凹溝の第2の例を示す、図
2に対応する斜視図である。
【図16】本発明における、凹溝の第3の例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 第1の溶接部材 1a 端面 1b 内面となる面 2 第2の溶接部材 2a 端面 2b 表面 2d 表面の端面近傍部 3 重ね合せ部 4 凹溝 5 空隙部 6 密着部 9 レーザビーム 9a 中心軸 23 重ね合せ部 29 重ね合せ部 34 重ね合せ部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図14
【補正方法】削除
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図15
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図16
【補正方法】削除

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の溶接部材の端面と第2の溶接部材の
    端面が揃うように重ね合せられた、重ね合せ部の端面に
    沿ってレーザビーム溶接を行なう方法において、少なく
    とも一方の溶接部材の重ね合せ部の内面となるべき面の
    端面近傍に沿って、多数の微小な深さの凹溝を形成した
    後、重ね合せ部を形成し、端面近傍に沿って密着部と空
    隙部が交互に形成される程度の加圧力で、重ね合せ部を
    加圧しながら、少なくとも空隙部周辺の端面部分にレー
    ザビームが当たるよう、端面の延びる方向に沿って端面
    の板厚方向に対して実質的に直角にレーザビームを照射
    して溶接を行なうことを特徴とする重ね合せ部のレーザ
    ビーム溶接方法。
  2. 【請求項2】 第1の溶接部材の端面が第2の溶接部材
    の表面の上にあって段部となるように重ね合せられた、
    重ね合せ部の端面に沿ってレーザビーム溶接を行なう方
    法において、少なくとも第1の溶接部材の重ね合せ部の
    内面となるべき面の端面近傍に沿って、多数の微小な深
    さの凹溝を形成した後、重ね合せ部を形成し、端面近傍
    に沿って密着部と空隙部が交互に形成される程度の加圧
    力で、重ね合せ部を加圧しながら、第2の溶接部材の重
    ね合せ部内面に対して中心軸が10〜60度の角度を有する
    レーザビームを、少なくとも空隙部周辺の端面部分、お
    よび上記表面の該端面の近傍部に当たるよう、端面の延
    びる方向に沿って照射して溶接を行なうことを特徴とす
    る重ね合せ部のレーザビーム溶接方法。
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