JPH06106344A

JPH06106344A - 桁構造物の製造方法

Info

Publication number: JPH06106344A
Application number: JP28252292A
Authority: JP
Inventors: Seiji Takahata; 清治高畑; Ken Fujimura; 憲藤村; Shigeru Ohaku; 茂尾栢; Tadaaki Kuwamura; 忠明桑村; Atsuo Yomo; 淳夫四方
Original assignee: NKK Corp; Nippon Kokan Ltd
Current assignee: JFE Engineering Corp
Priority date: 1992-09-28
Filing date: 1992-09-28
Publication date: 1994-04-19

Abstract

(57)【要約】【目的】橋梁の鈑桁等、桁構造物の製造工程数を減少
し、作業効率を向上し、省人化を実現する。【構成】 (1):フランジ２およびウェブ３を位置決め
し、組立て仮付溶接する。(2):縦位置にしたワーク１の
ウェブ３の表側にスティフナ４を仮付溶接する。(3):ワ
ーク１の上下を反転して、裏側にスティフナ４を仮付溶
接する。(4):ワーク１を、縦位置または横位置、およ
び、左記体勢から上下反転させ溶接を一括して行なう。
(5):縦位置にしたワーク１のウェブ３の溶接歪みの矯正
およびフランジ２の溶接歪みの矯正を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、橋梁の鈑桁および鉄
骨の梁等、桁構造物の製造において、その工程数および
作業員数を減少し、作業環境、作業効率を向上するため
の方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２は橋梁の鈑桁の１例を示す斜視図で
ある。桁構造物、例えば、橋梁の鈑桁（以下、「鈑桁」
という）にあっては、図２に示すように、フランジ２お
よびウェブ３からなるＨ型構造の主構造物と、これに取
り付けられたスティフナ４等の部材とからなっている。
従来の鈑桁は、フランジ２およびウェブ３をＨ型に組み
立てて仮付け溶接し、次いで接合部を溶接し、次いで、
溶接歪みの矯正を行なうことにより主構造物の完成｛Ｂ
Ｈ( Built upＨ）（以下、「ＢＨ」という）｝を先に
し、しかる後にスティフナ４を取り付けるいわゆるＢＨ
先行方式によって製造されている。

【０００３】以下に従来の鈑桁製造方法を、図３を参照
して工程順に説明する。図３は従来の鈑桁の組立フロー
の１例を示す工程図である。図中Ｗは溶接を示す。な
お、下記(1) 〜(10)は、図３中の符号(1) 〜(10)と符合
する。 (1) フランジ２およびウェブ３を位置決めし、組立て、
そして、仮付溶接する（以下、被加工材を「ワーク」）
という。 (2) フランジ２とウェブ３との接合部を溶接する。溶接
作業は図３に示すように、ウェブ３の上面においてのみ
行われる。 (3) このため、ワーク１を反転し、(2) で下面側であっ
た反対側の溶接を行なう。 (4) ワーク１を縦位置にし、下部においてフランジ２の
溶接歪みの矯正を行なう。 (5) 縦位置にしたワーク１の上下を反転して、下部にお
いて反対側のフランジ２の溶接歪みの矯正を行なう。こ
こまでが、主構造物（フランジおよびウェブ）の製造工
程である。

【０００４】(6) 縦位置のワーク１を再び横位置にし
て、ウェブ３の表側にスティフナ４を仮付け溶接し、お
よび、溶接する。 (7) ワーク１の上下を反転して、裏側にスティフナ４を
仮付け溶接し、および、溶接する。 (8) ワーク１を縦位置にし、下部においてスティフナ４
を仮付け溶接し、および、溶接する。 (9) ワーク１の上下を反転して、下部において反対側の
スティフナ４を仮付け溶接し、および、溶接する。ここ
までが、部材（スティフナ）の取付け工程である。 (10)ウェブ３の溶接歪みの矯正を行なう。この後、搬出
する。以上を、「先行技術」という。

【０００５】本工程による作業手順は、従来、下記（A)
または(B) によって行なわれる。 (A) 工程別に一部機械化された設備における製造、他
は人手作業を行ない両者が存在する場合。例えば、(2) 、(3) ウエブ、フランジの溶接および反
転、および、(4) 、(5)、(10) 歪み矯正および反転等
を機械化された設備で製造し、最も作業工程を必要とす
る(6) 〜(9) スティフナの仮付、溶接、反転工程をクレ
ーンを利用した人手作業となっていた。 (B) 全面的に人手作業による。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、先行技
術は、(1) から(10)までの10の工程を経る必要があり、
しかも、ＢＨ｛(1) から(5) までの工程｝専用の場所と
設備とを要し、設備面積および定盤数が増大するととも
に、ＢＨと同様の作業である仮付け溶接、溶接が、後工
程のスティフナ取付け工程にも必要であり、同一工程が
２度繰り返され、作業員が分散配置される結果、人員数
も多く必要となり、それぞれに無駄とロスを含んでい
た。

【０００７】従って、この発明の目的は、上述の問題を
解決し、同種作業工程を一括し、作業工程数を減少し、
効率良く鈑桁等の桁構造物を製造することができるとと
もに、省人化が実現できる桁構造物の製造方法を提供す
ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、主構造物
と、前記主構造物に取り付けられた部材とからなる桁構
造物の製造において、前記主構造物を組立てて仮付溶接
し、次いで、前記主構造物に前記部材を仮付溶接して前
記桁構造物の組立を完了し、次いで、前記主構造物およ
び前記部材を一括して溶接し、次いで、前記主構造物の
溶接歪みの矯正を行なうことに特徴を有するものであ
る。

【０００９】次に、この発明の鈑桁製造方法を、図面を
参照しながら工程順に説明する。図１はこの発明の方法
による鈑桁の組立フローの１実施態様を示す工程図であ
る。図中Ｗは溶接を示す。なお、下記(1) 〜(5) は、図
１中の符号(1) 〜(5) と符合する。

【００１０】(1) フランジ２およびウェブ３を位置決め
し、組立て、そして、仮付溶接する。 (2) ウェブ３の表側にスティフナ４を仮付溶接する。 (3) ワーク１の上下を反転して、裏側にスティフナ４を
仮付溶接する。 (4) フランジ２とウェブ３との溶接、および、スティフ
ナ４の溶接を一括して行なう。一括溶接を行なうには、
フランジ２、ウェブ３、スティフナ４の仮付け溶接が完
了したワーク１を、縦位置または横位置、および、左記
体勢から上下反転させる必要があるため、溶接ロボット
等の溶接設備とワークの位置を変えるためのポジショナ
ーとが併設された設備を設ける。これにより、フランジ
とウェブ、および、スティフナの溶接が一括して行え
る。 (5) 縦位置にしたワーク１の上部および下部においてフ
ランジ２の溶接歪みの矯正、および、ウェブ３の溶接歪
みの矯正を行ない、この後、搬出する。

【００１１】ウエブ、フランジ、スティフナの仮付、反
転工程(1) 〜(3) を除く工程が機械化された。特に作業
工程が必要な(4) 工程で、ウエブ、フランジおよびステ
ィフナの一括溶接がオンラインで製造可能である。これ
は、溶接設備とポジショナーとが併設された図４に示す
設備により達成される。図４に示すように、この設備
は、ワーク１の長さ方向に進退自在で、ワークを保持し
任意角度に回転可能なポジショナー５、ワーク１を昇降
自在に支持する受台６、および上部架台７に複数配設さ
れた溶接ロボット８、ワーク搬出入のための搬出入装置
（図示せず）、ワークを搬出入装置からポジショナーに
移動させるための移載装置（図示せず）から構成されて
いる。

【００１２】本工程における作業手順は以下の通りであ
る。縦置きの状態のワーク１が搬出入装置により本装置
内に搬入され、定位置（設定位置）に停止する。ポジショナー５の中心位置（溶接機中心）迄移載装
置によりワーク１を移載し、ポジショナー５により保持
し、更に、受台６が上昇しワーク１を支持する。上部架台７に配設された溶接ロボット８により溶接
作業を行なう。一旦受台６が下降し、ポジショナー５が９０°回転
し、再び受台６が上昇しワーク１を支持する。その後、
溶接作業を行なう。以上の作業を必要に応じて繰り返し溶接作業が全て
完了後、受台６が下降し、移載装置によりワーク１を移
載して搬出入装置により次工程に搬送される。

【００１３】上記のように、本発明方法では、(1) から
(5) までの５つの工程しか必要とせず、工程数は先行技
術よりも大幅に減少する。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、下記に示す有用な効果がもたらされる。溶接装置とポジショナーとを併設した設備により、
ワークの位置変えが必要な溶接が一箇所で可能となり、
しかも、主構造物と部材とを一括して同一箇所で溶接す
ることができるので、工程数が減少し、作業効率が向上
する。上記工程を一括のライン化すれば、設備全体の面
積、設備数および定盤数が減少し、設備投資等のコスト
減となる。仮付溶接、溶接作業に携わる作業員数が減少し、省
人化が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の方法による鈑桁の組立フローの１実
施態様を示す工程図

【図２】橋梁の鈑桁の１例を示す斜視図

【図３】従来の鈑桁の組立フローの１例を示す工程図

【図４】溶接設備とポジショナーとが併設された設備を
示す正面図。

【符号の説明】

１ワーク２フランジ３ウェブ４スティフナ５ポジショナー６受台７上部架台８溶接ロボット。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者桑村忠明東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内 (72)発明者四方淳夫東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】主構造物と、前記主構造物に取り付けら
れた部材とからなる桁構造物の製造において、前記主構
造物を組立てて仮付溶接し、次いで、前記主構造物に前
記部材を仮付溶接して前記桁構造物の組立を完了し、次
いで、前記主構造物および前記部材を一括して溶接し、
次いで、前記主構造物の溶接歪みの矯正を行なうことを
特徴とする桁構造物の製造方法。