JPH06106307A - 連続鋳造におけるダミーバーヘッドのシール方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳型上方からダミーバーを挿入する場合のダ
ミーバーヘッドのシールのための作業時間を短縮する。 【構成】 予めダミーバーヘッド３に注入金属の熱によ
って破壊されるような材料からなるシール部材４を取り
付けておき、鋳型１の開口部２の寸法を鋳造時の寸法よ
り拡げた状態でダミーバーヘッドを鋳型上方から挿入
し、その後鋳造時の寸法に鋳型を縮小し、該シール部材
を圧縮してシールする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造の操業初期に
おいて行なわれる、鋳型内に挿入されるダミーバーヘッ
ドと鋳型内面との隙間をシールする方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に連続鋳造機には、ダミーバーを鋳
型下方から挿入する型式と、鋳型上方から挿入する型式
とがある。前者の型式のものでダミーバーヘッドをシー
ルする方法としては例えば特公平４−３１７７９号公報
のものがあり、これは注入金属の熱によって破壊される
ようなシール材料を予めダミーバーヘッド上にセットす
ることによってシールする方法である。

【０００３】しかし、この方法を後者の型式のものに用
いると、ダミーバーを鋳型上方から挿入するので、予め
取り付けられたシール部材が鋳型内にダミーバーヘッド
を挿入するときに鋳型内面と接触し脱落する。このた
め、後者の型式のものではダミーバーヘッドを鋳型の所
定位置に挿入したあと、石綿等の材料からなる紐等を用
いて人手でダミーバーヘッドと鋳型内面との隙間を塞い
でいるのが現状である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように鋳型上方か
らダミーバーを挿入する型式のものに対しては容易かつ
迅速なダミーバーヘッドシール方法がなく、前述のよう
に人手に頼るほかになかったので作業時間が長くかかっ
ていた。

【０００５】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、鋳型上方から
ダミーバーを挿入する型式のものに対してダミーバーヘ
ッドのシールのための作業時間を大巾に短縮することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、まず、予め注
入金属の熱によって破壊される材料からなるシール部材
をダミーバーヘッドに取り付けておき、このシール部材
を取り付けたダミーバーヘッドを、鋳型開口部寸法を鋳
造時の寸法よりも大きくしてから鋳型上方から挿入し、
その後鋳造時の寸法に縮小することによりシール部材を
圧縮してシールすることを特徴とする連続鋳造における
ダミーバーヘッドのシール方法である。

【０００７】また、本発明は、前記シール部材を冷却材
または脱酸材を有する発泡性樹脂より構成したものであ
り、冷却材や脱酸材はシール部材に含ませておいたり、
ダミーバーヘッドの挿着後にシール部材上に散布する方
法で良いものである。

【０００８】

【作用】本発明においては、鋳型の４辺が公知の開閉手
段で開閉可能となっているもので、このような鋳型に対
してその開口部寸法を拡げた状態で上方から前記シール
部材を取り付けたダミーバーヘッドを挿入し、その後鋳
型を鋳造時の寸法に縮小して該シール部材を圧縮すれ
ば、シール部材が脱落することなく鋳型内面とダミーバ
ーヘッドとの隙間を完全に塞ぐことになり、かくしてほ
とんど人手をわずらわせることなく簡単にダミーバーヘ
ッドのシール作業ができ、時間を短縮できることになる
のである。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示す断面図で、同
図の（ａ）はダミーバーヘッドの挿入時の状態、（ｂ）
はダミーバーヘッドの挿入後鋳型開口寸法を縮小した状
態を示す。この連続鋳造用の鋳型１は、周知のごとくそ
れぞれ相対向する１対の長辺板１ａと１対の短辺板１ｂ
により横断面が長方形の開口部２を有するように形成さ
れており、かつ、それぞれの長辺板１ａ及び短辺板１ｂ
は図示しない公知の開閉手段によって対向方向に拡大、
縮小する構成となっている。

【００１０】このような開閉可能な鋳型１に対しダミー
バーヘッド３をシールするために、まず、例えば発泡性
ポリスチロールのような鋳造金属の熱によって破壊され
るようなシール部材４を予めダミーバーヘッド３の上面
に被着しておく。シール部材４は図１（ａ）に示すよう
にキャップ状に成形されたものが好ましい。次に、鋳型
１の開口部２の寸法（長辺の長さ×短辺の長さ）が鋳造
時の寸法よりも大きくなるように、前記開閉手段で長辺
板１ａ及び短辺板１ｂを拡げる。長辺板１ａは矢印Ａの
方向に、短辺板１ｂは図面の表裏方向に拡大するのであ
る。このときの開口部２の寸法はシール部材４の大きさ
より多少大きめに設定する。この状態で次に、前記のよ
うにダミーバーヘッド３にシール部材４を取り付けたダ
ミーバーを上方から鋳型１に挿入し（矢印Ｂ方向）、該
ダミーバーヘッド３を所定の位置で停止させたのち、図
１（ｂ）に示すように開口部２の寸法が鋳造時の寸法に
なるまで長辺板１ａ及び短辺板１ｂを矢印Ｃ方向に縮小
する。そうすると、シール部材４の周縁部４ａがそれぞ
れ長辺板１ａ及び短辺板１ｂにより圧縮されるので、鋳
型１の内面とダミーバーヘッド３との間の隙間５を全周
完全に塞ぐことができる。

【００１１】その後、冷却材（多くの場合金属片）６や
脱酸材（例えばアルミニウム粉末）７をシール部材４上
に散布したり、あるいは最初からシール部材４にこれら
の冷却材６や脱酸材７を取り付けておき、このようにシ
ールされた鋳型１内に取鍋より溶湯を注入すれば、その
注入金属の熱によってシール部材４が溶解され、ダミー
バーヘッド３の係合用凹部８内に注入金属が入り込んで
硬化することによって注入金属とダミーバーヘッド３の
連結が果たされる。

【００１２】前述のように、ダミーバーを鋳型１の上方
から挿入しても、挿入時、鋳型１の開口部寸法が鋳造時
よりも大きく拡げられているため、予めダミーバーヘッ
ド３に取り付けておいたシール部材４が鋳型内面と接触
することがないので、該シール部材４が脱落するような
ことは起こらない。しかもその後鋳造時寸法に鋳型１の
開口部を縮小することによって、シール部材４を圧縮
し、鋳型１の内面とダミーバーヘッド３との間の隙間５
を全周完全に塞ぐことができ、かくしてダミーバーヘッ
ド３のシール作業を短時間に行なうことができる。

【００１３】なお、前記実施例ではシール部材をキャッ
プ状に成形したものを用いたが、平板状のシール部材で
も良く、接着剤やねじ等で該シール部材が剥がれない程
度にダミーバーヘッドに取り付けることもできる。ま
た、ダミーバーヘッドの注入金属との連結は前記の係合
用凹部８でなくても良く、きのこ状の突起でも差し支え
ない。但しこの場合、シール部材には該突起が挿通する
ような開口部を設ける必要がある。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ダミーバ
ーを鋳型上方から挿入する型式の連続鋳造機において、
ダミーバーヘッド上に取り付けたシール部材を脱落させ
ることなく挿入することができるとともに、該シール部
材によって鋳型内面とダミーバーヘッドとの間の隙間を
全周完全に塞ぐことができるものであるから、ダミーバ
ーヘッドのシール作業をほとんど人手をわずらわせるこ
となく短時間に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるダミーバーヘッドのシ
ール方法の説明図である。

【符号の説明】

１ 鋳型 ２ 開口部 ３ ダミーバーヘッド ４ シール部材 ５ 隙間 ６ 冷却材 ７ 脱酸材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダミーバーを鋳型上方から挿入する型式
   の連続鋳造機において、 予め注入金属の熱によって破
   壊される材料からなるシール部材をダミーバーヘッドに
   取り付けておき、該ダミーバーヘッドを鋳型開口部寸法
   を鋳造時の寸法よりも大きくした状態で鋳型内に挿入
   し、その後鋳型開口部寸法を鋳造時の寸法まで縮小して
   前記シール部材を圧縮することを特徴とする連続鋳造に
   おけるダミーバーヘッドのシール方法。
2. 【請求項２】 前記シール部材が冷却材または脱酸材を
   有する発泡性樹脂よりなることを特徴とする請求項１記
   載の連続鋳造におけるダミーバーヘッドのシール方法。