JPH06105608A - 田植機の苗送り装置 - Google Patents

田植機の苗送り装置

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JPH06105608A
JPH06105608A JP15311392A JP15311392A JPH06105608A JP H06105608 A JPH06105608 A JP H06105608A JP 15311392 A JP15311392 A JP 15311392A JP 15311392 A JP15311392 A JP 15311392A JP H06105608 A JPH06105608 A JP H06105608A
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seedling
screw shaft
seedlings
spiral groove
stand
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Hiroyoshi Fujiki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 苗のせ台を往復移動させる駆動装置を、苗植
付爪による前記苗のせ台からの苗取出時に減速あるいは
停止すべく構成した田植機の苗送り装置において、苗の
せ台を、苗植付爪による苗取りに的確にタイミングを合
わせた状態で円滑かつ適切に間欠減速あるいは停止でき
るようにする。 【構成】 周面に無端螺旋溝9を備えると共に、その溝
9に係合するコマ12と相対往復移動すると共に相対定
速回転駆動する状態でネジ軸10を設けると共に、前記
無端螺旋溝9を、前記ネジ軸10の長手方向端部以外に
おいて、前記苗植付爪7による苗取出時に前記コマ12
が形成する部分9bのリード角がその他の部分9cのリ
ード角よりも小になるように形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苗植付爪による苗のせ
台からの苗の取出し時の爪の横側と横移動する苗との接
当によるマット状苗の変形を防止するために、苗のせ台
を往復移動させる駆動装置を、苗植付爪による前記苗の
せ台からの苗取出時に減速あるいは停止すべく構成した
田植機の苗送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記田植機の苗送り装置における
駆動装置を構成するに、苗のせ台駆動用油圧モータに対
する圧油供給を、苗植付爪による苗のせ台からの苗取り
時に自動弁等により自動的に減量あるいは停止するよう
に構成したり、あるいは、周面に無端螺旋溝を備えたネ
ジ軸とその溝に係合するコマとの相対駆動回転によるそ
れらの相対往復移動により苗のせ台を横往復移動させる
と共に、ネジ軸とコマとの相対駆動回転を、それらの駆
動系に介装したラチェット機構やカム機構等により苗植
付爪による苗取り時に自動的に停止するように構成し、
苗取りタイミングに合わせて苗のせ台の横移動を間欠的
に減速あるいは停止させていたのであるが、前者の圧油
供給制御による場合には、油圧式駆動装置元来の特性に
よる作動遅れや弁からのリーク、あるいは油圧ポンプの
回転数変化等に起因して、また後者のネジ軸とコマとの
機械式間欠相対駆動回転による場合には、それらの駆動
系のカムやラチェット機構等のバックラッシュやガタ付
きに起因して、苗のせ台の間欠的横送りピッチに不規則
はバラ付きが生じ、そのために、爪による苗取量が変化
する等、かえって苗取り性能を低下する欠点があった。
しかも、前者のものの場合には、自動制御弁に対する自
動走査装置等の構造が複雑となる等経済面及び制作面に
おいて不利な点があり、又、後者の場合にもネジ軸やコ
マに対する駆動構造が複雑になると共に、間欠駆動によ
るカムやラチェット等の磨耗が激しく、経済面、制作面
のみならず耐久性の面においても不利な点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述従
来の実情に鑑みて、コマと相対回転するネジ軸に対する
簡単な改良により、苗のせ台を、苗植付爪による苗取り
に的確にタイミングを合わせた状態で円滑かつ適切に間
欠減速あるいは停止できるようにし、苗取り性能を良好
に維持しながらマット状苗の爪との接当による変形を確
実に防止すると共に、苗送り装置の構造を簡単にしかつ
耐久性をも向上する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、冒
記田植機の苗送り装置において、前記駆動装置を構成す
るに、周面に無端螺旋溝を備えると共に、その溝に係合
するコマと相対往復移動すると共に相対定速回転駆動す
る状態でネジ軸を設けると共に、前記無端螺旋溝を、前
記ネジ軸の長手方向端部以外において、前記苗植付爪に
よる苗取出時に前記コマが係合する部分のリード角がそ
の他の部分のリード角よりも小になるように形成してあ
る事にある。
【0005】
【作用】つまり、ネジ軸に形成する無端螺旋溝のリード
角を設定することにより、ネジ軸とコマとを相対定速回
転駆動させながら、苗植付爪の苗取りタイミングに合わ
せて苗のせ台を間欠的に減速あるいは停止させるもので
あるから、油圧式間欠駆動やコマとネジ軸との間欠相対
回転駆動による従来構成のもののような油圧構造本来の
作動送りや圧油のリーク、あるいは、駆動系統における
バックラッシュやガタ付き等に起因した苗のせ台の横送
りピッチのバラ付きを確実に回避することができて、爪
による苗取りに的確にタイミングを合わせた状態で円滑
かつ適切に苗のせ台を間欠減速あるいは停止させること
ができる。
【0006】
【発明の効果】その結果、爪による苗取り性能を良好に
維持しながら爪とマット状苗との横方向での接当による
マット状苗の変形を確実に防止して、苗の植付性能を大
巾に向上し得るに至り、しかも、ネジ軸とコマとを相対
定速回転させるものであるから、それらをカム機構やラ
チェット機構等により間欠駆動するものに比して駆動系
における磨耗損傷を抑制することができるに至った。
又、ネジ軸とコマとに対する駆動系におけるバックラッ
シュやガタ付きに起因した苗のせ台の横送りピッチのバ
ラ付きや、その駆動系における磨耗損傷を抑制した状態
で、ネジ軸とコマとを間欠的に相対減速駆動するに、図
5に示すように、ネジ軸10あるいはコマ部材12側の
入力軸14と駆動側出力軸15とを楕円ギア対16によ
り連動連結する等のことも考えられるが、このものにあ
っても従来のものと同様に駆動構造が複雑になる欠点が
あり、これに対して本発明のものによればネジ軸に形成
する無端螺旋溝のリード角の設定変更のみの改良である
から駆動構造も極めて簡略化することができ、全体とし
て、苗送り性能及び耐久性に極めて優れた苗送り装置を
経済面、製作面においても極めて有利に提供し得るに至
った。
【0007】
【実施例】次に本発明の実施例を例示図に基づいて詳述
する。図1及び図2に示すように、乗用車体から伸縮及
び屈折自在な伝動軸2を介して動力伝達を受ける植付ミ
ッションケース3に、複数枚のマット状苗Wを横方向に
並べて載置する傾斜苗のせ台4を、一定ストロークで駆
動横往復移動させるべく連設すると共に、苗のせ台4の
下端部を受け止め支持する摺動枠5に形成した切欠き部
6を通してマット状苗Wの下端部列から縦循環動作によ
り順次一株分づつのブロック状苗を取出し泥面に植付け
る植付爪7の複数個を機体横方向に並設し、更に、苗の
せ台4がストロークエンドに達する毎にマット状苗Wを
下方に送る回転係止送り具8を設け、もって、乗用型田
植機に装備される苗植付装置を構成してある。前記マッ
ト状苗Wは、平面視において縦長の長方形形状の床土A
に対して、その長手方向に等ピッチPで苗籾を横条播
し、苗籾を発芽、発根させ育成して形成されており、こ
れに対して植付爪7により一株分づつのブロック状苗を
取出すに、ブロック状苗の床土Aの縦寸法l1が状播ピ
ッチPの2ピッチ分に等しく、かつその横巾寸法l2が
縦寸法l1よりも小となる状態で順次ブロック状苗を取
出すように、苗取出し時における植付爪7のマット状苗
Wに対する縦方向オーバーラップ量、及び、植付爪7の
苗取出し巾、さらに、それに見合った苗のせ台4の横送
り量を設定してあり、ブロック状苗の床土Aを横状播ピ
ッチPの2ピッチ分に等しい縦寸法l1で取出すように
したことにより、回転係止送り具8によるマット状苗W
の下方送り量に誤差が生じたとしても、最下端列の1条
播分の苗は確実に取出せるようにし、マット状苗Wの下
方送り誤差に起因した植付爪7の苗空取りを確実に防止
するように構成してある。前記苗のせ台4を往復駆動す
るに、図3及び図4に示すように、植付ミッションケー
ス3に、周面に無端螺旋溝9を穿設した機体左右向きの
ネジ軸10を、その両端部がミッションケース3の外側
壁から突出する状態で、かつネジ軸10の長手方向に摺
動自在に支承し、機体左右方向に摺動自在な苗のせ台4
をそのネジ軸10の突出両端部に、ネジ軸10が回転不
能となる状態で一体連結すると共に、植付ミッションケ
ース3内においてネジ軸10に相対回転自在に外嵌さ
れ、かつ、植付ミッションケース3に対して横移動不能
な状態で回転自在に支持された筒状部材11に、ネジ軸
10の無端螺旋溝9に係合しそれに沿って相対移動する
コマ部材12を、ネジ軸10の軸芯と直交する軸芯周り
で回転自在に取付け、もって、伝動軸2からギア式減速
機構13を介して筒状部材11に伝達される回転動力に
より、コマ部材12をネジ軸10軸芯周りで定速駆動回
転させ、コマ部材12と無端螺旋溝9との係合案内作用
により、苗のせ台4をネジ軸10と一体的に横往復駆動
させるように構成してある。更に、前記無端螺旋溝9を
形成するに、ネジ軸10の摺動向きを反転するようにコ
マ部材12を案内するネジ軸10長手方向両端部におけ
る螺旋溝部分9a以外において、無端螺旋溝9を、前記
苗植付爪7による苗取出し時にコマ部材12が係合する
部分9bのリード角がその他の部分9cのリード角より
も小でほぼ0°となるように、即ち、植付爪7の苗取出
し時にコマ部材12を定速回転させながらも苗のせ台4
の横移動が一時的に停止するように形成してあり、縦循
環動作する植付爪7の横側と横移動するマット状苗Wと
の接当によるマット状苗Wの変形を防止すると共に、そ
の変形防止のための苗のせ台4の間欠停止を、コマ部材
12を定速回転させながら無端螺旋溝9のリード角の設
定のより行うようにしたことにより、間欠停止の際に苗
のせ台4の横送り量にズレが生じることや、苗のせ台4
がオーバーランすることを確実に回避し、苗取出し性能
をより一層向上するように構成してある。尚、ネジ軸1
0の無端螺旋溝9において苗植付爪7による苗取出し時
にコマ部材12が係合する部分9bのリード角をその他
の部分9cのリード角よりも小に設定するに、その具体
的角度は適宜構成変更が可能であり、植付爪7の苗取出
し時に苗のせ台4を適当速度まで間欠減速するように構
成しても良い。又、コマ部材12を定速配転駆動するに
代えて、コマ部材12を定位置に固定すると共に、ネジ
軸10を定速回転駆動し、苗のせ台4を間欠停止あるい
は間欠減速させながら横往復駆動するように構成しても
良い。本発明は、歩行型や乗用型等各種型式の田植機に
おける苗送り装置を対象とするものである。
【0008】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗植付装置を示す一部省略側面視断面図
【図2】植付爪による苗取出し状態を示す概略平面図
【図3】苗のせ台駆動構造を示す切欠き平面図
【図4】ネジ軸の一部を拡大した図
【図5】比較例としての苗のせ台駆動構造を示す斜視図
【符号の説明】
4 苗のせ台 7 植付爪 9 螺旋溝 9b,9c 螺旋溝部分 10 ネジ軸 12 コマ
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 田植機の苗送り装置
【特許請求の範囲】 苗植付爪(7)による苗のせ台(4)からの苗分離取出
時に、前記苗のせ台(4)の横送り方向での往復移動速
度を減速すべく構成した駆動装置を備える田植機の苗送
り装置であって、 前記駆動装置を、苗のせ台(4)を横送りするための苗
のせ台横移動用軸(14)と、その苗のせ台横移動用軸
(14)に対して原動側の回転駆動力を伝達するギヤ伝
動機構(13)とから構成し、 前記苗のせ台横移動用軸(14)を、苗のせ台(4)に
横送り力を伝達するネジ軸(10)と、前記ネジ軸(1
0)の周面に形成されている無端螺旋溝(9)に係合し
て、そのネジ軸(10)に対して相対往復移動、及び相
対回転駆動するコマ(12)とから構成するとともに、 前記ギヤ伝動機構(13)を、周速度が不等速回転をす
る一対の常時回転ギヤ(13A),(13B)で構成
し、 さらに、このギヤ伝動機構(13)における原動側と従
動側との連動タイミングを、前記ネジ軸(10)側に伝
達される駆動速度の変化の周期のうちで低速となる時点
が苗植付爪(7)による苗のせ台(4)からの苗取出時
点と合致するように設定してあることを特徴とする田植
機の苗送り装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苗植付爪による苗のせ
台からの苗の取出し時の爪の横側と横移動する苗との接
当によるマット状苗の変形を防止するために、苗植付爪
による前記苗のせ台からの苗取出時点での苗のせ台の往
復移動速度を減速する駆動装置を備えた田植機の苗送り
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の田植機の苗送り装置とし
ては、 [1] 苗のせ台駆動用の油圧シリンダーを備え、この油圧
シリンダーに対する圧油供給を、苗植付爪による苗のせ
台からの苗分離タイミングに合わせて自動的に給停止す
るように、苗植付爪の駆動機構に連動する偏心カムの作
動に伴って、ポンプ装置が間欠的に油圧シリンダーに対
して圧油を供給するように構成して、苗のせ台の駆動装
置を構成したもの(例えば、特公昭51ー9646号公報)。 [2] 周面に無端螺旋溝を備えたネジ軸とその溝に係合す
るコマとの相対駆動回転によるそれらの相対往復移動に
より苗のせ台を横往復移動させると共に、ネジ軸とコマ
との相対駆動回転を、それらの駆動系に介装したラチェ
ット機構やカム機構等により苗植付爪による苗分割時に
自動的に停止するように構成し、苗取りタイミングに合
わせて苗のせ台の横移動を間欠的に行わせるように構成
したもの。 上記[1],[2] に記載のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者
[1] の圧油供給制御による場合には、油圧式駆動装置の
特性による作動遅れや、各装置部分からのリーク等に起
因して、苗のせ台の間欠的横送りピッチに不規則なバラ
付きが生じ、そのために、爪による苗取量が割合大きく
変化する虞があった。 また後者[2] のネジ軸とコマと
の機械式間欠相対駆動回転による場合には、それらの駆
動系のカムやラチェット機構等のバックラッシュやガタ
付きに起因して、苗のせ台の間欠的横送りピッチに不規
則はバラ付きが生じ、そのために、爪による苗取量が変
化する等、かえって苗取り性能を低下するという欠点が
あった。しかも、これら何れの場合も、苗のせ台の横送
りが、駆動と停止を交互に繰り返すことによって行われ
るものであるため、間欠駆動に伴う機械的構造部分の磨
耗が生じ易く、耐久性の面においても不利であるばかり
でなく、苗のせ台上の苗が、間欠的な駆動と停止を繰り
返されることによってズレ動き、苗のせ台の一端部で圧
縮され、その分、反対側端部に隙間ができて苗取り量に
バラツキがでるなどの不都合を招くことがあった。本発
明の目的は、苗のせ台の横送りに際して、構造の簡素な
ネジ軸を採用するものでありながら、そのネジ軸による
苗のせ台の横送りを、苗植付爪による苗取りに的確にタ
イミングを合わせた状態で円滑かつ適切に間欠減速でき
るようにして、苗取り性能を良好に維持すると共に、苗
送り装置の軽量化、並びに耐久性をも向上する点にあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の技術手段は、苗植付爪による苗のせ台
からの苗分離取出時に、前記苗のせ台の横送り方向での
往復移動速度を減速すべく構成した駆動装置を備える田
植機の苗送り装置において、前記駆動装置を、苗のせ台
を横送りするための苗のせ台横移動用軸と、その苗のせ
台横移動用軸に対して原動側の回転駆動力を伝達するギ
ヤ伝動機構とから構成し、前記苗のせ台横移動用軸を、
苗のせ台に横送り力を伝達するネジ軸と、前記ネジ軸の
周面に形成されている無端螺旋溝に係合して、そのネジ
軸に対して相対往復移動、及び相対回転駆動するコマと
から構成するとともに、前記ギヤ伝動機構を、周速度が
不等速回転をする一対の常時回転ギヤで構成し、さら
に、このギヤ伝動機構における原動側と従動側との連動
タイミングを、前記ネジ軸側に伝達される駆動速度の変
化の周期のうちで低速となる時点が苗植付爪による苗の
せ台からの苗取出時点と合致するように設定してあるこ
とにある。
【0005】
【作用】上記の技術手段を講じた結果、次の作用を得ら
れる。 a.すなわち、ネジ軸に形成する無端螺旋溝のリード角
を設定し、このネジ軸をギヤ伝動機構を介して常時回転
駆動することにより、ネジ軸とコマとを相対回転駆動さ
せながら、苗植付爪の苗取りタイミングに合わせて苗の
せ台を間欠的に減速させるものであるから、油圧式間欠
駆動やコマとネジ軸との間欠相対回転駆動による従来構
成のもののような油圧構造本来の作動送りや圧油のリー
ク、あるいは、駆動系統におけるバックラッシュやガタ
付き等に起因した苗のせ台の横送りピッチのバラ付きを
確実に回避することができる。 b.周速度が不等速である一対の常時回転ギヤの対でギ
ヤ伝動機構を構成し、ネジ軸を常時回転させながら、つ
まり、苗のせ台を完全には停止させない状態に減速し
て、苗の取り出しを行えるので、苗のせ台上の苗端部の
圧縮を避け易い。 c.ネジ軸による苗のせ台の横送り速度を減速するに当
たり、例えば、図5に示すように、ネジ軸10に形成す
る無端螺旋溝9の長手方向両端部における螺旋溝部分9
a以外の一部に、苗植付爪の作動ピッチに合わせて、苗
分離取り出し時にコマ部材が係合する部分9bに、その
他の部分9cとは部分的にリード角の異なる部分を形成
して送り速度を変更することも可能ではあるが、この場
合には、通常の送り速度を得るために必要な溝部分のリ
ード角と、減速させる溝部分のリード角との接続部に急
激な角度変化を設けるとコマの移動がスムースに行えな
いことから、両溝部分でスムースにコマを案内できるよ
うにネジ軸が割合に大径となり易く、全体重量が大きく
なりやすい。これに比べて本発明のものでは、リード角
の変化によって苗のせ台の横送り速度を変更するもので
はなく、ギヤの不等速運動を利用するものであるから、
ネジ軸としてはコマの送りに支障のない範囲で自由なリ
ード角を設定できる。よって、リード角を充分にピッチ
の大きい緩やかな角度として軸径を小さくすることも可
能である。
【0006】
【発明の効果】 イ.上記a.b.の作用から、爪による苗取り性能を良
好に維持しながら爪とマット状苗との横方向での接当に
よるマット状苗の変形を確実に防止して、苗の植付性能
を大巾に向上することができ、しかも、ネジ軸とコマと
を常時相対回転させるものであるから、それらをカム機
構やラチェット機構等により間欠駆動するものに比べて
駆動系における磨耗損傷を抑制することができるに至っ
た。 ロ.上記b.の作用から、苗のせ台の駆動・停止の繰り
返しに起因する、苗のせ台上での苗端部の圧密や隙間の
発生を避けられ、これによる苗取り量の不均一さを招く
ことも回避し易い。 ハ.上記c.の作用から、ネジ軸の小径化を図り、これ
に伴って全体の軽量化を図ることができる。
【0007】
【実施例】次に本発明の実施例を例示図に基づいて詳述
する。図1及び図2に示すように、乗用車体から伸縮及
び屈折自在な伝動軸2を介して動力伝達を受ける植付ミ
ッションケース3に、複数枚のマット状苗Wを横方向に
並べて載置する傾斜苗のせ台4を、一定ストロークで駆
動横往復移動させるべく連設すると共に、苗のせ台4の
下端部を受け止め支持する摺動枠5に形成した切欠き部
6を通してマット状苗Wの下端部列から縦循環動作によ
り順次一株分づつのブロック状苗を取出し泥面に植付け
る植付爪7の複数個を機体横方向に並設し、更に、苗の
せ台4がストロークエンドに達する毎にマット状苗Wを
下方に送る回転係止送り具8を設け、もって、乗用型田
植機に装備される苗植付装置を構成してある。前記マッ
ト状苗Wは、平面視において縦長の長方形形状の床土A
に対して、その長手方向に等ピッチPで苗籾を横条播
し、苗籾を発芽、発根させ育成して形成されており、こ
れに対して植付爪7により一株分づつのブロック状苗を
取出すに、ブロック状苗の床土Aの縦寸法l1が状播ピ
ッチPの2ピッチ分に等しく、かつその横巾寸法l2が
縦寸法l1よりも小となる状態で順次ブロック状苗を取
出すように、苗取出し時における植付爪7のマット状苗
Wに対する縦方向オーバーラップ量、及び、植付爪7の
苗取出し巾、さらに、それに見合った苗のせ台4の横送
り量を設定してあり、ブロック状苗の床土Aを横状播ピ
ッチPの2ピッチ分に等しい縦寸法l1で取出すように
したことにより、回転係止送り具8によるマット状苗W
の下方送り量に誤差が生じたとしても、最下端列の1条
播分の苗は確実に取出せるようにし、マット状苗Wの下
方送り誤差に起因した植付爪7の苗空取りを確実に防止
するように構成してある。
【0008】前記苗のせ台4を往復駆動するに、図3及
び図4に示すように、伝動軸2からギア式減速機構13
を介して、苗のせ台4を往復横移動操作するための苗の
せ台横移動用軸14に原動側の動力を伝え、苗のせ台4
を左右に往復横移動させるように構成してある。前記苗
のせ台横移動用軸14は、植付ミッションケース3に、
周面に無端螺旋溝9を穿設した機体左右向きのネジ軸1
0を、その両端部がミッションケース3の外側壁から突
出する状態で、かつネジ軸10の長手方向に摺動自在に
支承し、機体左右方向に摺動自在な苗のせ台4をそのネ
ジ軸10の突出両端部に、ネジ軸10が回転不能となる
状態で一体連結すると共に、植付ミッションケース3内
においてネジ軸10に相対回転自在に外嵌され、かつ、
植付ミッションケース3に対して横移動不能な状態で回
転自在に支持された筒状部材11に、ネジ軸10の無端
螺旋溝9に係合しそれに沿って相対移動するコマ部材1
2を、ネジ軸10の軸芯と直交する軸芯周りで回転自在
に取付けて構成してあり、もって、伝動軸2から駆動側
出力軸15を経て、ギア式減速機構13を介して筒状部
材11に伝達される回転動力により、コマ部材12をネ
ジ軸10軸芯周りで駆動回転させ、コマ部材12と無端
螺旋溝9との係合案内作用により、苗のせ台4をネジ軸
10と一体的に往復駆動させるように構成してある。そ
して、前記ギア式減速機構13は、図4に示すように構
成されている。つまり、前記ギヤ伝動機構13を、外周
縁が楕円形状で、その周速度が不等速回転をする一対の
常時回転ギヤ13A,13Bで構成し、かつ、このギヤ
伝動機構13における原動側となる駆動側出力軸15
と、従動側となる苗のせ台横移動用軸14との連動タイ
ミングを、前記ネジ軸10側に伝達される駆動速度の変
化の周期のうちで低速となる時点が苗植付爪7による苗
のせ台4からの苗分割取出時点と合致するように設定し
てある。本発明は、歩行型や乗用型等各種型式の田植機
における苗送り装置を対象とするものである。
【0009】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗植付装置を示す一部省略側面視断面図
【図2】植付爪による苗取出し状態を示す概略平面図
【図3】苗のせ台駆動構造を示す切欠き平面図
【図4】苗のせ台駆動構造を示す斜視図
【図5】比較例としてのネジ軸の一部を拡大した図
【符号の説明】 4 苗のせ台 7 植付爪 9 螺旋溝 9b,9c 螺旋溝部分 10 ネジ軸 12 コマ 13 ギヤ伝動機構 13A,13B 常時回転ギヤ 14 苗のせ台横移動用軸
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 苗のせ台(4)を往復移動させる駆動装置を、苗植付爪
    (7)による前記苗のせ台(4)からの苗取出時に減速
    あるいは停止すべく構成した田植機の苗送り装置であっ
    て、前記駆動装置を構成するに、周面に無端螺旋溝
    (9)を備えると共に、その溝(9)に係合するコマ
    (12)と相対往復移動すると共に相対定速回転駆動す
    る状態でネジ軸(10)を設けると共に、前記無端螺旋
    溝(9)を、前記ネジ軸(10)の長手方向端部以外に
    おいて、前記苗植付爪(7)による苗取出時に前記コマ
    12が形成する部分(9b)のリード角がその他の部分
    (9c)のリード角よりも小になるように形成してある
    事を特徴とする田植機の苗送り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006325601A (ja) * 2006-08-09 2006-12-07 Honda Motor Co Ltd 苗移植装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4326993Y1 (ja) * 1964-10-03 1968-11-08
JPS4513686Y1 (ja) * 1964-09-03 1970-06-11

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