JP5113484B2 - 苗植付け装置 - Google Patents
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Description
この種の苗植付け装置として、従来、たとえば特許文献1に示されたものがあった。
特許文献1に示されたものは、苗載せ台上のマット状苗に作用する縦送りベルトと、この縦送りベルトのプーリに連動している駆動軸から延出された駆動アームと、回転軸に設けた回転カムとを備え、苗載せ台が横移動のストロークエンドに到達すると、駆動アームと回転カムとが当接し、駆動アームが回転カムによって回動駆動されて駆動軸がプーリを回転駆動し、縦送りベルトが所定量を回動駆動されてマット状苗を縦送りする。
摺動レールに係合した支持アームと、この支持アームを支持する横軸に連動された苗取り量調節レバーとを備え、苗取り量調節レバーが上下に揺動操作されると、支持アームが揺動操作されて摺動レールおよび苗載せ台を上下に位置変更し、苗植付け機構による取り出し苗の苗縦方向での大きさが変化するよう苗取り量変更される。
前記支持アームの横軸に一体形成されたアームと、前記駆動軸に遊転自在に支持された支持部材と、この支持部材と前記アームとを連動させたワイヤ及び連係部材とを備え、苗取り量調節レバーによる苗取り量変更が行われると、アームがワイヤ及び連係部材を介して支持部材を操作することにより、かつ、支持部材にコイルバネが引っ張り作用していることにより、支持部材が揺動操作される。すると、支持部材が駆動アームを揺動操作して駆動アームの待機位置を変更し、駆動アームが回転カムによって駆動される際の駆動アームの回動角が変化する。これより、苗植付け機構による取り出し苗の量変更が行われても、縦送りベルトによる苗縦送り量が、苗植付け機構による取り出し苗の苗縦方向での大きさに相当した量になるよう調節される。
つまり、苗載せ台が左右の横移動ストロークエンドの一方から他方に横移動操作される間、苗載せ台の傾斜姿勢、マット状苗の重量、苗載せ台に伝わる振動、苗植付け機構による苗取り出しのために発生する苗の引っ張りなどに起因し、マット状苗の苗供給口に向けてのずれ動きが発生することがある。また、作業の開始当初や苗補給をした当初では、マット状苗が大きくて苗に掛かる苗重圧が大きく、苗のずれ動きが発生しやすい。また、マット状苗によっては、発育相違などに起因して根部硬さが相違することがあり、根部が軟質の苗では、ずれ動きによる圧縮が発生しやすい。このように、マット状苗の圧縮が発生したり、発生した圧縮の大きさが異なったりすると、苗植付け機構によって基準枚数のマット状苗から取り出される苗の数が変化し、かつ、苗植付け機構によって取り出される苗に含まれる苗本数が変化する。
前記苗載せ台に載置されたマット状苗を前記苗供給口に向けて縦送りする縦送り搬送体と、前記縦送り搬送体の駆動量を変更する駆動変更機構と、前記縦送り搬送体が停止された状態でのマット状苗の縦移動量を検出する苗ずれ量検出手段とを、複数の苗植え単位条毎に備え、
マット状苗の縦送り制御のための制御目標縦送り量を設定する縦送り量設定手段を備え、
前記縦送り量設定手段による設定制御目標縦送り量を前記苗ずれ量検出手段による検出縦移動量を基に補正した補正制御目標縦送り量を複数の苗植え単位条毎に設定し、苗植え単位条毎のマット状苗がこのマット状苗に対応した前記設定補正制御目標縦送り量を縦送りされるよう前記各駆動変更機構を前記設定補正制御目標縦送り量に基づいて調整操作する制御手段を備え、
前記縦送り搬送体による苗縦送りを実行及び停止させる指令を出力する指令手段を、複数の苗植え単位条毎に備え、
前記制御手段を、苗植え単位条毎において、前記指令手段による実行指令を基に前記駆動変更機構を縦送り搬送体駆動状態に操作し、前記指令手段による停止指令を基に前記駆動変更機構を縦送り搬送体停止状態に調整操作するように構成してある。
すなわち、苗載せ台での縦方向のずれ動きが発生しない、あるいは発生しにくいマット状苗の場合、苗横送り時に苗ずれ量検出手段によって苗ずれが検出されず、苗横送りがストロークエンドに至って苗縦送りが行われる際、マット状苗が設定制御目標縦送り量を縦移動するよう縦送り搬送体を駆動して苗縦送りが行われる。この場合、苗縦送り後の苗横送り時にもマット状苗のずれ動きが発生しないあるいは発生しにくいことにより、苗縦送り後の苗横送りの際に苗植付け機構が取り出していく苗の苗縦方向での大きさが縦送り量設定手段によって設定された大きさと同一あるいはほぼ同一になる。
苗載せ台での縦方向のずれ動きが発生しやすいマット状苗の場合、苗横送り時に苗ずれ量検出手段によって苗ずれが検出され、苗横送りがストロークエンドに至って苗縦送りが行われる際、設定制御目標縦送り量を検出ずれ量を基に補正した補正制御目標縦送り量が設定され、マット状苗が設定補正制御目標縦送り量を縦移動するよう縦送り搬送体を駆動して苗縦送りが行われる。この場合、苗縦送り後の苗横送りの際にもマット状苗のずれ動きが発生しやすいことにより、苗縦送り後の苗横送りの際におけるマット状苗の実際の縦移動量は、縦送り搬送体による縦送り量にマット状苗のずれ動き量が加わったものとなり、苗縦送り後の苗横送りの際に苗植付け機構が取り出していく苗の苗縦方向での大きさが縦送り量設定手段によって設定された大きさと同一あるいはほぼ同一になる。
このようにずれ動きが発生しにくいマット状苗に対応して行われる苗縦送り制御も、ずれ動きが発生しやすいマット状苗に対応して行われる苗縦送り制御も苗植え単位条毎に行われる。
本第2発明は、前記縦送り搬送体が駆動された状態での前記苗載せ台におけるマット状苗の縦移動量を検出する苗移動量検出手段と、前記縦送り搬送体によるマット状苗の縦送り中の縦送り誤差を記憶する記憶部とを備え、
前記制御手段が、前記縦送り搬送体によるマット状苗の縦送りが行われるごとに、前記苗移動量検出手段による検出縦移動量と前記設定補正制御目標縦送り量とを基に前記縦送り誤差を演算し、この演算した前記縦送り誤差により前記記憶部が記憶する前記縦送り誤差を更新し、直近の前記設定補正制御目標縦送り量を、更新後の前記縦送り誤差と前記苗ずれ量検出手段による検出ずれ量とを基に補正して、次に前記縦送り搬送体によりマット状苗の縦送りを行う際の補正制御目標縦送り量を設定するように構成してある。
本第3発明は、駆動回転体、及び、前記縦送り搬送体に一方向回転クラッチを介して連動連結した従動回転体を備えて、前記駆動回転体の回転により、前記駆動回転体の能動部が所定の待機位置で待機する前記従動回転体の受動部に当接している間、前記従動回転体が前記受動部を前記待機位置に復帰付勢するリターンバネの作用に抗して苗縦送り方向に回転することにより、前記縦送り搬送体を所定の駆動量で縦送り駆動させるように構成した縦送り駆動部を備え、
前記駆動変更機構が、前記リターンバネの作用により前記待機位置に復帰する前記受動部を受け止める受止部材を操作して前記所定の待機位置を変更することにより、前記縦送り搬送体の駆動量が変更されるように構成してある。
図1は、施肥装置付き乗用型田植機の全体を示す側面図である。図2は、施肥装置付き乗用型田植機の全体を示す平面図である。これらの図に示すように、施肥装置付き乗用型田植機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とを備えた自走車体と、この自走車体の車体フレーム3の後部に連結された本発明の実施例に係る苗植付け装置10と、自走車体の運転座席4の後側近くに位置する肥料タンク21を有した施肥装置20とを備えている。
図3は、苗植付け機構14の側面視での構造を示し、図4は、苗植付け機構14の平面視での構造を示している。これらの図に示すように、各苗植付け機構14は、前記植付け駆動ケース13に回転支軸14aを介して駆動回動自在に支持されたロータリケース14bと、このロータリケース14bの両端部に回転支軸14cを介して駆動回動自在に支持された植付けアーム14dと、各植付けアーム14dに支持された苗植付け爪14eとを備えている。各植付けアーム14dは、ロータリケース14bが駆動回動されると、回転支軸14aの軸芯まわりで植付け駆動ケース13に対して回動しながら、ロータリケース14bの内部に位置する駆動機構(図示せず)の作用によって回転支軸14cの軸芯まわりでロータリケース14bに対して回動する。
つまり、苗載せ台15は、各苗植付け機構14に供給するマット状苗Aを苗載せ台横方向に並べて載置した状態で貯留し、この状態でガイドレール32に案内されて各苗植付け機構14に対して苗植付け装置横方向に移動する。図6に示すように、前記ガイドレール32は、苗載せ台15の下端側に配置した苗受け部32aを備え、この苗受け部32aによって各苗載置部15aにおけるマット状苗Aの下端部にストップ作用し、各マット状苗Aの苗載せ台15での下降限界を設定している。また、ガイドレール32は、苗受け部32aに各苗植付け機構14に対応させて設けた切り欠き孔を備え、この切り欠き孔によって前記苗供給口18を形成している。
尚、縦送りアーム53aは、苗植付け機構14が機体進行方向での一株間の苗植え運動を行う間に苗縦送りベルト50による苗縦送りを完了するようこれに対応した駆動速度で駆動されている。
すなわち、横送り回数検出手段97は、各苗植付け機構14の苗植付け爪14eによる苗取り出しが行われる都度、検出スイッチ97aが検出作動し、制御手段95に検出スイッチ97aの検出作動回数をマット状苗Aの横送り回数として計測させ、この計測結果を基に苗横送りがストロークエンドに到達したか否かを検出させる。この横送り回数検出手段97は、縦送り軸53の回転数を横送り回数として検出するものだから、苗植付け機構14によってマット状苗Aから取り出される苗のマット状苗横方向での大きさを変更されても、設定横送り回数SNの変更設定を行う必要がない。すなわち、取り出し苗のマット状苗横方向での大きさを変更する横送り変速装置(図示せず)は、縦送り軸53よりも伝動方向下手側で変速作用して横送り軸41の変速を行う。このため、横送り軸41の変速にかかわらず、縦送り軸53の回転数は一定に維持される。
すなわち、縦送り検出手段98による検出情報と、横送り回数検出手段97による検出情報とを基に、苗縦送りベルト50による苗縦送りが行われてからの横送り回数を検出する。このとき、苗縦送りベルト50による苗縦送りが行われたことを検出すると、その都度回数検出をリセットして検出する。検出横送り回数KNが苗載せ台15を一方の横移動ストロークエンドから他方の横移動ストロークエンドに横移動させる間に行われるものとして予め設定した設定横送り回数SNに達するまでの間、苗移動量検出手段90を苗ずれ量検出手段101として使用し、この苗ずれ量検出手段101による検出情報を基に、苗縦送りベルト50が停止された状態で苗載置部15aに発生したマット状苗Aの苗供給口18に向けてのずれ量Bを検出する。検出横送り回数KNが設定横送り回数SNに達すると、縦送り量設定手段96によって設定された設定制御目標縦送り量S0を、記憶部102(図16参照)によって記憶されている記憶縦送り誤差Zと、前記検出ずれ量Bとを基に補正した補正制御目標縦送り量S1を設定する。設定制御目標縦送り量S0は、四つの制御単位に共通のものとして設定される。しかし、制御単位によっては、検出ずれ量B及び記憶縦送り誤差Zの大きさが異なり、補正制御目標縦送り量S1が異なることがある。補正制御目標縦送り量S1を設定すると、駆動変更検出手段85によって位置決めアーム65の操作位置をフィードバックさせながら縦送り補正モータ82を操作し、これにより、位置決めアーム65を調整操作し、回転角調整ロータ63の待機位置Mを補正制御目標縦送り量S1に対応した待機位置に調整操作する。すなわち、苗縦送りベルト50が補正制御目標送り量S1に対応したストロークだけ駆動されるよう、回転角調整ロータ63の待機位置Mを調整操作する。つまり、補正制御目標縦送り量S1が設定制御目標送り量S0よりも大きいほど、回転角調整ロータ63が駆動連動フック64によって駆動される回転角度がより大きくなるよう、補正制御目標送り量S1が設定制御目標送り量S0よりも小さいほど、回転角調整ロータ63が駆動連動フック64によって駆動される回転角度がより小さくなるよう回転角調整ロータ63の待機位置Mを調整する。この後、縦送り検出手段98による検出情報を基に、苗縦送りベルト50による苗縦送りが行われたと判断すると、苗縦送りベルト50が苗縦送り機構52によって作動操作された状態で苗載せ台15に発生したマット状苗Aの縦移動量を苗移動量検出手段90による検出情報を基に検出し、この検出縦移動量SKと前記補正制御目標縦送り量S1との誤差を演算し、この演算縦送り誤差Zを記憶部102に更新して記憶させる。すなわち、新たに演算した縦送り誤差Zを先に記憶されていた記憶縦送り誤差Zに替えて記憶させる。
すなわち、苗載せ台15が苗横送り機構40によって各苗植付け機構14の苗植え運動に連動させてガイドレール32に沿わせて横移動操作される。これにより、苗載せ台15は、各苗植付け機構14が対応する苗載置部15aに載置されたマット状苗Aの下端部からマット状苗横方向での一端側から他端側に向けて順次にブロック苗を取り出していくよう、各苗載置部15aのマット状苗Aを対応する苗供給口18に対して苗載せ台横方向に移動させる。このとき、制御手段95は、制御単位毎に、苗移動量検出手段90を苗ずれ量検出手段101として使用し、この苗ずれ量検出手段101による検出情報を基に、苗横送りが行われている間に発生した苗ずれ量Bを検出する。
〔別実施例〕
上記の実施例に示した苗縦送りベルト50に替え、マット状に係止作用する搬送爪が周設された搬送回転輪体を採用して実施した場合も、本発明の目的を達成することができる。従って、苗縦送りベルト50、搬送回転輪体などを総称して縦送り搬送体50と呼称する。そして、駆動変更機構80の縦送りベルト駆動状態と縦送りベルト停止状態をそれぞれ、縦送り搬送体駆動状態、縦送り搬送体停止状態と呼称する。
14e 苗植付け爪
15 苗載せ台
18 苗供給口
50 縦送り搬送体
60 ベルト駆動部(縦送り駆動部)
63 回転角調整ロータ(従動回転体)
63a 受動部
64 駆動連動フック(駆動回転体)
64a フック部(能動部)
65 位置決めアーム(受止部材)
66 一方向回転クラッチ
67 リターンバネ
80 駆動変更機構
90 苗移動量検出手段
95 制御手段
96 縦送り量設定手段
101 苗ずれ量検出手段
102 記憶部
112 指令手段
A マット状苗
Claims (3)
- 苗植付け爪を有する複数の苗植付け機構と、前記複数の苗植付け機構に各別に苗供給する複数の苗供給口を有する苗載せ台とを備えるとともに、前記各苗植付け機構が、前記苗植付け爪が前記苗供給口と田面とにわたって上下に往復移動するよう駆動され、苗載せ台に載置されたマット状苗から苗取り出しするとともに取り出し苗を田面に植え付けるよう構成した苗植付け装置であって、
前記苗載せ台に載置されたマット状苗を前記苗供給口に向けて縦送りする縦送り搬送体と、前記縦送り搬送体の駆動量を変更する駆動変更機構と、前記縦送り搬送体が停止された状態でのマット状苗の縦移動量を検出する苗ずれ量検出手段とを、複数の苗植え単位条毎に備え、
マット状苗の縦送り制御のための制御目標縦送り量を設定する縦送り量設定手段を備え、
前記縦送り量設定手段による設定制御目標縦送り量を前記苗ずれ量検出手段による検出縦移動量を基に補正した補正制御目標縦送り量を複数の苗植え単位条毎に設定し、苗植え単位条毎のマット状苗がこのマット状苗に対応した前記設定補正制御目標縦送り量を縦送りされるよう前記各駆動変更機構を前記設定補正制御目標縦送り量に基づいて調整操作する制御手段を備え、
前記縦送り搬送体による苗縦送りを実行及び停止させる指令を出力する指令手段を、複数の苗植え単位条毎に備え、
前記制御手段を、苗植え単位条毎において、前記指令手段による実行指令を基に前記駆動変更機構を縦送り搬送体駆動状態に操作し、前記指令手段による停止指令を基に前記駆動変更機構を縦送り搬送体停止状態に調整操作するように構成してある苗植付け装置。 - 前記縦送り搬送体が駆動された状態での前記苗載せ台におけるマット状苗の縦移動量を検出する苗移動量検出手段と、前記縦送り搬送体によるマット状苗の縦送り中の縦送り誤差を記憶する記憶部とを備え、
前記制御手段が、前記縦送り搬送体によるマット状苗の縦送りが行われるごとに、前記苗移動量検出手段による検出縦移動量と前記設定補正制御目標縦送り量とを基に前記縦送り誤差を演算し、この演算した前記縦送り誤差により前記記憶部が記憶する前記縦送り誤差を更新し、直近の前記設定補正制御目標縦送り量を、更新後の前記縦送り誤差と前記苗ずれ量検出手段による検出ずれ量とを基に補正して、次に前記縦送り搬送体によりマット状苗の縦送りを行う際の補正制御目標縦送り量を設定するように構成してある請求項1記載の苗植付け装置。 - 駆動回転体、及び、前記縦送り搬送体に一方向回転クラッチを介して連動連結した従動回転体を備えて、前記駆動回転体の回転により、前記駆動回転体の能動部が所定の待機位置で待機する前記従動回転体の受動部に当接している間、前記従動回転体が前記受動部を前記待機位置に復帰付勢するリターンバネの作用に抗して苗縦送り方向に回転することにより、前記縦送り搬送体を所定の駆動量で縦送り駆動させるように構成した縦送り駆動部を備え、
前記駆動変更機構が、前記リターンバネの作用により前記待機位置に復帰する前記受動部を受け止める受止部材を操作して前記所定の待機位置を変更することにより、前記縦送り搬送体の駆動量が変更されるように構成してある請求項1又は2記載の苗植付け装置。
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