JP5101239B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
特許文献1に示されるものは、苗載せ台の横移動ストロークエンドにおいて、回転支軸に一体回転自在に支持された駆動アームと、横向き回転軸に設けられた回転カムとが当接して回転支軸が駆動され、回転支軸に一体回転自在に支持された各条駆動アームの当接ピンが一方向回転クラッチの作動アームに当接して回転支軸の駆動力が無端回動ベルトの駆動輪体に伝達され、無端回動ベルトが駆動されて苗載せ台のマット状苗を苗植付け機構にむけて縦送りする。また、苗送り量調節機構を備えている。この苗送り量調節機構は、前記作動アームに連係部材と操作ワイヤとを介して連動された縦送り量調節レバーが操作されると、作動アームの基準待機位置を変化させて苗縦送り量を調節する。
つまり、苗載せ台が左右の横移動ストロークエンドの一方から他方に横移動操作される間、苗載せ台の傾斜姿勢、マット状苗の重量、苗載せ台に伝わる振動、苗植付け機構による苗取り出しのために発生する苗の引っ張りなどに起因し、マット状苗の苗供給口に向けてのずれ動きが発生することがある。また、作業の開始当初や苗補給をした当初では、マット状苗が大きくて苗に掛かる苗重圧が大きく、苗のずれ動きが発生しやすい。また、マット状苗によっては、発育相違などに起因して根部硬さが相違することがあり、根部の軟質な苗では、ずれ動きによる圧縮が発生しやすい。このように、マット状苗の圧縮が発生したり、発生した圧縮の大きさが異なったりすると、苗植付け機構によって基準枚数のマット状苗から取り出される苗の数が変化し、かつ、苗植付け機構によって取り出される苗に含まれる苗本数が変化する。
前記苗載せ台に載置されたマット状苗を前記苗供給口に向けて縦送りする縦送り搬送体と、前記縦送り搬送体の駆動量を変更する駆動変更機構と、マット状苗の縦送り制御のための制御目標縦送り量を設定する縦送り量設定手段と、前記縦送り搬送体が停止された状態での苗載せ台におけるマット状苗の縦移動量を検出する苗ずれ量検出手段と、前記自走車体が苗植え状態であるか非苗植え状態であるかを検出する車体状態検出手段とを備え、
前記縦送り量設定手段による設定制御目標縦送り量を、前記苗植え状態且つ前記縦送り搬送体が停止された状態での前記苗ずれ量検出手段による検出ずれ量を基に補正し、かつ、前記非苗植え状態且つ前記縦送り搬送体が停止された状態での前記苗ずれ量検出手段による検出ずれ量の重み付けを低くして補正した又は補正しない補正制御目標縦送り量を設定し、マット状苗が前記設定補正制御目標縦送り量を縦送りされるよう、前記駆動変更機構を調整操作する制御手段を備えてある。
本第2発明は、本第1発明の構成において、前記縦送り搬送体が駆動された状態での前記苗載せ台におけるマット状苗の縦移動量を検出する苗移動量検出手段と、前記縦送り搬送体によるマット状苗の縦送り中の縦送り誤差を記憶する記憶部とを備え、
前記制御手段が、前記縦送り搬送体によるマット状苗の縦送りが行われるごとに、前記苗移動量検出手段による検出縦移動量と前記設定補正制御目標縦送り量とを基に前記縦送り誤差を演算し、この演算した前記縦送り誤差により前記記憶部が記憶する前記縦送り誤差を更新し、直近の前記設定補正制御目標縦送り量を、更新後の前記縦送り誤差と前記苗ずれ量検出手段による検出ずれ量とを基に補正して、次に前記縦送り搬送体によりマット状苗の縦送りを行う際の補正制御目標縦送り量を設定するように構成してある。
本第3発明は、本第1発明又は本第2発明の構成において、駆動回転体、及び、前記縦送り搬送体に一方向回転クラッチを介して連動連結した従動回転体を備えて、前記駆動回転体の回転により、前記駆動回転体の能動部が所定の待機位置で待機する前記従動回転体の受動部に当接している間、前記従動回転体が前記受動部を前記待機位置に復帰付勢するリターンバネの作用に抗して苗縦送り方向に回転することにより、前記縦送り搬送体を所定の駆動量で縦送り駆動させるように構成した縦送り駆動部を備え、
前記駆動変更機構が、前記リターンバネの作用により前記待機位置に復帰する前記受動部を受け止める受止部材を操作して前記待機位置を変更することにより、前記縦送り搬送体の駆動量が変更されるように構成してある。
図1は、本発明の実施例に係る施肥装置付き乗用型田植機の全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施例に係る施肥装置付き乗用型田植機の全体を示す平面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係る施肥装置付き乗用型田植機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2とを備えた自走車体と、この自走車体の車体フレーム3の後部に連結された苗植付け装置10と、自走車体の運転座席4の後側近くに位置する肥料タンク21を有した施肥装置20とを備えている。
図3は、苗植付け機構14の側面視での構造を示し、図4は、苗植付け機構14の平面視での構造を示している。これらの図に示すように、各苗植付け機構14は、前記植付け駆動ケース13に回転支軸14aを介して駆動回動自在に支持されたロータリケース14bと、このロータリケース14bの両端部に回転支軸14cを介して駆動回動自在に支持された植付けアーム14dと、各植付けアーム14dに支持された苗植付け爪14eとを備えている。各植付けアーム14dは、ロータリケース14bが駆動回動されると、回転支軸14aの軸芯まわりで植付け駆動ケース13に対して回動しながら、ロータリケース14bの内部に位置する駆動機構(図示せず)の作用によって回転支軸14cの軸芯まわりでロータリケース14bに対して回動する。
つまり、苗載せ台15は、各苗植付け機構14に供給するマット状苗Aを苗載せ台横方向に並べて載置した状態で貯留し、この状態でガイドレール32に案内されて各苗植付け機構14に対して苗植付け装置横方向に移動する。図6に示すように、前記ガイドレール32は、苗載せ台15の下端側に配置した苗受け部32aを備え、この苗受け部32aによって各苗載置部15aにおけるマット状苗Aの下端部にストップ作用し、各マット状苗Aの苗載せ台15での下降限界を設定している。また、ガイドレール32は、苗受け部32aに各苗植付け機構14に対応させて設けた切り欠き孔を備え、この切り欠き孔によって前記苗供給口18を形成している。
尚、縦送りアーム53aは、苗植付け機構14が機体進行方向での一株間の苗植え運動を行う間に苗縦送りベルト50による苗縦送りを完了するようこれに対応した駆動速度で駆動されている。
すなわち、横送り回数検出手段97は、各苗植付け機構14の苗植付け爪14eによる苗取り出しが行われる都度、検出スイッチ97aが検出作動し、制御手段95に検出スイッチ97aの検出作動回数をマット状苗Aの横送り回数として計測させ、この計測結果を基に苗横送りがストロークエンドに到達したか否かを検出させる。この横送り回数検出手段97は、縦送り軸53の回転数を横送り回数として検出するものだから、苗植付け機構14によってマット状苗Aから取り出される苗のマット状苗横方向での大きさを変更されても、設定横送り回数SNの変更設定を行う必要がない。すなわち、取り出し苗のマット状苗横方向での大きさを変更する横送り変速装置(図示せず)は、縦送り軸53よりも伝動方向下手側で変速作用して横送り軸41の変速を行う。このため、横送り軸41の変速にかかわらず、縦送り軸53の回転数は一定に維持される。
すなわち、八つの苗植付け機構14の隣り合う二つずつの苗植付け機構14,14が一つの苗植え単位条に属するようにして八つの苗植付け機構14を四つの苗植え単位条にグループ分けし、苗植え単位条毎において、クラッチレバー111により、少数条クラッチ110を入り状態と切り状態とに切換え操作して二つの苗植付け機構14,14を駆動状態と停止状態とに切換え操作する。苗植え単位条毎において、指令手段112は、少数条クラッチ110が入り状態に切換え操作されると、この少数条クラッチ110が属する苗植え単位条に属する二つの苗載置部15a,15aの苗縦送りを実行させるべき実行指令を制御手段95に出力し、少数条クラッチ110が切り状態に切換え操作されると、この少数条クラッチ110が属する苗植え単位条に属する二つの苗載置部15a,15aの苗縦送りを停止させるべき停止指令を制御手段95に出力する。
この制御手段95は、前記変速検出手段106と前記上昇検出手段107と前記縦送り量設定手段96と前記操向検出手段105と前記各指令手段112とを車体状態検出手段115として使用し、自走車体が苗植え状態にあるか、あるいは非苗植え状態としての苗積み込み状態と移動走行状態と旋回走行状態と畦越え走行状態と苗取り量変更状態と発進操作状態と停止操作状態と少数条クラッチ操作状態とにあるかを検出する。苗積み込み状態は、苗載せ台15に苗供給される状態である。少数条クラッチ操作状態は、前記複数の少数条クラッチ110の少なくとも一つが切り状態と入り状態との一方から他方に切換え操作される状態である。苗取り量変更状態は、苗取り量変更機構70が操作される状態である。
すなわち、縦送り検出手段98による検出情報と、横送り回数検出手段97による検出情報とを基に、苗縦送りベルト50による苗縦送りが行われてからの横送り回数を検出する。このとき、苗縦送りベルト50による苗縦送りが行われたことを検出すると、その都度回数検出をリセットして検出する。
すなわち、苗載せ台15が苗横送り機構40によって各苗植付け機構14の苗植え運動に連動させてガイドレール32に沿わせて横移動操作される。これにより、苗載せ台15は、各苗植付け機構14が対応する苗載置部15aに載置されたマット状苗Aの下端部からマット状苗横方向での一端側から他端側に向けて順次にブロック苗を取り出していくよう、各苗載置部15aのマット状苗Aを対応する苗供給口18に対して苗載せ台横方向に移動させる。このとき、制御手段95は、制御単位毎に、苗移動量検出手段90を苗ずれ量検出手段101として使用し、この苗ずれ量検出手段101による検出情報を基に、苗横送りが行われている間に発生した苗ずれ量Bを検出する。
図22は、第二実施構成を備えた制御手段95が行う苗縦送り制御のフロー図である。この図に示すように、第二実施例の制御手段95と第一実施例の制御手段95とを比較すると、縦送り量設定手段96による設定制御目標縦送り量S0を補正して補正制御目標縦送り量を設定する点で第二実施例の制御手段95と第一実施例の制御手段95とは異なる構成を備え、その他の点では第二実施例の制御手段95と第一実施例の制御手段95とは同じ構成を備えている。次に、第二実施例の制御手段95の第一実施例の制御手段95とは異なる構成について説明する。
上記の実施例に示した苗縦送りベルト50に替え、マット状に係止作用する搬送爪が周設された搬送回転輪体を採用して実施した場合も、本発明の目的を達成することができる。従って、苗縦送りベルト50、搬送回転輪体などを総称して縦送り搬送体50と呼称する。
14 苗植付け機構
14e 苗植付け爪
15 苗載せ台
18 苗供給口
50 縦送り搬送体
60 ベルト駆動部(縦送り駆動部)
63 回転角調整ロータ(従動回転体)
64 駆動連動フック(駆動回転体)
63a 受動部
64a フック部(能動部)
65 位置決めアーム(受止部材)
66 一方向回転クラッチ
67 リターンバネ
70 苗取り量変更機構
80 駆動変更機構
90 苗移動量検出手段
95 制御手段
96 縦送り量設定手段
101 苗ずれ量検出手段
102 記憶部
110 少数条クラッチ
115 車体状態検出手段
A マット状苗
B 検出ずれ量
S0 設定制御目標縦送り量
S1,S2 補正制御目標縦送り量
SK 検出縦移動量
Z 縦送り誤差
Claims (8)
- 苗植付け爪を有する苗植付け機構が、前記苗植付け爪が苗載せ台の苗供給口と田面とにわたって上下に往復移動するよう駆動され、苗載せ台に載置されたマット状苗から苗取り出しするとともに取り出し苗を田面に植え付けるよう構成した苗植付け装置と、前記苗植付け装置が連結された自走機体とを備えた田植機であって、
前記苗載せ台に載置されたマット状苗を前記苗供給口に向けて縦送りする縦送り搬送体と、前記縦送り搬送体の駆動量を変更する駆動変更機構と、マット状苗の縦送り制御のための制御目標縦送り量を設定する縦送り量設定手段と、前記縦送り搬送体が停止された状態での苗載せ台におけるマット状苗の縦移動量を検出する苗ずれ量検出手段と、前記自走車体が苗植え状態であるか非苗植え状態であるかを検出する車体状態検出手段とを備え、
前記縦送り量設定手段による設定制御目標縦送り量を、前記苗植え状態且つ前記縦送り搬送体が停止された状態での前記苗ずれ量検出手段による検出ずれ量を基に補正し、かつ、前記非苗植え状態且つ前記縦送り搬送体が停止された状態での前記苗ずれ量検出手段による検出ずれ量の重み付けを低くして補正した又は補正しない補正制御目標縦送り量を設定し、マット状苗が前記設定補正制御目標縦送り量を縦送りされるよう、前記駆動変更機構を調整操作する制御手段を備えてある田植機。 - 前記縦送り搬送体が駆動された状態での前記苗載せ台におけるマット状苗の縦移動量を検出する苗移動量検出手段と、前記縦送り搬送体によるマット状苗の縦送り中の縦送り誤差を記憶する記憶部とを備え、
前記制御手段が、前記縦送り搬送体によるマット状苗の縦送りが行われるごとに、前記苗移動量検出手段による検出縦移動量と前記設定補正制御目標縦送り量とを基に前記縦送り誤差を演算し、この演算した前記縦送り誤差により前記記憶部が記憶する前記縦送り誤差を更新し、直近の前記設定補正制御目標縦送り量を、更新後の前記縦送り誤差と前記苗ずれ量検出手段による検出ずれ量とを基に補正して、次に前記縦送り搬送体によりマット状苗の縦送りを行う際の補正制御目標縦送り量を設定するように構成してある請求項1記載の田植機。 - 駆動回転体、及び、前記縦送り搬送体に一方向回転クラッチを介して連動連結した従動回転体を備えて、前記駆動回転体の回転により、前記駆動回転体の能動部が所定の待機位置で待機する前記従動回転体の受動部に当接している間、前記従動回転体が前記受動部を前記待機位置に復帰付勢するリターンバネの作用に抗して苗縦送り方向に回転することにより、前記縦送り搬送体を所定の駆動量で縦送り駆動させるように構成した縦送り駆動部を備え、
前記駆動変更機構が、前記リターンバネの作用により前記待機位置に復帰する前記受動部を受け止める受止部材を操作して前記待機位置を変更することにより、前記縦送り搬送体の駆動量が変更されるように構成してある請求項1又は2記載の田植機。 - 車体状態検出手段は、苗載せ台の苗積み込み状態を非苗植え状態として検出するよう構成してある請求項1〜3の何れか一項に記載の田植機。
- 車体状態検出手段は、苗植付け機構によるマット状苗縦方向での苗取り出し量を変更する苗取り量変更機構の操作状態を非苗植え状態として検出するよう構成してある請求項1〜3の何れか一項に記載の田植機。
- 車体状態検出手段は、自走車体の旋回走行状態を非苗植え状態として検出するよう構成してある請求項1〜3の何れか一項に記載の田植機。
- 車体状態検出手段は、自走車体の発進操作及び停止操作の状態を非苗植え状態として検出するよう構成してある請求項1〜3の何れか一項に記載の田植機。
- 複数の苗植付け機構を備え、車体状態検出手段は、前記複数の苗植付け機構の一部の苗植付け機構に対する伝動を入り切りする少数条クラッチの操作状態を非苗植え状態として検出するよう構成してある請求項1〜3の何れか一項に記載の田植機。
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