JPH06103813B2 - 電圧制御増幅回路 - Google Patents

電圧制御増幅回路

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JPH06103813B2
JPH06103813B2 JP28928688A JP28928688A JPH06103813B2 JP H06103813 B2 JPH06103813 B2 JP H06103813B2 JP 28928688 A JP28928688 A JP 28928688A JP 28928688 A JP28928688 A JP 28928688A JP H06103813 B2 JPH06103813 B2 JP H06103813B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電圧制御増幅回路に関し、特に、その構成回路
である電圧−電流変換回路の改良に関する。
[従来の技術] アナログ回路として一般的なものの1つに電圧制御増幅
回路と呼ばれるものがある。
第2図は従来より知られている電圧制御増幅回路の基本
回路構成を示す回路図である。図を参照して、この回路
は、大きく別けて入力電圧信号を電流信号に変換するた
めの電圧−電流変換回路M1およびM2と、差動増幅器6
と、電圧制御用差動回路7と、合成差動増幅回路8と、
入力電圧信号を定インピーダンス化するための2入力演
算増幅器A1と、抵抗R1およびR2とから構成される。さ
ら、この回路は、差動増幅器6に定電流を与えるための
定電流源5と、電圧制御用差動回路7内の電流バランス
制御用のための可変電圧源4とを含む。また、入力信号
端子T1と出力信号端子T2と、電圧+VCCを提供するため
の高電位電源1と、電圧−VCCを提供するための低電圧
電源2と、GND3と含む。なお、可変電圧源4は外部から
その電圧をコントロールできる。
次に第2図に示した回路における、上記各構成回路の機
能を説明する。
演算増幅器A1は入力信号端子T1に入力された入力電圧信
号を低インピーダンス化する。この低インピーダンス化
された入力電圧信号は、電圧−電流変換回路M1によっ
て、これに対し正相の電流信号に変換される。同時に、
前記低インピーダンス化された入力電圧信号を電圧−電
流変換回路M2がこれに対し逆相の電流信号に変換する。
これら2つの電流信号を電圧制御用差動回路7が、再
び、前記2つの電流信号に対応した2つの電圧信号に変
換する。このようにして得られた、入力電圧信号に対
し、正相および逆相の2つの電圧信号の差を合成差動増
幅回路8が増幅し出力端子T2に出力電圧信号として出力
する。
電圧−電流変換回路M1は、そのベース同士およびエミッ
タ同士が互いに接続され共通化された、NPN型トランジ
スタQ1とQ2とから構成されるカレントミラー回路と抵抗
R1とから構成される。なお、トランジスタQ1のベースと
コレクタとは互いにショートされ、いわゆるダイオード
接続されている。また、トランジスタQ1のコレクタと電
源1との間には抵抗R1が接続される。さらに、トランジ
スタQ1およびQ2のエミッタは電源2に接続される。
電圧−電流変換回路M2は、そのベース同士およびエミッ
タ同士が互いに接続され共通化された、同一特性のNPN
型トランジスタQ7とQ8とから構成されるカレントミラー
回路と抵抗R2とから構成される。なお、トランジスタQ7
およびQ8のエミッタは電源2に接続される。
差動増幅器6は、PNP型トランジスタQ3およびQ4とNPN型
トランジスタQ5およびダイオード接続されたNPN型トラ
ンジスタQ6とから構成される。トランジスタQ3とQ4のそ
れぞれのエミッタは互いに接続される。トランジスタQ5
とQ6のそれぞれのベース同士およびエミッタ同士は互い
に接続され共通化される。さらに、トランジスタQ3とQ5
のそれぞれのコレクタは互いに接続され、トランジスタ
Q4とQ6のそれぞれのコレクタも互いに接続される。な
お、トランジスタQ5およびQ6のエミッタは電源2に接続
される。
差動増幅器6は上記のように構成されており、その入力
端はトランジスタQ3およびQ4のそれぞれのベースであ
る。トランジスタQ3のベースには演算増幅器A1の出力端
が接続される。また、差動増幅器6の出力端はトランジ
スタQ3とQ5とのコレクタ接続点としている。
電圧制御用差動回路7はNPN型トランジスタQ10,Q11,Q1
2,およびQ13と抵抗R3およびR4とから構成される。トラ
ンジスタQ10とQ13のそれぞれのベースは互いに接続さ
れ、トランジスタQ11とQ12のそれぞれのベースも互いに
接続される。さらに、トランジスタQ10とQ11のそれぞれ
のエミッタも互いに接続され、トランジスタQ12とトラ
ンジスタQ13のそれぞれのエミッタも互いに接続され
る。また、抵抗R3は電源1とトランジスタQ10のコレク
タとの間に接続される。抵抗R4はトランジスタQ13のコ
レクタと電源1との間に接続される。なお、トランジス
タQ11とQ12のベース接続点はGND3に接続され、トランジ
スタQ11とQ12のコレクタはともに電源1に接続される。
さらに、トランジスタQ10とQ13のベース接続点とGND3と
の間には可変電圧源4が設けられる。
合成差動増幅回路8は2入力演算増幅器A2と、抵抗R5お
よびR6とから構成される。演算増幅器A2の(−)側の入
力端と出力信号端子T2との間には抵抗R5が接続される。
また、演算増幅器A2の(+)側の入力端とGND3との間に
は抵抗R6が接続される。
さらに、演算増幅器A1の出力端とトランジスタQ1との間
には抵抗R1が接続され、トランジスタQ3とQ4とのエミッ
タ接続点と電源1との間には差動増幅器6に定電流を与
えるための定電流源5が設けられる。また、差動増幅器
6からの出力端であるトランジスタQ3とQ5の接続点は電
圧−電流変換回路M2のトランジスタQ7のベースに接続さ
れる。なお、差動増幅器6の一方の入力端であるトラン
ジスタQ4のベースは抵抗R2とトランジスタQ7との接続点
に接続される。
次に、電圧−電流変換回路M1のトランジスタQ2のコレク
タは、電圧制御用差動回路7におけるトランジスタQ10
とQ11のエミッタ接続点に接続される。また、電圧−電
流変換回路M2のトランジスタQ8のコレクタは電圧制御用
差動回路7のトランジスタQ12とQ13のエミッタ接続点に
接続される。さらに、合成差動増幅回路8について、そ
の(−)側の入力端は電圧制御用差動回路7に出力端で
ある、トランジスタQ10と抵抗R3との接続点に接続さ
れ、(+)側の出力端は電圧制御用差動回路7のもう一
方の出力端である、トランジスタQ13と抵抗R4との接続
点に接続される。
なお、演算増幅器A1について、(+)側の入力端は入力
信号端子T1に接続され、(−)側の入力端と出力端は互
いに接続されている。
以下、上記のように構成された第2図で示される回路の
動作について説明する。
演算増幅器A1はその(−)側の入力端とその出力端とが
ショートされておりいわゆるボルテージホロワ回路とな
っている。ボルテージホロワ回路では、入力電圧信号と
同じ信号レベルの信号が低インピーダンス化され出力さ
れる。したがって、入力信号端子T1に入力された入力電
圧信号Viは、それと同じレベルの電圧信号Viとして演算
増幅器A1から出力される。この電圧信号Viによって、抵
抗R1とトランジスタQ1との直列接続に電流i1が生じる。
ここで、トランジスタQ1およびQ2はカレントミラー回路
を構成している。したがって、トランジスタQ1に生じた
電流i1はそのままトランジスタQ2のコレクタ電流i1とな
る。ここで、トランジスタQ2のコレクタはトランジスタ
Q10とQ11のエミッタ接続点に接続されている。したがっ
て、トランジスタQ2のコレクタ電流i1はトランジスタQ1
0およびQ11のエミッタから流れ込むことになる。つまり
電流i1はトランジスタQ10およびQ11のそれぞれのコレク
タ電流ic10,ic11の和である。ここで、トランジスタQ11
のベースはGND3に接続されているが、トランジスタQ10
のベースには外部からコントロールされる可変電圧源4
によって電圧VCが与えられている。したがって、この電
圧VCに応じてトランジスタQ10のコレクタ電流ic10が決
まると、トランジスタQ11のコレクタ電流ic11も決ま
る。すなわち、電流i1がトランジスタQ10のコレクタ電
流に変換されるときの変換比は、電圧VCによって決ま
る。このように、電圧VCによって決まる変換比で変換さ
れた電流i1、すなわち、トランジスタQ10のコレクタ電
流ic10は、トランジスタQ10と直列接続された抵抗R3を
流れる。したがって、抵抗R3とトランジスタQ10との接
続点からはトランジスタQ10のコレクタ電流ic10によっ
て決まる電圧VR3を取出すことができる。つまり、電流
−電圧変換回路M1からの電流信号が電圧信号に変換され
たことになる。
次に、電流i1の位相について説明する。
たとえば、入力電圧信号Viがプラス方向に大きく振幅し
た場合、演算増幅器A1からの出力電圧信号も同じ変化を
示す。したがって、抵抗R1の高電位側の電位が上昇し電
流−電圧変換回路M1のトランジスタQ1と抵抗R1との直列
接続の両端にかかる電圧は大きくなる。この結果、入力
電圧信号Viによって、抵抗R1に生じる電流i1も大きくな
る。つまり、電流−電圧変換回路M1から得られる電流i1
は入力電圧信号Viと同じ位相で変化する。これは、電流
信号i1は入力電圧信号Viに対して正相の信号であること
を意味する。したがって、電流信号i1が電圧信号に変換
されたVR3も、入力電圧信号に対し正相であることは言
うまでもない。以上が入力電圧信号Viが演算増幅器A2の
(−)側の入力端に入力されるまでの回路動作である。
次に、入力電圧信号Viが演算増幅器A2の(+)側の入力
端に入力されるまでの回路動作について説明する。
演算増幅器A1の出力端はトランジスタQ3のベース、すな
わち、差動増幅器6の一方の入力端に接続されている。
ここで、差動増幅器6の出力端であるトランジスタQ3と
Q5との接続点はトランジスタQ7のベースに接続されてい
る。さらに、トランジスタQ7のコレクタはトランジスタ
Q4のベースに接続されている。ところで、トランジスタ
Q4のベースは差動増幅器6のもう一方の入力端である。
これは、差動増幅器6において、その2入力端のうちの
一方の入力端と出力端とは互いに接続されていることを
意味する。つまり、差動増幅器6は演算増幅器A1と同様
にボルテージホロワ回路である。したがって、差動増幅
器6は演算増幅器A1と同様に入力電圧信号と同じレベル
の出力電圧信号を出力する。したがって、演算増幅器A1
によって低インピーダンス化された入力電圧信号Viは差
動増幅器6の出力端であるトランジスタQ3とQ5のコレク
タ接続点にそのまま現われる。ここで、差動増幅器6の
出力端はトランジスタQ7のベースに接続されている。し
たがって、差動増幅器6の出力電圧信号はトランジスタ
Q7のベースによってそのコレクタに現われる。これによ
って、トランジスタQ7の抵抗R2との直列接続に電流i2
生じる。つまり、入力電圧信号Viによってトランジスタ
Q7にコレクタ電流i2が生じたことになる。ここで、トラ
ンジスタQ7およびQ8はカレントミラー回路を構成してい
る。したがって、トランジスタQ7に生じたコレクタ電流
i2はそのままトランジスタQ8のコレクタ電流i2となる。
ここで、トランジスタQ8のコレクタはトランジスタQ12
とQ13のエミッタ接続点に接続されている。したがっ
て、電流i2はトランジスタQ12およびQ13のエミッタから
流れ込むことになる。つまり、トランジスタQ8のコレク
タ電流i2はトランジスタQ12とQ13のそれぞれのコレクタ
電流iC12,ic13の和である。ここで、トランジスタQ12の
ベースはGND3に接続されているが、トランジスタQ13の
ベースには可変電圧源4にある電圧VCが与えられてい
る。したがって、この電圧VCによってトランジスタQ13
のコレクタ電流iC13が決まればトランジスタQ12のコレ
クタ電流IC12も決まる。すなわち、電流i2がトランジス
タQ13のコレクタ電流iC13に変換されるときの変換比は
電圧VCによって決まる。このように、電圧VCによって決
まる変換比で変換された電流i2、すなわち、トランジス
タQ13のコレクタ電流iC13はトランジスタQ13と直列接続
された抵抗R4を流れる。したがって、抵抗R4とトランジ
スタQ13との接続点からはトランジスタQ13のコレクタ電
流iC13によって決まる電圧VR4を取出すことができる。
つまり、電圧−電流変換回路M2からの電流信号i2が電圧
信号VR4に変換されたことになる。
ここで、電圧−電流変換回路M2から得られる電流信号i2
の位相について説明する。
たとえば、入力電圧信号Viがプラス方向に大きく振幅し
た場合、演算増幅器A1からの出力電圧信号も同じ変化を
示し、この変化は差動増幅器6に入力される。差動増幅
器6の入力電圧信号に対する増幅率は1であるから、こ
の変化はそのまま差動増幅器6の出力端であるトランジ
スタ7のベースに伝達される。これによって、トランジ
スタQ7のコレクタに入力電圧信号Viの変化がそのまま伝
達される。ここで、トランジスタQ7のコレクタは抵抗R2
の低電位側と接続されている。したがって、トランジス
タQ7のコレクタ電圧の増加方向への変化は抵抗R2の低電
位側の電位の上昇につながる。これは、抵抗R2の両端に
かかる電圧が減少することを意味し抵抗R2に生じる電流
i2は減少する。つまり、入力電圧信号Viがプラス方向に
大きく振幅すると、電流i2は逆に小さくなる。これは、
電流i2は入力電圧信号Viに対して逆相の信号であること
を意味する。したがって、電流信号i2が電圧信号に変換
されたVR4も入力電圧信号Viに対して逆相であることは
言うまでもない。
なお、実際の電圧制御増幅回路では、電圧制御増幅回路
7において電流i1が電流iC10とiC11とに、電流i2が電流
iC12とiC13とに分配される際、電流i1がすべてトランン
ジスタQ10側に流れるように、電流i2がすべてトランジ
スタQ3に流れるように、すなわち、i1=iC10、i2=iC13
あるように、可変電圧源4の電圧VCが設定されているも
のが一般的である。
このように、電圧−電流変換回路M1およびM2のそれぞれ
から取出された電流信号i1およびi2はそれぞれ電圧制御
用差動回路7によって再び電圧信号VR3およびVR4に変換
される。この電圧信号VR3,VR4は合成差動増幅回路8に
入力される。したがって、電圧信号VR3とVR4との差が、
抵抗R5およびR6によって決まる増幅率によって増幅され
出力電圧信号V0となる。この出力電圧信号VOは出力端子
T2から取出される。
なお、電圧制御用差動回路7において、トランジスタQ1
0とQ11のコレクタは互いに接続され、トランジスタQ11
とQ12のベースも互いに接続されていた。したがって、
可変電圧源4の電圧VCを変化させた場合、これによるト
ランジスタQ10とQ13のそれぞれのコレクタ電流iC10とi
C13は同様の変化をする。
[発明が解決しようとする課題] 従来の電圧制御増幅回路は以上のように構成されており
以下のような課題があった。
入力電圧信号Viは電圧−電流変換回路M1によってこれに
対し正相の電流信号i1に変換される。この電流i1は、入
力電圧信号Viによって抵抗R1に生じた電流であり次式で
表わされる。
式(1)において、r1は抵抗R1の抵抗値である。また、
ΔVBE1は電流i1によるトランジスタQ1のベース・エミッ
タ電圧の変化分である。トランジスタQ1は、そのベース
とコレクタとをショートされておりその電圧−電流特性
はダイオードと同様である。このため、電流信号i1によ
るトランジスタQ1のベース・エミッタ電圧の変化ΔVBE1
が生じる。式(1)からわかるように、電流信号i1は入
力電圧信号V1のみによる電流成分 から、トランジスタQ1のベース・エミッタ電圧の変化分
ΔVBE1による電流成分 を差し引いたものになる。
第4図は、入力電圧信号Viと電流信号i1との関係を示し
た図である。図からわかるように、入力電圧信号Viが或
る範囲までは、入力電圧信号Viと電流i1との関係は直線
関係になっていない。これは、この範囲においては電流
i1に対して、トランジスタQ1のベース・エミッタ電圧の
変化分ΔVBE1による電流成分 が無視できない値であることを意味する。したがって、
この範囲において、電流信号i1の波形は入力電圧信号Vi
の波形に対し歪を持つことになる。第4図を参照する
と、入力電圧信号Viとして同図(a)のような波形が入
力され、電流信号i1に変換されると、その波形は同図
(b)に示すように上下にアンバランスに歪んだ形とな
る。
次に、入力電圧信号Viが電圧−電流変換回路M2によっ
て、これに対し逆相の電流信号i2に変換される場合につ
いて説明する。電流信号i2は入力電圧信号Viによって抵
抗R2に生じた電流であり、電流i1とは逆相の信号である
から次式(2)で表わせる。
式(2)において、r2は抵抗R2の抵抗値である。したが
って、電流信号r2は入力電圧信号Viによる電流成分 のみによって決まる。
第3図は、入力電圧信号Viと電流信号i2との関係を示し
た図である。図のように、電流信号i2は電流信号i1と違
い、入力電圧信号Viのすべての範囲において、入力電圧
信号Viと直線関係にある。これは、電流信号i2には入力
電圧信号Vi以外の電流成分が入っていないためである。
したがって、第3図を参照すると、入力電圧信号Viに同
図(a)のような波形が入力され電流信号i2に変換され
ると、その波形は同図(b)に示すように歪のない形と
なる。
なお、入力電圧信号および電流信号はともにsinカーブ
(cosカーブ)の繰返しによる交流信号であるため、第
3図および第4図で図示した波形は、その一部分を描い
たものである。したがって、電圧信号と電流信号との間
の位相の違いは無視している。
以上のように、入力電圧信号Viが電流信号i1およびi2
変換される際、電流信号i2は入力電圧信号Viによる電流
成分のみであるが、電流信号i1は入力電圧信号Viによる
電流成分に加え、ダイオード接続のトランジスタQ1によ
る歪成分 とからなる。この結果、電流信号i1と入力電圧信号Vi
が直線関係にない範囲においては次のような現象が顕著
になる。
電流信号i1およびi2は電圧制御用差動回路7によって、
それぞれに応じた電圧信号VR3およびVR4に変換される。
ここで、説明に当たっては簡単のためにr1=r2,r3=r4
あるとする。但し、r3およびr4はそれぞれ抵抗R3および
R4の抵抗値である。また、電圧制御用差動回路7におい
ては電流i1が電流iC10とiC11とに、電流i2が電流iC12
iC13酸とに分配される際、電流i1がすべてトランジスタ
Q10側に流れるように、電流i2がすべてトランジスタQ13
に流れるように、すなわちi1=iC10、i2=iC13であるよう
に、可変電圧源4の電圧VCが設定されているとする。し
たがって、式(2)で表わされた電流信号i2は次のよう
に表わされる。
次に、電流信号i1が抵抗R3によって電圧に変換された場
合の電圧信号VR3は式(1)により次式のように表わさ
れる。
また、電流信号i2は抵抗R4によって電圧に変換され、そ
の電圧信号VR3は式(3)により次式のように表わされ
る。
したがって、合成差動増幅回路8によって増幅されるべ
き電圧VR3-VR4は式(4)および(5)により次式のよ
うになる。
したがって、入力電圧信号Viが合成差動増幅回路8によ
って合成される際、電流信号i1に含まれていたダイオー
ド接続されたトランジスタQ1による歪成分 はそのまま伝達されることになる。この結果、出力信号
端子T2に出力される電圧信号VOの波形は入力電圧信号Vi
の波形がそのまま出力されず歪んだ波形となる。
本発明の目的は上記のような問題点を解決し、入力電圧
信号波形に対する出力電圧信号波形の歪率の小さい、電
圧制御増幅回路を提供することである。
[課題を解決するための手段] 上記のような目的を達成するために、本発明に係る電圧
制御増幅回路においては、入力電圧信号を電流信号に変
換するための第1および第2の電圧−電流変換回路を次
のように構成した。すなわち、第1および第2の電圧−
電流変換回路はともに、電源電圧端子に接続されるダイ
オード機能素子と抵抗との直列接続を含む。
[作用] 上記のように、本発明に係る電圧制御増幅回路の第1お
よび第2の電圧−電流変換回路においてはともに、抵抗
とダイオード機能素子との直列接続が用いられている。
したがって、入力電圧信号が前記第1および第2の電圧
−電流変換回路のそれぞれの抵抗によって、互いに逆相
の電流信号変換される際、どちらの電流信号にも互いに
同相のダイオード機能素子による入力電圧信号に対する
歪成分が含まれる。
一方、上記2つの電流信号は再びそれぞれに応じた電圧
信号に変換される。したがって、上記2つの電流信号の
それぞれに含まれる歪成分はそれぞれの電圧信号に伝達
される。
一方、出力電圧信号は前記2つの電圧信号の差を増幅し
たものである。したがって、このとき、2つの電圧信号
のそれぞれに含まれる歪成分は互いにキャンセルし会う
ことになる。この結果、出力電圧信号の入力電圧信号に
対する歪率は小さくなる。
[実施例] 第1図は本発明の一実施例を示す回路図である。
図を参照して、この回路は、第2図で示された回路と同
様に、大きく別けて、電圧−電流増幅回路M1およびM2
と、差動増幅器6と、電圧制御差動回路7(図示せず)
と、合成差動増幅器(図示せず)と、2入力演算増幅器
A1とから構成される。また、この回路は第2図で示され
た回路と同様に、入力信号端子T1と出力信号端子T2と、
電源1および2と、GND3(図示せず)と、可変電圧源4
(図示せず)とを含む。なお、上記構成回路のそれぞれ
の機能は従来と同様である。
また、第1図において図示されていない部分および電圧
−電流変換回路M2以外の部分の各々の回路構成はすべて
第2図に示された従来の回路のそれに相当する部分のそ
れと同一である。
しかし、本実施例の電圧制御増幅回路と、第2図に示さ
れた従来の電圧制御増幅回路との大きな違いは電圧−電
流変換回路M2の構成にある。すなわち、第1図を参照し
て、電圧−電流変換回路M2は従来のそれと異なり、抵抗
R2と電源1との間にダイオード接続されたトランジスタ
Q9が接続される。
以下、本実施例の電圧制御増幅回路の動作について説明
する。
まず、入力電圧信号Viを電流信号i1に変換するための電
圧−電流変換回路M1は従来と同様である。したがって、
電流信号i1は従来通り式(1)で表わせる。しかし、入
力電圧信号Viを電流信号i2に変換するための電圧−電流
変換回路M2は従来と異なり上記のように構成されてい
る。そのため、入力電圧信号Viは次のように電流信号i2
に変換される。
差動増幅器6は従来と同一であるから、従来と同様に動
作する。したがって、入力電圧信号Viは電圧−電流変換
回路M2のトランジスタQ7のベースに伝達され、トランジ
スタQ7のコレクタにそのまま伝達される。これにより生
じたトランジスタQ7のコレクタ電流i2は従来と異なり、
トランジスタQ9と抵抗R2の直列接続を流れる。
ここで、入力電圧信号Viがプラス方向に大きく振幅した
場合、この変化は差動増幅器6によってそのままトラン
ジスタQ7のコレクタに現われる。そして、従来と同様
に、トランジスタQ7のコレクタに接続されている抵抗R2
の低電位側の電位が上昇する。したがって、抵抗R2とト
ランジスタQ9との直列接続の両端にかかる電圧が小さく
なる。このため、抵抗R2とトランジスタQ9との直列接続
に流れる電流i2も小さくなる。従来と同様に、これは入
力電圧信号V1に対して電流信号i2は逆相であることを意
味する。しかし、本実施例においては抵抗R2と電源1と
の間にはトランジスタQ9が接続されている。このため、
入力電圧信号Viにより抵抗R2に生じる、これに対し逆相
の電流信号i2は次式(7)で表わせる。
式(7)においてΔVBE9は、電流i2によるトランジスタ
Q9のベース・エミッタ電圧の変化分である。トランジス
タQ9は、トランジスタQ1と同様にそのベースとコレクタ
とをショートされており、その電圧−電流特性はダイオ
ードと同様である。このため、電流信号i2によるトラン
ジスタQ9のベース・エミッタ電圧の変化ΔVBE9が生じ
る。式(7)からわかるように、電流信号i2は、入力電
圧信号Viに対して逆相の成分、 電流信号i1の歪成分である と同様に、ダイオード接続されたトランジスタQ9のベー
ス・エミッタ電圧の変化分による歪成分である。
次に、トランジスタQ7とQ8とはカレントミラー回路を構
成しているため、式(7)で表わされる電流信号i2はこ
れと同じ電流信号をトランジスタQ8のコレクタ電流とし
て発生させる。
これらの電流信号i1およびi2を電圧信号VR3およびVR4
変換するための電圧制御用差動回路7の動作は従来と同
様である。以下の説明にあたっては簡単のためにr1=r2,
r3=r4であるとする。また、電圧制御用差動回路7にお
いては、電流i1が電流iC10とiC11とに、電流i2が電流i
C12とiC13とに分配される際、電流i1がすべてトランジ
スタQ10側に流れるように、電流i2がすべてトランジス
タQ13に流れるように可変電圧源4の電圧VCが設定され
ているとする。
すると、電圧信号VR3は従来と同様であり式(4)で表
わされる。また、電圧信号VR4は式(7)により次式の
ように表わされる。
したがって、式(4)および(8)より、従来と同一の
合成差動増幅回路8によって増幅される電圧信号VR3-V
R4が次式(9)のようになる。
したがって、入力電圧信号VIが電流信号i1に変換される
際に発生するトランジスタQ1による歪成分 は、入力電圧信号Viが電流信号i2に変換される際に発生
するトランジスタQ2による歪成分 によってキャンセルし合うことになる。その結果、合成
差動増幅回路8によって増幅され出力される出力電圧信
号VOの入力電圧信号Viに対する歪率は従来に比べ小さく
なる。
特に、トランジスタQ9にトランジスタQ1と同一の特性の
ものを選ぶと、ΔVBE1=ΔVBE9となるため、電流信号i1
の歪成分 は完全にキャンセルされる。
なお、本実施例の説明にあたっては簡単のためにr1=r2,
r3=r4であるとしたが、この条件以外の場合において
も、電圧信号VR3とVR4が合成される際、電流信号i1に含
まれる歪成分 は電流信号i2の歪成分 によってキャンセルされる(減ぜられる)形になる。し
たがって、出力電圧信号VOの入力電圧信号Viに対する歪
率は従来より小さくなる。
なお、本実施例の回路を構成するトランジスタの極性を
すべて反転させた場合(NPN型PNP型)も同様の効果が
得られる。
また、本実施例においてはトランジスタQ1,およびQ9を
そのベースとコレクタをショートさせることによって、
ダイオードとして用いた。しかし、必ずしもそのような
接続のトランジスタを用いる必要はなくダイオードと同
じ電圧−電流特性を有する素子であれれば本実施例と同
様の効果が得られる。さらに、本実施例の電圧制御増幅
回路は電源1による高電位+VCCと、電源2による低電
位−VCCの中間の電位をGND電位とする、2電源タイプで
あったが、単一電源タイプの電圧制御増幅回路に本発明
を適用しても同様の効果が得られる。
[発明の効果] 本発明に係る電圧制御増幅回路は以上のように構成され
ているため以下のような効果がある。
すなわち、従来、一方の電圧−電流変換回路からの電流
信号のみに含まれるダイオード機能素子による歪成分に
よって、最終的な出力電圧信号は入力電圧信号に対し歪
率を持っていたが、この歪率が大幅に減少される。よっ
て、入力電圧信号が、上記ダイオード機能素子による歪
成分が上記電流信号に対して無視できない範囲にある場
合にも、出力電圧信号は入力電圧信号に対し、歪の少な
い形で出力され、電圧制御増幅回路としての機能が向上
される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す回路図、第2図は従来
技術の一例を示す回路図、第3図は第1図および第2図
で示される回路内の抵抗R1の電流信号と入力電圧信号と
の関係を示す図、第4図は第2図で示される回路内の抵
抗R2の電流信号と入力電圧信号との関係を示す図であ
る。 図において、1および2はそれぞれ高電位および低電位
電源、3はGND、4は可変電圧源、5は定電流源、6は
差動増幅器、7は電圧制御用差動回路、8は合成差動増
幅回路である。さらに、M1およびM2はそれぞれ電圧−電
流変換回路、T1は入力信号端子、T2は出力信号端子であ
る。また、R1〜R6は抵抗、Q1,Q2,およびQ5〜Q13はNPN型
トランジスタ、Q3およびQ4はPNP型トランジスタ、A1お
よびA2は2入力演算増幅器である。 なお、図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号電圧源と、 前記入力信号電圧源に接続される第1の抵抗と、前記第
    1の抵抗に接続される第1のダイオード機能素子とを含
    み、前記入力信号電圧を第1の相の電流に変換する、第
    1の電圧−電流変換回路と、 電源電圧端子に接続される第2のダイオード機能素子
    と、第2の抵抗との直列接続を含み、前記電源電圧を受
    けて第1の相と逆相の第2の相の電流に変換する、第2
    の電圧−電流変換回路と、 前記第1および第2の電圧−電流変換回路に接続され
    て、前記第1および第2の電流を第1および第2の電圧
    に変換する電流−電圧変換回路と、 前記電流−電圧変換回路により変換されて得られた前記
    第1および第2の電圧を差動増幅する差動増幅手段とを
    備えた、電圧制御増幅回路。
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