JPH0610027B2 - 輸送タンク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、輸送タンクに関し、特に、いわゆる交換
（スワップ）タンクに関する。

交換タンクは、タンクコンテナに類似し且つ複数の輸送
方法の間において交換が可能な輸送タンクである。交換
タンクは、主として、液体、気体、及びバルック材料
の、複合された、すなわち多くの方法による道路または
軌地上の輸送において用いられる。

［従来の技術と発明が解決しようとする課題］ 日本特許出願５８−１９３２８８に開示された輸送タン
クは、次のようなものである。すなわち、円筒状のボデ
ィと湾曲した端底部とからなる。各端底部は、端部リン
グ要素とサドル片とを介して、外側のコーナ取付部材を
備えたフレーム部分に連結されている。各端部リング要
素は、タンクの長手方向の軸と平行に延び且つそれぞれ
の端底部に溶接されたフランジを有している。各サドル
片は、三角形の壁部分を有している。この壁部分は、前
記軸に対して横方向に延びると共に、端部リング要素の
直径方向に延びるフランジに連結されている。この壁部
分の縁は、それぞれのフレーム部分に連結された他のフ
ランジを有している。

前記の公知の構造は、完全にスタック可能なＩＳＯのタ
ンクコンテナであって、その外側フレーム（これは、実
に従前の公知の構造においても、タンクを完全に取囲む
ものであった）は、２つの端部フレームに縮小されてお
り、これら端部フレームの各々は、４つのコーナ取付部
材を有し、且つ、４つのサドル片と１つの端部リングを
介してタンクの外側に湾曲した底端部のそれぞれに連結
されている。

この発明の目的は、次のような交換タンクを提供すると
ころにある。すなわち、一方では、風袋重量が更に小さ
く、他方では、タンクにかかる全ての力をフレーム構造
の下側のコーナ取付部材に安全に伝達することを保証
し、同時に、それぞれの乗物（ビークル）のプラットホ
ームにおいて種々の間隔でタンクをツイストロックまた
は他のロック要素に選択的に連結可能としたものであ
る。

［課題を解決するための手段と作用］ 前記の課題を解決するために、この発明の輸送タンク
は、次の構成よりなる。すなわち、円筒状のボディと湾
曲した端底部とからなり、端底部の各々は、端部リング
要素とサドル片とを介して、外側のコーナ取付部材を備
えたフレーム部分に連結されている。各端部リング要素
は、長手方向のタンク軸に平行に延び且つそれぞれの端
底部に溶接されたフランジを有している。各サドル片
は、三角形の壁部分を有している。この壁部分は、タン
ク軸を横切る方向に延びると共に、端部リング要素の直
径方向に延びるフランジに連結されている。前記のサド
ル片は、更に、フランジを有しており、このフランジは
前記の壁部分の縁部に配されており、それぞれのフレー
ム部分に連結されている。端部リング要素は、タンクの
端底部の下半分において約９０゜〜約１８０゜の範囲に
わたって延びる部分リングである。各フレーム部分は下
側の横方向に延びるビームを有しており、このビームの
上面は、サドル片に連結されている。各フレーム部分
は、また、タンクの長手方向の一部にわたって延びる２
つの下側の長手方向のビームを有している。これら長手
方向のビームの各々は、別の内側のコーナ取付部材を有
し、前記のタンクのボディを取囲む補強リングに連結さ
れている。タンクに隣接した、各サドル片の三角形の壁
部分の内側の縁部は、端底部に対し実質的に接線方向に
延びている。

この発明のタンク構造によれば、端方向及び長手方向の
支持構造が、実質的に、タンクにかかる力を伝えるのに
必要な最小限の構造部分と寸法とに限定されることが可
能となる。同時に、外側及び内側のコーナ取付部材の固
定位置は、横方向及び長手方向の外端部であって、長手
方向のビームが補強リングに連結される個所である。従
って、この発明の輸送タンクは、乗物に普通に設けられ
ているロック要素の２つの異なる間隔に従って、タンク
の長手方向において相互に間隔を介して設けた合計８個
の下側のコーナ取付部材を有するものである。

この発明の好適な実施態様においては、外側のコーナ取
付部材は互いの間隔が３０フィート（約9,125mm）であ
り、内側のコーナ取付部材は互いの間隔が２０フィート
（約6,058mm）である。

この発明の他の好ましい実施態様の目的は、サドル及び
フレーム構造を追加的に補強し、端部リング要素の端部
におけるピーク応力を回避し、及び、タンクの取扱いの
容易さを増すところにある。

［実施例］ この発明の他の目的及び利点は、添付図面に基づいて行
う下記の説明により明らかとなろう。

図において、タンク10は、円筒状のボディ11と湾曲した
端底部12とから構成されている。第１図においては、端
底部12の一方のみが示されている。多くの補強リング1
3,14がボディ11を取囲んでいる。第１図は、端部10の右
側の部分のみを示している。タンク10の垂直な中央平面
は、補強リング14の更に左側に位置しており、従って、
図には示されていない。

第１図に示す端部領域においては、１つの横方向のビー
ム15の２つの長手方向のビーム16とからなるフレーム部
分がタンク10を支持している。横方向のビーム15の両外
側端部において、この横方向のビーム15の下面に外側の
コーナ取付部材17が溶接されている。

端底部12には、Ｌ字形の断面を有する端部リング要素18
が固定されている。このリング要素18の、長手方向のタ
ンク軸19に平行に延びるフランジ20は、ナックル領域、
すなわち、端底部の最小の曲率半径の領域に、または、
このナックル領域の中にある曲率のより小さい領域に溶
接されている。前記の端部リング要素18は１３５゜の角
度にわたって延びており、タンク10の垂直な長手方向の
中央平面に関して対称に配されている。ピーク応力を避
けるために、前記フランジ20の両端は、端底部12におい
て直径方向に配した筒状要素21の外側面に溶接されてい
る。この要素21は斜めの外側端部を有しており、これに
より、応力が更に減少させられる。端部リング要素18と
しては、Ｌ字形断面のものに代えて、Ｔ字形断面のもの
を用いて、その中央の腹板が端底部12に連結されるよう
に構成してもよい。いずれにしても、リング要素18は直
径方向に延びるフランジ22を有している。

横方向のビーム15には、三角形のサドル片23が取付けら
れている。これらサドル片23の各々は、三角形の壁部分
24を有しており、この壁部分24は長手方向のタンク軸19
に対して垂直に延びると共に、リング要素18の直径方向
のフランジ22に当接している。前記の壁部分24の下端を
折曲げて水平なフランジ25が形成されている。このフラ
ンジ25は横方向のビーム15の上面に重なっている。

壁部分24におけるタンク10から遠い側の斜めの縁は、折
れ曲って、補強フランジ26を構成している。このフラン
ジ26は三角形に形成してもよく、または、台形状に形成
してその長い下辺をフランジ25に連結させてもよい。壁
部分24のタンクに面した第３の縁は、端底部12に対して
接線方向に延びており、この壁部分24とリング要素18の
フランジ22との間に最大の重複領域を構成するように、
この縁は端底部にできる限り到達している。

端部リング要素18とサドル片23の形状は、前記した通り
であり、この形状により、２つのフレーム部分をタンク
10に関して次のように配設することにより輸送タンクの
組立が可能となる。すなわち、まず、タンクの長手方向
において定められた標準の間隔をおいて外側のコーナ取
付部材17を配設する。次に、サドル片23を、その壁部分
24がリング要素18のフランジ22に当接するまで、長手方
向に移動させる。このリング要素18は、あらかじめ、タ
ンクの端底部12に溶接されている。この状態において、
サドル片23をリング要素18と横方向のビーム15とに溶接
またはねじ止めする。このようにすることにより、個々
の部品、特に、タンク10自身を製造する際に不可避の公
差、及び、リング要素18を端底部12に溶接する際に不可
避の公差が、補償される。

サドル片23が三角形状をなしていることは、次の２つの
点で有利である。すなわち、第１に、材料とその重量を
節約することができ、第２に、この形状は、タンク10か
らコーナ取付部材17に直接的に伝えられる力の方向に対
応するからである。

タンクを更に支持するために、２つの三角形状のサドル
片23の間に、矩形の連結板27を設けてもよい。この板27
は垂直に延びる壁部分を有しており、この壁部分は端部
リング要素18の直径方向のフランジ22に溶接またはネジ
止めされている。また、前記の板27は下側の曲げられた
フランジを有しており、このフランジは横方向のビーム
15の上面に溶接またはネジ止めされている。

長手方向のビーム16の内側の端部は、補強リング14に当
接するとともに、中間位置において、補強リング13に連
結されている。長手方向のビーム16の各々と補強リング
13との間の連結部において、長手方向のビーム16の各々
の下面においては、内側のコーナ取付部材28が取付けら
れている。

第１図に示す内側のコーナ取付部材28と、タンク10の他
端側において対称に設けた内側のコーナ取付部材（不図
示）との間の間隔ａは、好ましくは、２０フィート（約
6,058）である。また、内側のコーナ取付部材28と外側
のコーナ取付部材17との間の間隔は、好ましくは５フィ
ート（約1,534mm）である。従って、第１図に示す外側
のコーナ取付部材17とタンクの他端側において対称に配
した外側のコーナ取付部材（不図示）との間の間隔ｂ
は、３０フィート（約9,125mm）である。これらの間隔
は次のような理由で有用である。すなわち、ＩＳＯコン
テナの輸送に用いられる乗物に設けられたツイストロッ
クまたは他のロック要素は、普通、これらの間隔のいず
れかによって配設されているからである。従って、図示
の輸送タンクは、３０フィートのコンテナのために設計
された乗物の場合と同様に、２０フィートのコンテナの
ために設計された乗物においても、取付けることが可能
である。

長手方向のビーム16における前記２つの補強リング13,1
4の間の部分は、引掛けアームに係合する働きをする。
この部分において、プレート29が挿入されている。この
プレート29は垂直な壁部分30を有している。この壁部分
30は、長手方向のビーム16の上端に隣り合うと共に、引
掛けアームに必要なスライド面として働く。壁部分30は
折曲げられて、これと一体である直径方向に延びる壁部
分31を構成する。この壁部分31は、２つの補強リング1
3,14の間において、タンク10のシェルに溶接されたＴ字
形バー32の外方向に延びる腹板に連結されている。

第１図と第２図に示すように、外側と内側のコーナ取付
部材17,28を、斜めのコンソール33を介して、長手方向
のビーム16と横方向のビーム15とにより、追加的に支持
させてもよい。

前記の横方向と長手方向のビームは、矩形の断面を有す
る材料により構成してもよく、垂直に配したＩ字形のビ
ームにより構成してもよく、また、熱間圧延鋼からなり
内側または外側に開いたＵ字形のビームにより構成して
もよい。

［発明の効果］ この発明の交換タンクにおいては、一方では、風袋重量
が更に小さく、他方では、タンクにかかる全ての力をフ
レーム構造の下側のコーナ取付部材に安全に伝達するこ
とを保証する。同時に、それぞれの乗物のプラットホー
ムにおいて種々の間隔でタンクをツイストロックまたは
他のロック要素に選択的に連結することが可能である。

［要 約］ この発明の交換タンクは、ＩＳＯのコンテナ用乗物にお
ける２つの異なるロック用モジュールに関して使用する
のに適切なものである。このタンクは、２つのフレーム
部分を有する底部フレームを有している。これらのフレ
ーム部分の各々は、下側の横方向のビーム(15)と、タン
クの長さの一部のみにわたって延びる２つの長手方向の
ビーム(16)とからなる。各タンク端底部(12)に溶接され
た端部リング要素(18)は、横方向のビーム(15)に取付け
られた三角形のサドル片(23)を介して、横方向のビーム
(15)に連結されている。長手方向のビーム(16)は、横方
向にビーム(15)から遠い側の端部において、タンクを取
囲む補強リング(14)に連結され、中間位置において、他
の補強リング(13)に連結されている。前記２つの補強リ
ング(13,14)の間における、長手方向のビーム(16)の部
分は、引掛けアームと係合する働きをする。横方向のビ
ーム(15)の両端において、このビーム(15)の下面には、
外側のコーナ取付部材(17)が配されている。長手方向の
ビーム(16)の各々の下面においては、このビームが外側
の補強リング13を連結されている個所において、内側の
コーナ取付部材(28)が設けられている。タンクの長手方
向において、２つのコーナ取付部材(17)の間隔は３０フ
ィート（約9,125mm）であり、２つの内側のコーナ取付
部材(28)の間の間隔は２０フィート（約6,058mm）であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の輸送タンクの一部の側面図、 第２図は、第１図のタンクの端面図である。 ［符号の説明］ １０……タンク １１……円筒状のボディ １２……端底部 １３……補強リング １４……補強リング １５……下側の横方向のビーム １６……下側の長手方向のビーム １７……外側のコーナ取付部材 １８……端部リング要素 １９……タンクの軸 ２０……フランジ ２１……筒状要素 ２２……直径方向に延びるフランジ ２３……サドル片 ２４……三角形の壁部分 ２５……フランジ ２６……補強フランジ ２７……連結板 ２８……内側のコーナ取付部材 ２９……スライドプレート

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒状のボディ(11)と、湾曲した端底部(1
   2)とからなる輸送タンク(10)であって、 各端底部(12)は、端部リング要素(18)とサドル片(23)と
   を介して、外側コーナ取付部材(17)を備えたフレーム部
   分に連結され、各端部リング要素(18)は、長手方向のタ
   ンク軸(19)に平行に延び且つそれぞれの端底部(12)に溶
   接されており、各サドル片(23)は三角形の壁部分(24)を
   有し、この壁部分(24)は、軸(19)を横切って延びると共
   に、端部リング要素(18)の直径方向に延びるフランジ(2
   2)に連結されており、前記の各サドル片(23)は、更に、
   壁部分(24)の縁に設けられ且つそれぞれのフレーム部分
   に連結されたフランジ(25)を有している輸送タンク(10)
   において、 前記の端部リング要素(18)は、端底部(12)の下半分にお
   いて約９０゜〜約１８０゜の範囲にわたって延びる部分
   リングとして形成されており、 各フレーム部分は、下側の横方向のビーム(15)を有して
   おり、このビームの上面はサドル片(23)に連結されてお
   り、各フレーム部分は、更に、タンクの長さの一部にわ
   たって延びる２つの下側の長手方向のビーム(16)を有
   し、この長手方向のビーム(16)の各々は、前記の外側の
   コーナ取付部材(17)とは別に、内側のコーナ取付部材(2
   8)を有しており、且つ、前記のタンクボディ(11)を取り
   囲む補強リング(13,14)に連結されており、 タンク(10)に隣接した、各サドル片(23)の三角形の壁部
   分(24)の内側の縁部は、端底部(12)に対して実質的に接
   線方向に延びていることを特徴とする輸送タンク。
2. 【請求項２】請求項１に記載の輸送タンクにおいて、前
   記のタンク(10)から遠い側の、各サドル片(23)の三角形
   の壁部分(24)の外側の縁部は、下方向且つ外方向に延
   び、補強フランジ(26)を有していることを特徴とする輸
   送タンク。
3. 【請求項３】請求項１または２に記載の輸送タンクにお
   いて、端部リング要素(18)の下側の中央部分が、矩形の
   連結板(27)により支持されており、この連結板(27)は、
   横方向のビーム(15)に当接した下側のフランジを有して
   いることを特徴とする輸送タンク。
4. 【請求項４】請求項１〜３のいずれか１項に記載の輸送
   タンクにおいて、端部リング要素(18)の端部は、それぞ
   れ、端底部(12)に溶接された筒状要素(21)の外側表面に
   連結されていることを特徴とする輸送タンク。
5. 【請求項５】請求項１〜４のいずれか１項に記載の輸送
   タンクにおいて、長手方向のビーム(16)の各々は、その
   内側端部において第１の補強リング(14)に連結され、そ
   の中間部分において第２の補強リング(13)に連結されて
   おり、前記の内側のコーナ取付部材(28)は、前記の第２
   の補強リング(13)の個所において、長手方向のビーム(1
   6)に連結されていることを特徴とする輸送タンク。
6. 【請求項６】請求項５に記載の輸送タンクにおいて、長
   手方向のビーム(16)の各々の、前記の２つの補強リング
   (13,14)の間に配された部分は、引掛けアームと係合す
   るように形成されており、上方向に延びるスライドプレ
   ート(29)を備えていることを特徴とする輸送タンク。
7. 【請求項７】請求項６に記載の輸送タンクにおいて、前
   記のスライドプレート(29)は、折れ曲がって、壁部分(3
   1)を有しており、この壁部分(31)は、タンク(10)の直径
   方向の内方に延びると共に、前記２つの補強リング(13,
   14)の間においてタンクボディ(11)に取付けられたバー
   (32)に連結されていることを特徴とする輸送タンク。
8. 【請求項８】請求項１〜７のいずれか１項に記載の輸送
   タンクにおいて、前記の外側のコーナ取付部材(17)同士
   の間のタンクの長手方向の間隔が３０フィート（約9,12
   4mm）であり、前記の内側のコーナ取付部材(28)同士の
   間の同様の間隔が２０フィート（約6,058mm）であるこ
   とを特徴とする輸送タンク。