JPH0598924A - V型内燃機関のブローバイガス処理装置 - Google Patents

V型内燃機関のブローバイガス処理装置

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JPH0598924A
JPH0598924A JP3256834A JP25683491A JPH0598924A JP H0598924 A JPH0598924 A JP H0598924A JP 3256834 A JP3256834 A JP 3256834A JP 25683491 A JP25683491 A JP 25683491A JP H0598924 A JPH0598924 A JP H0598924A
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chain
blow
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oil separator
internal combustion
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隆 石塚
Yuuya Matsuo
勇也 松尾
Kaoru Haga
薫 芳賀
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チェーン駆動式のV型内燃機関において、オ
イルセパレータへの油滴の直接的な進入を防止してオイ
ル分離性能を高める。 【構成】 チェーンケースリヤ3とチェーンケースフロ
ント4とによってチェーン室5が画成されており、該チ
ェーン室5がブローバイガスの流路となる。チェーン室
5の最上部となる両バンクの第1カムスプロケット11
間に、ブローバイガス出口45を有するオイルセパレー
タ室41が形成されている。オイルセパレータ室41の
下方には、エンジンマウントボス部33が位置し、オイ
ルセパレータ室41の入口44を覆っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関のクランク
ケース内のブローバイガスを機関吸気系に戻すように構
成したブローバイガス処理装置、特にV型内燃機関にお
けるブローバイガス処理装置のオイルセパレータの改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のクランクケース内に新気を導
入し、この新気により押し出されたブローバイガスを機
関吸気系に戻して燃焼させるようにしたブローバイガス
処理装置が従来から広く用いられているが、この種の装
置では、クランクケース内からブローバイガスとともに
潤滑油が持ち出されるのを防止するために、クランクケ
ースからのブローバイガスの出口にオイルセパレータが
必要である。
【0003】このオイルセパレータは、一般に、オイル
セパレータ室内に邪魔板を設けて屈曲した流路を形成し
た比較的簡単な構成となっているが、多くの場合は、ク
ランクケースの側部にオイルセパレータを配置し、ここ
を通過したブローバイガスを外部配管で取り出すように
なっている。
【0004】また実開昭60−147708号公報に
は、V型内燃機関において、シリンダブロックのVバン
ク間位置にオイルセパレータ室を形成し、下方のクラン
クケースと連通孔を介して連通させた構成が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、オイルセパレータが機関の比較的下方に
位置しており、オイルパン内の油面やクランクシャフト
に近接しているため、オイルミストとなって飛散した潤
滑油がオイルセパレータ室内に侵入し易く、内部に潤滑
油が溜まるなどしてオイル分離性能が低くなる、という
不具合がある。特に、上記実開昭60−147708号
公報の構成では、下側の連通孔がクランクシャフトに直
接向かって開口しているので、クランクシャフトから遠
心力で外周側へ飛散した油滴がオイルセパレータ室内に
飛び込んで溜まり易い。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、V型内燃機
関のクランクケース内に新気を導入するとともに、クラ
ンクケース内から機関前端部のチェーン室を通して機関
吸気系にブローバイガスを導くように構成したV型内燃
機関のブローバイガス処理装置において、上記チェーン
室の上部でかつ左右バンクのカムスプロケット間位置に
オイルセパレータ室を形成するとともに、該オイルセパ
レータ室下部の入口を覆うように、オイルセパレータ室
の下方にエンジンマウントボス部を配置したことを特徴
としている。
【0007】
【作用】動弁機構をタイミングチェーンにて駆動するよ
うにした内燃機関では、機関前端部のチェーン室がシリ
ンダヘッド内部とクランクケース内とを大きく連通させ
ているので、このチェーン室がブローバイガスの流路と
なる。そして上記構成では、オイルセパレータ室がチェ
ーン室上部のカムスプロケット間のスペースを利用して
形成され、該オイルセパレータ室を通して外部へブロー
バイガスが取り出される。
【0008】ここで上記オイルセパレータ室はチェーン
室の上部に位置し、しかも下方がエンジンマウントボス
部にて覆われているため、クランクシャフトの回転に伴
ってかき上げられた潤滑油や遠心力で飛散するオイルミ
ストがオイルセパレータ室に流入しにくい。
【0009】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。
【0010】図3は、この発明に係るブローバイガス処
理装置を備えたV型6気筒内燃機関の分解斜視図であっ
て、同図に示すように、シリンダブロック1の左右バン
クの上面にそれぞれシリンダヘッド2が固定されている
とともに、これらのシリンダブロック1とシリンダヘッ
ド2との前面を覆うように、例えばアルミダイキャスト
にて板状に形成したチェーンケースリヤ3が取り付けら
れている。そして、このチェーンケースリヤ3の前面に
更にカバー状のチェーンケースフロント4が取り付けら
れ、両者間にチェーン室5が形成されるようになってい
る。図1は、このようなV型内燃機関においてチェーン
ケースフロント4を取り外した状態つまりチェーン室5
内部の構成を示している。尚、チェーン室5の上部は、
図1に示すようにシリンダヘッドカバー6の前端部によ
って覆われている。
【0011】このV型内燃機関は、DOHC型の動弁機
構を有するもので、図1に示すように、シリンダブロッ
ク1下部のクランクシャフト8にクランクスプロケット
9が設けられており、左右バンクの吸気側カムシャフト
10に設けた第1カムスプロケット11と上記クランク
スプロケット9との間に、略三角形をなすように1本の
タイミングチェーン12が巻き掛けられている。また吸
気側カムシャフト10には、第1カムスプロケット11
に重ねて小径な第2カムスプロケット13が設けられて
おり、排気側カムシャフト14のカムスプロケット15
とこれに隣接する各第2カムスプロケット13との間
に、それぞれサブタイミングチェーン16が巻き掛けら
れている。つまり、図1で矢印A方向に回転するクラン
クシャフト8によって左右バンクの吸気側カムシャフト
10が駆動され、これにサブタイミングチェーン16を
介して排気側カムシャフト14が連動する構成となって
いる。
【0012】上記タイミングチェーン12の緩み側とな
る図左方の第1カムスプロケット11とクランクスプロ
ケット9との間には、下端が回動可能に支持され、かつ
上端部に油圧式チェーンテンショナ17を備えたチェー
ンガイド18が配設されており、これによってタイミン
グチェーン12に適宜な張力が付与されている。また左
右一対の第1カムスプロケット11の間には、チェーン
ガイド19が取り付けられており、タイミングチェーン
12を僅かに内周側に押圧している。
【0013】一方、タイミングチェーン12の張り側と
なる図右方の第1カムスプロケット11とクランクスプ
ロケット9との間に、ウォータポンプ21が配設されて
おり、その駆動軸22に取り付けたウォータポンプスプ
ロケット23がタイミングチェーン12の背面側つまり
外周側に噛み合っている。上記ウォータポンプスプロケ
ット23は、第1カムスプロケット11とクランクスプ
ロケット9の略中間に位置し、タイミングチェーン12
を内周側に押し込む形となっている。またウォータポン
プスプロケット23の上下には、それぞれチェーンガイ
ド24,25が配設されている。
【0014】上記ウォータポンプ21は、図3に示すよ
うに、チェーンケースリヤ3の開口部26にボルトにて
取り付けられたポンプハウジング28と、駆動軸22の
先端に固定されたインペラ29とを主体とし、シリンダ
ブロック1前面に凹設されたポンプ室30内に上記イン
ペラ29が位置している。尚、このウォータポンプ21
の取付位置に対応してチェーンケースフロント4には作
業孔となる開口部31が設けられており、これをカバー
32で閉塞した構成となっている。
【0015】また、シリンダブロック1の前面中央部、
詳しくはタイミングチェーン12の内周側でかつ機関の
重心に近い位置に、3個の円柱状のボス33aからなる
エンジンマウントボス部33が設けられている。上記の
3個のボス33aは、上方に左右対称に2個配置され、
かつ下方に1個配置されているもので、上方の2個は、
チェーンケースリヤ3およびチェーンケースフロント4
に設けた略三角形の開口部34,35を通してチェーン
ケースフロント4外面に露出している。また下方の1個
は、やはりチェーンケースリヤ3およびチェーンケース
フロント4に設けた円筒状の開口部36,37を通して
チェーンケースフロント4外面に露出している。ここ
で、上記の略三角形の開口部34,35の周囲には、チ
ェーン室5の内側に互いに対向して突出する壁部34
a,35aがそれぞれ設けられており、これらの先端が
互いに当接するとともに、例えば液体ガスケットを用い
てシールされている。下方の開口部36,37の周囲
も、チェーンケースリヤ3とチェーンケースフロント4
との間で例えば液体ガスケットを用いてシールされてい
る。そして、上記のエンジンマウントボス部33には、
図3に示すように、各ボス33aに対応した3本の脚部
38aを有するエンジンマウントブラケット38が、図
示せぬボルトにより固定されるようになっている。尚、
図3において、39は、シリンダブロック1の後端部の
左右両側にそれぞれ設けられるエンジンマウントブラケ
ットである。
【0016】一方、チェーンケースリヤ3およびチェー
ンケースフロント4からなるチェーン室5の上部、詳し
くは左右両バンクの第1カムスプロケット11の間に、
オイルセパレータ室41が形成されている。このオイル
セパレータ室41は、チェーンケースリヤ3およびチェ
ーンケースフロント4にそれぞれ一体に形成された壁部
42,43の先端が互いに密接することによって画成さ
れているもので、図1に示すように、上端縁がチェーン
ガイド19の下縁に沿って位置しているとともに、左右
側縁が第1カムスプロケット11の周縁に沿った円弧形
をなし、かつ下部に入口44が開口している。また、オ
イルセパレータ室41内には、上記入口44から上方へ
向かって屈曲した流路が形成されており、その流路の上
部に連通するように、チェーンケースリヤ3側にブロー
バイガス出口45が開口形成されている。このブローバ
イガス出口45は、裏面つまりシリンダブロック1側に
貫通しており、図2に示すように、シリンダブロック1
のVバンク間に配置されたブローバイガスホース46に
接続されている。
【0017】ここで、上記セパレータ室41は、図1に
示すように、エンジンマウントボス部33の上方に位置
しており、開口部34,35周囲の壁部34a,35a
によって下部の入口44の下方が覆われたレイアウトと
なっている。
【0018】図2は、上記V型内燃機関のブローバイガ
ス処理装置における全体的なガスの流れを示す説明図で
あって、白矢印で示す新気は、新気導入用ホース45を
通して一方のバンクのシリンダヘッドカバー6後端部か
ら該カバー6内の新気通路46に導入される。この新気
の一部は、バンク間の接続用ホース47を介して他方の
バンクのシリンダヘッドカバー6内の新気通路48に導
入される。そして、各新気通路46,48の新気導入口
49,50,51からシリンダヘッド2内に導入され、
該シリンダヘッド2内を掃気するとともに、図示せぬオ
イルリターン通路を通してオイルパン52とシリンダブ
ロック1とで画成されるクランクケース内に案内され
る。また一部の新気は、機関前端部のチェーン室5を通
してクランクケース内に流入する。一方、黒矢印で示す
ブローバイガスは、新気の流入に伴ってクランクケース
内から押し出され、チェーン室5内を上昇して、オイル
セパレータ室41に流入する。そして、ここで潤滑油成
分が分離除去された後に、ブローバイガスホース46を
通してシリンダヘッドカバー6内のブローバイガス通路
53に案内され、ここから更に流量制御バルブ54を具
備したブローバイガスホース55を介して図示せぬ吸気
コレクタに吸入される。また一部のブローバイガスはチ
ェーン室5上部からブローバイガス通路53内に流入す
る。尚、このブローバイガスに対しては、ブローバイガ
ス通路53がオイルセパレータとして機能する。
【0019】さて上記実施例の構成においては、オイル
セパレータ室41がチェーン室5の最上部に位置してお
り、しかも、その入口44の下方がエンジンマウントボ
ス部33周囲の壁部34a,35aによって覆われてい
るので、クランクシャフト8やクランクスプロケット9
によって上方にかき上げられてチェーン室5内を飛散す
る潤滑油滴がオイルセパレータ室41に侵入しにくくな
り、潤滑油の分離性能を高く得ることができる。特に、
クランクスプロケット9から遠心力によって上方へ飛ば
された油滴が上記壁部34a,35aに衝突し、オイル
セパレータ室41付近に直接向かうことがないため、オ
イルセパレータ室41内に多量の潤滑油が溜まってしま
うようなことがない。また、オイルセパレータ室41は
タイミングチェーン12の内周に位置しているので、タ
イミングチェーン12に付着して外周側へ飛ばされる油
滴もオイルセパレータ室41に飛び込むことがない。
【0020】また上記実施例では、オイルセパレータ室
41がチェーンケースリヤ3とチェーンケースフロント
4とによって形成されているため、何ら別部材を用いる
必要がなく、部品点数が少なく済むとともに、一対の第
1カムスプロケット11の間の無駄なスペースを有効に
利用してオイルセパレータ室41が設けられる形とな
り、機関全体の小型化の上で有利となる。
【0021】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
に係るV型内燃機関のブローバイガス処理装置によれ
ば、クランクシャフトやクランクスプロケットの回転に
伴いチェーン室内に飛散する潤滑油滴がオイルセパレー
タ室に侵入しにくくなり、ブローバイガスに対するオイ
ル分離性能が向上して、潤滑油の吸気系への持ち出しが
抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るブローバイガス処理装置を備え
たV型内燃機関のチェーン室内の構成を示す正面図。
【図2】この内燃機関のブローバイガス処理装置におけ
るガスの流れを示す説明図。
【図3】同内燃機関の分解斜視図。
【符号の説明】
5…チェーン室 11…第1カムスプロケット 33…エンジンマウントボス部 41…オイルセパレータ室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 V型内燃機関のクランクケース内に新気
    を導入するとともに、クランクケース内から機関前端部
    のチェーン室を通して機関吸気系にブローバイガスを導
    くように構成したV型内燃機関のブローバイガス処理装
    置において、上記チェーン室の上部でかつ左右バンクの
    カムスプロケット間位置にオイルセパレータ室を形成す
    るとともに、該オイルセパレータ室下部の入口を覆うよ
    うに、オイルセパレータ室の下方にエンジンマウントボ
    ス部を配置したことを特徴とするV型内燃機関のブロー
    バイガス処理装置。
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