JPH0596772U - 熱交換器の乱流促進体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チューブに挿入するリフレクタなどの乱流
促進体による異音発生の問題、およびチューブの損傷の
問題などを防止する手段を講じた熱交換器の乱流促進体
を提供すること。 【構成】 リフレクタに凹凸を連続して形成すること
によりその剛性を向上させることに着目したもので、熱
交換媒体が通過するチューブ内に挿入することにより熱
交換媒体の乱流を発生させて熱交換効率を向上させる熱
交換器の乱流促進体であって、チューブ内に挿入する帯
状波形の乱流促進体本体１１に凹凸突起（肉厚突起１
２）を連続して形成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空気調和装置などにおけるヒータユニットのヒータコア、あるい はクーラーユニットのエバポレータやコンデンサなどの熱交換器の乱流促進体に かかるもので、とくに当該乱流促進体の振動を抑えることが可能な熱交換器の乱 流促進体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の熱交換器において、その熱交換媒体が通過するチューブ内に乱流促進 体を挿入することにより熱交換媒体の流れ方向に抵抗を与えて乱流を発生させ、 熱交換効率を向上させることが行われている。 たとえば、実開昭５８−１６５４８３号などがある。

【０００３】 以下、従来の乱流促進体について、図６および図７にもとづき概説する。 図６は、一般的な熱交換器１の概略斜視図であって、この熱交換器１は、互 いに平行に設けた多数のチューブ２と、チューブ２の間に設けたフィン３と、そ れぞれのチューブ２内に挿入する複数本の乱流促進体たとえばリフレクタ（タブ レター）４とを有する。

【０００４】 リフレクタ４は、帯状波形の部材からこれを構成し、このリフレクタ４の複 数本を棒状の連結部材５により所定間隔で連結してある。

【０００５】 図７は、チューブ２にリフレクタ４を挿入した状態の拡大断面図であり、内 部流体（熱交換媒体）たとえばヒータコアでは温水がこのリフレクタ４に衝突す ることにより、内部に乱流を発生させることによって、熱交換効率を向上させる ようにしている。

【０００６】 リフレクタ４の形状としては、図示のように、波形をしたものが一般的に用 いられ、ほかにらせん状に形成したもの（図示せず）もある。

【０００７】 こうしたリフレクタ４のうち波形をしたものは、その中でもとくにリフレク タ４自体を樹脂により加工したものは、製造容易であるとともに、通過する熱交 換媒体に適度の抵抗を与えることができる。

【０００８】 こうしたレフレクタ４は図７に示すように、チューブ２内に挿入された状態 で使用されることとなるが、帯状の細長いリフレクタ４の一方端部が連結部材５ により片持ち式に支持されているため、他方端部が自由端となり、全体としてチ ューブ２内部で上下方向に振れやすい状態にある。

【０００９】 したがって、熱交換媒体が低流量時には、温水がリフレクタ４にあたって流 れても発生する乱流は少ないため、リフレクタ４の上下運動は起こらない。

【００１０】 しかしながら、流量が増すにともない、リフレクタ４が上下運動を起こし、 音を発生させたり、チューブ２の内面と接触してこれを傷つけ、最悪の場合には チューブ２に穴をあけてしまうという問題がある。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、チューブに挿入す るリフレクタなどの乱流促進体による異音発生の問題、およびチューブの損傷の 問題などを防止する手段を講じた熱交換器の乱流促進体を提供することを課題と する。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案は、リフレクタに凹凸を連続して形成することによりその剛 性を向上させることに着目したもので、熱交換媒体が通過するチューブ内に挿入 することにより熱交換媒体の乱流を発生させて熱交換効率を向上させる熱交換器 の乱流促進体であって、上記チューブ内に挿入する帯状波形の乱流促進体本体に 凹凸突起を連続して形成したことを特徴とする熱交換器の乱流促進体である。

【００１３】

【作用】

本考案による熱交換器の乱流促進体においては、乱流促進体本体に凹凸突起 を連続して形成したので、乱流促進体自体の長手方向の強度を向上させ、乱流促 進体の剛性が向上し、片持ち式であっても、高流量側での乱流促進体の上下の振 れを防止することができるため、騒音発生の防止、およびチューブとの接触防止 を図ることが可能である。

【００１４】 さらに、凹凸突起が乱流促進体に形成されているため、熱交換媒体の乱流発 生が促進され、熱交換効率がさらに向上する。

【００１５】

【実施例】

つぎに、本考案の第一の実施例による熱交換器の乱流促進体１０を図１およ び図２にもとづき説明する。 ただし、本考案においても熱交換器としては、図６に示した一般的な熱交換 器１と同様であり、図６および図７と同様の部分には同一符号を付し、その詳述 はこれを省略する。

【００１６】 図１は熱交換器の乱流促進体１０の斜視図、図２は図１のＩＩ−ＩＩ線断面 図であって、この乱流促進体１０は、従来のリフレクタ４と同様の帯状波形の乱 流促進体本体１１の幅方向中央部に、長手方向の補強体として凹凸突起たとえば 肉厚突起１２を連続して形成してある。

【００１７】 この肉厚突起１２は、乱流促進体本体１１の表面および裏面にこれを形成し てあるが、表面および裏面で互いにずれた位置にこれを形成してもよく、あるい はその片面のみに形成してもよい。

【００１８】 こうした構成の乱流促進体１０においては、肉厚突起１２により乱流促進体 １０全体の剛性が向上し、熱交換媒体の通過による乱流促進体１０の上下の振れ を抑制することができる。

【００１９】 したがって、乱流促進体本体１１がチューブ２の内壁面に衝突することを防 止し、従来のような騒音の発生を防止し、かつチューブ２の損傷を回避可能であ る。

【００２０】 しかも、乱流促進体本体１１の表面および裏面が凹凸形状となるので、熱交 換媒体の通過による乱流発生をさらに促進することができ、熱交換効率をさらに 向上可能である。

【００２１】 つぎに図３は、本考案の第二の実施例による乱流促進体２０の斜視図であっ て、図１の乱流促進体１０の肉厚突起１２に加えて、幅方向の横断突起２１を形 成してある。

【００２２】 こうした構成の乱流促進体２０において、その強度ないし剛性をさらに増強 することができるため、上述の第一の実施例と同等以上の性能を発揮することが できる。

【００２３】 つぎに図４は、本考案の第三の実施例による乱流促進体３０の側面図、図５ は同、平面図であって、帯状波形の乱流促進体本体１１の表面および裏面におい て波の山の間にまたがって長手方向の長手突条３１を形成するとともに、幅方向 の幅リブ３２を形成してある。

【００２４】 こうした構成の乱流促進体３０においては、チューブ２内における熱交換媒 体の流れの障害にならずに、効率よく乱流発生を行うとともに、乱流促進体３０ の上下の振れを防止可能である。

【００２５】 なお本考案においては、凹凸突起の形状、形成位置、数、などは任意に設計 可能であるとともに、乱流促進体本体の材料についても樹脂材料に限定されず、 乱流発生により上下に振られる可能性のあるものについて適用可能である。

【００２６】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、帯状波形の乱流促進体本体に凹凸突起を連続 して形成したので、乱流発生および乱流促進体の強度アップという相反する性能 を享受可能であり、乱流発生機能を損なわずに、騒音発生およびチューブの損傷 を的確に防止可能である。

【００２７】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一の実施例による熱交換器の乱流促
進体１０の斜視図である。

【図２】同、図１のＩＩ−ＩＩ線断面図でである。

【図３】本考案の第二の実施例による熱交換器の乱流促
進体２０の斜視図である。

【図４】本考案の第三の実施例による熱交換器の乱流促
進体３０の側面図である。

【図５】同、乱流促進体３０の平面図である。

【図６】従来の一般的な熱交換器１の概略斜視図、およ
びリフレクタ４の斜視図である。

【図７】同、チューブ２にリフレクタ４を挿入した状態
の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 熱交換器 ２ チューブ ３ フィン ４ リフレクタ（タブレター）（乱流促進体） ５ 連結部材 １０ 乱流促進体 １１ 帯状波形の乱流促進体本体 １２ 肉厚突起 ２０ 乱流促進体 ２１ 横断突起 ３０ 乱流促進体 ３１ 長手突条 ３２ 幅リブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱交換媒体が通過するチューブ内に挿
   入することにより熱交換媒体の乱流を発生させて熱交換
   効率を向上させる熱交換器の乱流促進体であって、 前記チューブ内に挿入する帯状波形の乱流促進体本体に
   凹凸突起を連続して形成したことを特徴とする熱交換器
   の乱流促進体。