JP2004263881A - 伝熱フィン、熱交換器、カーエアコン用エバポレータ及びコンデンサ - Google Patents
伝熱フィン、熱交換器、カーエアコン用エバポレータ及びコンデンサ Download PDFInfo
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- F28F1/128—Fins with openings, e.g. louvered fins
Abstract
【課題】熱伝達率を向上させ、圧力損失を減少できて、優れた熱交換性能を有する伝熱フィンを提供する。
【解決手段】複数の熱交換チューブ51、52の各間にコルゲートフィン53が配置される。コルゲートフィン53は、チューブ長さ方向に沿って所定の間隔おきに並列に配置されたルーバーフィン54が蛇行状に連接されて形成されている。ルーバーフィン54の各間には通風路56が形成される。ルーバーフィン53には、適当な間隔おきに切り起こし状に複数のルーバー55が形成される。ルーバーフィン54及びルーバー55の風上側端縁54a、55aが、風上側に向かうに従って薄くなるような半楕円形状に形成される。
【選択図】 図3
【解決手段】複数の熱交換チューブ51、52の各間にコルゲートフィン53が配置される。コルゲートフィン53は、チューブ長さ方向に沿って所定の間隔おきに並列に配置されたルーバーフィン54が蛇行状に連接されて形成されている。ルーバーフィン54の各間には通風路56が形成される。ルーバーフィン53には、適当な間隔おきに切り起こし状に複数のルーバー55が形成される。ルーバーフィン54及びルーバー55の風上側端縁54a、55aが、風上側に向かうに従って薄くなるような半楕円形状に形成される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばカーエアコンにおけるエバポレータ、コンデンサ及び熱交換器、更にはそれらの機器に用いられる伝熱フィンに関する。
【0002】
【従来の技術】
カーエアコンに用いられるエバポレータ等においては、並列に配置された複数の熱交換チューブの各間に、伝熱板として薄板状の複数枚のフィンが互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されたものが周知である。
【0003】
このエバポレータでは、フィンの各間に通風路が形成され、そのフィンを介して、通風路内を通過する空気と熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換されるものである。
【0004】
このようなエバポレータにおいて、熱的な性能を向上させるための一つの方法として、フィンのピッチ等を増加させる方法が有効と考えられている。
【0005】
しかしながら、図14に示すように、従来におけるフィン(100)は、その風上側の端縁における断面が矩形状に形成されているため、風上側端面(101)が、通風路(110)を通過する空気(A)に対し略垂直面として構成される。このため、風上側端面(101)に空気(A)が衝突すると、流通空気(A)に乱れが発生する。従って、上記したように、フィンピッチを増加させると同時に、流通空気(A)の乱れも多く発生して、圧力損失が増大してしまう。このように圧力損失が増大すると、空気(A)の取込量の低下及び取込速度の低下を招くため、熱交換性能が低下してしまう恐れがある。
【0006】
つまり、熱伝達率が同じ2つの伝熱フィンを比較した場合、圧力損失の大きい方は性能が低いものであるのに対し、圧力損失の小さい方は性能が高くて、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0007】
このような状況下において、例えば下記特許文献1に示すように、フィンアンドチューブ型熱交換器において、フィンの風下側端縁を薄く形成して、圧力損失を低下させる技術が報告されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭60−82786号(第2−3図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に示す伝熱フィンにおいては、圧力損失を、ある程度低減させることは可能である。
【0010】
しかしながら、近年における熱交換器等の技術分野においては、熱交換性能の向上が可及的に要求されるものであり、熱交換器に採用される伝熱フィンにおいて、なお一層の圧力損失の低減及び熱伝達率の向上が臨まれることろである。
【0011】
この発明は、上記の実情に鑑みてなされたもので、熱伝達率を向上させつつ、圧力損失を減少できて、優れた熱交換性能を得ることができる伝熱フィン、熱交換器、カーエアコン用エバポレータ及びコンデンサを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1発明は、以下の構成(1)を要旨としている。
【0013】
(1) 熱媒体の流通方向に対しほぼ平行に配置される伝熱板を有し、その伝熱板を介して、熱媒体の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板における熱媒体の流入側端縁が、熱媒体流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0014】
本第1発明の伝熱フィンにおいては、伝熱板の熱媒体流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する熱媒体は、伝熱板の外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0015】
本第1発明においては、以下の構成(2)を採用するのが好ましい。
【0016】
(2) 前記伝熱板における熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(1)記載の伝熱フィン。
【0017】
この構成を採用する場合には、圧力損失を、より一層減少できる上、熱伝導率を、より一層向上させることができる。
【0018】
本第2発明は、以下の構成(3)を要旨としている。
【0019】
(3) 複数の伝熱板が互いに平行にかつ所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成され、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板の風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0020】
本第2発明の伝熱フィンにおいては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0021】
本第2発明においては、以下の構成(4)(5)を採用するのが好ましい。
【0022】
(4) 前記複数の伝熱板が、互いに独立して配置されて、プレートフィンとして形成されてなる前項(3)記載の伝熱フィン。
【0023】
(5) 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる前項(3)記載の伝熱フィン。
【0024】
本第3発明は、以下の構成(6)を要旨としている。
【0025】
(6) 所定の間隔をおいて並列に配置された一対の熱交換チューブ間に、複数の伝熱板が互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成され、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気と前記熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換させるようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板の風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0026】
本第4発明の伝熱フィンにおいては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0027】
本第4発明においては、以下の構成(7)〜(9)を採用するのが好ましい。
【0028】
(7) 前記複数の伝熱板が、互いに独立して配置されて、プレートフィンとして形成されてなる前項(6)記載の伝熱フィン。
【0029】
(8) 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる前項(6)記載の伝熱フィン。
【0030】
(9) 前記複数の伝熱板が、対応する前記熱交換チューブに一体に形成されて、スカイブドフィンとして形成されてな前項(6)記載の伝熱フィン。
【0031】
また上記第2ないし第4発明においては、以下の構成(10)〜(15)を採用するのが良い。
【0032】
(10) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、湾曲状に形成されてなる前項(3)ないし(9)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0033】
(11) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、半楕円形状に形成されてなる前項(10)記載の伝熱フィン。
【0034】
(12) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、半円形に形成されてなる前項(10)記載の伝熱フィン。
【0035】
(13) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、多角形状に形成されてなる前項(3)ないし(9)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0036】
(14) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、先端を鋭角にした三角形状に形成されてなる前項(13)記載の伝熱フィン。
【0037】
(15) 前記伝熱板における風下側端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(3)ないし(14)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0038】
本第5発明は、以下の構成(16)を要旨としている。
【0039】
(16) 熱媒体の流通方向に対しほぼ平行に配置される伝熱板を有し、その伝熱板に、熱媒体の流通方向に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、熱媒体の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記ルーバーにおける熱媒体の流入側端縁が、熱媒体流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0040】
本第5発明の伝熱フィンにおいては、ルーバーの熱媒体流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する熱媒体は、ルーバーの外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0041】
本第5発明においては、以下の構成(17)を採用するのが好ましい。
【0042】
(17) 前記伝熱板における熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(16)記載の伝熱フィン。
【0043】
本第6発明は、以下の構成(18)を要旨としている。
【0044】
(18) 複数の伝熱板が互いに平行にかつ所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記ルーバーの風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0045】
本第6発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝達率の向上を図ることができる。
【0046】
本第6発明においては、以下の構成(19)を採用するのが良い。
【0047】
(19) 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる前項(18)記載の伝熱フィン。
【0048】
本第7発明は、以下の構成を(20)を要旨としている。
【0049】
(20) 所定の間隔をおいて並列に配置された一対の熱交換チューブ間に、複数の伝熱板が互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気と前記熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換させるようにした伝熱フィンであって、
前記ルーバーの風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0050】
本第7発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝達率の向上を図ることができる。
【0051】
本第7発明においては、以下の構成(21)を採用するのが望ましい。
【0052】
(21) 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる前項(20)記載の伝熱フィン。
【0053】
本第6及び7発明においては、以下の構成(22)〜(27)を採用するのが良い。
【0054】
(22) 前記ルーバーにおける風上側端の断面輪郭形状が、湾曲状に形成されてなる前項(18)ないし(21)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0055】
(23) 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、半楕円形状に形成されてなる前項(22)記載の伝熱フィン。
【0056】
(24) 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、半円形に形成されてなる前項(22)記載の伝熱フィン。
【0057】
(25) 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、多角形状に形成されてなる前項(18)ないし(21)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0058】
(26) 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、先端を鋭角にした三角形状に形成されてなる前項(25)記載の伝熱フィン。
【0059】
(27) 前記ルーバーにおける風下側端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(18)ないし(26)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0060】
本第8発明は、以下の構成(28)を要旨としている。
【0061】
(28) 熱媒体の流通方向に対しほぼ平行に配置される伝熱板を有し、その伝熱板に、熱媒体の流通方向に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、熱媒体の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板及び前記ルーバーにおける熱媒体の流入側端縁が、熱媒体流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0062】
本第8発明においては、伝熱板及びルーバーの熱媒体流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する熱媒体は、伝熱板及びルーバーの外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0063】
本第8発明においては、以下の構成を(29)を採用するのが好ましい。
【0064】
(29) 前記伝熱板及びルーバーの熱媒体の流出側端縁のうち少なくともいずれか一方の端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(28)記載の伝熱フィン。
【0065】
本第9発明は、以下の構成(30)を要旨としている。
【0066】
(30) 複数の伝熱板が互いに平行にかつ所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板及び前記ルーバーの風上側端縁が、風上に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0067】
本第9発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0068】
本第9発明においては、以下の構成(31)を採用するのが好ましい。
【0069】
(31) 前記伝熱板及びルーバーの風下側端縁のうち少なくともいずれか一方の端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(30)記載の伝熱フィン。
【0070】
本第10発明は、以下の構成(32)を要旨としている。
【0071】
(32) 所定の間隔をおいて並列に配置された一対の熱交換チューブ間に、複数の伝熱板が互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気と前記熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換させるようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板及び前記ルーバーの風上側端縁が、風上に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0072】
本第10発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝達率の向上を図ることができる。
【0073】
本第10発明においては、以下の構成(33)を採用するのが良い。
【0074】
(33) 前記伝熱板及びルーバーの風下側端縁のうち少なくともいずれか一方の端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(32)記載の伝熱フィン。
【0075】
本第11発明は、以下の構成(34)を要旨としている。
【0076】
(34) 冷媒が流通する熱交換チューブの内部に、冷媒流通方向に対し平行に伝熱板が設けられ、その伝熱板を介して冷媒の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板における冷媒の流入側端縁が、冷媒流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0077】
本第11発明は、熱交換チューブ内に配置されるインナーフィン等を対象とするものであり、伝熱板の冷媒流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する冷媒は、伝熱板の外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0078】
本第11発明においては、以下の構成(35)を採用するのが好ましい。
【0079】
(35) 前記伝熱板におけるの熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(34)記載の伝熱フィン。
【0080】
本第12発明は、以下の構成(36)を要旨としている。
【0081】
(36) 冷媒が流通する熱交換チューブの内部に、冷媒流通方向に対し平行に伝熱板が設けられるとともに、その伝熱板に複数の開口部が千鳥配置に設けられ、前記伝熱板を介して冷媒の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し上流側に対向する端縁が、上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0082】
本第12発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0083】
本第12発明においては、以下の構成(37)を採用するのが良い。
【0084】
(37) 前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し下流側に対向する端縁が、下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(36)記載の伝熱フィン。
【0085】
本第13発明は、以下の構成(38)を要旨としている。
【0086】
(38) 冷媒が流通する熱交換チューブの内部に、冷媒流通方向に対し平行に伝熱板が設けられるとともに、その伝熱板に複数の開口部が千鳥配置に設けられ、前記伝熱板を介して冷媒の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板における冷媒の流入側端縁が、冷媒流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されるとともに、
前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し上流側に対向する端縁が、上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0087】
本第13発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0088】
本第13発明においては、以下の構成(39)(40)を採用するのが望ましい。
【0089】
(39) 前記伝熱板におけるの熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(38)記載の伝熱フィン。
【0090】
(40) 前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し下流側に対向する端縁が、下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(38)又は(39)記載の伝熱フィン。
【0091】
上記第1ないし13発明のの伝熱フィンは、以下の構成(41)〜(43)に示すように、熱交換器、更にはカーエアコン用エバポレータ、コンデンサとして好適に用いることができる。
【0092】
(41) 前項(1)ないし(40)のいずれかに記載された伝熱フィンを具備したことを特徴とする熱交換器。
【0093】
(42) 前項(1)ないし(40)のいずれかに記載された伝熱フィンを具備したことを特徴とするカーエアコン用エバポレータ。
【0094】
(43) 前項(1)ないし(40)のいずれかに記載された伝熱フィンを具備したことを特徴とするカーエアコン用コンデンサ。
【0095】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施形態が適用されたカーエアコン用エバポレータのフィン周辺を拡大して示す一部切欠斜視図、図2は図1のP−P線断面に相当するフィンの概略断面図である。なお、以下の説明においては、発明の理解を容易にするため、熱交換チューブ(51)(52)の配設方向を上下方向として説明する。
【0096】
両図に示すように、このエバポレータは、上下方向に延びる扁平な複数の熱交換チューブ(51)(52)が、前後2列で左右幅方向に所定の間隔おきに並列に配置されている。更に幅方向に隣合う熱交換チューブ(51)(52)間には、コルゲートフィン(53)が配置されている。
【0097】
コルゲートフィン(53)は、前後方向に延び、かつ上下方向に所定の間隔おきに並列に配置された伝熱板としての薄板状の複数のルーバーフィン(54)を具備しており、隣合うルーバーフィン(54)が、左右交互に連接されて、蛇行状の形状を有している。更にコルゲートフィン(53)におけるルーバーフィン(54)の各間には、前後方向に延びる通風路(56)が形成されており、稼働時には、エバポレータの前面から導入された空気(A)が各通風路(56)内を通って後方に流出されるよう構成されている。
【0098】
各ルーバーフィン(54)には、その所要部が切り起こされることにより、前後方向に適当な間隔おきに複数のルーバー(55)が形成されている。
【0099】
図3は図2の一点鎖線Qで囲まれる部分を拡大して示す断面図であって、各ルーバー(55)の前端縁(55a)、つまり通風路(56)内に導入される空気(A)に対し風上側の端縁(流入側の端縁)を拡大して示す断面図である。同図に示すように、ルーバー(55)の風上側端縁(55a)は、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されている。具体的には、ルーバー(55)の風上側端縁(55a)は、その断面輪郭形状において、短軸に沿って分割された半楕円形状に形成されて、先端に丸みを有する湾曲状に形成されている。
【0100】
なお本実施形態において、図2の一点鎖線Rで囲まれる部分に示されるルーバーフィン(54)の前端縁(54a)、つまりルーバーフィン(54)の風上側端縁(流入側端縁)は、図3の括弧付き符号に示すように、上記のルーバー(55)の風上側端縁(54a)と同様に、半楕円形状に形成されて、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されている。
【0101】
ここで、フィン(54)及びルーバー(55)の前端縁(54a)(55a)を上記特有形状に形成する方法としては、プレス加工、切断加工、切削加工等の機械的加工の他に、エッチング等の化学的加工によって形成することができる。
【0102】
このエバポレータにおいては、その前面側から各通風路(56)内に空気(A)が導入されて後面側から流出されるものであり、空気(A)が各通風路(56)内を流通する間に、各熱交換チューブ(51)(52)内に流通される冷媒と熱交換されるよう構成されている。
【0103】
本実施形態において、通風路(56)内を流通する空気(A)は、ルーバー(55)の風上側端縁(55a)に衝突しようとするが、各風上側端縁(55a)が先細の半楕円形に形成されているため、空気(A)は、端縁(55a)の外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。更にルーバーフィン(54)の風上側端縁(54a)においても同様に、空気(A)は、端縁(54a)の外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。
【0104】
このように空気(A)が乱れることなくスムーズに流通するため、抵抗が減少し、圧力損失が減少する。従って、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0105】
なお上記実施形態においては、フィン(54)及びルーバー(55)の前端縁(54a)(55a)を、断面輪郭形状において、半楕円形状に形成しているが、本発明はそれだけに限られず、例えば図4に示すように、半円形状に形成するようにしても良く、更に図5に示すように先端が鋭角な二等辺三角形状や、図6に示すように一辺側が切断された三角形状、図7に示すように先細の台形形状等の多角形状に形成するようにしても良い。更に前端縁(54a)(55a)は、上記図3ないし図7に示す形状を組み合わせた形状に形成しても良い。要は、各前端縁(54a)(55a)が、先端(風上側)に向かうに従って薄くなるように形成されてさえいれば良い。
【0106】
また上記実施形態においては、全てのルーバー(55)の前端縁(55a)を先細形状(先薄形状)に形成しているが、本発明においては、少なくとも1つ以上のルーバー(55)の端縁(55a)を先細形状に形成するようにすれば良い。更に上記実施形態においては、フィン(54)及びルーバー(55)の双方の前端縁(54a)(55a)を先細形状に形成するようにしているが、本発明においては、フィン前端縁(54a)及びルーバー前端縁(55a)のうち、少なくともいずれか一方の前端縁を先細形状に形成するようにすれば良い。
【0107】
また上記実施形態においては、本発明をエバポレータに適用した場合について説明しているが、本発明はそれだけに限られず、コンデンサや、ヒータコア等の熱交換器にも同様に適用でき、更に自動車用エアコンに限られず、ルームエアコン、冷蔵庫等、他の冷凍装置やヒーター等にも適用することができる。
【0108】
また上記実施形態においては、本発明をコルゲートフィンに適用した場合を例に挙げて説明しているが、本発明はそれだけに限られず、隣合う伝熱板(フィン)が互いに独立して配置されるプレートフィンや、熱交換チューブの外周壁が切削して切り起こされたスカイブドフィンにも適用することができる。
【0109】
更に上記実施形態においては、本発明を空気伝熱用のフィンに適応した場合を例に挙げて説明しているが、本発明はそれだけに限られず、冷媒等の他の熱媒体を伝熱するためのフィンにも適用することができる。
【0110】
例えば本発明を、冷媒伝熱用のインナーフィンに適用する場合には、熱交換チューブ内に配置される伝熱板(フィン)における冷媒の流入側端縁を、冷媒流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成すれば良い。
【0111】
更に本発明は、波形の伝熱板における山部や谷部に千鳥配置に熱媒体混合用の開口部が設けられたオフセットフィンにも適用することができ、更にそのオフセットフィンの開口部周端縁のうち、熱媒体流通方向に対し上流側に対向する端縁を、上流側に向かうに従って薄く形成して、先細形状に形成するようにしても良い。
【0112】
また上記実施形態においては、フィン(伝熱板)やルーバーの前端縁(熱媒体流通方向に対し上流側端縁)を先細形状に形成するようにしているが、本発明はそれだけに限られず、フィン(伝熱板)やルーバーの後端縁(熱媒体流通方向に対し下流側端縁、熱媒体の流出側端縁、又は風下側端縁)を、後方側(下流側、流出側、又は風下側)に向かうに従って薄くなるように形成しても良い。更に上記オフセットフィンにおいて、そのフィンの開口部周端縁のうち、熱媒体流通方向に対し下流側に対向する端縁を、下流側に向かうに従って薄く形成して、先細形状に形成するようにしても良い。
【0113】
【実施例】
以下、本発明に関連した実施例について説明する。
【0114】
上記実施形態に準拠して、扁平な複数の熱交換チューブ間に、以下に示すように種類の異なる複数のルーバー付きコルゲートフィンを組み付けたエバポレータについてそれぞれ検討した。
【0115】
<実施例1>
実施例1のエバポレータは、各フィンの風上側端縁及び各ルーバーの風上側端縁が、上記図3に示すように半楕円形状に形成されたコルゲートフィンを組み付けたものである。
【0116】
このエバポレータに関し、コンピュータシュミレーションにより、前面風速に対する熱伝達率及び圧力損失をそれぞれ測定した。
【0117】
また比較例1として、上記図14に示す従来のコルゲートフィン、つまり各フィンの風上側端縁及び各ルーバーの風上側端縁が矩形状で、端面が風向きに対し垂直面となるコルゲートフィンを組み付けたエバポレータに関しても、上記と同様の測定を行った。
【0118】
これらの測定結果を、図8の実線(実施例1)及び破線(比較例1)に示す。同グラフから明らかなように、実施例1のエバポレータは、比較例1に対し、圧力損失が小さくて、熱伝達率が多く、優れた熱交換性能を有している。特に実施例1は、風速が大きい状態での性能に優れている。
【0119】
<実施例2、3>
実施例2のエバポレータは、各フィンの風上側端縁及び各ルーバーの風上側端縁が、上記図4に示すように半円形状に形成されたコルゲートフィンを組み付けたものである。
【0120】
実施例3のエバポレータは、各フィンの風上側端縁及び各ルーバーの風上側端縁が、上記図5に示すように二等辺三角形状に形成されたコルゲートフィンを組み付けたものである。
【0121】
実施例2、3のエバポレータに関し、上記と同様の測定を行った。その測定結果を図9及び図10のグラフに示す。なお、各グラフには、上記比較例1のエバポレータによる測定結果も併せて示す。
【0122】
これらのグラフに示すように、実施例2のものは、圧力損失が小さくて、熱伝達率が多く、優れた熱交換性能を有しており、特に風速が大きい状態での性能に優れている。更に実施例3のものは、圧力損失の優位性はさほど認められないものの、特に風速が大きい状態での熱伝達率が多くて、優れた熱交換性能を有するものである。
【0123】
<比較例2>
比較例2のエバポレータは、各フィン及び各ルーバにおける風上側端縁が、矩形状(図14参照)に形成され、風下側端縁が、図3に示すように半楕円形に形成されたものである。
【0124】
このエバポレータに関し、上記と同様の測定を行い、その結果を図11の破線に示す。なお同グラフにおいて、実線に示すものは、上記実施例1のエバポレータによる測定結果である。
【0125】
同グラフから明らかなように、実施例1のものは、比較例2のものに比べて、圧力損失が小さくて、熱伝導率が多くなっている。つまり、フィン及びルーバーの両端縁のうち、風上側の端縁を先細加工する方が、風下側の端縁を加工する場合よりも、熱交換性能を向上させることができる。
【0126】
<実施例4>
実施例4のエバポレータは、各フィン及び各ルーバーにおける風上側及び風下側の両端縁が、図3に示すように半楕円形に形成されたコルゲートフィンを組み付けたものである。
【0127】
このエバポレータに関し、上記と同様の測定を行い、その結果を図12のグラフに示す。なお、同グラフの破線には、上記比較例2のエバポレータによる測定結果を示す。
【0128】
同グラフから明らかなように、フィン及びルーバーの両端を先細加工する方が、風下側の一端縁のみを加工する場合よりも、熱交換性能を十分に向上させることができる。
【0129】
図13の実線に実施例4の測定結果を示し、破線に実施例1の測定結果を示す。
【0130】
同グラフに示すように、実施例4のものは、実施例1のものに比べ、僅かながら、圧力損失が小さくて、熱伝導率が多くなっている。つまり、フィン及びルーバーの両端を先細加工する方が、風上側の一端縁のみを加工する場合よりも、僅かながら熱交換性能を向上させることができる。
【0131】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、伝熱板やルーバーの熱媒体流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する空気等の熱媒体は、伝熱板やルーバーの外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態が適用されたエバポレータのフィン部分周辺を破断して示す斜視図である。
【図2】図1のP−P線断面図である。
【図3】図2の一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の第1変形例としての伝熱フィンにおける伝熱板及びルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の第2変形例としての伝熱フィンにおける伝熱板及びルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明の第3変形例としての伝熱フィンにおける伝熱板及びルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明の第4変形例としての伝熱フィンにおける伝熱板及びルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【図8】実施例1及び比較例1のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図9】実施例2及び比較例1のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図10】実施例3及び比較例1のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図11】実施例1及び比較例2のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図12】実施例4及び比較例2のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図13】実施例1及び4のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図14】従来のエバポレータ用コルゲートフィンにおけるルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
51、52…熱交換チューブ
53…コルゲートフィン
54…ルーバーフィン(伝熱板)
54a…風上側端縁(前端縁、流入側端縁)
55…ルーバー
55a…風上側端縁(前端縁、流入側端縁)
56…通風路
A…空気(熱媒体)
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばカーエアコンにおけるエバポレータ、コンデンサ及び熱交換器、更にはそれらの機器に用いられる伝熱フィンに関する。
【0002】
【従来の技術】
カーエアコンに用いられるエバポレータ等においては、並列に配置された複数の熱交換チューブの各間に、伝熱板として薄板状の複数枚のフィンが互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されたものが周知である。
【0003】
このエバポレータでは、フィンの各間に通風路が形成され、そのフィンを介して、通風路内を通過する空気と熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換されるものである。
【0004】
このようなエバポレータにおいて、熱的な性能を向上させるための一つの方法として、フィンのピッチ等を増加させる方法が有効と考えられている。
【0005】
しかしながら、図14に示すように、従来におけるフィン(100)は、その風上側の端縁における断面が矩形状に形成されているため、風上側端面(101)が、通風路(110)を通過する空気(A)に対し略垂直面として構成される。このため、風上側端面(101)に空気(A)が衝突すると、流通空気(A)に乱れが発生する。従って、上記したように、フィンピッチを増加させると同時に、流通空気(A)の乱れも多く発生して、圧力損失が増大してしまう。このように圧力損失が増大すると、空気(A)の取込量の低下及び取込速度の低下を招くため、熱交換性能が低下してしまう恐れがある。
【0006】
つまり、熱伝達率が同じ2つの伝熱フィンを比較した場合、圧力損失の大きい方は性能が低いものであるのに対し、圧力損失の小さい方は性能が高くて、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0007】
このような状況下において、例えば下記特許文献1に示すように、フィンアンドチューブ型熱交換器において、フィンの風下側端縁を薄く形成して、圧力損失を低下させる技術が報告されている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭60−82786号(第2−3図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に示す伝熱フィンにおいては、圧力損失を、ある程度低減させることは可能である。
【0010】
しかしながら、近年における熱交換器等の技術分野においては、熱交換性能の向上が可及的に要求されるものであり、熱交換器に採用される伝熱フィンにおいて、なお一層の圧力損失の低減及び熱伝達率の向上が臨まれることろである。
【0011】
この発明は、上記の実情に鑑みてなされたもので、熱伝達率を向上させつつ、圧力損失を減少できて、優れた熱交換性能を得ることができる伝熱フィン、熱交換器、カーエアコン用エバポレータ及びコンデンサを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1発明は、以下の構成(1)を要旨としている。
【0013】
(1) 熱媒体の流通方向に対しほぼ平行に配置される伝熱板を有し、その伝熱板を介して、熱媒体の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板における熱媒体の流入側端縁が、熱媒体流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0014】
本第1発明の伝熱フィンにおいては、伝熱板の熱媒体流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する熱媒体は、伝熱板の外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0015】
本第1発明においては、以下の構成(2)を採用するのが好ましい。
【0016】
(2) 前記伝熱板における熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(1)記載の伝熱フィン。
【0017】
この構成を採用する場合には、圧力損失を、より一層減少できる上、熱伝導率を、より一層向上させることができる。
【0018】
本第2発明は、以下の構成(3)を要旨としている。
【0019】
(3) 複数の伝熱板が互いに平行にかつ所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成され、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板の風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0020】
本第2発明の伝熱フィンにおいては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0021】
本第2発明においては、以下の構成(4)(5)を採用するのが好ましい。
【0022】
(4) 前記複数の伝熱板が、互いに独立して配置されて、プレートフィンとして形成されてなる前項(3)記載の伝熱フィン。
【0023】
(5) 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる前項(3)記載の伝熱フィン。
【0024】
本第3発明は、以下の構成(6)を要旨としている。
【0025】
(6) 所定の間隔をおいて並列に配置された一対の熱交換チューブ間に、複数の伝熱板が互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成され、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気と前記熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換させるようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板の風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0026】
本第4発明の伝熱フィンにおいては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0027】
本第4発明においては、以下の構成(7)〜(9)を採用するのが好ましい。
【0028】
(7) 前記複数の伝熱板が、互いに独立して配置されて、プレートフィンとして形成されてなる前項(6)記載の伝熱フィン。
【0029】
(8) 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる前項(6)記載の伝熱フィン。
【0030】
(9) 前記複数の伝熱板が、対応する前記熱交換チューブに一体に形成されて、スカイブドフィンとして形成されてな前項(6)記載の伝熱フィン。
【0031】
また上記第2ないし第4発明においては、以下の構成(10)〜(15)を採用するのが良い。
【0032】
(10) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、湾曲状に形成されてなる前項(3)ないし(9)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0033】
(11) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、半楕円形状に形成されてなる前項(10)記載の伝熱フィン。
【0034】
(12) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、半円形に形成されてなる前項(10)記載の伝熱フィン。
【0035】
(13) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、多角形状に形成されてなる前項(3)ないし(9)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0036】
(14) 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、先端を鋭角にした三角形状に形成されてなる前項(13)記載の伝熱フィン。
【0037】
(15) 前記伝熱板における風下側端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(3)ないし(14)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0038】
本第5発明は、以下の構成(16)を要旨としている。
【0039】
(16) 熱媒体の流通方向に対しほぼ平行に配置される伝熱板を有し、その伝熱板に、熱媒体の流通方向に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、熱媒体の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記ルーバーにおける熱媒体の流入側端縁が、熱媒体流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0040】
本第5発明の伝熱フィンにおいては、ルーバーの熱媒体流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する熱媒体は、ルーバーの外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0041】
本第5発明においては、以下の構成(17)を採用するのが好ましい。
【0042】
(17) 前記伝熱板における熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(16)記載の伝熱フィン。
【0043】
本第6発明は、以下の構成(18)を要旨としている。
【0044】
(18) 複数の伝熱板が互いに平行にかつ所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記ルーバーの風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0045】
本第6発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝達率の向上を図ることができる。
【0046】
本第6発明においては、以下の構成(19)を採用するのが良い。
【0047】
(19) 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる前項(18)記載の伝熱フィン。
【0048】
本第7発明は、以下の構成を(20)を要旨としている。
【0049】
(20) 所定の間隔をおいて並列に配置された一対の熱交換チューブ間に、複数の伝熱板が互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気と前記熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換させるようにした伝熱フィンであって、
前記ルーバーの風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0050】
本第7発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝達率の向上を図ることができる。
【0051】
本第7発明においては、以下の構成(21)を採用するのが望ましい。
【0052】
(21) 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる前項(20)記載の伝熱フィン。
【0053】
本第6及び7発明においては、以下の構成(22)〜(27)を採用するのが良い。
【0054】
(22) 前記ルーバーにおける風上側端の断面輪郭形状が、湾曲状に形成されてなる前項(18)ないし(21)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0055】
(23) 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、半楕円形状に形成されてなる前項(22)記載の伝熱フィン。
【0056】
(24) 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、半円形に形成されてなる前項(22)記載の伝熱フィン。
【0057】
(25) 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、多角形状に形成されてなる前項(18)ないし(21)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0058】
(26) 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、先端を鋭角にした三角形状に形成されてなる前項(25)記載の伝熱フィン。
【0059】
(27) 前記ルーバーにおける風下側端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(18)ないし(26)のいずれかに記載の伝熱フィン。
【0060】
本第8発明は、以下の構成(28)を要旨としている。
【0061】
(28) 熱媒体の流通方向に対しほぼ平行に配置される伝熱板を有し、その伝熱板に、熱媒体の流通方向に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、熱媒体の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板及び前記ルーバーにおける熱媒体の流入側端縁が、熱媒体流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0062】
本第8発明においては、伝熱板及びルーバーの熱媒体流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する熱媒体は、伝熱板及びルーバーの外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0063】
本第8発明においては、以下の構成を(29)を採用するのが好ましい。
【0064】
(29) 前記伝熱板及びルーバーの熱媒体の流出側端縁のうち少なくともいずれか一方の端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(28)記載の伝熱フィン。
【0065】
本第9発明は、以下の構成(30)を要旨としている。
【0066】
(30) 複数の伝熱板が互いに平行にかつ所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板及び前記ルーバーの風上側端縁が、風上に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0067】
本第9発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0068】
本第9発明においては、以下の構成(31)を採用するのが好ましい。
【0069】
(31) 前記伝熱板及びルーバーの風下側端縁のうち少なくともいずれか一方の端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(30)記載の伝熱フィン。
【0070】
本第10発明は、以下の構成(32)を要旨としている。
【0071】
(32) 所定の間隔をおいて並列に配置された一対の熱交換チューブ間に、複数の伝熱板が互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気と前記熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換させるようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板及び前記ルーバーの風上側端縁が、風上に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0072】
本第10発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝達率の向上を図ることができる。
【0073】
本第10発明においては、以下の構成(33)を採用するのが良い。
【0074】
(33) 前記伝熱板及びルーバーの風下側端縁のうち少なくともいずれか一方の端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(32)記載の伝熱フィン。
【0075】
本第11発明は、以下の構成(34)を要旨としている。
【0076】
(34) 冷媒が流通する熱交換チューブの内部に、冷媒流通方向に対し平行に伝熱板が設けられ、その伝熱板を介して冷媒の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板における冷媒の流入側端縁が、冷媒流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0077】
本第11発明は、熱交換チューブ内に配置されるインナーフィン等を対象とするものであり、伝熱板の冷媒流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する冷媒は、伝熱板の外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0078】
本第11発明においては、以下の構成(35)を採用するのが好ましい。
【0079】
(35) 前記伝熱板におけるの熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(34)記載の伝熱フィン。
【0080】
本第12発明は、以下の構成(36)を要旨としている。
【0081】
(36) 冷媒が流通する熱交換チューブの内部に、冷媒流通方向に対し平行に伝熱板が設けられるとともに、その伝熱板に複数の開口部が千鳥配置に設けられ、前記伝熱板を介して冷媒の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し上流側に対向する端縁が、上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0082】
本第12発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0083】
本第12発明においては、以下の構成(37)を採用するのが良い。
【0084】
(37) 前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し下流側に対向する端縁が、下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(36)記載の伝熱フィン。
【0085】
本第13発明は、以下の構成(38)を要旨としている。
【0086】
(38) 冷媒が流通する熱交換チューブの内部に、冷媒流通方向に対し平行に伝熱板が設けられるとともに、その伝熱板に複数の開口部が千鳥配置に設けられ、前記伝熱板を介して冷媒の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板における冷媒の流入側端縁が、冷媒流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されるとともに、
前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し上流側に対向する端縁が、上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
【0087】
本第13発明においては、上記と同様に、圧力損失の減少及び熱伝導率の向上を図ることができる。
【0088】
本第13発明においては、以下の構成(39)(40)を採用するのが望ましい。
【0089】
(39) 前記伝熱板におけるの熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(38)記載の伝熱フィン。
【0090】
(40) 前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し下流側に対向する端縁が、下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる前項(38)又は(39)記載の伝熱フィン。
【0091】
上記第1ないし13発明のの伝熱フィンは、以下の構成(41)〜(43)に示すように、熱交換器、更にはカーエアコン用エバポレータ、コンデンサとして好適に用いることができる。
【0092】
(41) 前項(1)ないし(40)のいずれかに記載された伝熱フィンを具備したことを特徴とする熱交換器。
【0093】
(42) 前項(1)ないし(40)のいずれかに記載された伝熱フィンを具備したことを特徴とするカーエアコン用エバポレータ。
【0094】
(43) 前項(1)ないし(40)のいずれかに記載された伝熱フィンを具備したことを特徴とするカーエアコン用コンデンサ。
【0095】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施形態が適用されたカーエアコン用エバポレータのフィン周辺を拡大して示す一部切欠斜視図、図2は図1のP−P線断面に相当するフィンの概略断面図である。なお、以下の説明においては、発明の理解を容易にするため、熱交換チューブ(51)(52)の配設方向を上下方向として説明する。
【0096】
両図に示すように、このエバポレータは、上下方向に延びる扁平な複数の熱交換チューブ(51)(52)が、前後2列で左右幅方向に所定の間隔おきに並列に配置されている。更に幅方向に隣合う熱交換チューブ(51)(52)間には、コルゲートフィン(53)が配置されている。
【0097】
コルゲートフィン(53)は、前後方向に延び、かつ上下方向に所定の間隔おきに並列に配置された伝熱板としての薄板状の複数のルーバーフィン(54)を具備しており、隣合うルーバーフィン(54)が、左右交互に連接されて、蛇行状の形状を有している。更にコルゲートフィン(53)におけるルーバーフィン(54)の各間には、前後方向に延びる通風路(56)が形成されており、稼働時には、エバポレータの前面から導入された空気(A)が各通風路(56)内を通って後方に流出されるよう構成されている。
【0098】
各ルーバーフィン(54)には、その所要部が切り起こされることにより、前後方向に適当な間隔おきに複数のルーバー(55)が形成されている。
【0099】
図3は図2の一点鎖線Qで囲まれる部分を拡大して示す断面図であって、各ルーバー(55)の前端縁(55a)、つまり通風路(56)内に導入される空気(A)に対し風上側の端縁(流入側の端縁)を拡大して示す断面図である。同図に示すように、ルーバー(55)の風上側端縁(55a)は、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されている。具体的には、ルーバー(55)の風上側端縁(55a)は、その断面輪郭形状において、短軸に沿って分割された半楕円形状に形成されて、先端に丸みを有する湾曲状に形成されている。
【0100】
なお本実施形態において、図2の一点鎖線Rで囲まれる部分に示されるルーバーフィン(54)の前端縁(54a)、つまりルーバーフィン(54)の風上側端縁(流入側端縁)は、図3の括弧付き符号に示すように、上記のルーバー(55)の風上側端縁(54a)と同様に、半楕円形状に形成されて、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されている。
【0101】
ここで、フィン(54)及びルーバー(55)の前端縁(54a)(55a)を上記特有形状に形成する方法としては、プレス加工、切断加工、切削加工等の機械的加工の他に、エッチング等の化学的加工によって形成することができる。
【0102】
このエバポレータにおいては、その前面側から各通風路(56)内に空気(A)が導入されて後面側から流出されるものであり、空気(A)が各通風路(56)内を流通する間に、各熱交換チューブ(51)(52)内に流通される冷媒と熱交換されるよう構成されている。
【0103】
本実施形態において、通風路(56)内を流通する空気(A)は、ルーバー(55)の風上側端縁(55a)に衝突しようとするが、各風上側端縁(55a)が先細の半楕円形に形成されているため、空気(A)は、端縁(55a)の外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。更にルーバーフィン(54)の風上側端縁(54a)においても同様に、空気(A)は、端縁(54a)の外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。
【0104】
このように空気(A)が乱れることなくスムーズに流通するため、抵抗が減少し、圧力損失が減少する。従って、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができる。
【0105】
なお上記実施形態においては、フィン(54)及びルーバー(55)の前端縁(54a)(55a)を、断面輪郭形状において、半楕円形状に形成しているが、本発明はそれだけに限られず、例えば図4に示すように、半円形状に形成するようにしても良く、更に図5に示すように先端が鋭角な二等辺三角形状や、図6に示すように一辺側が切断された三角形状、図7に示すように先細の台形形状等の多角形状に形成するようにしても良い。更に前端縁(54a)(55a)は、上記図3ないし図7に示す形状を組み合わせた形状に形成しても良い。要は、各前端縁(54a)(55a)が、先端(風上側)に向かうに従って薄くなるように形成されてさえいれば良い。
【0106】
また上記実施形態においては、全てのルーバー(55)の前端縁(55a)を先細形状(先薄形状)に形成しているが、本発明においては、少なくとも1つ以上のルーバー(55)の端縁(55a)を先細形状に形成するようにすれば良い。更に上記実施形態においては、フィン(54)及びルーバー(55)の双方の前端縁(54a)(55a)を先細形状に形成するようにしているが、本発明においては、フィン前端縁(54a)及びルーバー前端縁(55a)のうち、少なくともいずれか一方の前端縁を先細形状に形成するようにすれば良い。
【0107】
また上記実施形態においては、本発明をエバポレータに適用した場合について説明しているが、本発明はそれだけに限られず、コンデンサや、ヒータコア等の熱交換器にも同様に適用でき、更に自動車用エアコンに限られず、ルームエアコン、冷蔵庫等、他の冷凍装置やヒーター等にも適用することができる。
【0108】
また上記実施形態においては、本発明をコルゲートフィンに適用した場合を例に挙げて説明しているが、本発明はそれだけに限られず、隣合う伝熱板(フィン)が互いに独立して配置されるプレートフィンや、熱交換チューブの外周壁が切削して切り起こされたスカイブドフィンにも適用することができる。
【0109】
更に上記実施形態においては、本発明を空気伝熱用のフィンに適応した場合を例に挙げて説明しているが、本発明はそれだけに限られず、冷媒等の他の熱媒体を伝熱するためのフィンにも適用することができる。
【0110】
例えば本発明を、冷媒伝熱用のインナーフィンに適用する場合には、熱交換チューブ内に配置される伝熱板(フィン)における冷媒の流入側端縁を、冷媒流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成すれば良い。
【0111】
更に本発明は、波形の伝熱板における山部や谷部に千鳥配置に熱媒体混合用の開口部が設けられたオフセットフィンにも適用することができ、更にそのオフセットフィンの開口部周端縁のうち、熱媒体流通方向に対し上流側に対向する端縁を、上流側に向かうに従って薄く形成して、先細形状に形成するようにしても良い。
【0112】
また上記実施形態においては、フィン(伝熱板)やルーバーの前端縁(熱媒体流通方向に対し上流側端縁)を先細形状に形成するようにしているが、本発明はそれだけに限られず、フィン(伝熱板)やルーバーの後端縁(熱媒体流通方向に対し下流側端縁、熱媒体の流出側端縁、又は風下側端縁)を、後方側(下流側、流出側、又は風下側)に向かうに従って薄くなるように形成しても良い。更に上記オフセットフィンにおいて、そのフィンの開口部周端縁のうち、熱媒体流通方向に対し下流側に対向する端縁を、下流側に向かうに従って薄く形成して、先細形状に形成するようにしても良い。
【0113】
【実施例】
以下、本発明に関連した実施例について説明する。
【0114】
上記実施形態に準拠して、扁平な複数の熱交換チューブ間に、以下に示すように種類の異なる複数のルーバー付きコルゲートフィンを組み付けたエバポレータについてそれぞれ検討した。
【0115】
<実施例1>
実施例1のエバポレータは、各フィンの風上側端縁及び各ルーバーの風上側端縁が、上記図3に示すように半楕円形状に形成されたコルゲートフィンを組み付けたものである。
【0116】
このエバポレータに関し、コンピュータシュミレーションにより、前面風速に対する熱伝達率及び圧力損失をそれぞれ測定した。
【0117】
また比較例1として、上記図14に示す従来のコルゲートフィン、つまり各フィンの風上側端縁及び各ルーバーの風上側端縁が矩形状で、端面が風向きに対し垂直面となるコルゲートフィンを組み付けたエバポレータに関しても、上記と同様の測定を行った。
【0118】
これらの測定結果を、図8の実線(実施例1)及び破線(比較例1)に示す。同グラフから明らかなように、実施例1のエバポレータは、比較例1に対し、圧力損失が小さくて、熱伝達率が多く、優れた熱交換性能を有している。特に実施例1は、風速が大きい状態での性能に優れている。
【0119】
<実施例2、3>
実施例2のエバポレータは、各フィンの風上側端縁及び各ルーバーの風上側端縁が、上記図4に示すように半円形状に形成されたコルゲートフィンを組み付けたものである。
【0120】
実施例3のエバポレータは、各フィンの風上側端縁及び各ルーバーの風上側端縁が、上記図5に示すように二等辺三角形状に形成されたコルゲートフィンを組み付けたものである。
【0121】
実施例2、3のエバポレータに関し、上記と同様の測定を行った。その測定結果を図9及び図10のグラフに示す。なお、各グラフには、上記比較例1のエバポレータによる測定結果も併せて示す。
【0122】
これらのグラフに示すように、実施例2のものは、圧力損失が小さくて、熱伝達率が多く、優れた熱交換性能を有しており、特に風速が大きい状態での性能に優れている。更に実施例3のものは、圧力損失の優位性はさほど認められないものの、特に風速が大きい状態での熱伝達率が多くて、優れた熱交換性能を有するものである。
【0123】
<比較例2>
比較例2のエバポレータは、各フィン及び各ルーバにおける風上側端縁が、矩形状(図14参照)に形成され、風下側端縁が、図3に示すように半楕円形に形成されたものである。
【0124】
このエバポレータに関し、上記と同様の測定を行い、その結果を図11の破線に示す。なお同グラフにおいて、実線に示すものは、上記実施例1のエバポレータによる測定結果である。
【0125】
同グラフから明らかなように、実施例1のものは、比較例2のものに比べて、圧力損失が小さくて、熱伝導率が多くなっている。つまり、フィン及びルーバーの両端縁のうち、風上側の端縁を先細加工する方が、風下側の端縁を加工する場合よりも、熱交換性能を向上させることができる。
【0126】
<実施例4>
実施例4のエバポレータは、各フィン及び各ルーバーにおける風上側及び風下側の両端縁が、図3に示すように半楕円形に形成されたコルゲートフィンを組み付けたものである。
【0127】
このエバポレータに関し、上記と同様の測定を行い、その結果を図12のグラフに示す。なお、同グラフの破線には、上記比較例2のエバポレータによる測定結果を示す。
【0128】
同グラフから明らかなように、フィン及びルーバーの両端を先細加工する方が、風下側の一端縁のみを加工する場合よりも、熱交換性能を十分に向上させることができる。
【0129】
図13の実線に実施例4の測定結果を示し、破線に実施例1の測定結果を示す。
【0130】
同グラフに示すように、実施例4のものは、実施例1のものに比べ、僅かながら、圧力損失が小さくて、熱伝導率が多くなっている。つまり、フィン及びルーバーの両端を先細加工する方が、風上側の一端縁のみを加工する場合よりも、僅かながら熱交換性能を向上させることができる。
【0131】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、伝熱板やルーバーの熱媒体流入側端縁を先細形状に形成しているため、流通する空気等の熱媒体は、伝熱板やルーバーの外周面に沿って流動することにより、乱れることなくスムーズに流通していく。従って抵抗が減少して圧力損失が減少するとともに、熱伝導率を向上させることができ、優れた熱交換性能を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態が適用されたエバポレータのフィン部分周辺を破断して示す斜視図である。
【図2】図1のP−P線断面図である。
【図3】図2の一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の第1変形例としての伝熱フィンにおける伝熱板及びルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の第2変形例としての伝熱フィンにおける伝熱板及びルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明の第3変形例としての伝熱フィンにおける伝熱板及びルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明の第4変形例としての伝熱フィンにおける伝熱板及びルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【図8】実施例1及び比較例1のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図9】実施例2及び比較例1のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図10】実施例3及び比較例1のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図11】実施例1及び比較例2のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図12】実施例4及び比較例2のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図13】実施例1及び4のエバポレータにおける前面風速に対する圧力損失及び熱伝達率の関係を示すグラフである。
【図14】従来のエバポレータ用コルゲートフィンにおけるルーバーの風上側端縁を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
51、52…熱交換チューブ
53…コルゲートフィン
54…ルーバーフィン(伝熱板)
54a…風上側端縁(前端縁、流入側端縁)
55…ルーバー
55a…風上側端縁(前端縁、流入側端縁)
56…通風路
A…空気(熱媒体)
Claims (43)
- 熱媒体の流通方向に対しほぼ平行に配置される伝熱板を有し、その伝熱板を介して、熱媒体の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、前記伝熱板における熱媒体の流入側端縁が、熱媒体流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。
- 前記伝熱板における熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項1記載の伝熱フィン。
- 複数の伝熱板が互いに平行にかつ所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成され、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板の風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記複数の伝熱板が、互いに独立して配置されて、プレートフィンとして形成されてなる請求項3記載の伝熱フィン。
- 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる請求項3記載の伝熱フィン。
- 所定の間隔をおいて並列に配置された一対の熱交換チューブ間に、複数の伝熱板が互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成され、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気と前記熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換させるようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板の風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記複数の伝熱板が、互いに独立して配置されて、プレートフィンとして形成されてなる請求項6記載の伝熱フィン。
- 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる請求項6記載の伝熱フィン。
- 前記複数の伝熱板が、対応する前記熱交換チューブに一体に形成されて、スカイブドフィンとして形成されてなる請求項6記載の伝熱フィン。
- 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、湾曲状に形成されてなる請求項3ないし9のいずれかに記載の伝熱フィン。
- 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、半楕円形状に形成されてなる請求項10記載の伝熱フィン。
- 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、半円形に形成されてなる請求項10記載の伝熱フィン。
- 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、多角形状に形成されてなる請求項3ないし9のいずれかに記載の伝熱フィン。
- 前記伝熱板における風上側端縁の断面輪郭形状が、先端を鋭角にした三角形状に形成されてなる請求項13記載の伝熱フィン。
- 前記伝熱板における風下側端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項3ないし14のいずれかに記載の伝熱フィン。
- 熱媒体の流通方向に対しほぼ平行に配置される伝熱板を有し、その伝熱板に、熱媒体の流通方向に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、熱媒体の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記ルーバーにおける熱媒体の流入側端縁が、熱媒体流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記伝熱板における熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項16記載の伝熱フィン。
- 複数の伝熱板が互いに平行にかつ所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記ルーバーの風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる請求項18記載の伝熱フィン。
- 所定の間隔をおいて並列に配置された一対の熱交換チューブ間に、複数の伝熱板が互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気と前記熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換させるようにした伝熱フィンであって、
前記ルーバーの風上側端縁が、風上側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記複数の伝熱板が、その隣合う伝熱板同士が連接されて、コルゲートフィンとして形成されてなる請求項20記載の伝熱フィン。
- 前記ルーバーにおける風上側端の断面輪郭形状が、湾曲状に形成されてなる請求項18ないし21のいずれかに記載の伝熱フィン。
- 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、半楕円形状に形成されてなる請求項22記載の伝熱フィン。
- 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、半円形に形成されてなる請求項22記載の伝熱フィン。
- 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、多角形状に形成されてなる請求項18ないし21のいずれかに記載の伝熱フィン。
- 前記ルーバーにおける風上側端縁の断面輪郭形状が、先端を鋭角にした三角形状に形成されてなる請求項25記載の伝熱フィン。
- 前記ルーバーにおける風下側端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項18ないし26のいずれかに記載の伝熱フィン。
- 熱媒体の流通方向に対しほぼ平行に配置される伝熱板を有し、その伝熱板に、熱媒体の流通方向に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、熱媒体の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板及び前記ルーバーにおける熱媒体の流入側端縁が、熱媒体流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記伝熱板及びルーバーの熱媒体の流出側端縁のうち少なくともいずれか一方の端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項28記載の伝熱フィン。
- 複数の伝熱板が互いに平行にかつ所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板及び前記ルーバーの風上側端縁が、風上に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記伝熱板及びルーバーの風下側端縁のうち少なくともいずれか一方の端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項30記載の伝熱フィン。
- 所定の間隔をおいて並列に配置された一対の熱交換チューブ間に、複数の伝熱板が互いに平行にかつチューブ長さ方向に所定の間隔おきに並列に配置されて、前記複数の伝熱板の各間に通風路が形成される一方、各伝熱板に、前記通風路に沿って所定の間隔おきに複数のルーバーが切り起こし状に設けられ、前記伝熱板を介して、前記通風路内を通過する空気と前記熱交換チューブ内を通過する冷媒との間で熱交換させるようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板及び前記ルーバーの風上側端縁が、風上に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記伝熱板及びルーバーの風下側端縁のうち少なくともいずれか一方の端縁が、風下側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項32記載の伝熱フィン。
- 冷媒が流通する熱交換チューブの内部に、冷媒流通方向に対し平行に伝熱板が設けられ、その伝熱板を介して冷媒の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板における冷媒の流入側端縁が、冷媒流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記伝熱板におけるの熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項34記載の伝熱フィン。
- 冷媒が流通する熱交換チューブの内部に、冷媒流通方向に対し平行に伝熱板が設けられるとともに、その伝熱板に複数の開口部が千鳥配置に設けられ、前記伝熱板を介して冷媒の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し上流側に対向する端縁が、上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し下流側に対向する端縁が、下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項36記載の伝熱フィン。
- 冷媒が流通する熱交換チューブの内部に、冷媒流通方向に対し平行に伝熱板が設けられるとともに、その伝熱板に複数の開口部が千鳥配置に設けられ、前記伝熱板を介して冷媒の熱を伝達するようにした伝熱フィンであって、
前記伝熱板における冷媒の流入側端縁が、冷媒流通方向に対し上流側に向かうに従って薄くなるように形成されるとともに、
前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し上流側に対向する端縁が、上流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなることを特徴とする伝熱フィン。 - 前記伝熱板におけるの熱媒体の流出側端縁が、熱媒体流通方向に対し下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項38記載の伝熱フィン。
- 前記伝熱板の開口部周端縁のうち、冷媒流通方向に対し下流側に対向する端縁が、下流側に向かうに従って薄くなるように形成されてなる請求項38又は39記載の伝熱フィン。
- 請求項1ないし40のいずれかに記載された伝熱フィンを具備したことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1ないし40のいずれかに記載された伝熱フィンを具備したことを特徴とするカーエアコン用エバポレータ。
- 請求項1ないし40のいずれかに記載された伝熱フィンを具備したことを特徴とするカーエアコン用コンデンサ。
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