JPH0596625U - 変速機のシフトレバーの作動範囲規制装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、変速機のシフト操作時、特にシフト
ダウン時のシフトレバーのミスシフトを防止し、円滑に
作動できる変速機のシフトレバーの作動範囲規制装置を
提供することを目的としている。 【構成】変速機の変速段操作部のシフトレバーに中間に
切欠部を構成したフランジ部を設け、そのフランジ部が
嵌合する複数の凹部を有するシフトゲートプレートと、
前記フランジ部の切欠部の両側面にミスシフトを防止す
るよう楔状に切欠いた傾斜面を形成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シフトレバーの回転および摺動により変速段を選択する変速機のシ フトレバーの作動範囲規制装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、図７に示すように６変速段以上、または４シフト列以上の変速段（図 は７変速段で４シフト列）を有する変速機において、図６、図８に示すようにシ フトレバー２１の回転（シフト）および摺動（セレクト）によりシフトレバーの 作動部に係合するセレクタ３により変速段を選択し、操作を円滑にする為にシフ トレバー２１の作動部２２に斜め面取り２２ａを設けた技術は知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の技術では、例えば図７に示すようにセレクト方向Ｃでシ フト列２−３がニュートラルＮとなるようＦ１で示すとおり、例えばスプリング により自動戻りするよう付勢されている。そして、シフトレバー２１がセレクト 方向Ｃに動く範囲は、Ｒ−１と６−７との両端とＮ位置がスプリングロードによ り自動戻りするよう規制されているだけである。

【０００４】 従って、７速から６速にシフトダウンする場合、ゆっくり変速操作を行うと上 記のセレクトＮ位置自動戻り用に付勢された力Ｆ１により、図９をも参照して、 実線で示す７→６でなく鎖線で示す７→４に入るという誤操作が発生しやすい。

【０００５】 また、本出願人による実開昭６１−８７２４９号公報が開示されているが、セ ミオートマチック変速機において自動変速段を設けた技術で、上記の課題を解決 するものではない。

【０００６】 従って、本考案は、変速機のシフト操作時、特にシフトダウン時のシフトレバ ーのミスシフトを防止し、円滑に作動できる変速機のシフトレバーの作動範囲規 制装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、シフトレバーの回転および摺動により変速段を選択する変速 機のシフトレバーの作動範囲規制装置において、シフトレバーに中間に切欠部を 構成したフランジ部を設け、そのフランジ部が嵌合する複数の凹部を有するシフ トゲートプレートを設け、前記フランジ部の切欠部の両側面にシフト方向低速側 でセレクト方向低速側およびシフト方向高速側でセレクト方向高速側にそれぞれ 楔状に切欠いた傾斜面を形成している。

【０００８】

【作用】

上記のように構成された変速機のシフトレバーの作動範囲規制装置において、 シフトレバーのフランジの切欠部の側面に設けた楔状の傾斜面がシフトゲートプ レートの凹部と係合して、前記シフトレバーの作動範囲を変速操作の速さに関係 なく規制するのでシフトレバーのミスシフトは発生しない。

【０００９】

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の実施例を説明する。

【００１０】 図において、対応する部材には同じ符号を付して説明は省略する。

【００１１】 図１は変速機の上部に設けられた変速段選択操作部を示し、シフトレバー１は シフトシャフト４に、スプラインで摺動自在（セレクト）に嵌合され、そのシフ トシャフト４にはシフトアーム１１が固着されている。そして、前記シフトレバ ー１の作動部２はシフタ３の凹部と係合し、シフトアーム１１をＡ、Ｂ方向に回 転（シフト）したとき、シフタ３を円滑に前後に移動させるよう円弧状に形成さ れている。

【００１２】 また、シフタ３にはフォ−クシャフト１４が固着され、そのフォークシャフト １４には図示しないシンクロスリーブに係合するシフトフォーク１５が固着され ている。

【００１３】 そして、シフタ５〜７にも同様に図示しないシフトフォークが設けられ、シフ トレバー１をセレクト方向Ｃに摺動し、それぞれのシフタの位置でシフトアーム １１を回転してシフトし変速するように構成されている。

【００１４】 シフトレバー１のボス部の外周にはフランジ部８が設けられ、そのフランジ部 ８には、図２〜図４を参照して、切欠部８ａが設けられている。

【００１５】 そして、その切欠部８ａの両側面には、シフト方向低速側でセレクト方向低速 側に切欠８ｂ、およびシフト方向高速側でセレクト方向高速側に切欠８ｃの楔状 の傾斜面がそれぞれ形成されている。

【００１６】 さらに、前記切欠部８ａと係合する複数の凹部１０（図示の例では４か所で、 シフト列の数と同数）を有するシフトゲートプレート９が変速機ケースに設けら れたボス１２にボルト１３で固着されている。

【００１７】 したがって、例えば７速から６速にシフトダウンする場合、図２において、フ ランジ部８はセレクト方向の戻り力Ｆ１によりシフトゲートプレート９の６、７ 速の凹部１０の４、５速側に寄せられている。そして、７速からシフトダウンさ れると、図５をも参照して、フランジ８の溝８ａのためシフトレバー１はセレク ト方向に移動できるので、セレクト方向の力Ｆ１とシフト方向の力Ｆ２とを合成 した方向Ｆ３に移動して、８ｂの傾斜面に当たりシフト力により６速の凹部には いる。

【００１８】 ここで、図５は作用を理解しやすく説明するために、実際の作動とは逆にフラ ンジ側が固定で、シフトゲートプレト９の凹部１０の角部１０ａが移動するよう に表現されている。

【００１９】 したがって、角部１０ａと切欠部８ｂの傾斜面とは、速く操作した場合には実 線の経路、ゆっくり操作した場合は鎖線の経路で作動し、誤操作はなくなる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、同一シフト列でのシフト ダウン時、ドライバがゆっくり操作しても他のシフト列に誤操作されることはな い。したがって、円滑に作動できると共に、後続車に対しても安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す変速機の変速段選択操
作部の斜視図。

【図２】図１の要部を示す平面図。

【図３】図２の側面図。

【図４】図２のＹ矢視図。

【図５】図１の実施例の作用を説明する図。

【図６】従来の技術の変速機の変速段選択操作部の斜視
図。

【図７】７段変速機のシフトパターンを例示する図。

【図８】従来の７段変速機のシフト選択部を示す図。

【図９】従来の変速機の誤操作の作動例を説明する図。

【符号の説明】

１、２１…シフトレバー ２、２２…作動部 ３、５、６、７…シフタ ４…シフトシャフト ８…フランジ部 ９…シフトゲートプレート １０…凹部 １１…シフトアーム １２…ボス部 １４…フォークシャフト １５…シフトフォーク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シフトレバーの回転および摺動により変
   速段を選択する変速機のシフトレバーの作動範囲規制装
   置において、シフトレバーに中間に切欠部を構成したフ
   ランジ部を設け、そのフランジ部が嵌合する複数の凹部
   を有するシフトゲートプレートを設け、前記フランジ部
   の切欠部の両側面にシフト方向低速側でセレクト方向低
   速側およびシフト方向高速側でセレクト方向高速側にそ
   れぞれ楔状に切欠いた傾斜面を形成したことを特徴とす
   る変速機のシフトレバーの作動範囲規制装置。