JPH0596416U - 可変共鳴型消音器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気ダクトの同一円周上から分岐する長さの
異なる連通管を共通の共鳴容器に接続し、側壁開口を有
する円筒体を空気ダクト内に挿入し、前記円筒体を円周
方向に回動させて側壁開口を各連通管の空気ダクト側開
口の何れかと合致させることにより、多段の可変レゾネ
ータとする。 【構成】 空気ダクト１と共鳴容器２とを長さの異なる
連通管３、４、５で接続し、空気ダクト内に円筒体１０
を円周方向回動自在に挿入し、円筒体に設けた側壁開口
を連通管３、４、５の空気ダクト側の開口６、７、８の
何れかに合致させることにより、消音特性が３段階に異
なる可変可レゾネータとする。この構成により構造が簡
単でコンパクトなものとなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は内燃機関の吸気系、排気系その他の空気ダクトに装着される可変共 鳴型消音器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

空気ダクト中の騒音に応じて消音すべき周波数を多段に変化させる可変共鳴型 消音器が知られており、空気ダクトと１個の共鳴容器とを長さの異なる連通管で 連結し、各連通管にそれぞれ開閉弁を設けて開閉を制御するようにしたものがあ る。例えば実開昭６１ー４１８１５号公報に開示されたものがそれである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のものは各連通管個々に開閉弁が設けられ、コントローラでそれぞれの弁 の開閉を制御するようにしているから各連通管毎に、開閉弁を必要とし、制御機 構も複雑になり、装着スペースも大きくなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

円形断面の空気ダクトと共鳴容器とを複数の長さの異なる連通管で連通し、１ 個の側壁開口を有する円筒体を空気ダクト内に円周方向摺動自在に挿入し、円筒 体を回動させる駆動手段を設け、前記各連通管の空気ダクト側開口と円筒体の側 壁開口とを同一円周上に配置し、駆動手段の作動により側壁開口を各連通管の空 気ダクト側開口の何れかに合致させるようにしたものである。

【０００５】

【作用】

駆動手段により円筒体を円周方向に回動させると、側壁開口が移動して各連通 管が空気側開口の何れかと合致する位置を占める。こうして空気ダクトと共鳴容 器とが連通されレゾネータを形成する。側壁開口の位置に応じて連通管の長さが 異なるレゾネータが形成され、共鳴して消音する周波数が多段に変化する。

【０００６】

【実施例】

図１、図２に実施例を示す。空気ダクト１は円形断面を有する内燃機関の吸気 用ダクトであって、一端が外気に開放され他端がエアクリーナに接続される。密 閉された共鳴容器２はそれぞれ長さの異なる連通管３、４、５で空気ダクト１と 連通され、連通管３、４、５は空気ダクト１に開口６、７、８を有する。開口６ 、７、８は同一円周上に配置され、更にスリット開口９が円周方向に設けられる 。空気ダクト１の内径よりわずかに小さい外径を有する円筒体１０が空気ダクト １内に挿入され円周方向に摺動自在に設置され、空気ダクト１内に取付けたリブ １１、１２によって円筒体１０は軸方向の移動が阻止される。

【０００７】 図２に円筒体１０の詳細を示す。円筒体１０に開口６、７、８の何れよりも大 きい側壁開口１４が設けられ図１に示す円筒体１０の装着位置において開口１４ は開口６、７、８と同一円周上の位置にある。また開口６、７、８の円周上の間 隔は側壁開口１４の直径より大であり円筒体の回動に併って開口６、７、８のう ちの二つが同時に開通することはない。また連通管６、７、８の内径は同一でも よく異っていてもよい。

【０００８】 スライドブロック１５を有するレバー１６が、空気ダクトのスリット開口９に 挿通されて空気ダクト１の外方に突出させて円筒体１０に取付けられる。スライ ドブロック１５にピン接続されたヨーク１７は、駆動手段であるサーボモータ１ ８のピストン１９に接続され、ピストン１９で区画される空圧室２０、２１の圧 力で作動する。サーボモータ１８は図示しない圧力空気切替弁及び切替弁を制御 する電子制御手段により作動する。電子制御手段は、内燃機関の回転数センサー からの信号が入力され、消音作用上最適の連通管長さを選択し、切替弁に作動信 号を出力する。切替弁は空気圧源からの空気を制御してサーボモータ１８を制御 することによりヨーク１７を進退させ、レバー１６及び円筒体１０を回動させ、 側壁開口１４を開口６、７、８のうちいずれか最適のものに合致させる。

【０００９】 この例の共鳴周波数は連通管の長さにより異なる３種類であり、駆動手段で回 動される円筒の位置は３段階である。連通管の本数このほか任意でよく、連通管 の長さと内径寸法により消音持性が決まる。

【００１０】 図４に他の円筒体３０とその駆動手段を示す。円筒体３０には図１の連通管の 開口６、７、８と合致すべき側壁開口３１が設けられ、外側円周面上にラック３ ２が刻まれる。ラック３２を図１に示すスリット開口９に臨ませ、駆動手段とし てのステップモータ３３に連結されたピニオン３４と噛み合わせる。この場合ス リット開口９はピニオン３４を収容するに足る長さでよい。ステップモータ３３ の回転を電子制御することにより円筒体３０を回動させて側壁開口３１を連通管 の開口６、７、８の何れかに位置合わせする。また駆動手段としては図２、図３ のものの他任意のものでよい。

【００１１】

【考案の効果】

この考案の可変共鳴型消音器は複数の長さの異なる連通管の何れかを共鳴容器 に開通させることにより多段の消音作用を選択して最適の消音をさせることがで き、しかも各連通管の開閉機構は空気ダクト内の１個の円筒体でなされるので、 構造が簡単で作動の錯誤がなく、コンパクトにまとめられて装着スペースも少く てすむという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の要部を示す図

【図２】実施例の円筒体と駆動手段を示す図

【図３】円筒体と駆動手段の他の例を示す図

【符号の説明】

１ 空気ダクト ２ 共鳴容器 ３、４、５ 連通管 １０、３０ 円筒体 １４、３１ 側壁開口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円形断面の空気ダクトと共鳴容器とを複
   数の長さの異なる連通管で連通し、１個の側壁開口を有
   する円筒体を空気ダクト内に円周方向摺動自在に挿入
   し、円筒体を円周方向に回動させる駆動手段を設け、前
   記複数の連通管の空気ダクト側開口と円筒体の側壁開口
   とを同一円周上に配置し、駆動手段の作動により側壁開
   口と連通管の空気ダクト側開口の何れかとを合致させる
   ようにした可変共鳴型消音器。