JPH059596B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、玄関等の扉に装着される電気錠に
関する。

従来の技術 従来、モータ又はサムターンにより駆動される
ギヤと、このギヤに噛合されるラツクを有する摺
動体と、この摺動体により保持されたデツドボル
トとを設け、ギヤの回転によりラツクを摺動体と
ともに移動させてデツドボルトをドアの回動遊端
側の端面から突出させたり退避させたりして施錠
又は解錠するようにした電気錠が存する。

発明が解決しようとする問題点 しかし、ドア枠のデツドボルトに対向する部分
にドリルにより孔を開け、この孔に工具をこじい
れデツドボルトを押し戻すことによりラツクとギ
ヤとの歯を折り、電気錠を破壊して家宅に侵入す
る手口があり、電気錠を破壊に至らしめるまでの
時間も短いため防犯上問題点がある。

問題点を解決するための手段 ドアの回動遊端側に埋設されるケースに、モー
タと、このモータにクラツチを介して連結される
とともにサムターンの連結された回転自在のギヤ
と、このギヤに噛合されたラツクを有する摺動自
在の摺動体と、この摺動体にその摺動方向に沿つ
て摺動自在に保持されたデツドボルトとを設け、
前記摺動体と前記デツドボルトとの間にスプリン
グを設けるとともに、前記摺動体と前記デツドボ
ルトとに相対的に摺動範囲を制限する係止部を設
け、施錠位置における前記デツドボルトの後端近
傍に前記摺動体の外側からこの摺動体の摺動軌跡
の内側に向けて付勢されたストツパを進退自在に
設け、前記摺動体にその解錠方向への作動時に前
記ストツパを前記デツドボルトの摺動軌跡外に退
避させる斜面を形成する。

作 用 したがつて、モータの回転力又はサムターンの
回転力によりギヤを回転させ、このギヤの一方向
の回転により摺動体を施錠方向へ移動させてスプ
リングの圧力によりデツドボルトをドアの回動遊
端側の端面から突出させて施錠し、又はギヤの他
方向への回転により摺動体を解錠方向へ復帰さ
せ、係止部同志の係合により摺動体の復帰動作に
デツドボルトを追従させて解錠し、施錠状態では
ストツパが付勢力により移動してデツドボルトの
後端に対向するため、家宅侵入者がデツドボルト
に過大な外力を付与した場合には、ストツパが外
力に対向してデツドボルトの後端を支え、したが
つて、ギヤとラツクの噛合部分が保護される。

実施例 この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。１はドア枠、２はドアである。ドア枠１の内
面には係止孔３を有する金具４が埋設され、ドア
２の回動遊端側の端部にケース５が埋設されてい
る。このケース５には、正逆回転自在のモータ６
と、ウオーム７とウオームホイール８とを有して
モータ６に連結された減速機構９と、クラツチ
（図示せず）を介してこの減速機構９に連結され
た回転自在のギヤ１０と、このギヤ１０の軸心に
連結されてドア２の室内側の一面から突出するサ
ムターン１１と、ギヤ１０に噛合されたラツク１
２とサポータ１３とよりなる摺動体１５と、デツ
ドボルト１６とが設けられている。

次に、摺動体１５の構造とこの摺動体１５に対
するデツドボルト１６の連結構造を第２図に示
す。ラツク１２とこのラツク１２の両側を狭持す
る一対のサポータ１３との後端はピン１７により
連結されている。また、サポータ１３には係止部
である横長の長孔１８が形成され、これらの長孔
１８に摺動自在に嵌合される突片１９がスプリン
グ受け１４の両側に形成され、さらに、長孔１８
に摺動自在に嵌合される係止部であるピン２０が
デツドボルト１６に貫通されている。そして、ラ
ツク１２とスプリング受け１４との間には比較的
ばね定数が高いスプリング２１が装着されてい
る。

しかして、サポータ１３の上下両縁に対向して
捻じりスプリング２２により付勢されたストツパ
２３が摺動対１５の摺動軌跡として直交する方向
に移動自在に設けられている。そして、摺動対１
５のサポータ１３の上下両縁には、ドア２の回転
遊端側に向かうに従い次第に拡開する斜面２４が
形成され、これらの斜面２４に対向する斜面２５
がストツパ２３に形成されている。さらに、ケー
ス５にはデツドボルト１６の先端とドア枠１の係
止孔３とに対向する開口２６が形成されている。

このような構成において、クラツチを伝達状態
に維持してモータ６を駆動すると、モータ６の回
転はギヤ１０に伝達される。また、クラツチを切
りサムターン１１を回転させてもギヤ１０は回転
する。何れにしても、第１図において、ギヤ１０
を時計方向に回転させるとラツク１２がサポータ
１３とともに右方へ移動し、逆にギヤ１０を反時
計方向へ回転させるとラツク１２がサポータ１３
とともに左方へ移動する。

第４図ａに示す状態は解錠状態で、スプリング
２１の初張力は零である。この状態からギヤ１０
の時計方向への回転によりラツク１２を施錠方向
（右方）に移動させると、第４図ｂに示すように
スプリング受け１４がデツドボルト１６の後端に
当接し、なおもラツク１２とサポータ１３とを施
錠方向に移動させると、第４図ｃに示すようにデ
ツドボルト１６がスプリンズ受け１４に押圧され
て開口部２６から突出し、ドア枠１の係止孔３に
突出する。この時、ストツパ２３はデツドボルト
１６の通過を待つて摺動体１５の摺動軌跡の内方
に変位してデツドボルト１６の後端に対向する。
この状態が施錠状態である。第４図ｃに示すこの
施錠状態では、デツドボルト１６の先端に対向す
るドア枠１の一部分にドリルにより孔２７を開
け、この孔２７から工具をこじいれてデツドボル
ト１６を左方に押し戻すと、減速機構９の抵抗に
よりラツク１２がサポータ１３とともに固定され
ているので、デツドボルト１６がスプリング２１
を押し戻しながら移動するが直ぐに後端がストツ
パ２３に当接する。したがつて、デツドボルト１
６をドア枠１の係止孔３から外すことはできな
い。このようなデツドボルト１６への外力により
ストツパ２３を破壊に至らしめる力は300Kg以上
であり、人力では相当な労力と時間とを要する。
首尾よくストツパ２３を破壊に至らしめても、デ
ツドボルト１６を係止孔３から外すためには、ス
プリング２１を撓ませてラツク１２をさらに左方
へ押圧し、ラツク１２とギヤ１０の歯を破壊しな
ければならない。

以上のように、電気錠を破壊するためにはスト
ツパ２３及びラツク１２とギヤ１０との噛合部の
二個所にわたり破壊しなければならないので、破
壊に至らしめる労力は極めて高く時間も相当に掛
かる。したがつて簡単に侵入することはできず、
防犯上の成果が得られる。

解錠に際しては、モータ６の駆動力又はサムタ
ーン１１の回動力によりギヤ１０を反時計方向へ
回転させラツク１２をサポータ１３とともに解錠
方向（左方）へ移動させる。この過程では、第４
図ｄに示すように、サポータ１３の斜面２４が捻
じりスプリング２２の力に抗してストツパ２３を
デツドボルト１６の摺動軌跡の外側に押し出すの
で、サポータ１３の長孔１８の右端とピン２０と
の当接力によりデツドボルト１６は左方に引き込
まれ、第４図ａに示す解錠状態に維持される。

なお、ラツク１２とサポータ１３とを一体的に
形成しても良いものである。

発明の効果 この発明は上述のように構成したので、モータ
の回転力又はサムターンの回転力によりギヤを回
転させ、このギヤの一方向の回転により摺動体を
施錠方向へ移動させてスプリングの圧力によりデ
ツドボルトをドアの回転遊端側の端面から突出さ
せて施錠し、又はギヤの他方向への回転により摺
動体を解錠方向へ復帰させ、係止部同志の係合に
より摺動体の復帰動作にデツドボルトを追従させ
て解錠し、施錠状態ではストツパが付勢力により
移動してデツドボルトの後端に対向するため、家
宅侵入者がデツドボルトに過大な外力を付与した
場合には、ストツパが外力に対向してデツドボル
トの後端を支え、したがつて、ギヤとラツクとの
噛合部分を保護することができ、これにより、防
犯の効果を向上させることができる等の効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、第１
図は縦断側面図、第２図は摺動体の構造及び摺動
体とデツドボルトとの連結構造を示す分解斜視
図、第３図はその組立状態を示す斜視図、第４図
は一側のサポータを省略して施錠及び解錠動作を
示す側面図である。 １……ドア枠、２……ドア、５……ケース、６
……モータ、１０……ギヤ、１１……サムター
ン、１２……ラツク、１５……摺動体、１６……
テヅドボルト、１８……長孔（係止部）、２０…
…ピン（係止部）、２１……スプリング、２３…
…ストツパ、２４……斜面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ドアの回動遊端側に埋設されるケースに、モ
   ータと、このモータにクラツチを介して連結され
   るとともにサムターンに連結された回転自在のギ
   ヤと、このギヤに噛合されたラツクを有する摺動
   自在の摺動体と、この摺動体にその摺動方向に沿
   つて摺動自在に保持されたデツドボルトとを設
   け、前記摺動体と前記デツドボルトとの間にスプ
   リングを設けるとともに、前記摺動体と前記デツ
   ドボルトとに相対的に摺動範囲を制限する係止部
   を設け、施錠位置における前記デツドボルトの後
   端近傍に前記摺動体の外側からこの摺動体の摺動
   軌跡の内側に向けて付勢されたストツパを進退自
   在に設け、前記摺動体にその解錠方向への動作時
   に前記ストツパを前記デツドボルトの摺動軌跡外
   に退避させる斜面を形成したことを特徴とする電
   気錠。