JPH0595053U - 回路基板に実装された電気部品のための放熱構造 - Google Patents

回路基板に実装された電気部品のための放熱構造

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JPH0595053U
JPH0595053U JP4321192U JP4321192U JPH0595053U JP H0595053 U JPH0595053 U JP H0595053U JP 4321192 U JP4321192 U JP 4321192U JP 4321192 U JP4321192 U JP 4321192U JP H0595053 U JPH0595053 U JP H0595053U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気部品取付け用の放熱面に抜きテーパが形
成されていても、電気部品をその抜きテーパ面に密着固
定でき、放熱効果を増大すると共に、電気製品の品質の
安定化を図ること。 【構成】 アルミダイキャスト製のシャーシ20には、
パワーIC10の逃げ部を形成するための凹部24が形
成され、その一方の内側面がパワーIC10の取付け面
となり、この面が抜きテーパ面26である。パワーIC
10が実装される基板18には、取付金具30がパワー
IC10と共に半田付け固定される。この取付金具30
は、シャーシ20の抜きテーパ面26のテーパ角とほぼ
同一の傾斜角度にて基板18に半田固定される。パワー
IC10は取付金具30によって案内されて一定の傾斜
角度にて基板18に取付けられ、抜きテーパ面26との
密着固定が可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、パワーICなど、回路基板に実装される電気部品のための放熱構造 に関する。
【0002】
【従来の技術】
パワーIC等比較的大電流が流れる電気部品は発熱が多く、所定の電気的特性 を補償する観点から、効果的に放熱することが必要である。従来より、この種の パワーICを放熱するために、アルミニウム製放熱板などをパワーICの側面に 密着させている。この放熱板は回路基板に固定されるものが多いが、その場合放 熱板の大きさに制約が生じ、所望の放熱量を確保できない場合がある。さらに、 回路基板に固定された放熱板は、電気製品のシャーシによりカバーされるため、 シャーシ内に熱がこもり、パワーICの温度補償ができないこともある。
【0003】 そこで、シャーシ自体をヒートシンクとして兼用し、パワーICの側面を、放 熱面積が広くかつ外気に露出したシャーシに密着固定させ、所望の放熱効果を得 ようとしたものがある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、薄板状のシャーシの場合には、熱容量が小さいためパワーによって は十分な放熱効果を期待できず、さらにプレス加工されるため高度な寸法精度も 期待できない。この場合、ダイキャスト製シャーシを用いている。
【0005】 しかし、ダイキャスト製シャーシは、鋳型を用いて鋳造されるため、型の開き 方向に対して傾いた抜きテーパをシャーシに形成する必要がある。このとき、こ の抜きテーパ面にパワーICの側面を密着する構成としても、型の開き方向に対 して直交する基準面と平行に、基板取付面をシャーシに形成することが鋳型設計 上好ましい。
【0006】 このような場合、基板はシャーシの基準面と平行に固定され、一方、この基板 にはパワーICが垂直に固定されるのが通常である。そうすると、パワーICの 側面は前記基準面に対して垂直な方向に伸びるのに対し、その側面が密着されな ければならない抜きテーパ面は、パワーICの側面に対して傾斜することになる 。もし、この寸法差があるにも拘らず、パワーICの側面を抜きテーパ面に密着 固定したとすれば、パワーICが無理やり傾斜される。このため、その際の応力 が基板と半田付けされるピンに集中し、ピンの破損あるいは半田の欠落により接 触不良が生じ電気製品の安定した品質を確保できない。あるいは、上記寸法差故 に取付時に締結用ねじの締付け不良が生じたり、あるいは経時的にねじが緩んで パワーICの密着度が低くなり、所望する放熱効果が得られない事態が生じ、こ れも電気製品の品質の安定化を損なうことになる。
【0007】 そこで、本考案の目的とするところは、ダイキャスト製シャーシの抜きテーパ 面に電気部品の側面を密着させて放熱を行う場合にも、締結不良がなく、しかも 計時的に締結不良が生じず、もって安定した品質の電気製品の提供に寄与できる 放熱構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る放熱構造は、回路基板を固定する基板取付平面を有するダイキ ャスト製シャーシと、 前記回路基板に実装され、かつ、前記シャーシの基板取付平面の垂線に対して 抜きテーパ角だけ傾斜した抜きテーパ面に一側面が密着される電気部品と、 前記電気部品の他側面側にて前記電気部品と共に前記基板上に固定され、前記 抜きテーパ面の抜きテーパ角とほぼ同一の傾斜角度にて、前記基板に対して前記 電気部品を傾斜させて保持し、前記シャーシとの間で前記電気部品を締結固定す る取付金具と、 を有することを特徴とする。
【0009】 請求項2に係わる放熱構造は、請求項1において、前記取付金具は、前記電気 部品の前記他側面と対向する背面と、その背面の両端側を屈曲した側面と、を有 し、前記側面が前記基板と接する底辺に段差部が形成され、高さの異なる少なく とも2つの底辺により、前記基板に対して前記抜きテーパ角とほぼ同一の傾斜角 度で傾斜して前記基板に固定されることを特徴とする。
【0010】
【作用】
請求項1の考案によれば、回路基板に実装される電気部品は、取付金具と共に 回路基板に半田固定される。このとき、取付金具は、ダイキャスト製シャーシの 抜きテーパ面の抜きテーパ角とほぼ同一の傾斜角度にて、基板に対して電気部品 を傾斜させて保持する。この傾斜角は、シャーシの基板取付平面の垂線に対して 抜きテーパ角とほぼ同一角度である。従って、シャーシと取付金具との間で電気 部品を締結固定しても、電気部品のピンなどに過度の応力がかかることなく確実 にシャーシに密着固定することができる。
【0011】 請求項2の考案によれば、取付金具の側面における基板と接する側の底辺に段 差部を形成することで上記傾斜角度を確保している。これは、この取付金具をプ レス加工する金型製作上、取付金具の展開状態での金型加工が容易となり、しか も金型の耐久性が向上するので、取付金具の寸法精度を比較的長い間保証できる 点で有利となる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案を適用した放熱構造の一実施例について、図面を参照して具体的 に説明する。
【0013】 図1から図5に示すように、電気部品例えばパワーIC10は、IC本体12 aの両側に取付片12bを有する。この各取付片12bには、例えば端部まで切 欠かれたU字型のねじ挿通孔14が形成されている。また、IC本体12の下端 にはピン16が突出している。このパワーIC10は基板18の表面18a側よ り実装され、その裏面のパターン18b側より突出したパワーIC10のピン1 6を、パターン面18bに半田付けすることで固定される。
【0014】 例えば、セルラーフォン用のシャーシ20は、本考案の放熱体の一例であり、 基板18を取付けるための基板取付平面20aを有する。さらに、シャーシ20 の一側面には多数の放熱フィン22が形成されている。この放熱フィン22の内 側の領域には、パワーIC10の逃げ部を形成するための凹部24が設けられて いる。このシャーシ20は、例えばアルミダイキャスト製であり、凹部24を形 成する内側面には共に抜きテーパが形成されている。従って、凹部24の内側面 のうち、放熱フィン22と反対面側には基板取付平面20aの垂線に対して抜き テーパ角だけ傾斜した抜きテーパ面26が形成されることになる。この抜きテー パ面26に、パワーIC10の一側面10aが密着固定されることになる。
【0015】 そして、パワーIC10を抜きテーパ面26に締結固定するために、放熱フィ ン22の形成面より抜きテーパ面26に向けてねじ56を挿通するための貫通孔 28が貫通形成されている。
【0016】 取付金具30は、パワーIC10と共に基板18に半田固定され、シャーシ2 0の抜きテーパ面26のテーパ角とほぼ同一の傾斜角度にてパワーIC10を保 持し、シャーシ20との間でパワーIC10を締結固定するためのものである。 この取付金具30は、例えば真鍮などの薄板を屈曲形成した金具本体32と、こ の金具本体32の両端側に例えばカシメにより固定される放熱片50とから構成 される。金具本体32は、幅広の背面34と、この背面34の両端側にて、背面 34より一段立ち上がった面に形成された放熱片取付面36と、放熱片取付面3 6より直角に屈曲形成された側面38とを有する。さらに金具本体32は、背面 34および側面38の底辺40より下方に突出された足42a,42bを有し、 この足42a,42bが基板18の孔(図示せず)に挿入され、パターン面18 bに半田付け固定される。金具本体32の底辺40には、特に側面38における 底辺40の途中に段差部44が形成される。この結果、それぞれ高さの異なる第 1の底辺46および第2の底辺48が足42bの両側に形成される。第1の底辺 46のうち、背面34の下端の領域が、基板18に接する接地辺46aとなる。 放熱片取付面36および側面38のうち足42bよりも内側の領域の底辺が、基 板18に対する非接地辺46bとなる。第2の底辺48は、側面38の下端にお ける足42bの外側領域に相当し、足42の付根付近に当たる第2の底辺48の 端部が、基板18に接する接地端48aとなる。
【0017】 金具本体32の放熱片取付面36には、カシメ用孔36aとねじ挿通孔36b が形成される。そして、放熱片50側にも、放熱片取付面36の各孔36a,3 6bに対応する位置に、それぞれカシメ用突起52およびねじ孔54が形成され ている。
【0018】 次に、本実施例の放熱構造について、その組み立て順序に従って詳細を説明す る。
【0019】 まず、両端に放熱片50がカシメ固定された金具本体32が、基板18に取付 けられる。すなわち、金具本体32の3箇所に設けられた足42が、基板18の 表面18a側より孔(図示せず)挿入され、そのパターン面18bより突出した 足42の中間位置に形成された屈曲部により、一定の姿勢に維持される。このと き、金具本体32の底辺には段差部44が形成されているため、金具本体32は 基板18に対して垂直に取付けられず、ある傾斜角をもって取付けられることに なる。これは、図1に拡大して示すように、金具本体32の底辺40のうち、背 面34の下端における接地辺46aが基板18の表面18aと接触し、さらに側 面38の足42よりも外側の下端領域における第2の底辺48のうち、足42b の付根側の接地端48aが基板18の表面18aに接触することになる。取付金 具30の他の底辺40、すなわち第1の底辺46における非接地面46bおよび 第2の底辺48の接地端48aより外側の領域は、図1に示すように基板18と は非接触となる。基板18に対する金具本体32の傾斜角度は、シャーシ20に おける抜きテーパ面26のテーパ角とほぼ同一となっている。
【0020】 次に、パワーIC10のピン16が基板18の表面18a側よりパターン面1 8b側に突出するように挿入される。このとき、パワーIC10の取付片12b および金具本体32の背面34と接触する場合には、その他側面10bが、取付 金具30の対応領域面に接触し、パワーIC10が一定の角度で傾斜した状態に て基板18に取付けられることになる。基板18上に他の実装部品の挿入が終了 した後、基板18は自動半田装置にセットされ、パターン面18bを例えば半田 ディップ槽などに浸すことにより、各電気部品および取付金具30の半田付けが 行われる。なお、この自動半田工程において、パワーIC10が取付金具30と 一定の傾斜角にて維持されるように、例えばねじ挿通孔14およびねじ孔54に 仮止め用のピンを挿入することもできる。あるいは、放熱片50にIC位置決め 用の突起等を形成しておいてもよい。
【0021】 半田付け工程の終了した基板18は、次にシャーシ20に取付けられることに なる。このとき、基板18上のパワーIC10がシャーシ20の凹部24と対応 する領域に配置される。そして、放熱フィン22側よりねじ56が貫通孔28に 挿入され、このねじ56はパワーIC10の取付片12bに設けられたねじ挿通 孔14を介して、放熱片50に設けられたねじ孔54に螺合されることになる。 このとき、パワーIC10および取付金具30は、基板18に対して傾斜角度を もって固定されており、この傾斜角度がシャーシ20側の抜きテーパ面26のテ ーパ角とほぼ同一となっているため、パワーIC10の一側面10aおよび取付 片12bの側面が抜きテーパ面26に密着することになる。このようなパワーI C10の放熱構造によれば、パワーIC10と抜きテーパ面26との間に隙間が 生ずることなく密着されるため、パワーIC10より生じた熱は密着面を介して 放熱フィン22側に伝達され、効率のよい放熱を行うことができる。また、パワ ーIC10と抜きテーパ面26とを密着させながらも、ねじ56の締結時にパワ ーIC10のピン16に応力が加わることがないので、ピン16の破損などに起 因した電気的導通不良を低減でき、製品品質を向上することができる。さらに、 この放熱構造の製造工程においても、パワーIC10がある傾斜角をもって確実 に基板18上に取付けられるため、シャーシ20にパワーIC10をねじ止め固 定する前にパワーIC10のピン16をパターン面18bに半田付けすることが でき、シャーシ20への取付け後の手加工による半田付け作業をなくし、基板1 8の自動半田の完全化を達成することができる。
【0022】 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨の範囲内 で種々の変形実施が可能である。例えば、取付金具30の本体32における側面 38の底辺40を傾斜辺とすることで、取付金具30を基板18に対して傾斜さ せることもできる。この場合、取付金具30の展開状態における外形が複雑とな ることから、プレス金型の加工性、耐久性に関していえば、上記実施例に比べて 劣っている。また、取付金具30を薄板のプレス加工のみにより形成してもよい ことは言うまでもない。
【0023】
【考案の効果】
以上詳述したように本考案によれば、放熱体としてダイキャスト製シャーシを 採用しながらも、その抜きテーパ面に電気部品の一側面を密着固定することがで き、しかも電気部品の半田付け部に過度の応力が加わることがないため、放熱効 果を増大させながらも、電気製品品質の安定化を図ることができる。
【提出日】平成4年8月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】 そこで、本考案の目的とするところは、ダイキャスト製シャーシの抜きテーパ 面に電気部品の側面を密着させて放熱を行う場合にも、締結不良がなく、しかも 経時 的に締結不良が生じず、もって安定した品質の電気製品の提供に寄与できる 放熱構造を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を適用したパワーICの放熱構造の拡大
図であり、図2のB−B断面図である。
【図2】放熱体の一例であるフィン付きのシャーシおよ
びそれへのパワーICの取付け状態を説明するための概
略平面図である。
【図3】図2の矢視A方向から見た拡大図である。
【図4】放熱フィンの構造を示した図2の側面図であ
る。
【図5】取付金具の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 パワーIC 12b 取付片 16 ピン 18 基板 20 シャーシ(放熱体) 20a 基板取付平面 26 抜きテーパ面 30 取付金具 34 背面 38 側面 40 底辺 42 足 44 段差部 46 第1の底辺 46a 接地辺 46b 非接地辺 48 第2の底辺 48a 接地端 50 放熱片 56 ねじ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路基板を固定する基板取付平面を有す
    るダイキャスト製シャーシと、 前記回路基板に実装され、かつ、前記シャーシの基板取
    付平面の垂線に対して抜きテーパ角だけ傾斜した抜きテ
    ーパ面に一側面が密着される電気部品と、 前記電気部品の他側面側にて前記電気部品と共に前記基
    板に半田固定され、前記抜きテーパ面の抜きテーパ角と
    ほぼ同一の傾斜角度にて、前記基板に対して前記電気部
    品を傾斜させて保持し、前記シャーシとの間で前記電気
    部品を締結固定する取付金具と、 を有することを特徴とする回路基板に実装された電気部
    品のための放熱構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記取付金具は、前記電気部品の前記他側面と対向する
    背面と、その背面の両端側を屈曲した側面と、を有し、
    前記側面が前記基板と接する底辺に段差部が形成され、
    高さの異なる少なくとも2つの底辺により、前記基板に
    対して前記抜きテーパ角とほぼ同一の傾斜角度で傾斜し
    て前記基板に固定されることを特徴とする回路基板に実
    装された電気部品のための放熱構造。
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