JPH0593724U

JPH0593724U - 円筒工作物の電解複合研摩仕上装置

Info

Publication number: JPH0593724U
Application number: JP4011392U
Authority: JP
Inventors: 英樹津留; 徳男安東
Original assignee: Yaskawa Electric Corp
Current assignee: Yaskawa Electric Corp
Priority date: 1992-05-19
Filing date: 1992-05-19
Publication date: 1993-12-21

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】高面精度な円筒工作物内面を１パスで加工が可
能な、シンプルな装置を提供する。【構成】電解液供給通路１２と連通する径方向の電解液
供給口６を設けた円筒状の電極工具７と、前記電解液供
給通路１２と連通する盲の電解液供給通路１３を設け、
この電解液供給通路１３の底部と連通する径方向の電解
液供給口を設けた絶縁工具８を電極工具７の先端に一体
的に固定し、円筒工作物１と電極工具７側に荒仕上用研
摩材を、絶縁工具８側に超仕上用研摩材を介在させ、電
極工具７側から電解液９を供給して、電極工具７と円筒
工作物１の間のみに電流、電圧を供給して、電極工具７
側で荒仕上げを行い、絶縁工具８側で超仕上用研摩加工
を行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、円筒工作物内・外面の鏡面加工装置に関し、特に、電解複合研摩仕上装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、円筒工作物内面の鏡面加工を電解複合研摩により行うものとして、図２に示すように、円筒工作物１の内面直径よりやや小さい直径の陰極性の電極工具７を設け、円筒工作物１との間に弾力性、通水性のある研摩材５を介在させ、電極工具７を円筒工作物１内に挿入し、供給口６より電解液９を噴出させる。次に、電極工具７又は円筒工作物１を回転させる。その次に、電極工具７を陰極とし、円筒工作物１を陽極として、数Ｖ〜数１０Ｖ、１０Ａ／cm*cm 以下の電圧・電流を電源１０より与え、送り速度Ｖｆで電解複合加工を行い、鏡面仕上するものがある。また、円筒工作物外面の旋削面を荒仕上から超仕上まで１パスで加工するものとして、荒仕上用電極工具２と超仕上用電極工具３を陰極性の電極工具として設け、各々に陽極性の円筒工作物１の半径或いは、半径よりやや大きい半径の凹面を形成し、凹面４と円筒工作物１との間に各々荒仕上用研摩材５超仕上用研摩材６を介在させ、電極工具に設けた供給口７から電解液８を供給する。次いで、円筒工作物１を陽極として回転し、各電極工具を陰極とし、直流電源１０より数Ｖ〜数１０Ｖ、１０Ａ／cm*cm 以下の電圧・電流を与え、軸方向に送り、研摩・擦過を行うものがある（例えば、特公昭６０−３０７６０号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来技術には、以下の問題がある。前者では、円筒工作物内面の旋削面から、高面精度な面を得るためには、荒仕上、超仕上の最低２パスの仕上が必要となるので加工時間を長く要する。後者では、荒仕上部と超仕上部を一体化して、異った電流、電圧を供給するため、２つの電源が必要である。仮に、後者のものを円筒工作物の加工に適用して１パス加工するとしても、電極工具が回転出来ないので、ワークのみの回転となるため、砥粒擦過速度が上げられず、高面精度な面が仕上られない。本考案は、高面精度な円筒工作物を１パスで加工が可能な、シンプルな装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は、円筒工作物の内面直径よりやや小さい直径もしくは外面直径よりやや大きい直径の陰極性の電極工具と、円筒工作物と電極工具の間に介在させた弾力性、通水性のある研摩材と、電極工具に設けた電解液を噴出する電解液供給口よりなる円筒工作物内面の電解複合研摩仕上装置において、電解液供給通路と連通する径方向の電解液供給口を設けた円筒状の電極工具と、この電極工具の先端に一体的に固定し、前記電解液供給通路と連通する盲の電解液供給通路を設け、この電解液供給通路の底部と連通する径方向の電解液供給口を設けた絶縁工具とで研摩工具を構成し、電極工具側から電解液を供給して、電極工具と円筒工作物の間のみに電流、電圧を供給して電解複合研摩仕上加工を行う。なお、擦過速度を上げ高面精度な鏡面仕上を行うため、円筒工作物と研摩工具双方を反対側に回転してもよい。

【０００５】

【作用】

上記手段により構成した研摩工具を、円筒工作物の内・外面に挿入もしくは嵌合し、研摩仕上げ部に電解液を供給しながら、電極工具に電圧・電流を供給し、研摩工具を、回転させると同時に、軸方向に送り１パスで鏡面仕上加工をする。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の具体的実施例を図１および図２に示して説明する。図１は、円筒工作物の内面加工に適用する場合を示す。陽極性の円筒工作物１の内面には、円筒工作物１の内径よりやや小さい直径をもつ円柱状の陰極性・荒仕上用電極工具７と電極工具７と同じ直径の超仕上用の絶縁工具８を設け、電極工具７の外周部には荒仕上用研摩材５を、絶縁工具８の外周部には超仕上用研摩材４を円筒工作物１との間に介在させてある。電極工具７の端部には、電解液９を供給する管１１が接続してある。管１１には、電極工具７の軸芯を貫通させて電解液供給通路１２を設けてある。この電解液供給通路１２と連通させて径方向の供給口６を設けてある。電極工具７の他端には、絶縁工具８を固定してある。絶縁工具８の軸芯には、前記電極工具７の軸芯に設けた電解液供給通路１２と連通する、盲の電解液供給通路１３を設けてある。この電解液供給通路１３の底部と連通させて、径方向の供給口６を設けてある。電極工具７と絶縁工具８を一体化して研摩工具を構成する。加工工具と円筒工作物を、軸受等（図示せず）により支持し、双方が回転できるようにしてある。図２は、円筒工作物の外面加工に適用する場合を示す。陽極性の円筒工作物１の外面には、円筒工作物１の内径よりやや大きい内径をもつ円環状の陰極性・荒仕上用電極工具７と電極工具７と同じ内径の超仕上用の絶縁工具８を設け、電極工具７の内周部には荒仕上用研摩材５を、絶縁工具８の内周部には超仕上用研摩材４とを、円筒工作物１との間に介在させてある。電極工具７の外径側には、ロータリージョイント１４のグルーブを電極工具７の径方向に設けた供給口６と連通させて、電解液９を供給するようにしてある。この供給口６と軸方向に連通させて、絶縁工具８側を開口とする電解液供給通路１２を設けてある。電解液供給通路１２の開口は、絶縁工具８に設けた、盲の電解液供給通路１３に連通させてある。この電解液供給通路１３の底部と連通させて、径方向の供給口６を設けてある。電極工具７と絶縁工具８を一体化して研摩工具を構成する。研摩工具と円筒工作物を、軸受等（図示せず）により支持し、双方が回転できるようにしてある。加工方法は、電極工具７と絶縁工具８を一体化した研摩工具を、円筒工作物１の鏡面仕上を行う面に、挿入もしくは嵌合し、供給口６から電解液９を供給しながら、円筒工作物１が陽極に、電極工具７が陰極になるように、直流電源１０から数Ｖ〜数１０Ｖ、１０Ａ／cm*cm 以下の電流・電圧を荒仕上上部３に与え、送りＶｆをかけて、電極工具７を矢印Ａ方向に回転し、荒仕上部３は電解研摩し、超仕上部２は微小な砥粒により研摩をおこなう。電解複合研摩で旋削加工面の加工傷の除去を行い、微小な砥粒による研摩で超仕上部２を仕上げることにより、１パスで複合研摩を行う。なお、円筒工作物１を研摩工具の回転方向Ａと反対方向の矢印Ｂ方向に回転し、相対速度を大きくしてもよい。

【０００７】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、以下のような効果がある。１．高面精度な鏡面の１パス加工が可能となる。２．円筒工作物１と研摩工具を同時に逆方向に回転させることにより、砥粒擦過速度が速くなり、砥粒の凸部選択性、砥粒作用密度の向上が可能となり、高面精度の鏡面加工ができる。３．荒仕上部のみに電流、電圧を供給すればよいので、電源が１つでよくなり装置がシンプルになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す側断面図。

【図２】本考案の他の実施例を示す側断面図。

【図３】従来例を示す側断面図。

【符号の説明】

１円筒工作物２超仕上部３荒仕上部４超仕上用研摩材５荒仕上用研摩材６供給口７電極工具８絶縁工具９電解液１０直流電源１１管１２、１３電解液供給通路１４ロータリージョイント

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】円筒工作物の直径と僅かな差をもつ直径
の陰極性の電極工具と、円筒工作物と電極工具の間に介
在させた弾力性、通水性のある研摩材と、電極工具に設
けた電解液を噴出する電解液供給口よりなる円筒工作物
の電解複合研摩仕上装置において、電解液供給通路と連通する電解液供給口を設けた電極工
具と、前記電極工具の先端に一体的に固定し、前記電解
液供給通路と連通する電解液供給口を設けた絶縁工具
と、電極工具側に荒仕上げ用の前記研摩材を、絶縁工具
側に超仕上げ用の前記研摩材を介在させて、研摩工具を
構成し、この研摩工具に電極工具側から電解液を供給し
て、電極工具と円筒工作物の間のみに電流、電圧を供給
して電解複合研摩仕上加工を行うことを特徴とする円筒
工作物の電解複合研摩仕上装置。
【請求項２】前記電極工具と絶縁工具を円筒工作物の
直径より僅かに小さい直径の円柱状とし、円筒工作物の
内面に挿入し、円筒内面加工用とした請求項１記載の円
筒工作物の電解複合研摩仕上装置。
【請求項３】前記電極工具と絶縁工具を円筒工作物の
直径より僅かに大きい直径の円環状とし、円筒工作物の
外面に嵌合し、円筒外面加工用とした請求項１記載の円
筒工作物の電解複合研摩仕上装置。
【請求項４】前記円筒工作物と研摩工具が逆方向に同
時に回転する請求項１ないし３項いずれか１項に記載の
円筒工作物の電解複合研摩仕上装置。