JPH0593111U - 直線偏波受信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 円形導波管から同軸モードで信号を取り出
し、容量結合によりマイクロストリップ線路に入力し
て、電磁波の伝送モードの変換回数を低減させる。 【構成】 円形導波管２の外部に設けたマイクロストリ
ップ線路７の信号導体と円筒形状の電極管６を接続し、
円形導波管２の終端面４の中央に設けた開口を通して絶
縁材料製の回転軸５を終端面４の外部に突出させ、プロ
ーブ３の一端を円形導波管２の内部に突出させ、他端を
回転軸５の中心部を貫通させて突出させた先端を電極管
６の円筒形状内に挿入し、回転軸５の側面に設けた凹凸
に、駆動部１０と連動して回転するギヤ１１を噛み合わ
せて、回転軸５及びプローブ３を一体として回転させ、
プローブ３の円形導波管２内に挿入した部分に電磁波を
結合させて電気信号に変換してプローブ３の他端に伝
え、他端から電極管６を介してマイクロストリップ線路
７に電気信号を伝えるようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、水平偏波及び垂直偏波で送信されてくる通信衛星（ＣＳ）の電波を 受信する直線偏波受信装置に関する。 通信衛星の電波は、円偏波を使用している衛星放送の電波と異なり、直線偏波 方式が採用されており、同じ帯域内でより多くのチャンネルが伝送できるように するため、垂直偏波及び水平偏波の電波が使用されている。 従って、一台のパラボラアンテナで水平偏波及び垂直偏波の電波を受信するた め、水平偏波及び垂直偏波共用一次放射器が使用され、同水平偏波及び垂直偏波 共用一次放射器から水平偏波信号と垂直偏波信号とを選択して取り出し、ＣＳコ ンバータに入力して通信衛星（ＣＳ）からの電波を受信するようにしている。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、図４に示すような水平偏波及び垂直偏波共用一次放射器が使用され、 円形導波管２の内部の終端面２１に垂直にプローブ２０を設け、同プローブ２０ を終端面２１に設けた開口２２を通して外側に延長して方形導波管２３の内部に 挿入し、同方形導波管２３の内部で絶縁シャフト２５に接いで方形導波管２３を 貫通させ、同方形導波管２３の外部に設けた駆動部２４に連結して、前記プロー ブ２０を前記円形導波管２の管軸を中心として回転させて、導入された水平偏波 、あるいは垂直偏波の電磁波に対して、受信する方を選択してプローブ２０に結 合させて、同プローブ２０の方形導波管２３の内部に挿入された部分で電磁波を 励振させ、方形導波管２３の他端にプローブ２０と平行にして方形導波管２３内 に挿入しているプローブ２６に電磁波を結合させて電気信号に変換し、プローブ ２６で方形導波管２３から信号を取り出して、コンバータ２９中のプリント基板 ２８に設けられたマイクロストリップ線路２７に入力し、同マイクロストリップ 線路２７を介して信号処理回路に入力して信号処理を行うようにしていた。 従って、電磁波の伝送は、円形導波管２内に導入された電磁波をプローブ２０ に結合させ、同プローブ２０と終端面２１に設けた開口２２の壁面で同軸線路を 構成して、同同軸線路を介して電気信号を方形導波管２３内に伝え、方形導波管 ２３内で電磁波を励振し、プローブ２６に電磁波を結合させ、同プローブ２６と 方形導波管２３に設けた開口の壁面で同軸線路を構成して、同同軸線路を介して 電気信号をコンバータ２９中のマイクロストリップ線路２７に伝えるようにして おり、電磁波の伝送モードは導波管モードから順に、同軸モード、導波管モード 、同軸モードに変換してコンバータ２９に入力するようにしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、円形導波管から同軸モードで信号を取り出し、容量結合によりマイ クロストリップ線路に信号を入力できるようにして、電磁波の伝送モードの変換 回数を低減させて、変換損失の少ない直線偏波受信装置を提供することを目的と する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

図１は、本考案の一実施例を示す、直線偏波受信装置の一部切欠き斜視図であ り、同図に示すように、一端に電磁波を導入し得る開口部１を設け、他端に終端 面４を設けた円形導波管２と、同円形導波管２の外部に設けたマイクロストリッ プ線路７と、同マイクロストリップ線路７の信号導体と電気的に接続した円筒形 状の電極管６と、駆動部１０と連動して回転するギヤ１１と、前記終端面４の中 央に設けた開口を通して円形導波管の外部に突出させた絶縁材料製の回転軸５と 、一端を円形導波管２の内部に突出させ、他端を前記回転軸５の中心部を貫通さ せて突出させた先端を前記円筒形状の電極管６の内部に挿入したプローブ３とか らなり、前記回転軸５の側面に設けた凹凸に前記ギヤ１１を噛み合わせて、回転 軸５及びプローブ３を一体として回転させ、同プローブ３の円形導波管２内に挿 入した部分に電磁波を結合させ、同プローブ３で電磁波を電気信号に変換して他 端に伝え、同プローブ３の他端から前記電極管６を介して前記マイクロストリッ プ線路７に電気信号を伝えるようにしたものである。

【０００５】

【作用】 本考案は上記した構成により、円形導波管２内に導入された電磁波をプローブ ３に結合させ、プローブ３と絶縁材料製の回転軸５と終端面４の中央に設けた開 口の壁面等で同軸線路を構成し、同同軸線路で電気信号をプローブ３の他端に伝 え、プローブ３の他端から容量結合により電気信号を円筒形状の電極管６に伝え 、同電極管６を介してマイクロストリップ線路７の信号導体に電気信号を伝え、 同マイクロストリップ線路７を介して信号処理回路に入力して信号処理を行うよ うにしており、電磁波の伝送モードの変換回数を低減させた、変換損失の少ない 直線偏波受信装置とすることができる。

【０００６】

【実施例】

図１は、本考案の一実施例を示す、直線偏波受信装置の一部切欠き斜視図であ り、図中、図４で示したものと同一のものは同一の記号で示している。 円形導波管２の一端をホーン形状として電磁波を効率良く円形導波管２に導入 し得る開口部１とし、円形導波管２の他端を導入された電磁波を反射させる終端 面４とし、同終端面４の外壁に金属シャーシ９を接合している。 金属シャーシ９は、側面からみた形状が、終端面４の外壁に接した部分を中段 の高さの面とし、同面と一番低くした面との間に高い土手を設けた台形のシャー シを使用し、一番低くした面にマイクロストリップ線路７を設けたプリント基板 を固定している。 ５は絶縁材料製の回転軸であり、円形導波管２の終端面４の中央に設けた開口 から、金属シャーシ９の高い面とした部分を貫通させた構造とし、中段の高さの 面とした部分では、回転軸５の側面に設けた凹凸が露出するようにし、高くした 土手部分に駆動部１０を設け、駆動部１０とギヤ１１間を回転軸１２で連結し、 ギヤ１１の歯車と前記回転軸５の側面に設けた凹凸とを噛み合わせている。

【０００７】 ３はプローブであり、一端を円形導波管２の内部に突出させ、先端を折り曲げ た構造にして、円形導波管２内に導入された電磁波に対して結合可能な形状とし 、プローブ３の他端は、前記回転軸５の中心部を貫通させて、マイクロストリッ プ線路７を設けたプリント基板の上部に突出させた構造としている。 ６は円筒形状の電極管であり、マイクロストリップ線路７の信号導体と電気的 に接続し、プローブ３の回転軸５を貫通させて突出させた先端を、円筒形状の電 極管６の内部に挿入している。 駆動部１０としては、ステッピングモーター等を使用し、回転軸１２を回転さ せ、ギヤ１１及び回転軸５を介してプローブ３を円形導波管２の管軸を中心とし て回転できるようにしている。

【０００８】 例えば、通信衛星から送信されてくる水平偏波の電界がＸ軸に平行な向きで、 垂直偏波の電界がＹ軸に平行な向きで円形導波管２に入射されたとする。 水平偏波を受ける場合は、駆動部１０を回転させてプローブ３の先端の折り曲 げた部分をＸ軸方向に向け、垂直偏波を受ける場合は、駆動部１０を回転させて プローブ３の先端の折り曲げた部分をＹ軸方向に向けることにより、水平偏波、 あるいは垂直偏波をプローブ３に結合させることができる。水平偏波、あるいは 垂直偏波とプローブ３との結合を効果的にするため、プローブ３の先端の折り曲 げ部分と終端面４間の距離を、水平偏波、あるいは垂直偏波の電磁波の波長の約 １／４の長さとしている。 プローブ３に結合させた電磁波は、同プローブ３で電気信号に変換され、同プ ローブ３と絶縁材料製の回転軸５と終端面４に設けられた開口及び金属シャーシ ９に設けられた貫通孔の壁面で構成される同軸線路を介して同プローブ３の他端 に電気信号が伝えられ、同プローブ３の他端と電極管６の間で構成した容量結合 により、電気信号を電極管６に伝え、同電極管６を介して前記マイクロストリッ プ線路７に電気信号を伝えるようにしている。

【０００９】 図２は、図１に示す、直線偏波受信装置を切断線Ａ−Ａで切断した状態を示す 縦断面図である。 プローブ３は終端面４の中心に垂直になるように配置し、終端面４の外側に垂 直に延長し、回転軸５の中心部を貫通して金属シャーシ９の高くした土手部分の 反対側に突き出すようにし、突き出した先端が円筒形状の電極管６の中心部に挿 入されるようにしている。 回転軸５としては、合成樹脂製の絶縁材料を使用し、プローブ３と回転軸５と 、終端面４に設けられた開口及び金属シャーシ９に設けられた貫通孔の壁面とで 同軸線路を構成し、信号を伝送するようにし、凹凸を設けた回転軸５の側面の金 属シャーシ９から露出させる部分が最小となるようにし、同露出させた部分にギ ヤ１１を噛み合わせるようにしている。

【００１０】 図３（Ａ）は、図２に示す電極管６部分を切断線Ｂ−Ｂで切断した状態を示す 縦断面図であり、図３（Ｂ）及び（Ｃ）は、電極管６の構造として他の形状のも のを使用した例を示す説明図である。 図３（Ａ）において、円筒形状の電極管６の中心部にプローブ３が挿入される ように配置し、電極管６とプローブ３間が容量結合となるようにしている。 金属シャーシ９の上面にプリント基板１４を配置し、プリント基板１４の上部 にマイクロストリップ線路７の信号導体を配置し、下部にアース導体１５を配置 し、電極管６はマイクロストリップ線路７の信号導体と半田８により電気的接続 がとれるようにしている。 図３（Ｂ）の実施例と図３（Ａ）の実施例との相違点は、電極管６の正面から みた形状を円形の代わりに、半円形の形状とした電極１６を使用している点であ り、図３（Ｃ）の実施例と図３（Ａ）の実施例との相違点は、電極管６の正面か らみた形状を円形の代わりに、３／４の円形の形状とした電極１７を使用してい る点である。 電極管６の形状は、プローブ３間で容量結合ができるような形状であれば、他 の形を使用しても良い。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、円形導波管に導入された水平偏波及び 垂直偏波に対し、受信する方を選択してプローブに結合させて円形導波管から同 軸モードで信号を取り出し、容量結合によりマイクロストリップ線路に信号を入 力して、マイクロストリップ線路を介して信号処理回路に入力して信号処理がで きるようにしており、電磁波の伝送モードの変換回数を低減させることにより、 変換損失を少なくした直線偏波受信装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す、直線偏波受信装置の
一部切欠き斜視図である。

【図２】図１に示す、直線偏波受信装置を切断線Ａ−Ａ
で切断した状態を示す縦断面図である。

【図３】（Ａ）は、図２に示す電極管６部分を切断線Ｂ
−Ｂで切断した状態を示す縦断面図であり、図３（Ｂ）
及び（Ｃ）は、電極管６の構造として他の形状のものを
使用した例を示す説明図である。

【図４】従来例を示す、直線偏波用一次放射器の一部切
欠き斜視図である。

【符号の説明】

１ 開口部 ２ 円形導波管 ３ プローブ ４ 終端面 ５ 回転軸 ６ 電極管 ７ マイクロストリップ線路 ８ 半田 ９ シャーシ １０ 駆動部 １１ ギア １２ 回転軸 １３ モータ １４ プリント基板 １５ アース導体 １６ 電極 １７ 電極 ２０ プローブ ２１ 終端面 ２２ 開口 ２３ 方形導波管 ２４ 駆動部 ２５ 絶縁シャフト ２６ プローブ ２７ マイクロストリップ線路 ２８ プリント基板 ２９ コンバータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端に電磁波を導入し得る開口部を設
   け、他端に終端面を設けた円形導波管と、同円形導波管
   の外部に設けたマイクロストリップ線路と、同マイクロ
   ストリップ線路の信号導体と電気的に接続した円筒形状
   の電極管と、駆動部と連動して回転するギヤと、前記終
   端面の中央に設けた開口を通して円形導波管の外部に突
   出させた絶縁材料製の回転軸と、一端を円形導波管の内
   部に突出させ、他端を前記回転軸の中心部を貫通させて
   突出させた先端を前記円筒形状の電極管の内部に挿入し
   たプローブとからなり、前記回転軸の側面に設けた凹凸
   に前記ギヤを噛み合わせて、回転軸及びプローブを一体
   として回転させ、同プローブの円形導波管内に挿入した
   部分に電磁波を結合させ、同プローブで電磁波を電気信
   号に変換して他端に伝え、同プローブの他端から前記電
   極管を介して前記マイクロストリップ線路に電気信号を
   伝えることを特徴とする直線偏波受信装置。