JPH0592503A - 化粧材およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い質感、深みを持った化粧材およびその製
造方法を提供する。 【構成】 基台１となるシート、板の上に散布された天
然石２が、接着性樹脂３にて固定され、その上からオー
バーレイフィルム４がラミネートされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、化粧材およびその製造
方法に関し、詳しくは従来品を上回る質感、深みを持つ
化粧材およびその製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】化粧材を作ることは従来より盛んに行わ
れている。これらは紙、プラスチックフィルム、金属箔
などに木目柄、抽象柄などを印刷したものを任意の基材
に張り合わせたり、転写するか又は直接それらの基材に
印刷するものであった。

【０００３】しかし、このような化粧材は質感や風合
い、深みが乏しいため高級感に欠けるという欠点があっ
た。

【０００４】そこで印刷だけの限界をカバーした新しい
化粧材が検討されるようになり、例えば凹凸感を持たせ
るためにエンボスをかけたり、加熱発泡剤等を用いたも
のなどが一部で実用化されている。しかし、まだ意匠的
には十分満足されるまでには至っていないこともあり、
より一層の改良が望まれていた。また、従来品では、天
然素材独特の質感、深み等を持ったものがなく、このよ
うな化粧材の出現も望まれていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題に鑑みなされたもので、その目的は、一部に天然素
材を使用することにより従来のものよりも質感の高い化
粧材を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、基台
となるシート、板の上に散布され接着性樹脂にて固定さ
れた天然石の上にオーバーレイフィルムがラミネートさ
れてなる化粧材である。

【０００７】請求項２の発明は、請求項１の基台となる
シート、板に合成樹脂製、木製あるいは軽量発泡コンク
リート製の基材を使用する化粧材である。

【０００８】請求項３の発明は、請求項１のオーバーレ
イフィルムとしてフッ素系、ポリエステル系、アクリル
系もしくは塩化ビニル系樹脂フィルムを使用する化粧材
である。

【０００９】請求項４の発明は、請求項１のオーバーレ
イフィルムの厚みが100μｍ以下である化粧材である。

【００１０】請求項５の発明は、基台となるシート、板
の上に、天然石を散布してこれを接着性樹脂にて固定し
た後、オーバーレイフィルムをラミネートする化粧材の
製造方法である。

【００１１】請求項６の発明は、請求項５のオーバーレ
イフィルムのラミネートを真空プレス、真空圧空プレ
ス、ロールプレス等を用いて行なう化粧材の製造方法で
ある。

【００１２】以下、本発明を更に詳細に説明する。

【００１３】図１は、本発明の化粧材の一例を示す断面
図であり、図１より明らかなように、本発明の化粧材５
は、基台１となるシート、板の上に散布された天然石２
が接着性樹脂３にて固定され、さらにその表面がオーバ
ーレイフィルム４でラミネートされた構成である。

【００１４】基台１となるシート、板としては、合成樹
脂製基材（例えば塩ビシートなど）、木製基材（例えば
天然木突板など）、発泡コンクリート製基材など比較的
軽量なものを使用することができ、その厚さは任意であ
り、特に限定はされない。通常、基台１の厚さはシート
であれば200〜500μｍ、木製、軽量コンクリート製基材
であれば５〜30mm程度である。

【００１５】基台１には、天然石２の隙間を通して下地
が見えることを前提に何らかの柄を印刷しておいても構
わない。

【００１６】天然石２としては、比較的小粒な砂利、例
えば園芸用の玉砂利などを使用することができるが、勿
論これに限定される訳ではない。本発明の効果を十分に
発揮せしめ、高い質感、深みを表現するためには、天然
石２の平均粒径が２mm〜10mmのものを使用するのが望ま
しい。

【００１７】かかる天然石２を基台１の上に散布する方
法は任意であるが、散布する際に、あらかじめ基台１に
接着性樹脂３を塗布しておくことにより天然石２が回り
に飛散するのを防ぐことができ、作業がしやすい。

【００１８】天然石２を接着固定するのに使用する接着
性樹脂３の材質は、例えばポリエステル系樹脂、アクリ
ル系樹脂、無黄変ウレタン系樹脂など任意である。な
お、天然石２の質感、風合いなどを表現するためにも、
接着性樹脂３は透明、半透明あるいは淡色のものを使用
するのが望ましい。接着性樹脂３の塗布量は、使用する
天然石２の粒径、散布量により異なるが、天然石２を接
着固定するのに十分な量を必要とする。また、接着性樹
脂３は天然石２の隙間にも浸透するような粘度にしてお
くことが望ましく、またかかる理由から、その塗布方法
もスプレー塗布、フローコート法などを用いるのが望ま
しい。

【００１９】また、天然石２の上にラミネートするオー
バーレイフィルム４としては、例えばフッ素系、ポリエ
ステル系、アクリル系、塩化ビニル系などの樹脂フィル
ムを使用することができるが、下地の質感、風合いなど
を表現するためにも、透明あるいは半透明の材質のもの
を使用するのが望ましい。

【００２０】オーバーレイフィルム４は、下地の天然石
２の凹凸を損なうことがないように、厚さ100μｍ以下
の薄いものを使用することが望ましい。

【００２１】オーバーレイフィルム４をラミネートする
方法としては、真空プレス、真空圧空プレス、ロールプ
レスなどを用いて行なうことができる。ラミネートの温
度は、使用するオーバーレイフィルム４の材質によって
も異なるが、70℃〜150℃位が望ましい。

【００２２】このような本発明にあっては、一部に天然
素材を使用することにより、従来の印刷のみのものと比
較して、視覚的により深みを出すことが可能であり、ま
た印刷やエンボス等では得られない大きな独特の凹凸を
持つことにより触覚的にも優れ、総合して従来の化粧材
を上回る質感を有する。また、天然素材が持つ質感、深
み等をも有する。

【００２３】

【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。

【００２４】厚さ180μｍの透明塩ビシートを基台と
し、この基台にポリエステル系の接着性樹脂を薄く塗布
してから、園芸用の玉砂利を散布し、さらに前記のポリ
エステル系接着性樹脂をスプレー塗布して玉砂利を接着
固定した後、オーバーレイフィルムとして厚さ50μｍの
ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これを
130℃に加熱して、真空圧空成型機にてラミネートし
た。

【００２５】出来上がった化粧材は、従来の化粧材には
みられない質感、深みを有するもので、さらに天然素材
が持つ独特の質感、風合いをも有するものが得られた。

【００２６】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、従来の印刷のみのものでは得られない視覚的に優
れた深みと、印刷やエンボス等では得られない触覚的に
も優れた独特の凹凸感とを有し、従来の化粧材を上回る
質感をそなえた化粧材が得られる。さらに、天然素材が
持つ独特の質感、深みをも有する化粧材が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の化粧材の構成を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 基台 ２ 天然石 ３ 接着性樹脂層 ４ オーバーレイフィルム ５ 化粧材

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台となるシート、板の上に散布され接
   着性樹脂にて固定された天然石の上にオーバーレイフィ
   ルムがラミネートされてなることを特徴とする化粧材。
2. 【請求項２】 前記基台となるシート、板は合成樹脂
   製、木製あるいは軽量発泡コンクリート製の基材を使用
   することを特徴とする請求項１記載の化粧材。
3. 【請求項３】 前記オーバーレイフィルムはフッ素系、
   ポリエステル系、アクリル系もしくは塩化ビニル系樹脂
   フィルムを使用することを特徴とする請求項１記載の化
   粧材。
4. 【請求項４】 前記オーバーレイフィルムは厚みが100
   μｍ以下であることを特徴とする請求項１記載の化粧
   材。
5. 【請求項５】 基台となるシート、板の上に、天然石を
   散布してこれを接着性樹脂にて固定した後、オーバーレ
   イフィルムをラミネートすることを特徴とする化粧材の
   製造方法。
6. 【請求項６】 前記オーバーレイフィルムのラミネート
   は真空プレス、真空圧空プレス、ロールプレス等を用い
   て行なうことを特徴とする請求項５記載の化粧材の製造
   方法。