JPH0631035Y2 - 床 材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は意匠性、耐摩耗性、可撓性等に優れた床材に関
する。

（従来技術と問題点） 従来の発泡樹脂層上に印刷層および透明層を設け、適宜
ケミカルエンボスを施した発泡床材（クッション性床
材）が公知であるが、消費者は更に意匠性の優れた床材
を求めている。

特開昭５７−２７９７号公報には立体模様を有する床材
の製造法が開示されているが、基材はベニヤ合板、パー
テイクルボード、ハードボードなどの硬質基材であり、
又、基材に設けた凸状の模様層上に、粒状の耐摩耗材を
加えた透明又は半透明の塗料を一層塗布するものであ
る。このような床材は基材が可撓性を有しないためロー
ル状に巻くことが困難もしくは不可能であり、又、透明
又は半透明の塗料として紫外線硬化樹脂を用いるもので
もない。

一方、特開昭６０−４３５６８号公報には表層部分にガ
ラスビーズ等の耐熱無機物質を充填した透明樹脂層を設
けた耐焦性を有する床材が開示され、該透明樹脂層に紫
外線硬化樹脂を用いることも記載されているが、立体模
様層を形成するものでもなく、又、透明樹脂は単に一層
のみである。

（考案の課題） 本考案の目的は立体模様の意匠性と耐摩耗性を兼備した
床材を提供することにある。

また本考案の目的は透明樹脂を２層にし、一方の透明樹
脂層のみを紫外線硬化樹脂（ＵＶ樹脂）とすることによ
りコストの低下と優れた密着性を図つた床材を提供する
ことにある。

さらに本考案の目的はロール状に巻いてもＵＶ樹脂層が
剥離しない可撓性に優れた床材を提供することにある。

（考案の構成） 本考案は上記要望を満足させた構成で、軟質裏打ち材上
の可撓性基材上に盛り上り印刷層が凹凸模様状に形成さ
れ、該模様層上に凹凸模様と同調する透明樹脂層が形成
され、さらに該透明樹脂層上にアルミナ粒状体透明性無
機粒状体を含有する20〜300μ厚の紫外線硬化透明樹脂
層を有することを特徴とする可撓性を有する床材、をそ
の要旨とする。

第１図は本考案床材断面図であり、１は軟質裏打ち材で
あり、発泡又は非発泡のポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、そ
の他の軟質プラスチツクシート、フエルト等が好適で、
0.5〜５mmが好適である。

この裏打ち材上にＰＶＣシート、フイルム、あるいはガ
ラス繊維等の不織布等からなる基材２が積層される。本
考案において基材は可撓性を有する。この基材２にＰＶ
Ｃペースト等の樹脂からなるインキを0.5〜1.0mmに重ね
塗りするか、段差を設けて印刷する方法で盛り上げ印刷
を行い、加熱固化して凹凸を有する盛り上り印刷層３、
４を形成する。尚、この盛り上り印刷層は適宜発泡剤を
含有して加熱発泡させてもよい。

上記盛り上り印刷層上に透明性ＰＶＣペースト、アクリ
ル樹脂やポリウレタン等の透明性液状プラスチツクをコ
ーテイングして加熱硬化して0.05〜0.3mmの透明樹脂層
５を形成した。

この時、透明樹脂層５は盛り上り印刷層３、４と常にほ
ぼ同一の厚さを以てコーテイングされるので、透明樹脂
層は盛り上り印刷層と同じエンボス模様を示す。

本考案において同調とは盛り上り印刷層上にはほぼ同じ
厚さの透明樹脂層を設けることであり、この透明樹脂層
上にアルミナ粒状体透明性無機粒状体６を含有する紫外
線硬化樹脂〔例えばセイカビームTLI−２・大日精化工
業（株）製〕〕をコーテイングし、しかる後に紫外線を
照射して無機粒状体を含有した紫外線硬化皮膜７を形成
する。この皮膜は20〜300μである。上記無機粒状体は
透明性があるので下層の盛り上り印刷層の透視される状
態を少しも損なうことなく、アルミナ粒状体に基づくセ
ラミツク調、すなわち陶器タイル風の意匠性が得られ
る。

本考案においては前記透明樹脂層５が盛り上り模様３、
４のエンボスに沿つてほぼ均一厚さに形成されており、
紫外線硬化樹脂は薄い皮膜として形成されるので、盛り
上り模様に同調して得られる。

本考案においては、とくに、可撓性基材上に盛り上げ印
刷層と、この印刷層の凹凸模様に同調した透明樹脂層と
透明樹脂層に薄い20〜300μのＵＶ樹脂層が形成されて
おり、ＵＶ樹脂層にはアルミナ透明性無機粒状体が含有
されている。かくて本考案床材８が得られる。

本考案においてはＰＶＣ、アクリル、ポリウレタン系の
透明性樹脂は、その上層のＵＶ樹脂よりもコスト的に低
いので、全体としてコスト的に有利である。また盛り上
り印刷層の上に直接ＵＶ樹脂層を設けると盛り上り印刷
層の凹凸によりＵＶ樹脂層は剥がれやすいが、本考案の
ように盛り上り印刷層の上にＰＶＣ等の透明樹脂層を設
けると、その表面が比較的滑らかであるのでＵＶ樹脂層
の密着性が向上する。また本考案のＵＶ樹脂層は20〜30
0μと薄いので可撓性が良好であり、コスト的にも有利
である。

第２図は本考案床材の一部切欠いた斜視図であり、８は
本考案床材である。

本考案床材は優れた意匠性が得られ、透明樹脂層、紫外
線硬化層ともに盛り上り印刷層を透視しうる状態に上記
印刷層と同調しているので、立体感が優れており、ま
た、Ｓ４２摩耗紙による500ｇ両輪荷重のテーバーテス
トによつても表面層は最高0.001mm／1000回転しか摩耗
せず、従来のＰＶＣ床材と比べて極めて良好な耐摩耗性
を示す。

（考案の効果） 本考案の効果として以下の点が奏される。

透明樹脂層に20〜300μ厚の薄いＵＶ樹脂層が形成さ
れておりＵＶ樹脂層中にはアルミナが含有されているの
で、ＵＶ樹脂層とその下の透明樹脂層とが一体となつた
透明樹脂層は、下の層のエンボスに同調対応することが
できる。

また透明樹脂層すべてをＵＶ樹脂にすると、高コスト
であり、また盛り上り印刷層と剥がれ易いが、本考案で
は中間に透明樹脂層を介在させたことにより密着性向上
し、またコスト的に有利である。

裏打ち材と基材が可撓性であり、軟質透明樹脂とＵＶ
樹脂の積層体も可撓性を有するので、シート状物をロー
ル巻きにしてもＵＶ樹脂層は透明樹脂から剥がれない。

表面の紫外線硬化樹脂層の耐摩耗性は大きく、何ら床
材の盛り上り印刷層を損なうことはなく、常に美しい外
観が保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案床材の断面図、第２図は床材の一部切欠
いた斜視図であり、３、４は盛り上り印刷層、５は透明
樹脂層、６は透明性無機粒状体、７は紫外線硬化樹脂
層、８は本考案床材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軟質裏打ち材上の可撓性基材上に盛り上り
   印刷層が凹凸模様状に形成され、該模様層上に凹凸模様
   と同調する透明樹脂層が形成され、さらに該透明樹脂層
   上にアルミナ粒状体透明性無機粒状体を含有する20〜30
   0μ厚の紫外線硬化透明樹脂層を有することを特徴とす
   る可撓性を有する床材。