JPH0592336A - 長尺の被加工物のクランプ装置 - Google Patents

長尺の被加工物のクランプ装置

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JPH0592336A
JPH0592336A JP27722091A JP27722091A JPH0592336A JP H0592336 A JPH0592336 A JP H0592336A JP 27722091 A JP27722091 A JP 27722091A JP 27722091 A JP27722091 A JP 27722091A JP H0592336 A JPH0592336 A JP H0592336A
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Kazunori Hatanaka
一憲 畠中
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Hino Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工機械の加工範囲を大幅に超える長尺の
被加工物を複数の加工区画に分割し該被加工物を送り方
向に配設した複数の位置決め装置と順次係合させて送り
方向の位置決めを行うと共に加工区画内の長尺の被加工
物を送り方向と直交する2つの基準面に押圧して位置決
めして加工し、加工機械の加工範囲を大幅に超える長尺
物であっても極めて高精度に加工できるようにする。 【構成】 位置決め装置を被加工物の送り方向に複数配
設し、該位置決め装置を無端のチェーンコンベアによっ
て搬送される被加工物の先端部に装着された位置決め治
具に順次係合させて送り方向の位置決めを行うと共に、
加工区画内の長尺の被加工物を送り方向と直交する2つ
の基準面に押圧して位置決めしながら1加工区画ごとに
順次加工するように構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺の被加工物のクラ
ンプ装置に係り、特に加工機械の加工範囲を大幅に超え
る長尺の被加工物を複数の加工区画に分割し搬送しなが
ら順次1加工区画ずつ加工するようにし、該被加工物を
送り方向に配設した複数の位置決め装置と順次係合させ
て送り方向の位置決めを行うと共に加工区画内の長尺の
被加工物を送り方向と直交する2つの基準面に押圧して
位置決めを行いながら加工することにより、加工機械の
加工範囲を大幅に超える長尺物であっても極めて高精度
に加工できるようにし、複数の分割型治具を不要化して
大幅な省力化を図った、車輛のシャシフレーム等の加工
に好適な長尺の被加工物のクランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車輛、特にトラック等の大型車輛のシャ
シフレーム等の長尺の被加工物は、加工機械の加工範囲
を大幅に、例えば6倍から12倍も超える長さがあるの
で、小型部品のように一度の加工治具への取付けだけで
加工することはできない。
【0003】そこで従来、該長尺の被加工物の加工は、
ローラコンベアに沿って複数台の単軸ボール盤を配設
し、該単軸ボール盤に装着した分割型治具のガイドブッ
シュでドリル等の刃具を案内しながら穴あけ加工を行
い、加工後ローラコンベア上を被加工物を手送りして搬
送していた。
【0004】しかし、該従来の加工方法によると、被加
工物の種類が変更になる都度、分割型治具を組み立て直
さなければならず、また該分割型治具は、被加工物が大
きくなればなるほど大きく、また重くなり、組み立て作
業が作業者の大きな負担となるばかりでなく、作業効率
を低下させる原因ともなっていた。また重量の大きい被
加工物をローラコンベア上で手動により位置決めしなが
ら送るのは、大変な作業であり、加工精度にも作業者の
疲労によってバラツキが生ずるという欠点があった。
【0005】更には、長尺の被加工物は、独立した複数
台の単軸ボール盤ごとに装着された分割型治具にセット
され、複数回に分割されて加工されるので、各単軸ボー
ル盤の設置位置の誤差がそのまま被加工物の加工位置の
精度に影響を及ぼし、加工精度をある程度以上向上させ
ることが困難であるという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、長尺の被加工物をマシニングセン
タ等の加工機械で加工可能な範囲で複数の加工区画に分
割し、1加工区画ごとに順次加工を行うことにより比較
的小さな加工範囲の加工機械1台により被加工物の全加
工箇所を加工できるようにすることであり、またこれに
よって複数の分割型治具を不要とし、作業者の負担を軽
減すると共に作業者の人数の削減を可能として大幅な省
力化を図ることである。
【0007】また他の目的は、位置決め装置を被加工物
の送り方向に複数配設し、該位置決め装置を無端のチェ
ーンコンベアによって搬送される被加工物の先端部に装
着された位置決め治具に順次係合させて送り方向の位置
決めを行うと共に、加工区画内の長尺の被加工物を送り
方向と直交する2つの基準面にクランプ装置で押圧して
位置決めしながら1加工区画ごとに順次加工することに
より、加工機械の加工範囲を大幅に超える長尺物であっ
ても、被加工物を搬送するチェーンコンベアの伸縮に関
係なく極めて高精度な加工を可能とし、加工品質を向上
させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】要するに本発明は、複数
の加工区画に分割し順次1加工区画ずつ搬送しながら加
工する長尺の被加工物の先端部に該被加工物との相対的
位置が決められて装着可能とされた位置決め治具を前記
被加工物の加工機械の加工範囲の送り方向距離よりも小
さい距離間隔ごとに前記被加工物の送り方向に配設した
複数の位置決め装置に順次係合して前記被加工物の送り
方向の位置決めを行う送り方向位置決め装置と、前記加
工区画内の前記被加工物を前記送り方向と互いに直交す
る水平基準台及び垂直基準台に押圧することにより位置
決めする複数のクランプ機構とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0009】
【実施例】以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明
する。図1及び図2において、本発明に係る長尺の被加
工物のクランプ装置30は、送り方向位置決め装置4
と、クランプ機構26とを備えている。
【0010】まず長尺の被加工物の加工装置1の基本構
成を図1により説明すると、加工機械2は、例えば、大
型車輛のシャシフレーム等の長尺の被加工物6に穴あけ
加工等の加工を行うためのものであって、3方向からの
加工が同時にできるように前後方向及び上方に配設され
た図示しないモータによって回転駆動されるスピンドル
軸8にドリル9が装着された公知のマシニングセンタで
あり、該スピンドル軸8は、図中仮想線10で示す被加
工物6の送り方向寸法約1050mmの範囲内で互いに
独立して移動し、被加工物6の該加工範囲内の任意の位
置に穴あけ加工ができるようになっている。
【0011】またスピンドル軸8には、図示しない刃具
供給装置によってエンドミル等の各種の刃具が供給さ
れ、ドリル9等を自動的に交換して各種の機械加工がで
きるようになっている。
【0012】位置決め治具3は、加工に先立って被加工
物6の送り方向の位置決めを行うためのものであって、
基部3aと位置決め部3bと被加工物積載部3cとが形
成されている。基部3aには、無端のチェーンコンベア
12がボルト(図示せず)によって固定されていて、該
チェーンコンベア12と共に移動するようになってい
る。
【0013】位置決め部3bは、両側面が例えば90°
の角度で凸形に形成されおり、位置決め装置4と係合し
て位置決めされるようになっている。被加工物積載部3
cは、位置決め部3bから上方に立ち上がった直方体形
状になっていて上面3dは、被加工物6を積載できるよ
うに平面が形成されている。
【0014】また上面3dには先端に面取り加工が施さ
れた基準ピン14が固定されており、該基準ピン14を
被加工物6に形成された位置決め穴6aに嵌合させて位
置決め治具3と被加工物6とを相対的に位置決めしなが
ら被加工物積載部3cに積載するようになっている。
【0015】位置決め治具3の下面3e及び上面は平行
であり、また下面3eから上面までの寸法は、例えばプ
ラスマイナス0.01mm程度の高い精度で加工されて
いて、位置決め治具3を、加工機械2の刃具9との位置
が調整されて固定された水平基準台17上に載せたと
き、被加工物6の高さ方向の位置決めが自動的になされ
るようになっている。
【0016】位置決め装置4は、位置決め治具3の位置
決め部3bと係合して被加工物6の位置決めをするため
のものであって、被加工物6の送り方向に加工機械2の
送り方向の加工範囲約1050mmよりも小さな距離、
例えば1000mmごとに被加工物6の両側方に1台ず
つ対向して複数台配設されている。
【0017】位置決め装置4の可動ブロック15は、基
台16に形成されたあり溝16aに嵌合し、前後方向に
摺動自在となっており、先端部15aは90°の角度で
凹形に形成され位置決め治具3の位置決め部3bと係合
して位置決め治具3を高精度に位置決めするようになっ
ている。
【0018】また可動ブロック15には、流体圧シリン
ダ18のピストンロッド19が固定されていて、図示し
ない圧力流体供給源から圧力流体を供給して作動させ、
可動ブロック15を位置決め治具3に向けて移動させて
位置決め部3bと係合させ、又は該係合を解除するよう
になっている。
【0019】搬送装置5は、被加工物6を搬送するため
のものであって、スプロケット20に巻き掛けられた無
端のチェーンコンベア12に複数の支持台21がボルト
13により固定されている。支持台21は、被加工物6
の送り方向に複数配設されたガイドローラ22上に配設
されていて、該支持台21上に積載された被加工物6を
図示しない駆動装置によりスプロケット20を回転させ
て滑らかに搬送するようになっている。支持台21の高
さ寸法は、位置決め治具3と同様に例えばプラスマイナ
ス0.01mm程度の高い精度で加工されていて、支持
台21を水平基準台17上に載せたとき、被加工物6の
高さ方向の位置決めがされるようになっている。
【0020】次に、本発明に係るクランプ装置30につ
いて説明すると、図1及び図2において、加工機械2の
加工部には流体圧シリンダ22のピストンロッド23を
伸縮させることによりピン24を回転中心として回動自
在とされたクランプ部材25を備えた4組のクランプ機
構26が配設されており、流体圧シリンダ22に圧力流
体を供給して作動させて加工範囲内の被加工物6を水平
基準台17に(矢印D方向)及び基台16に固定されて
いる垂直基準台28に(矢印E方向)押圧して水平及び
垂直方向に固定した後、ドリル9を矢印F方向に夫々移
動させて被加工物6を加工するようになっている。
【0021】本発明は、上記のように構成されており、
以下その作用について説明する。図1及び図2におい
て、被加工物の一例たる長さ約13mの車輛のシャシフ
レーム6を加工する場合について説明すると、前工程で
加工されたシャシフレーム6の位置決め穴6aに基準ピ
ン14を嵌合させて位置決め治具3とシャシフレーム6
とを相対的に位置決めし、搬送装置5の支持台21上に
積載する。
【0022】そして図示しない駆動装置によりスプロケ
ット20を回転させ、無端のチェーンコンベア12を移
動させて支持台21上に積載したシャシフレーム6を位
置決め治具3が第1の位置決め装置4に対向する位置ま
で搬送する。次いで第1の位置決め装置4の一対の流体
圧シリンダ18に図示しない圧力流体供給源から圧力流
体を供給し、可動ブロック15を位置決め治具3に向け
て移動させて凹形に形成された先端部15aを位置決め
部3bの凸部に係合させてシャシフレーム6の搬送方向
の位置決めを行う。
【0023】ここで位置決め治具3は、位置決め部3b
の凸部と可動ブロック15の凹形の先端部15aとが係
合することにより係合前に多少相対的な位置が狂ってい
てもこれを修正して所定の位置に精度よく機械的に位置
決めされるので、チェーンコンベア12によるシャシフ
レーム6の搬送精度は、位置決め部3bの凸部と可動ブ
ロック15の先端部15aとが対向する程度の位置で停
止させればよく、あまり精度を必要としない。
【0024】そして4組のクランプ機構26の流体圧シ
リンダ22を作動させクランプ部材25をピン24を回
転中心として回動させ加工区画内のシャシフレーム6を
水平基準台17及び垂直基準台28に夫々矢印D及びE
方向に押圧して水平及び垂直方向位置を固定する。次い
でドリル9等の刃具を自動的に交換しながら矢印F方向
に送り込み、1050mmの加工範囲内の加工を3方向
から同時に行って第1の加工区画内の加工が終了する。
【0025】次いで流体圧シリンダ18及び流体圧シリ
ンダ22を上記とは逆方向に作動させ、位置決め治具3
及びシャシフレーム6の固定を解除した後、再びチェー
ンコンベア12を作動させて、位置決め治具3及び支持
台21をガイドローラ22上で滑らかに移動させて第2
の位置決め装置4と対向する位置まで約1000mmシ
ャシフレーム6を位置決め治具3と共に移動させて停止
させる。
【0026】そして流体圧シリンダ18及び流体圧シリ
ンダ22を作動させ、シャシフレーム6を上記したと全
く同様に送り方向及びこれと直交する水平及び垂直方向
の位置決めをして固定し、第2の加工区画内の加工を行
う。
【0027】上記した如くシャシフレーム6を1加工区
画ごとに順次位置決め固定しながら加工し、長尺のシャ
シフレーム6を13の加工区画に分割して順次加工する
ことで、加工範囲1050mmの1台の加工機械2を用
いて該加工範囲の13倍もの長さのシャシフレーム6の
すべての部分を加工することができる。
【0028】またシャシフレーム6の位置決めは、位置
決め穴6aに基準ピン14が嵌合する位置決め治具3を
位置決め装置4で固定して行うので、複数の加工区画に
分割して加工するにもかかわらず、シャシフレーム6の
送り方向の加工基準は常に位置決め穴6aであり、チェ
ーンコンベア12の伸びや停止位置に関係なく高精度に
位置決めできる。
【0029】更に、シャシフレーム6の送り方向と直交
する水平及び垂直方向の位置決めは、本発明クランプ装
置30によりシャシフレーム6の加工区画内の部分を水
平基準台17及び垂直基準台28に押圧して位置決めす
るので、シャシフレーム6を極めて高精度に加工するこ
とができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、上記のように長尺の被加工物
をマシニングセンタ等の加工機械で加工可能な範囲で複
数の加工区画に分割し、1加工区画ごとに順次加工を行
うようにしたので、比較的小さな加工範囲の加工機械1
台により被加工物の全加工箇所を加工できる効果があ
り、またこの結果複数の分割型治具が不要となり、作業
者の負担を軽減できると共に、作業者の人数の削減が可
能となり、大幅な省力化を図ることができる効果があ
る。
【0031】また位置決め装置を被加工物の送り方向に
複数配設し、該位置決め装置を無端のチェーンコンベア
によって搬送される被加工物の先端部に装着された位置
決め治具に順次係合させて送り方向の位置決めを行うと
共に、加工区画内の長尺の被加工物を送り方向と直交す
る2つの基準面にクランプ装置で押圧して位置決めしな
がら1加工区画ごとに順次加工するようにしたので、加
工機械の加工範囲を大幅に超える長尺物であっても、被
加工物を搬送するチェーンコンベアの伸縮に関係なく極
めて高精度な加工が可能となり、加工品質を向上させる
ことができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】長尺の被加工物のクランプ装置を含む加工装置
の全体斜視図である。
【図2】加工区画内におけるクランプ装置の作動状態を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 加工機械 3 位置決め治具 4 位置決め装置 6 長尺の被加工物の一例たるシャシフレーム 17 水平基準台 26 クランプ機構 28 垂直基準台 30 長尺の被加工物のクランプ装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項】 複数の加工区画に分割し順次1加工区画ず
    つ搬送しながら加工する長尺の被加工物の先端部に該被
    加工物との相対的位置が決められて装着可能とされた位
    置決め治具を前記被加工物の加工機械の加工範囲の送り
    方向距離よりも小さい距離間隔ごとに前記被加工物の送
    り方向に配設した複数の位置決め装置に順次係合して前
    記被加工物の送り方向の位置決めを行う送り方向位置決
    め装置と、前記加工区画内の前記被加工物を前記送り方
    向と互いに直交する水平基準台及び垂直基準台に押圧す
    ることにより位置決めする複数のクランプ機構とを備え
    たことを特徴とする長尺の被加工物のクランプ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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