JPH059216A - ポリオレフインの製造方法 - Google Patents

ポリオレフインの製造方法

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JPH059216A
JPH059216A JP3188281A JP18828191A JPH059216A JP H059216 A JPH059216 A JP H059216A JP 3188281 A JP3188281 A JP 3188281A JP 18828191 A JP18828191 A JP 18828191A JP H059216 A JPH059216 A JP H059216A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)成分として、(I)金属マグネシウムと
水酸化有機化合物及びマグネシウムの酸素含有有機化合
物からなる群より選ばれた少なくとも1員、(II)ジ
ルコニウムの酸素含有有機化合物およびハロゲン含有化
合物から選ばれた少なくとも1種以上のジルコニウム化
合物、(III)ポリシロキサンおよびシラン類から選
ばれた少なくとも1種以上のケイ素化合物とを含有する
均一溶液に、(IV)少なくとも1種以上のハロゲン化
有機アルミニウムを反応させ得られた固体成分を単離
し、更に該固体成分に(V)少なくとも1種以上のチタ
ンのハロゲン含有化合物を反応させて得られる固体触媒
成分、(B)成分として、有機アルミニウム化合物から
選ばれた少なくとも1種以上とからなる触媒系を用いる
ポリオレフィンの製造方法。 【効果】高活性を維持しつつ、粒子形状が良好で、分子
量分布が制御された重合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィンの製造
方法に関するものである。さらに詳しくは、少なくとも
1種のオレフィンの重合に際し、高活性を維持しつつ、
粒子形状が良好で、分子量分布が制御された重合体を得
ることができるポリオレフィンの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの低圧重合に遷移金属化合物
および有機金属化合物からなる触媒系を用いることはす
でに知られている。また、高活性型触媒として、近年で
は、マグネシウム、チタン、ハロゲンを主成分とする固
体触媒成分の製造について数多くの提案がなされてい
る。
【0003】しかしながら、より高い生産性を得るため
には、単に高い活性であるのみでなく、重合体粒子の粒
度、嵩密度などの向上を図ることが工業上極めて重要で
ある。同時に、品質の多様化に応じ、生成重合体の分子
量分布を任意に制御することも要請されているのが現状
である。
【0004】本発明者らは、すでに特公昭52−397
14号において、金属マグネシウム、水酸化有機化合
物、遷移金属の有機酸素化化合物、遷移金属のハロゲン
含有化合物およびアルミニウムハロゲン化物の反応生成
物と有機金属化合物とからなる触媒系を使用することに
より、高活性を維持しつつ任意の分子量分布を有するポ
リオレフィンを製造し得る重合方法を提示したが、重合
体粒子の粒度、嵩密度などの粒体特性の改良の点ではい
まだ不十分であった。
【0005】ところで重合を実施する際に、通常起こる
重大な問題は反応器が汚れること(反応器の内部表面上
に固体重合体が沈積すること)であり、しばしば重合操
作を中止して、その汚れを除去することが必要であっ
た。特に、中空、押出銘柄などの広い分子量分布を有す
る樹脂を生産する際にその頻度が高い。
【0006】一方、粒度分布が広いと、ポリオレフィン
を製造する際、重合、重合体スラリーからの粒子分離、
粉体乾燥、粉体移送などの工程で諸々のトラブルを引き
起こし、時には長期にわたる連続生産が不可能になった
りする。また、多段重合によって重合体を得る場合、重
合体粒子の粒度分布が広いと、乾燥工程以降の添加剤配
合段階や輸送段階において粉体の分級が起き易く、粒径
毎に物性が異なるため品質上に及ぼす悪影響も無視でき
ないときがある。また、気相重合においては、粉体特性
が悪いと重合器内での重合体粒子のブロッキング等が起
こり、生産性の面から粉体特性が特に重要である。
【0007】そこで、本発明者らは、上記の欠点を改善
または解消する方法について、既に特公昭62−486
82で提案している。そこでは金属マグネシウムと水酸
化有機化合物、またはマグネシウムの酸素含有有機化合
物およびハロゲン含有化合物と、チタンの酸素含有有機
化合物およびハロゲン含有化合物、ジルコニウムの酸素
含有有機化合物およびハロゲン含有化合物、ケイ素化合
物、およびハロゲン化アルミニウム化合物を反応させ得
られる固体触媒成分(A)と、有機金属化合物の触媒成
分(B)とから成る触媒系が使用されている。しかし、
この方法では、粒度分布の改善までには至らなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高活
性を維持しつつ、粒子形状が良好で分子量分布が制御さ
れた重合体を得ることができるポリオレフィンの製造方
法を提供することにある
【0009】。
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、オ
レフィンの重合を新規な触媒系の存在下実施することに
より、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明は、遷移金属化合物およ
び有機金属化合物からなる触媒の存在下、ポリオレフィ
ンを製造するにあたって、 (A)成分として、(I) 金属マグネシウムと水酸化
有機化合物及びマグネシウムの酸素含有有機化合物から
なる群より選ばれた少なくとも1員、(II) ジルコ
ニウムの酸素含有有機化合物およびハロゲン含有化合物
から選ばれた少なくとも1種以上のジルコニウム化合
物、(III) ポリシロキサンおよびシラン類から選
ばれた少なくとも1種以上のケイ素化合物とを含有する
均一溶液に、(IV) 少なくとも1種以上のハロゲン
化有機アルミニウムを反応させ得られた固体成分を単離
し、更に該固体成分に(V) 少なくとも1種以上のチ
タンのハロゲン含有化合物を反応させて得られる固体触
媒成分、 (B)成分として、有機アルミニウム化合物から選ばれ
た少なくとも1種以上とからなる触媒系を用いることを
特徴とするポリオレフィンの製造方法にある。
【0011】
【作用】本発明において使用される反応剤である前記
(I)の金属マグネシウムと水酸化有機化合物あるいは
マグネシウムの酸素含有有機化合物としては、以下のも
のがあげられる。
【0012】まず、金属マグネシウムと水酸化有機化合
物とを使用する場合において、金属マグネシウムとして
は各種の形状、すなわち粉末、粒子、箔またはリボンな
どのいずれの形状のものも使用でき、また水酸化有機化
合物としては、アルコール類、有機シラノール、フェノ
ール類が適している。
【0013】アルコール類としては、1〜18個の炭素
原子を有する、直鎖または分岐鎖脂肪族アルコール、脂
環式アルコールが使用できる。例としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノー
ル、n−ブタノール、i−ブタノール、n−ヘキサノー
ル、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、n−
ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘ
キサノール、エチレングリコールなどがあげられる。
【0014】また、有機シラノールとしては、少なくと
も1個のヒドロキシル基を有し、かつ有機基は1〜12
個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する
アルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、
アリール基、およびアルキルアリール基から選ばれる。
例えばトリメチルシラノール、トリエチルシラノール、
トリフェニルシラノール、t−ブチルジメチルシラノー
ルなどをあげることができる。
【0015】さらに、フェノール類としてはフェノー
ル、クレゾール、キシレノール、ハイドロキノンなどが
あげられる。
【0016】これらの水酸化有機化合物は、単独または
2種類以上の混合物として使用される。
【0017】加うるに、金属マグネシウムを使用して本
発明で述べる成分(A)の固体触媒成分を得る場合、反
応を促進する目的から、金属マグネシウムと反応した
り、付加化合物を生成したりするような物質、例えばヨ
ウ素、塩化第2水銀、ハロゲン化アルキル、有機酸エス
テルおよび有機酸などのような極性物質を、単独または
2種以上添加することが好ましい。
【0018】次に、マグネシウムの酸素含有有機化合物
に属する化合物としては、マグネシウムアルコキシド
類、例えばメチレート、エチレート、イソプロピレー
ト、デカレート、メトキシエチレート、およびシクロヘ
キサノレート等、マグネシウムアルキルアルコキシド
類、例えばエチルエチレート等、マグネシウムヒドロア
ルコキシド類、例えばヒドロキシメチレート等、マグネ
シウムフェノキシド類、例えばフェネート、ナフテネー
ト、フェナンスレネートおよびクレゾレート等、マグネ
シウムカルボキシレート類、例えばアセテート、ステア
レート、ベンゾエート、フェニルアセテート、アジペー
ト、セバケート、フタレート、アクリレートおよびオレ
エート等をあげることができる。
【0019】更に酸素含有有機マグネシウム化合物でか
つ窒素を含有するもの、すなわち、マグネシウム−酸素
−窒素−有機基結合をこの順序で有する化合物、例えば
オキシメート類、特にブチルオキシメート、ジメチルグ
リオキシメートおよびシクロヘキシルオキシメート等、
ヒドロキサム酸塩類、ヒドロキシルアミン塩類、特にN
−ニトロソ−N−フェニル−ヒドロキシルアミン誘導体
等も使用することができる。
【0020】又、マグネシウムキレート類すなわちマグ
ネシウムが少なくとも1個のマグネシウム−酸素−有機
基結合をこの順序で有し、さらに少なくとも1個の配位
子結合を有しマグネシウム含有複素環を形成する酸素含
有有機化合物、例えばエノレート類、特にアセチルアセ
トネート、及び例えばヒドロキシ基に対しオルト位また
はメタ位に電子供与基を有するフェノール誘導体から得
られる錯体類、特に8−ヒドロキシキノリネートも使用
可能である。
【0021】更に、マグネシウムシラノレート類、すな
わち、マグネシウム−酸素−ケイ素−炭化水素基結合を
この順序で含有する化合物、例えばトリフェニルシラノ
レートなどもあげられる。
【0022】もちろん、この一連の酸素含有有機化合物
は、また次のような化合物も包含する。すなわち、いく
つかの異なる有機基を含有する化合物、例えばマグネシ
ウムメトキシエチレート、マグネシウムと他の金属との
錯アルコキシド類およびフェノキシド類、例えばMg
〔Al(OCおよびMg〔Al(OC
をも包含する。
【0023】これら酸素含有有機マグネシウム化合物は
単独で、もしくは2種類以上の混合物として使用され
る。
【0024】前記(II)の反応剤であるジルコニウム
の酸素含有有機化合物およびハロゲン含有化合物として
は次のものがあげられる。
【0025】ジルコニウムの酸素含有有機化合物として
は、一般式〔ZrO(OR で表され
る化合物などが使用される。ただし、該一般式におい
て、Rは炭素数1〜20、好ましくは1〜10の直鎖
または分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリール
アルキル基、アリール基、アルキルアリール基などの炭
化水素を表し、Xはハロゲン原子を示し、F、Cl、
Br、またはIである。a、bおよびcは、a≧0でb
>0、4>c≧0でジルコニウムの原子価と相容れるよ
うな数であり、nは整数である。なかんずく、aが0≦
a≦1でnが1≦n≦6であるような酸素含有有機化合
物を使うことが望ましい。
【0026】具体的な例としては、Zr(OC
、Zr(O−n−C、Zr(O−i−C
、Zr(O−n−C、ZrO(O
−i−C、Zr(OCH)〔OC(C
、Zr〔OZr(OCなど
をあげることができる。また、幾つかの異なる炭化水素
基を含む酸素含有有機化合物の使用も本発明の範囲に入
る。
【0027】これらのジルコニウムの酸素含有有機化合
物は単独でもしくは2種以上の混合物として使用され
る。
【0028】また、ジルコニウムのハロゲン含有化合物
としては、ハライド類、例えばZrF、ZrCl
等、オキシハライド類、例えばZrOF、ZrOC
等、あるいは、ハロゲノアルコキシド類、例えばZ
r(O−n−C)Cl、Zr(O−n−C
Cl、Zr(OCCl、Zr(O−
i−C)Cl、Zr(O−n−C)Cl
などがあげられる。また、幾つかの異なった有機基を
含むジルコニウムのハロゲン含有化合物も本発明の範囲
内に入る。
【0029】これらは単独で、もしくは2種以上の混合
物として使用される。
【0030】前記(III)のケイ素化合物としては、
次に示すポリシロキサンおよびシラン類が用いられる。
【0031】ポリシロキサンとしては、一般式 −(Si(R)(R)−O−)− (式中、RおよびRは炭素数1〜12のアルキル
基、アルール基などの炭化水素基、水素、ハロゲン、炭
素数1〜12のアルコキシ基、アリロキシ基、脂肪酸残
基などのケイ素に結合しうる原子または残基を表わし、
およびRは同種、異種のいずれでもよく、lは通
常2〜10000の整数を表す)で表される繰り返し単
位の1種または2種以上を、分子内に種々の比率、分布
で有している鎖状、環状あるいは三次元構造を有するシ
ロキサン重合物(ただし、すべてのRおよびRが、
水素あるいはハロゲンである場合は除く)などがあげら
れる。
【0032】具体的には、鎖状ポリシロキサンとして
は、例えばヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルト
リシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリ
シロキサン、メチルエチルポリシロキサン、メチルヒド
ロポリシロキサン、エチルヒドロポリシロキサン、ブチ
ルヒドロポリシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサ
ン、オクタフェニルトリシロキサン、ジフェニルポリシ
ロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン、メチルフェ
ニルポリシロキサン、1,5−ジクロルヘキサメチルト
リシロキサン、1,7−ジクロルオクタメチルテトラシ
ロキサン、ジメトキシポリシロキサン、ジエトキシポリ
シロキサン、ジフェノキシポリシロキサンなどがあげら
れる。
【0033】環状ポリシロキサンとしては、例えばヘキ
サメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、
2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,
4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ト
リフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラフ
ェニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサフ
ェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテ
トラシロキサンなどがあげられる。
【0034】三次元構造を有するポリシロキサンとして
は、例えば上記の鎖状または環状のポリシロキサンを加
熱などにより架橋構造を持つようにしたものなどをあげ
ることができる。
【0035】これらのポリシロキサンは、取扱上液状で
あることが望ましく、25℃における粘度が1〜100
00センチストークス、好ましくは1〜1000センチ
ストークスの範囲であることが望ましい。しかし、液状
に限る必要はなく、シリコングリースと総括的に呼ばれ
るような固形物であってもさしつかえない。
【0036】シラン類としては、例えば一般式HSi
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキ
ル基、アリール基などの炭化水素基、炭素数1〜12の
アルコキシ基、アリロキシ基、脂肪酸残基などのケイ素
に結合しうる原子または残基を表わし、各Rは異種ま
たは同種であってもよく、Xは互いに異種または同種
のハロゲンを示し、F、Cl、BrまたはIである。
r、tおよびuは0以上の整数、sは自然数である)で
表されるケイ素化合物があげられる。
【0037】具体的には、例えばトリメチルフェニルシ
ラン、アリルトリメチルシランなどのシラン炭化水素、
ヘキサメチルジシラン、オクタフェニルシクロテトラシ
ランなどの鎖状および環状の有機シラン、メチルシラ
ン、ジメチルシラン、トリメチルシランなどの有機シラ
ン、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素などのハロゲン化ケイ
素、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラ
ン、n−ブチルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロ
シラン、トリエチルフルオロシラン、ジメチルジブロモ
シランなどのアルキルおよびアリールハロゲノシラン、
トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラ
ン、テトラメチルジエトキシジシラン、ジメチルテトラ
エトキシジシランなどのアルコキシシラン、ジクロロジ
エトキシシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリブロ
モエトキシシランなどのハロアルコキシおよびフェノキ
シシラン、トリメチルアセトキシシラン、ジエチルジア
セトキシシラン、エチルトリアセトキシシランなどの脂
肪酸残基を含むシラン化合物などがあげられる。
【0038】上記の有機ケイ素化合物は単独で用いても
よく、また2種以上を混合あるいは反応させて使用する
こともできる。
【0039】前記(IV)の反応剤であるハロゲン化有
機アルミニウム化合物としては、一般式AlR
3−kで示されるものを使用することができる。ただ
し、該一般式においてRは1〜20個の、好ましくは
1〜6個の炭素原子を含む炭化水素基であり、Xはハ
ロゲンを示し、F、Cl、BrまたはIである。kは0
<k<3の数である。好ましくはRは直鎖または分岐
鎖アルキル、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリー
ルアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基か
ら選ばれる。
【0040】上記ハロゲン化アルミニウム化合物は、単
独で、または2種以上の混合物として使用することがで
きる。
【0041】前記(IV)のハロゲン化有機アルミニウ
ム化合物の具体例としては、例えばエチルアルミニウム
ジクロライド、n−プロピルアルミニウムジクロライ
ド、n−ブチルアルミニウムジクロライド、i−ブチル
アルミニウムジクロライド、セスキエチルアルミニウム
クロライド、セスキ−i−ブチルアルミニウムクロライ
ド、セスキ−i−プロピルアルミニウムクロライド、セ
スキ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジエチル
アルミニウムクロライド、ジ−i−プロピルアルミニウ
ムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライ
ド、ジ−i−ブチルアルミニウムクロライド、ジエチル
アルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオ
ダイドなどがあげられる。
【0042】前記(V)の反応剤であるチタンのハロゲ
ン含有化合物としては、一般式Ti(OR
4−jで示されるチタン化合物などが用いられる。ただ
し、該一般式においてRは1〜20個、好ましくは1
〜10個の直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリールアルキル基、アリール基、アルキルアリ
ール基などの炭化水素基を表し、jは0≦j<4なる数
を表す。Xはハロゲン原子を示し、F、Cl、Br、
またはIである。
【0043】具体的な例としては、例えば、四塩化チタ
ン、三塩化エトキシチタン、三塩化プロポキシチタン、
三塩化ブトキシチタン、三塩化フェノキシチタン、二塩
化ジエトキシチタン、塩化トリエトキシチタンなどがあ
げられる。いくつかの異なる炭化水素基を含むハロゲン
含有化合物を使用することも可能である。また、これら
チタンのハロゲン含有化合物を単独で、もしくは2種以
上の混合物として使用してもよい。
【0044】本発明で用いられる反応剤(I)(II)
(III)(IV)(V)の使用量には、特に制限はな
いが、マグネシウム原子(I)とジルコニウム原子(I
I)のモル比は、1:0.01〜1:20、特に、1:
0.05〜1:5になるように使用量を選ぶことが好ま
しい。
【0045】マグネシウム原子(I)とケイ素原子(I
II)の比は、1:0.01〜1:20、好ましくは
1:0.05〜1:5になるように使用量を選ぶことが
好ましい。
【0046】マグネシウム原子とハロゲン化アルミニウ
ム化合物(IV)中のアルミニウム原子の比は、1:
0.1〜1:100、好ましくは1:1〜1:20の範
囲になるように反応剤の量を選ぶことが好ましい。
【0047】マグネシウム原子(I)とチタン原子
(V)中の金属原子の比は、1:0.01〜1:20、
好ましくは、1:0.1〜1:10の範囲になるように
反応剤の使用量を選ぶことが好ましい。この範囲をはず
れた場合、重合活性が低くなったり、製品が着色するな
どの問題を生ずることがある。
【0048】またこれら触媒調製反応は、液体媒体中で
行うことが好ましい。そのため、特にこれらの反応剤自
体が操作条件下で液状でない場合、または液状反応剤の
量が不十分な場合には、不活性有機溶媒の存在下で行う
ことができる。不活性有機溶媒としては、当該技術分野
で通常用いられるものはすべて使用できるが、脂肪族、
脂環族、または芳香族炭化水素類あるいはそのハロゲン
誘導体または、それらの混合物があげられ、例えばイソ
ブタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼンなどが好
ましく用いられる。 反応剤(I)、(II)および
(III)により均一溶液を得る際の反応条件は通常−
50〜300℃、好ましくは0〜200℃なる範囲の温
度で、0.5〜50時間、好ましくは1〜6時間、不活
性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行われる。さらに
反応剤(IV)の反応の際には一般に−50〜200
℃、好ましくは、−30〜100℃なる温度の範囲で、
0.2〜50時間、好ましくは0.5〜5時間、不活性
ガス雰囲気中で、または加圧下で行われる。
【0049】かくして得られる固体成分は、希釈剤とし
て使用される溶媒に不溶性の粒子であり、濾過または傾
斜法により、残存する未反応物および副生物を除去して
から、不活性溶媒で数回洗浄後、不活性溶媒中に懸濁し
て反応剤(V)と接触反応を行うことにより固体触媒成
分(A)となる。なお、反応剤(V)の反応は一般に−
50〜200℃、好ましくは、−30〜100℃なる温
度の範囲で、0.2〜50時間、好ましくは0.5〜5
時間、不活性ガス雰囲気中で、または加圧下で行われ
る。
【0050】固体触媒成分(A)は、そのまま使用して
も良いが、一般的には濾過または傾斜法により、残存す
る未反応物および副生物を除去してから、不活性溶媒で
数回洗浄後、不活性溶媒中に懸濁して使用することが好
ましい。また、洗浄後単離し、常圧または減圧下で加熱
して溶媒を除去したものも使用できる。
【0051】更に、この固体触媒成分(A)の使用にあ
たり、これを、不活性炭化水素溶媒中で固体触媒成分
(A)1g当り0.01〜50gのエチレン或いは炭素
数3以上のα−オレフィンと予備重合することが望まし
い。予備重合に用いるモノマーは、単独或いは2種以上
で用いることができ、2種以上予備重合する場合には、
逐次或いは同時に予備重合することができる。予備重合
においては、有機アルミニウム化合物を固体触媒成分
(A)中のチタン原子に対して0.1〜1000の割合
で用いるのが好ましい。また、電子供与性化合物を固体
触媒成分(A)中のチタン原子に対して0.01〜10
の割合で用いることもできる。
【0052】本発明において、触媒成分(B)として
は、有機アルミニウム化合物を使用する。触媒成分
(B)の有機基としては、アルキル基を代表としてあげ
ることができる。このアルキル基としては、直鎖または
分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基が用いられる。具
体的には、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ
−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニ
ウムなどがあげられる。なかんずく、直鎖または分岐鎖
の炭素数1〜10のアルキル基を有するトリアルキルア
ルミニウムの使用が好ましい。また炭素数1〜20のア
ルキル基を有するアルキルアルミニウムハライド、例え
ばセスキエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアル
ミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロラ
イドあるいはアルキルアルミニウムアルコキシド、例え
ばジエチルアルミニウムエトキシドなども使用できる。
【0053】これらの有機アルミニウム化合物は、単独
または2種類以上の混合物として使用される。
【0054】本発明の実施にあたり、固体触媒成分
(A)の使用量は、溶媒1l当たり、または反応器内容
積1l当たり、チタン原子0.001〜2.5ミリモル
に相当する量で使用することが好ましく、条件により一
層高い濃度で使用することもできる。
【0055】触媒成分(B)の有機アルミニウム化合物
は、溶媒1l当たり、または反応器内容積1l当たり、
0.02〜50ミリモル、好ましくは0.2〜5ミリモ
ルの濃度で使用する。
【0056】オレフィンあるいはオレフィンと他のα−
オレフィンの重合は液相中あるいは気相中で行う。重合
は実質上酸素や水などを絶った状態で不活性ガスの存在
下或いは不存在下において行われる。
【0057】重合を液相中で行う場合は、不活性溶媒を
用いることが好ましい。この不活性溶媒は、当該技術分
野で通常用いるものであればどれでも使用することがで
きるが、特に4〜20の炭素原子を有するアルカン、シ
クロアルカン、例えばイソブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサンなどが適当である。重合
を気相中で行う場合は、重合体の融点以下の温度で行
う。
【0058】重合工程において使用する反応器として
は、流動床型反応器、攪拌槽型反応器など当該技術分野
で通常用いられるものであれば適宜使用することができ
る。気相重合において流動床型反応器を用いる場合は、
ガス状のオレフィンおよび、必要に応じて不活性ガスを
該系に吹き込むことにより、該反応系を流動状態に保ち
ながら行われる。攪拌槽型反応器を用いる場合攪拌機と
しては、イカリ型攪拌機、スクリュー型攪拌機、リボン
型攪拌機など種々の型の攪拌機を用いることができる。
【0059】本発明の重合は、オレフィンの単独重合の
みならずオレフィンと他のα−オレフィンとの共重合も
含む。重合、および共重合に用いるα−オレフィンとし
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペ
ンテンあるいはこれらの混合物などがあげられる。ま
た、上記α−オレフィンの2種以上の混合物を使用して
共重合を行うこともできる。α−オレフィンの使用量
は、目的重合体の密度に合わせて選ぶことが必要であ
る。本発明による重合体の密度は0.890〜0.97
0g/cmの範囲で製造が可能である。
【0060】本発明の重合操作は通常の一つの重合条件
で行う1段重合のみならず、複数の重合条件下で行う多
段階重合において行うことができる。
【0061】本発明における重合条件は重合体の融点以
下の重合温度、例えば重合温度20〜100℃で、重合
圧力2〜50kg/cmGのスラリーもしくは気相法
の条件により行う。分子量は公知の手段、すなわち適当
量の水素を反応系内に存在させるなどの方法により調節
することができる。
【0062】
【発明の効果】発明の効果は、第1に重合体の粉体特性
が顕著な点にあり、スラリー重合は勿論のこと、気相重
合に特に適している。すなわち、本発明によれば、微細
粒子含量が少なく、さらに適度な大きさの平均粒径を有
する嵩密度の高い重合体を得ることができる。また、粒
度分布が極めて狭い重合体を得ることが特徴である。こ
の為、重合系内での重合体の分散性は良好である。これ
らのことは工業的に極めて大きな意義を有する。すなわ
ち、重合工程においては、重合装置内での付着物の生成
が阻止され、重合体の分離が容易となり、重合体の微細
粒子の系外への飛散が防止される。また、移送工程にお
いては、サイロ内でブリッジなどの発生がなく、移送の
トラブルが解消される。さらに、一定の品質を有するポ
リマーを提供することが可能となる。
【0063】本発明の第2の効果は、重合活性が極めて
高く、触媒除去を目的とする脱灰工程の不要な重合体が
得られることである。高活性であるため、製品の着色,
着臭などの心配がなく、ポリマーの精製も不要となり極
めて経済的である。
【0064】本発明の第3の効果は、触媒製造に用いる
反応剤の使用量、特に反応剤(II)のジルコニウム化
合物および反応剤(V)のチタン化合物の量比により重
合体の分子量分布を容易に制御できる点にある。これに
よって中空成型用、フィルム成型用に適した重合体を得
ることができ、成型品の表面性状も良好になる。
【0065】
【実施例】以下に本発明を実施例により示すが、本発明
はこれらの実施例によってなんら限定されるものではな
い。
【0066】なお、実施例および比較例において、HL
MI/MIは高負荷メルトインデックス(HLMI、J
IS K−6760に基づき、190℃、荷重21.6
Kgの条件下で測定したもの)とメルトインデックス
(MI、JIS K−6760に基づき、190℃、荷
重2.16Kgの条件下で測定したもの)との比であ
る。 活性は、固体触媒成分(A)1g当たりの重合体
生成量(g)を表わす。
【0067】重合体粒子の粒径分布の広狭は重合体粒子
を篩によって分級した結果を確率対数紙にプロットし、
近似した直線より公知の方法で幾何標準偏差を求め、そ
の常用対数(以下σという)で表わした。また、平均粒
径は前記の近似直線の重量積算値 50%に対する粒径
を読み取った値である。微細粒子含量は粒径が105μ
以下の微細粒子の割合を重量百分率で示す。
【0068】短鎖分岐度は、フーリエ変換赤外分光光度
計(FT−IR)により1378cm−1付近に現れる
メチル基に由来するピークより定量した。密度は、JI
SK−6760に従い測定した。
【0069】実施例1 (イ)[Mg−Zr均一溶液の調製]攪拌装置、還流冷
却器、滴下管、温度計を装備した3lのフラスコに、金
属マグネシウム粉末25g(1.03mol)を入れ、
これにヨウ素1.25g、n−ブタノール153.7g
(2.07mol)およびジルコニウムテトラブトキシ
ドの80%n−ブタノール溶液246.7g(ジルコニ
ウムテトラブトキシド0.51mol、n−ブタノール
0.67mol)を加えた後85℃まで昇温し、発生す
る水素ガスを排除しながら窒素シール下で2時間攪拌し
た。引き続き140℃まで昇温し、窒素シール下で2時
間反応を行った。次に110℃に冷却後、テトラメトキ
シシラン31.8g(0.21mol)とテトラエトキ
シシラン42.6g(0.20mol)を混合した溶液
を加えた後、140℃まで昇温し、窒素シール下で2時
間反応を行った。110℃に降温し、ヘキサン1750
mlを加え、マグネシウムとジルコニウムを含む均一溶
液(Mg−Zr溶液)を得た。(ロ)[固体触媒成分
(A)の調製] ついで、得られた均一溶液のMg換算0.066mol
を500mlフラスコに入れ、45℃にし、i−ブチル
アルミニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液152
ml(0.41mol)を2時間かけて加えた。すべて
を加えた後、昇温し、70℃まで上昇させ1時間攪拌を
行い固体成分を得た。固体成分にヘキサンを加え5回洗
浄を行った後、四塩化チタン26.5g(0.14mo
l)を加え、昇温し、70℃まで上昇させ1時間反応を
行った。生成物にヘキサンを加え7回洗浄を行い固体触
媒成分(A)を得た。 (ハ)[重合]内容積2lのステンレススチール製電磁
攪拌型反応器を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2lを
仕込み、内温を80℃に調節した。その後、触媒成分
(B)としてトリイソブチルアルミニウム0.285g
および固体触媒成分(A)31mgを順次添加した。反
応器内を窒素によって1kg/cmGに調整した後、
水素を13.3kg/cm加え、次いでオートクレー
ブ内圧が20.0kg/cmGになるように、連続的
にエチレンを加えながら1.5時間重合を行った。重合
終了後冷却し、未反応ガスを追い出してポリエチレンを
取り出し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
【0070】その結果、メルトインデックス0.16g
/10分、HLMI/MI102、嵩密度0.41g/
cmの性能を示すポリエチレン371gが得られた。
活性は11800g/g触媒に相当する。また平均粒径
は360μであり、微細粒子含量は0.8重量%、そし
てσは0.13であった。
【0071】実施例2 実施例1の(イ)において得られたMg−Zr均一溶液
のMg換算0.041molを500mlフラスコに入
れ、45℃にし、2−ブチルアルミニウムジクロライド
の50%ヘキサン溶液106ml(0.29mol)を
2時間かけて加えた。すべてを加えた後、昇温し、70
℃まで上昇させ1時間攪拌を行い固体触媒前駆体を得
た。固体成分にヘキサンを加え5回洗浄を行った後、四
塩化チタン16.4g(0.087mol)を加えた、
昇温し、70℃まで上昇させ1時間反応を行った。生成
物にヘキサンを加え7回洗浄を行い固体触媒成分(A)
を得た。この固体触媒成分(A)とトリイソブチルアル
ミニウムを用いて、実施例1の(ハ)と同様の条件でエ
チレンの重合を行った。結果を表1に示した。
【0072】比較例1 反応剤(IV)を反応させ固体成分を得た後に、洗浄を
行わずに、引き続き反応剤(V)を作用させ固体触媒成
分を調製した。すなわち、攪拌装置を備えた容量1.6
lのオートクレーブに、ジルコニウムテトラブトキシド
のn−ブタノール溶液56.1g(ジルコニウムテトラ
ブトキシド0.13mol)、マグネシウムジエトキシ
ド22.9g(0.2mol)、およびヘキサン200
mlを加えた後、120℃まで昇温し、窒素シール下で
2時間撹拌した。さらに、メチルフェニルポリシロキサ
ン(25℃における粘度100センチストークス)2
7.3g(ケイ素0.2グラム原子)を窒素で圧入した
後、120℃で1時間撹拌した。45℃に降温し、エチ
ルアルミニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液35
3mlを3時間かけて加えた。これを洗浄せずに、引き
続きTiCl15.1g(0.08mol)を加えた
後、60℃で1時間撹拌を行った。生成物にヘキサンを
加え、傾斜法で15回洗浄を行った。
【0073】エチレンの重合は、水素を17kg/cm
加え、全圧を25kg/cmGで行った以外は実施
例1の(ハ)と同様の条件で行った。結果を表1に示し
たが、粒度分布が広く、微細粒子の多いものであった。
【0074】実施例3 実施例1の(ロ)で得られた固体触媒成分(A)5.8
8gを400mlのヘキサンに懸濁し、トリエチルアル
ミニウム3.69gとジフェニルジメトキシシラン0.
23gを添加した。続いて、30℃で圧力を1〜2kg
/cmGに保ちながらプロピレンを供給し、プロピレ
ン58.8gを反応させて、固体触媒成分(A)をプロ
ピレンにて予備重合した。
【0075】内容積2lのステンレススチール製電磁攪
拌型反応器を十分窒素で置換し、200℃で30時間乾
燥した食塩200gを分散媒として入れ内温を80℃に
調節した。その後、触媒成分(B)としてトリイソブチ
ルアルミニウム0.51gおよび上述の固体触媒成分
(A)をプロピレンにて予備重合した触媒265mg
(固体触媒成分(A)を24mgを含む)を順次添加し
た。反応器内を窒素によって1kg/cmGに調整し
た後、水素を14.0kg/cm加え、次いでオート
クレーブ内圧が21.0kg/cmGになるように、
連続的にエチレンを加えながら1.5時間重合を行っ
た。重合終了後冷却し、未反応ガスを追い出して生成ポ
リマーと食塩の混合物を取り出した。この混合物を純水
で洗浄し食塩を溶解した後に乾燥し、ポリマーを得た。
【0076】その結果、メルトインデックス0.64g
/10分、HLMI/MIが89の重合体が93g得ら
れ、活性は3900g/g触媒に相当した。嵩密度は
0.44g/cm、平均粒径290μ、微細粒子含量
1.9%、σ0.14の結果を得た。
【0077】実施例4 内容積2lのステンレススチール製電磁攪拌型反応器を
十分窒素で置換し、200℃で30時間乾燥した食塩2
00gを分散媒として入れ内温を80℃に調節した。そ
の後、触媒成分(B)としてトリイソブチルアルミニウ
ム0.29gおよび実施例3で得られた固体触媒成分
(A)をプロピレンにて予備重合した触媒281mg
(固体触媒成分(A)を26mgを含む)を順次添加し
た。反応器内を窒素によって1kg/cmGに調整し
た後、水素を6.0kg/cm加え、次いで気相中の
ブテン−1/エチレン(モル比)を0.20になるよう
に調整しつつ、オートクレーブ内圧が21.0kg/c
Gになるように、連続的にエチレンおよびブテン−
1を加えながら1.5時間重合を行った。重合終了後冷
却し、未反応ガスを追い出して生成ポリマーと食塩の混
合物を取り出した。この混合物を純水で洗浄し食塩を溶
解した後に乾燥し、ポリマーを得た。
【0078】その結果、メルトインデックス0.51g
/10分、HLMI/MIが56の重合体が155g得
られ、活性は6100g/g触媒に相当した。嵩密度は
0.43g/cm、平均粒径400μ、微細粒子含量
0.5%、σ0.20の結果を得た。また、密度は0.
921g/cmで、エチル分岐数は1000C当たり
18.2個であった。
【0079】実施例5 (イ)[Mg−Zr均一溶液の調製]攪拌装置、還流冷
却器、滴下管、温度計を装備した3lのフラスコに、金
属マグネシウム粉末25g(1.03mol)を入れ、
これにヨウ素1.25g、n−ブタノール161.9g
(2.19mol)およびジルコニウムテトラブトキシ
ドの80%n−ブタノール溶液200.4g(ジルコニ
ウムテトラブトキシド0.42mol、n−ブタノール
0.52mol)を加えた後85℃まで昇温し、発生す
る水素ガスを排除しながら窒素シール下で2時間攪拌し
た。引き続き140℃まで昇温し、窒素シール下で2時
間反応を行った。次に110℃に冷却後、テトラメトキ
シシラン32.2g(0.21mol)とテトラエトキ
シシラン46.1g(0.22mol)を混合した溶液
を加えた後、140℃まで昇温し、窒素シール下で2時
間反応を行った。110℃に降温し、ヘキサン1750
mlを加え、マグネシウムとジルコニウムを含む均一溶
液(Mg−Zr溶液)を得た。(ロ)[固体触媒成分
(A)の調製] ついで、得られた均一溶液のMg換算0.051mol
を500mlフラスコに入れ、45℃にし、i−ブチル
アルミニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液104
ml(0.28mol)を2時間かけて加えた。すべて
を加えた後、昇温し、70℃まで上昇させ1時間攪拌を
行い固体成分を得た。固体成分にヘキサンを加え5回洗
浄を行った後、四塩化チタン19.7g(0.10mo
l)を加え、昇温し、70℃まで上昇させ1時間反応を
行った。生成物にヘキサンを加え7回洗浄を行い固体触
媒成分(A)を得た。 (ハ)[重合]固体触媒成分(A)とトリイソブチルア
ルミニウムを用いて実施例1の(ハ)と同様の条件でエ
チレンの重合を行った。結果を表1に示した。
【0080】実施例6 実施例1の(ロ)で得られた固体触媒成分(A)を実施
例3と同様の条件でプロピレンにて予備重合した。この
固体触媒成分(A)をプロピレンにて予備重合した触媒
とトリイソブチルアルミニウムを用いて実施例3と同様
の条件でエチレンの重合を行った。結果を表2に示し
た。
【0081】実施例7 実施例6で得られた固体触媒成分(A)をプロピレンに
て予備重合した触媒とトリイソブチルアルミニウムを用
いて実施例4と同様の条件でエチレン−ブテン−1の共
重合を行った。結果を表2に示した。
【0082】実施例8 攪拌装置、還流冷却器、滴下管、温度計を装備した3l
のフラスコに、金属マグネシウム粉末25g(1.03
mol)を入れ、これにヨウ素1.25g、n−ブタノ
ール115.0g(1.55mol)およびジルコニウ
ムテトラプロポキシドの70%プロパノール溶液23
4.5g(ジルコニウムテトラプロポキシド0.50m
ol、プロパノール1.17mol)を加えた後85℃
まで昇温し、発生する水素ガスを排除しながら窒素シー
ル下で2時間攪拌した。引き続き140℃まで昇温し、
窒素シール下で2時間反応を行った。次に110℃に冷
却後、テトラメトキシシラン31.8g(0.21mo
l)とテトラエトキシシラン42.6g(0.20mo
l)を混合した溶液を加えた後、140℃まで昇温し、
窒素シール下で2時間反応を行った。110℃に降温
し、ヘキサン1750mlを加え、マグネシウムとジル
コニウムを含む均一溶液(Mg−Zr溶液)を得た。
後の操作は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分
(A)を得た。この固体触媒成分(A)とトリイソブチ
ルアルミニウムを用いて、実施例1の(ハ)と同様の条
件でエチレンの重合を行った。結果を表1に示した。
【0083】実施例9〜10 固体触媒成分(A)の製造に用いる反応剤(III)の
化合物を変更して実施例1と同様の方法により固体触媒
成分(A)の調製を行った。すなわち、実施例9ではジ
メチルポリシロキサンを、実施例10ではメチルヒドロ
ポリシロキサンを用いて固体触媒成分(A)を調製し
た。これらの固体触媒成分(A)とトリイソブチルアル
ミニウムを用いて、実施例1と同様の条件でエチレンの
重合を行った。結果を表1に示した。
【0084】実施例11〜12 固体触媒成分(A)の製造に用いる反応剤(IV)の化
合物を変更して実施例1と同様の方法により固体触媒成
分(A)の調製を行った。すなわち、実施例11ではエ
チルアルミニウムジクロライドを、実施例12ではセス
キエチルアルミニウムクロライドを用いて固体触媒成分
(A)を調製した。これらの固体触媒成分(A)とトリ
イソブチルアルミニウムを用いて、実施例1と同様の条
件でエチレンの重合を行った。結果を表1に示した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における触媒調製図(フローチャート)
を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成3年7月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高活
性を維持しつつ、粒子形状が良好で分子量分布が制御さ
れた重合体を得ることができるポリオレフィンの製造方
法を提供することにある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、オ
レフィンの重合を新規な触媒系の存在下実施することに
より、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】実施例2 実施例1の(イ)において得られたMg−Zr均一溶液
のMg換算0.041molを500mlフラスコに入
れ、45℃にし、2−ブチルアルミニウムジクロライド
の50%ヘキサン溶液106ml(0.29mol)を
2時間かけて加えた。すべてを加えた後、昇温し、70
℃まで上昇させ1時間攪拌を行い固体成分を得た。固体
成分にヘキサンを加え5回洗浄を行った後、四塩化チタ
ン16.4g(0.087mol)を加えた、昇温し、
70℃まで上昇させ1時間反応を行った。生成物にヘキ
サンを加え7回洗浄を行い固体触媒成分(A)を得た。
この固体触媒成分(A)とトリイソブチルアルミニウム
を用いて、実施例1の(ハ)と同様の条件でエチレンの
重合を行った。結果を表1に示した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】実施例6 実施例5の(ロ)で得られた固体触媒成分(A)を実施
例3と同様の条件でプロピレンにて予備重合した。この
固体触媒成分(A)をプロピレンにて予備重合した触媒
とトリイソブチルアルミニウムを用いて実施例3と同様
の条件でエチレンの重合を行った。結果を表2に示し
た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】またこれら触媒調製反応は、液体媒体中で
行うことが好ましい。そのため、特にこれらの反応剤自
体が操作条件下で液状でない場合、または液状反応剤の
量が不十分な場合には、不活性有機溶媒の存在下で行う
ことができる。不活性有機溶媒としては、当該技術分野
で通常用いられるものはすべて使用できるが、脂肪族、
脂環族、または芳香族炭化水素類あるいはそのハロゲン
誘導体または、それらの混合物があげられ、例えばイソ
ブタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼンなどが好
ましく用いられる。反応剤(I)、(II)および(I
II)により均一溶液を得る際の反応条件は通常−50
〜300℃、好ましくは0〜200℃なる範囲の温度
で、0.5〜50時間、好ましくは1〜6時間、不活性
ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行われる。さらに反
応剤(IV)の反応の際には一般に−50〜200℃、
好ましくは、−30〜100℃なる温度の範囲で、0.
2〜50時間、好ましくは0.5〜5時間、不活性ガス
雰囲気中で、常圧または加圧下で行われる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】かくして得られる固体成分は、希釈剤とし
て使用される溶媒に不溶性の粒子であり、濾過または傾
斜法により、残存する未反応物および副生物を除去して
から、不活性溶媒で数回洗浄後、不活性溶媒中に懸濁し
て反応剤(V)と接触反応を行うことにより固体触媒成
分(A)となる。なお、反応剤(V)の反応は一般に−
50〜200℃、好ましくは、−30〜100℃なる温
度の範囲で、0.2〜50時間、好ましくは0.5〜5
時間、不活性ガス雰囲気中で、常圧または加圧下で行わ
れる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】実施例2 実施例1の(イ)において得られたMg−Zr均一溶液
のMg換算0.041molを500mlフラスコに入
れ、45℃にし、−ブチルアルミニウムジクロライド
の50%ヘキサン溶液106ml(0.29mol)を
2時間かけて加えた。すべてを加えた後、昇温し、70
℃まで上昇させ1時間攪拌を行い固体成分を得た。固体
成分にヘキサンを加え5回洗浄を行った後、四塩化チタ
ン16.4g(0.087mol)を加えた、昇温し、
70℃まで上昇させ1時間反応を行った。生成物にヘキ
サンを加え7回洗浄を行い固体触媒成分(A)を得た。
この固体触媒成分(A)とトリイソブチルアルミニウム
を用いて、実施例1の(ハ)と同様の条件でエチレンの
重合を行った。結果を表1に示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】遷移金属化合物および有機金属化合物から
    なる触媒の存在下、ポリオレフィンを製造するにあたっ
    て、 (A)成分として、 (I) 金属マグネシウムと水酸化有機化合物及びマグ
    ネシウムの酸素含有有機化合物からなる群より選ばれた
    少なくとも1員、 (II) ジルコニウムの酸素含有有機化合物およびハ
    ロゲン含有化合物から選ばれた少なくとも1種以上のジ
    ルコニウム化合物、 (III) ポリシロキサンおよびシラン類から選ばれ
    た少なくとも1種以上のケイ素化合物とを含有する均一
    溶液に、 (IV) 少なくとも1種以上のハロゲン化有機アルミ
    ニウムを反応させ得られた固体成分を単離し、更に該固
    体成分に (V) 少なくとも1種以上のチタンのハロゲン含有化
    合物を反応させて得られる固体触媒成分、 (B)成分として、有機アルミニウム化合物から選ばれ
    た少なくとも1種以上とからなる触媒系を用いることを
    特徴とするポリオレフィンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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