JP2002187910A - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィンの製造方法

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JP2002187910A JP2000393285A JP2000393285A JP2002187910A JP 2002187910 A JP2002187910 A JP 2002187910A JP 2000393285 A JP2000393285 A JP 2000393285A JP 2000393285 A JP2000393285 A JP 2000393285A JP 2002187910 A JP2002187910 A JP 2002187910A
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Makoto Sone
誠 曽根
Seiji Ito
政治 伊藤
Takashi Inatomi
敬 稲富
Yutaka Naito
豊 内藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒度分布が極めて狭く、かつ微細粒子含量が
少なく、大きな平均粒径を有する嵩密度の高いポリオレ
フィンを得る。 【解決手段】 (A)少なくともマグネシウム化合物、
チタン化合物、アルコールからなる溶液(a)とハロゲ
ン化アルミニウム化合物(b)を反応させて固体触媒成
分を析出させるに当り、上記溶液(a)の5vol%以
上に対し、鉛直線上の一定方向に流速0.5〜10m/
sの流れを連続的に与えながら反応させて得られた固体
触媒成分と、(B)有機アルミニウム化合物触媒成分と
からなる触媒系の存在下に、オレフィンの重合もしくは
共重合を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィンの重合
もしくは共重合を行うポリオレフィンの製造方法に関す
る。さらに詳しくは、従来公知の方法に比し、優れた粉
体特性を有するポリオレフィンを良好に生産できる製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの低圧重合において、遷移金
属化合物と有機金属化合物からなる触媒系を用いること
はすでに知られている。また、高活性型触媒として、無
機もしくは有機マグネシウム化合物と遷移金属化合物を
成分として含有する触媒系も知られている。
【0003】例えば、特公昭52−15110号公報に
は、エタノール、金属マグネシウムとチタンテトラアル
コラート、およびアルミニウムハロゲン化物を反応させ
て得られる触媒成分と有機金属化合物の助触媒成分とか
らなる触媒系が開示されている。
【0004】しかしながら、これら触媒系の活性は未だ
不十分なものであり、得られる重合体粒子は、平均粒径
が小さかったり粒度分布が広かったりして、重合体粒子
中に含まれる微細粒子の割合が多く、粉体特性の点にお
いても不十分なものであった。
【0005】上述のような欠点を有していると、ポリオ
レフィン中の触媒残渣が多く、着色や耐候性に劣るなど
の問題を生じたり、ポリオレフィンを製造する際に、粉
体移送、造粒などの工程で種々のトラブルを引き起こ
し、時には連続生産が不可能になったりする。また、ス
ラリー重合では重合体スラリ−からの粒子分離、粉体乾
燥が困難となり、気相重合では粉体により製造工程が閉
塞したりする。さらに、多段重合法によって重合体を得
る場合、重合体粒子の粒度分布が広いと、乾燥以降の添
加剤配合段階や輸送段階において粉体の分級が起き易
く、粒径毎に物性が異なるため、品質に及ぼす悪影響も
無視できないときがある。
【0006】そこで、上記触媒成分の原料にケイ素化合
物を加えて使用することにより、重合体の粒径を制御で
きることが特公昭62−58367号公報に開示されて
いるが、触媒活性および得られるポリオレフィンの粒度
分布の改善までには至らなかった。
【0007】さらに、特開平4−309505号公報に
は、チタンを含む固体成分にエチレンおよび/またはエ
チレン以外のα−オレフィンを接触・吸収させて得られ
る触媒を用いることで、ポリオレフィンの粒度分布・粒
径の改善を果たすことが開示されているが、粒度分布・
粒径のコントロールは依然困難であり、触媒活性の点で
も充分に目的を達成することができなかった。
【0008】一方、特開平5−1112号公報には、特
定の攪拌翼、攪拌条件を用いて制御された粒度分布・粒
径を有する触媒用担体原料を一端製造し、その担体を用
いることで、触媒形状およびそれを用いて得られるポリ
オレフィンの形状を制御する方法が開示されている。し
かし、この方法では触媒用担体原料を一端単離する必要
があり、触媒調整工程に乾燥・単離等の複雑な工程が必
要であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特公
昭52−15110号公報、特公昭62−58367号
公報、特開平4−309505号公報等に記載の触媒の
有する特性を損なうことなく、均質な溶液状態の触媒原
料から固体状触媒を析出させる工程を特定の還流条件下
で実施することで触媒の粒径・粒度分布を制御し、それ
を用いることで得られるポリオレフィンの粒径・粒度分
布を制御・改善することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】触媒の粒子形状に対する
課題を解決するため検討を行った結果、固体触媒成分
(A)を析出させるに当たり、特定の反応装置および/
または攪拌翼を用いて、特定の流速で鉛直線上の一定方
向へ循環する流れを持たせながら通常の攪拌を実施する
ことで、反応系中をより均質な状況に保つことができる
ことを見いだした。特に、固体析出反応の進行に伴って
反応溶液の粘度の上昇が見られる系、例えば、高粘度の
シリル化合物を反応系に共存させた場合などにおいて、
より効果的であることを見いだした。そして、そのよう
にして得られた粒径分度の狭い固体触媒成分は、従来の
触媒性能を損なうことなく、さらにポリオレフィンの粉
体特性を満足させることを見いだし、本発明を完成させ
るに至った。
【0011】すなわち本発明は、ポリオレフィンの製造
方法であって、(A)少なくともマグネシウム化合物、
チタン化合物、アルコールからなる溶液(a)とハロゲ
ン化アルミニウム化合物(b)を反応させて固体触媒成
分を析出させるに当り、上記溶液(a)の5vol%以
上に対し、鉛直線上の一定方向に流速0.5〜10m/
sの流れを連続的に与えながら反応させて得られた固体
触媒成分と、(B)有機アルミニウム化合物触媒成分と
からなる触媒系の存在下に、オレフィンの重合もしくは
共重合を行うことを特徴とするポリオレフィンの製造方
法に関する。
【0012】本発明において、目的の流速と鉛直線方向
の流れを反応溶液に与える方法としては、図1、図2に
示す循環ポンプと循環ラインを用いる外部循環の方法
と、図3に示すフルゾーン型の攪拌翼を用いる方法、さ
らにはループ型の反応器等を用いる方法を挙げることが
できる。
【0013】本発明において用いられる循環ポンプは、
通常、可燃物の移送等で工業的に用いられるものならい
ずれでも良く、所定の吐出量を維持できるものを用い
る。循環ラインは溶液(a)に対し5vol%以上の容
積を持ち、循環ライン中の液に対して鉛直線方向に0.
5〜10m/sの流速を与えることができる形状・揚水
能力であれば特に限定はない。反応槽の形状についても
特に限定はないが、槽内に生成した固体状の触媒が沈殿
することを防ぐため、パドル型、アンカー型またはフル
ゾーン型の攪拌翼を有するものが好ましく用いられる。
また、循環ラインの吐出口と抜き出し口は、反応槽の反
応溶液が均質に攪拌されるよう、いずれかを反応槽最下
部に設置することが好ましい。反応槽は、析出する反応
途中の固形物の予防、反応熱の除去および反応終了後の
固体触媒成分の回収を容易にする目的で、図4に示す槽
の高さをH、槽径をDとしたときのH/Dは大きい方が
好ましく、H/D>3.0が好ましく用いられる。ま
た、反応溶液の流れの大部分が鉛直線方向をとるよう
に、水平方向へ延ばす循環ラインは全ライン長の1/2
以下となるようにすることが好ましい。
【0014】本発明において用いられるフルゾーン型攪
拌翼は、反応槽中心部に設けられた攪拌軸に配設され、
かつ槽底部近くに位置するボトムパドル翼部とそれより
上部に位置する上部翼部とから構成される。上記攪拌翼
は、図3の反応槽1の中心部に設けられた攪拌軸10に
設置される。また、攪拌をより均質に行えるよう邪魔板
13を設置しても良い。攪拌軸10に設置される攪拌翼
のパドル部12は1枚でなくとも良く、複数枚を連ねた
構造でも良い。攪拌翼の上部攪拌翼は、下部のパドル部
と一体であっても良く、またパドル部と角度を持ってず
れていても良いが、図5に記載したような格子状あるい
は図6に記載したような多段状の形状を有するものが好
ましい。攪拌翼の翼径dと槽径Dの比は0.25<d/
D<0.9、好ましくは0.4<d/D<0.6の範囲
で用いられる。
【0015】本発明の調整方法によって得られる触媒は
粒径分布が良好で、攪拌の回転数により目的とする平均
粒子径を制御することができる。また、本発明の触媒粒
径分布の広狭は、レーザー回析式粒度分布測定装置によ
って測定した結果を確率対数紙にプロットし、近似した
直線より公知の方法で幾何標準偏差を求め、その常用対
数(以下、σという)で表わすとσ<0.20である。
【0016】また、本発明の触媒を用いてエチレン等の
オレフィン類の重合を行うと、粒径分布の良好な重合体
粒子を得ることができる。重合体粒子の粒径分布の広狭
は、重合体粒子を篩によって分級した結果を確率対数紙
にプロットし、近似した直線より公知の方法で幾何標準
偏差を求め、その常用対数(以下、σという)で表わす
とσ<0.20である。
【0017】また本発明において、触媒の調製に用いら
れる少なくともマグネシウム化合物、チタン化合物、ア
ルコールからなる溶液(a)は、例えば、特公昭52−
15110号公報、特公昭62−58367号公報、特
開平4−309505号公報などに記載のものを用いる
ことができる。より具体的には、例えば、金属マグネシ
ウムとアルコール、マグネシウム化合物から選ばれる少
なくとも1員とアルコキシル基を含有するチタン化合
物、場合によってはさらにケイ素化合物を用いて、以下
のように調製することで得ることができる。また、ここ
で溶液とは、上記の各成分が液体状態で均一となってい
るものを意味し、コロイド溶液を形成していても良い。
溶液から固体成分が析出するような場合は適当な温度を
加え、均一な状態にして用いる。好ましくは常温におい
て均一な液状またはコロイド溶液となるように調製す
る。
【0018】前記のマグネシウム化合物は、金属マグネ
シウムあるいは下記のマグネシウム化合物であり、金属
マグネシウムは各種の形状、すなわち粉末、粒子、箔ま
たはリボンなどのいずれの形状のものも使用でき、マグ
ネシウム化合物としては、マグネシウムアルコキシド
類、マグネシウムアルキルアルコキシド類、マグネシウ
ムヒドロアルコキシド類、マグネシウムフェノキシド
類、マグネシウムカルボキシレート類、マグネシウムと
他の金属との錯アルコキシド類、例えば、Mg[Al
(OC2542が挙げられる。これらのマグネシウム
化合物は、単独または2種類以上の混合物として使用さ
れる。
【0019】また、アルコールとしては、1〜18個の
炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖脂肪族アルコー
ル、脂環式アルコールまたは芳香族アルコールが使用で
きる。このアルコ−ルの例としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブ
タノール、i−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エ
チルヘキサノール、n−オクタノール、i−オクタノー
ル、n−ステアリルアルコール、シクロペンタノール、
シクロヘキサノール、エチレングリコールなどが挙げら
れる。これらのアルコールは、単独または2種類以上の
混合物として使用される。
【0020】ここで、金属マグネシウムを使用して本発
明で述べる溶液(a)を得る場合、反応を促進させる目
的から、マグネシウムと反応したり、付加化合物を生成
したりするような物質、例えば、ヨウ素、ハロゲン化ア
ルキル、有機酸エステルおよび有機酸などのような極性
物質を1種類以上添加することが好ましい。
【0021】前記のチタン化合物としては、一般式[T
iOa(OR1bmで表される化合物が使用される。た
だし、該一般式においてR1は炭素数1〜20、好まし
くは1〜10の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、シクロ
アルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびア
ルキルアリール基などの炭化水素基を表わし、aとbと
はa≧0、b>0でチタンの原子価と相容れるような数
を表わし、mは整数を表わす。なかんずく、aが0≦a
≦1、mが1≦m≦6であるようなチタン化合物を使う
ことが望ましい。具体的な例としては、チタンテトラエ
トキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテ
トラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシ
ド、ヘキサ−i−プロポキシジチタネートなどが挙げら
れる。また、いくつかの異なるアルコキシル基を有する
チタン化合物を使用しても良く、さらにこれらのチタン
化合物は単独または2種類以上の混合物として使用され
る。
【0022】ケイ素化合物としては、次に示すポリシロ
キサンおよびシラン類が用いられる。
【0023】鎖状ポリシロキサンとしては、例えば、ヘ
キサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサ
ン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサ
ン、メチルエチルポリシロキサン、メチルヒドロポリシ
ロキサン、エチルヒドロポリシロキサン、ブチルヒドロ
ポリシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン、オクタ
フェニルトリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、
フェニルヒドロポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、1,5−ジクロロヘキサメチルトリシロキサ
ン、1,7−ジクロロオクタメチルテトラシロキサン、
ジメトキシポリシロキサン、ジエトキシポリシロキサ
ン、ジフェノキシポリシロキサンなどが挙げられる。
【0024】また、環状ポリシロキサンとしては、例え
ば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチル
シクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロ
キサン、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサ
ン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキ
サン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、
テトラフェニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、
ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニル
シクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
【0025】さらに、三次元構造を有するポリシロキサ
ンとしては、例えば、上記の鎖状もしくは環状のポリシ
ロキサンを加熱などにより架橋構造を持つようにしたも
のなどを挙げることができる。
【0026】これらのポリシロキサンは、取扱上液状で
あることが望ましく、25℃における粘度が1〜100
00センチストークス、さらに1〜1000センチスト
ークスの範囲であることが望ましい。しかし、液状に限
る必要はなく、シリコングリースと総括的に呼ばれるよ
うな固形物であってもさしつかえない。
【0027】一方シラン類としては、一般式HqSir
2 st(式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、アリ
ール基等の炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ
基、アリーロキシ基、脂肪酸残基などのケイ素に結合し
うる基を表わし、各R4は互いに異種または同種であっ
ても良く、Xは互いに異種または同種のハロゲン原子を
示し、q,sおよびtは0以上の整数、rは自然数であ
ってq+s+t=2r+2または2rである)で示され
るケイ素化合物が挙げられる。
【0028】具体的には、例えば、トリメチルフェニル
シラン、ジメチルジフェニルシラン、アリルトリメチル
シラン、ヘキサメチルジシラン、オクタフェニルシクロ
テトラシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメ
チルシラン、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、ジメチルジ
クロロシラン、ジエチルジクロロシラン、n−ブチルト
リクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリエチ
ルフルオロシラン、ジメチルジブロモシラン、トリメチ
ルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、テトラメ
チルジエトキシジシラン、ジメチルテトラエトキシジシ
ラン、ジクロロジエトキシシラン、ジクロロジフェニル
シラン、トリブロモエトキシシラン、トリメチルアセト
キシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、エチルトリ
アセトキシシランなどのシラン化合物などが挙げられ
る。
【0029】このうちジメチルポリシロキサン、メチル
ヒドロポリシロキサンなどの鎖状ポリシロキサンや、メ
チルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシランなどのアルコキシシランなどが好まし
く用いられる。
【0030】上記の有機ケイ素化合物は単独で用いても
良く、また2種以上を混合あるいは反応させて使用する
こともできる。
【0031】本発明のマグネシウム化合物、チタン化合
物およびアルコールからなる溶液(a)を調製する場合
の金属マグネシウムとアルコール、およびマグネシウム
化合物から選ばれる少なくとも1員とチタン化合物と、
場合により用いるケイ素化合物の反応順序は、化学反応
を生じる限り任意の順序でかまわない。例えば、マグネ
シウム化合物にチタン化合物を加える方法、マグネシウ
ム化合物とチタン化合物の混合物にケイ素化合物を加え
る方法、マグネシウム化合物、チタン化合物およびケイ
素化合物を同時に混合する方法、マグネシウム化合物と
ケイ素化合物に、チタン化合物を加える方法等が挙げら
れる。
【0032】本発明において用いられる前記マグネシウ
ム化合物、チタン化合物および場合により用いるケイ素
化合物の反応剤の使用量は特に制限されないが、マグネ
シウムもしくはマグネシウム化合物中のMgのグラム原
子とチタン化合物中のTiのグラム原子との原子比は、
1/20≦Mg/Ti≦100であることが好ましく、
より好ましくは1/2≦Mg/Ti≦10である。この
範囲を外れてMg/Tiが大きすぎると、触媒調製の際
に均質なMg−Ti溶液を得ることが困難になったり、
重合の際に触媒の活性が低くなったりすることがあり、
逆に小さすぎても触媒の活性が低くなるため、製品が着
色するなどの問題を生ずるおそれがある。
【0033】前記のケイ素化合物を用いる場合、ケイ素
化合物中のSiのグラム原子と前記マグネシウムもしく
はマグネシウム化合物中のMgのグラム原子との原子比
は、1/20≦Mg/Si≦100が好ましく、さらに
好ましくは1/2≦Mg/Si≦10の範囲となる量が
選ばれる。この範囲を外れて小さすぎると触媒の活性が
低くなるおそれがある。
【0034】本発明では、前述により例示した方法など
により得た溶液(a)と、ハロゲン化アルミニウム化合
物(b)をハロゲン剤として反応させ、粒子を生成させ
ることで固体状触媒成分(A)を得るものである。
【0035】本発明において用いられるハロゲン化アル
ミニウム化合物としては、一般式R3 zAlX3-zで示さ
れるものが使用される。ただし、該一般式においてR3
は1〜20個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する
炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、zは
0<z<3の数、好ましくは0<z≦2の数を表わす。
また、R3は直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、シクロア
ルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびアル
キルアリール基から選ばれることが好ましい。
【0036】このハロゲン化アルミニウム化合物の具体
例としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチ
ルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロ
マイド、ジプロピルアルミニウムクロライド、エチルア
ルミニウムジクロライド、i−ブチルアルミニウムジク
ロライド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチ
ルアルミニウムセスキクロライド、i−ブチルアルミニ
ウムセスキクロリド、トリエチルアルミニウムと三塩化
アルミニウムの混合物などが挙げられる。
【0037】ハロゲン化アルミニウム化合物との反応に
より粒子を析出させる際に、単独または2種類以上のハ
ロゲン化アルミニウム化合物を混合物として使用するこ
とができる。本発明では特に触媒活性と粉体性状を良く
するために、ハロゲン化アルミニウム化合物の種類およ
び使用量を適切に選択しなければならない。また、好ま
しくは粒子を析出させる際に、溶液(a)中に含まれる
アルコキシル基のモル比に対するハロゲン化有機アルミ
ニウム化合物中のハロゲン原子のモル比(以下、X/O
Rという)が1以上20未満となるようにして処理をす
る。このようにしてハロゲン化を進めることで、本発明
において用いられる触媒が得られる。また、X/ORが
1未満あるいは20以上では重合活性が低い触媒しか得
られない。
【0038】以上の触媒調製は、触媒に対して不活性な
液体媒体中で行うことが好ましい。不活性有機溶媒とし
ては、当該技術分野で通常用いられるものはすべて使用
できるが、脂肪族、脂環族もしくは芳香族炭化水素類、
またはそれらのハロゲン誘導体、あるいはそれらの混合
物が挙げられ、例えば、イソブタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
モノクロロベンゼンなどが好ましく用いられる。
【0039】各段階の反応条件は特に限定的ではない
が、通常−50〜300℃、好ましくは0〜200℃な
る範囲の温度で、通常0.5〜50時間、好ましくは1
〜6時間、不活性ガス雰囲気中で、常圧または加圧下で
行われる。
【0040】かくして得た触媒は、残存する未反応物お
よび副生成物を除去することなく、または濾過や傾斜法
により除去してから重合反応に用いることができる。
【0041】また、この触媒は、そのまま懸濁状態で重
合に供することができるが、場合によっては溶媒から分
離しても良く、さらには常圧あるいは減圧下で加熱して
溶媒を除去し、乾燥した状態で使用することもできる。
【0042】本発明において得られる固体触媒成分と共
に用いられる(B)有機アルミニウム化合物触媒成分と
しては、以下のものが挙げられる。直鎖もしくは分岐鎖
の炭素数1〜20のアルキル基を持つアルミニウム化合
物であって、具体的には、例えば、トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアル
ミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−
ヘキシルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム
などが挙げられる。この他、炭素数1〜20のアルキル
基を有するアルキル金属水素化物を使用することができ
る。このような化合物としては、具体的にはジイソブチ
ルアルミニウム水素化物などを挙げることができる。ま
た、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアル
ミニウムハライド、例えば、エチルアルミニウムセスキ
クロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−i
−ブチルアルミニウムクロライドあるいはアルキルアル
ミニウムアルコキシド、例えば、ジエチルアルミニウム
エトキシドなども使用できる。さらに、炭素数1〜20
のアルキル基を有するトリアルキルアルミニウムあるい
はジアルキルアルミニウム水素化物と炭素数4〜20の
ジオレフィンとの反応により得られる有機アルミニウム
化合物、例えば、イソプレニルジブチルアルミニウムの
ような化合物を使用することもできる。
【0043】本発明によるオレフィンの重合は、いわゆ
るチーグラー法の一般的な反応条件で行うことができ
る。すなわち、連続式またはバッチ式で20〜110℃
の温度で重合を行う。重合圧としては特に限定はない
が、加圧下、特に0.1〜5.0MPaの使用が適して
いる。重合を不活性溶媒の存在下に行う場合には、不活
性溶媒として通常使用されているいかなるものも使用し
得る。特に4〜20個の炭素原子を有するアルカンまた
はシクロアルカン、例えば、イソブタン、ペンタン、ヘ
キサン、シクロヘキサンなどが適している。
【0044】重合を不活性溶媒の存在しない気相中で行
う場合は、重合体の融点以下の温度でオレフィンガスの
存在下に反応を行う。
【0045】重合工程において使用する反応器として
は、流動床型撹拌器、撹拌槽型撹拌器など当該技術分野
で通常用いられるものであれば適宜使用することができ
る。流動床型撹拌器を用いる場合は、ガス状のオレフィ
ンおよび/または不活性ガスを該系に吹き込むことによ
り、該反応系を流動状態に保ちながら行われる。撹拌槽
型撹拌器を用いる場合、撹拌機としてはイカリ型撹拌
機、スクリュー型撹拌機、リボン型撹拌機など種々の型
の撹拌機を用いることができる。
【0046】本発明の触媒を用いて重合することができ
るオレフィンとしては、一般式R−CH=CH2で表さ
れるα−オレフィン(式中、Rは水素原子または1〜1
0個、特に1〜8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分
岐鎖の置換・非置換アルキル基を表わす)を挙げること
ができる。具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテンなどが挙げられる。また、上記α−オレフィンの
2種以上の混合物あるいはα−オレフィンとブタジエ
ン、イソプレンなどのジエン類との混合物を使用して共
重合を行うこともできる。特に、エチレン、エチレンと
エチレン以外の上記α−オレフィンとの混合物、または
エチレンとジエン類との混合物を使用することが好まし
い。
【0047】本発明において、生成重合体の分子量は公
知の手段、すなわち適当量の水素を反応系内に存在させ
るなどの方法により調節することができる。
【0048】
【実施例】以下に本発明を実施例により示すが、本発明
はこれらの実施例によってなんら限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例において、固体触媒成分
(A)の粒径分布の広狭は、粒子をレーザー回折式 粒
度分布測定装置 LA−500(株式会社 堀場製作所
製)で求めた結果を確率対数紙にプロットし、近似した
直線より公知の方法で幾何標準偏差を求め、その常用対
数(以下、σという)で表わした。また、平均粒径は、
前記の近似直線の重量積算値50%に対応する粒径を読
み取った値である。HLMI/MIは、高負荷メルトイ
ンデックス(HLMI、ASTMD−1238条件Fに
よる)とメルトインデックス(MI、ASTMD−12
38条件Eによる)との比であり、分子量分布の尺度で
ある。HLMI/MI値が小さいと分子量分布が狭いと
考えられる。
【0049】活性は、触媒1g当たりの重合体生成量
(g)を表わす。重合体粒子の粒径分布の広狭は、重合
体粒子を篩によって分級した結果を確率対数紙にプロッ
トし、近似した直線より公知の方法で幾何標準偏差を求
め、その常用対数(以下、σという)で表わした。ま
た、平均粒径は、前記の近似直線の重量積算値50%に
対応する粒径を読み取った値である。
【0050】実施例1 〔触媒の調製〕撹拌装置を備えた3lのガラスフラスコ
に、金属マグネシウム粉末50g(2.05モル)およ
びチタンテトラ−n−ブトキシド 175g(0.51
モル)を入れ、ヨウ素2.5gを溶解したn−ブタノー
ル 183g(2.47モル)およびi−プロピルアル
コール 148g(2.46モル)の混合溶液を90℃
で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除し
ながら窒素シール下、120℃で2時間撹拌した。次い
でヘキサン5500mlを加えて、溶液(a)を得た。
【0051】この溶液(a)を図1に示すアンカー型攪
拌翼、槽径17cm、槽の高さ58cm(H/D=3.
4)の反応槽と直径2cm、全長242cmの循環ライ
ン(全ライン容積0.76l、溶液(a)に対する容積
比12vol%)および送液ポンプを有する反応器に移
送した。次に、アンカー型攪拌翼を60回転/分で攪拌
し、図中の送液ポンプで反応槽下部の抜き出し口から反
応器頭頂部の吐出口へと反応槽横の循環ライン中の流速
が0.8m/sになるように溶液(a)を循環させた。
【0052】この溶液(a)の循環ライン中の流速を
0.8m/sで一定になるようにして、以下の反応を実
施した。45℃でジエチルアルミニウムクロライドの3
0wt%ヘキサン溶液827g(2.05モル)を1時
間かけて加え、60℃で1時間攪拌した。次いで60℃
でメチルヒドロポリシロキサン309g(Si原子当た
り5.07モル)を加え、70℃で1時間攪拌した。続
いて45℃でi−ブチルアルミニウムジクロライドの5
0wt%ヘキサン溶液1914g(6.17モル)を2
時間かけて加え、70℃で1時間撹拌を行い触媒を得
た。ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物お
よび副生成物を除去し、組成を分析したところチタン含
有量は6.4wt%であった。触媒粒子のσは0.20
であった。
【0053】〔エチレンの重合〕内容積2lのステンレ
ススチール製電磁攪拌式オートクレーブ内を十分窒素で
置換し、ヘキサン1.2lを仕込み、内温を80℃に調
節した。その後、助触媒としてトリ−i−ブチルアルミ
ニウム 0.23g(1.2ミリモル)および前記で得
た触媒(A)10mgを含有するスラリーを順次添加し
た。オートクレーブ内圧を0.1MPaに調節した後、
水素を0.4MPa加え、次いでオートクレーブ内圧が
1.1MPaになるように、連続的にエチレンを加えな
がら1.5時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反
応ガスを追い出してポリエチレンを取り出し、濾過によ
り溶媒から分離して乾燥した。
【0054】その結果、メルトインデックスが1.42
g/10分、HLMIが53g/10分、HLMI/M
Iが37、嵩密度が0.39g/cm3のポリエチレン
169gが得られた。触媒1g当りの生成量(以下、活
性という)は16900g/gに相当する。また、平均
粒径は348μであり、粒径が105μ以下の微細粒子
の割合(以下、微細粒子含量という)は2.0wt%、
σは0.20であった。
【0055】実施例2 〔触媒の調製〕循環ライン中の流速が2.0m/sにな
るように溶液(a)を循環させた以外は実施例1と同様
に調製を行い、触媒を得た。チタン含有量は6.5wt
%であった。触媒粒子のσは0.19であった。
【0056】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。その結果、メルトイン
デックスが0.81g/10分、HLMIが28g/1
0分、HLMI/MIが35、嵩密度が0.42g/c
3のポリエチレン222gが得られた。活性は222
00g/gに相当する。また、平均粒径は250μであ
り、微細粒子含量は2.5wt%、σは0.11であっ
た。
【0057】比較例1 〔触媒の調製〕実施例1に比較し、循環ライン中の循環
速度を0.1m/sとすることで同様に実験し、触媒を
得た。チタン含有量は6.7wt%であった。触媒粒子
のσは0.60であった。
【0058】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。その結果、メルトイン
デックスが1.78g/10分、HLMIが66g/1
0分、HLMI/MIが37、嵩密度が0.32g/c
3のポリエチレン175gが得られた。活性は175
00g/gに相当する。また、平均粒径は312μであ
り、微細粒子含量は12.0wt%、σは0.36で、
実施例1に比較し、平均粒径1mm以上の粗大粒子が多
く、粒度分布の広い粉体特性の悪いものであった。
【0059】比較例2 〔触媒の調製〕実施例1に比較し、循環ラインの直径を
1cm、全ライン容積を0.22l(溶液(a)に対す
る容積比で4vol%)とした以外、同様の条件で実験
し、触媒を得た。チタン含有量は6.4wt%であっ
た。触媒粒子のσは0.48であった。
【0060】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。その結果、メルトイン
デックスが0.78g/10分、HLMIが25g/1
0分、HLMI/MIが32、嵩密度が0.40g/c
3のポリエチレン214gが得られた。活性は214
00g/gに相当する。また、平均粒径は334μであ
り、微細粒子含量は17.3wt%、σは0.50で、
実施例1に比較し、平均粒径1mm以上の粗大粒子が多
く、粒度分布の広い粉体特性の悪いものであった。
【0061】実施例3 〔触媒の調製〕撹拌装置を備えた3lのガラスフラスコ
に、金属マグネシウム粉末60g(2.47モル)およ
びチタンテトラ−n−ブトキシド 504.2g(1.
48モル)を入れ、ヨウ素3.0gを溶解したn−ブタ
ノール 384.2g(5.18モル)の混合溶液を9
0℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排
除しながら窒素シール下、120℃で2時間撹拌した。
次いでヘキサン6930mlを加えて、溶液(a)を得
た。
【0062】この溶液(a)を実施例1で用いたアンカ
ー型攪拌翼、槽径17cm、槽の高さ58cm(H/D
=3.4)の反応槽と直径2cm、全長242cmの循
環ライン(全ライン容積0.76l、溶液(a)に対す
る容積比10vol%)および送液ポンプを有する反応
器に移送した。次に、アンカー型攪拌翼を60回転/分
で攪拌し、図中の送液ポンプで反応槽下部の抜き出し口
から反応器頭頂部の吐出口へと反応槽横の循環ライン中
の流速が0.8m/sになるように溶液(a)を循環さ
せた。
【0063】この溶液(a)の循環ライン中の流速を
0.8m/sで一定になるようにして、以下の反応を実
施した。45℃でi−ブチルアルミニウムジクロライド
の50wt%ヘキサン溶液2297.1g(7.41モ
ル)を2時間かけて加え、70℃で1時間撹拌を行い触
媒を得た。ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反
応物および副生成物を除去し、組成を分析したところチ
タン含有量は10.2wt%であった。触媒粒子のσは
0.19であった。
【0064】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。その結果、メルトイン
デックスが1.31g/10分、HLMIが47g/1
0分、HLMI/MIが36、嵩密度が0.39g/c
3のポリエチレン321gが得られた。活性は321
00g/gに相当する。また、平均粒径は122μであ
り、微細粒子含量は40.2wt%、σは0.15であ
った。
【0065】比較例3 〔触媒の調製〕実施例3に比較し、循環ライン中の循環
速度を0.1m/sとすることで同様に実験し、触媒を
得た。チタン含有量は10.5wt%であった。触媒粒
子のσは0.60であった。
【0066】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。その結果、メルトイン
デックスが1.56g/10分、HLMIが55g/1
0分、HLMI/MIが35、嵩密度が0.37g/c
3のポリエチレン181gが得られた。活性は181
00g/gに相当する。また、平均粒径は468μであ
り、微細粒子含量は17.0wt%、σは0.50で、
実施例1に比較し、平均粒径1mm以上の粗大粒子が多
く、粒度分布の広い粉体特性の悪いものであった。
【0067】実施例4 〔触媒の調製〕循環ライン中の流速が2.0m/sにな
るように溶液(a)を循環させた以外は実施例3と同様
に調製を行い、触媒を得た。チタン含有量は10.5w
t%であった。触媒粒子のσは0.20であった。
【0068】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。その結果、メルトイン
デックスが0.51g/10分、HLMIが24g/1
0分、HLMI/MIが47、嵩密度が0.38g/c
3のポリエチレン268gが得られた。活性は268
00g/gに相当する。また、平均粒径は232μであ
り、微細粒子含量は6.0wt%、σは0.15であっ
た。
【0069】実施例5 〔触媒の調製〕実施例1で得られた溶液(a)を図2に
示すアンカー型攪拌翼、槽径17cm、槽の高さ58c
mの反応槽、直径2cm、全長283cmの循環ライン
(全ライン容積0.89l、溶液(a)に対する容積比
14vol%)および送液ポンプを有する反応器に移送
した。次に、アンカー型攪拌翼を20回転/分で攪拌
し、図中の送液ポンプで反応槽中に深さ17.2cmま
で挿入した長さ41cmの抜き出し口から反応槽最下部
の吐出口へと反応槽横の循環ライン中の流速が0.8m
/sになるように溶液(a)を循環させた。ヘキサンを
用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を
除去し、組成を分析したところチタン含有量は7.0w
t%であった。触媒粒子のσは0.18であった。
【0070】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。その結果、メルトイン
デックスが0.64g/10分、HLMIが30g/1
0分、HLMI/MIが47、嵩密度が0.38g/c
3のポリエチレン200gが得られた。活性は200
00g/gに相当する。また、平均粒径は390μであ
り、微細粒子含量は3.4wt%、σは0.08であっ
た。
【0071】比較例4 〔触媒の調製〕実施例3に比較し、ヘキサンの量を63
90mlとし、循環ラインの直径を1cm、全ライン容
積を0.22l(溶液(a)に対する容積比で3vol
%)とした以外、同様の条件で実験した。本触媒調製で
は触媒の形状が悪く、反応槽内および循環ライン中で塊
状の固体となり、触媒を反応槽から抜き出すことができ
なかった。
【0072】実施例6 〔触媒の調製〕ヘキサンの量を6170mlにした以
外、実施例3と同様にして得た溶液(a)を図3に示す
槽径17cm、槽の高さ58cm、フルゾーン型攪拌翼
を有する反応槽に移送した。次に、攪拌翼を400回転
/分で攪拌し、実施例1と同様に触媒の調製を行った。
この時、シミュレーションの結果、反応溶液の50vo
l%以上で、流速が鉛直線方向に対して0.5〜1.0
m/sの範囲であることを確認した。
【0073】ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未
反応物および副生成物を除去し、組成を分析したところ
チタン含有量は8.4wt%であった。触媒粒子のσは
0.15であった。
【0074】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。その結果、メルトイン
デックスが1.05g/10分、HLMIが46g/1
0分、HLMI/MIが44、嵩密度が0.37g/c
3のポリエチレン300gが得られた。活性は300
00g/gに相当する。また、平均粒径は120μであ
り、微細粒子含量は19.9wt%、σは0.13であ
った。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明の効果は、本発明の触媒を用いて
得られるポリオレフィンの粉体特性が非常に顕著な点に
ある。すなわち、本発明によって得られる触媒によれ
ば、粒度分布が極めて狭く、かつ微細粒子含量が少な
く、さらに大きな平均粒径を有する嵩密度の高い重合体
を得ることができる。また、重合工程においては、重合
装置内での付着物の生成が阻止され、重合体の分離、乾
燥工程においては、重合体スラリーの分離・濾過が容易
となり、重合体の微細粒子の系外への飛散が防止され
る。加えて、流動性の向上により乾燥効率が向上する。
さらに移送工程においては、サイロ内でブリッジなどの
発生がなく、移送上のトラブルが解消される上に、造粒
もきわめて円滑に行われる。また、重合体の粒度分布が
狭いと、特に多段重合法において、より分子量分布の広
い重合体を得る場合に粒子の分級が起きにくく、均質な
粒子が得られるので、成形物中にブツやムラ等が生じな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する装置の外部循環方法の概念
図を示す。
【図2】 本発明を実施する装置の外部循環方法の概念
図を示す。
【図3】 本発明を実施する装置のフルゾーン型攪拌翼
を用いた循環方法の概念図を示す。
【図4】 本発明を実施する装置の槽高さと槽径の関係
を示す。
【図5】 本発明を実施する装置の格子状攪拌翼の概念
図を示す。
【図6】 本発明を実施する装置の多段状攪拌翼の概念
図を示す。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC07A BA01A BA01B BA02A BB01B BC07A BC15A BC15B BC16A BC16B BC17A BC19A BC19B BC24B BC27B EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB10 EB13 EB14 EC01 EC02 GA05 GA06 GA09 GB01 4J128 AA01 AB01 AC07 BA01A BA01B BA02A BB01B BC07A BC15A BC15B BC16A BC16B BC17A BC19A BC19B BC24B BC27B EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB10 EB13 EB14 EC01 EC02 GA05 GA06 GA09 GB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)少なくともマグネシウム化合物、チ
    タン化合物、アルコールからなる溶液(a)とハロゲン
    化アルミニウム化合物(b)を反応させて固体触媒成分
    を析出させるに当り、上記溶液(a)の5vol%以上
    に対し、鉛直線上の一定方向に流速0.5〜10m/s
    の流れを連続的に与えながら反応させて得られた固体触
    媒成分と、(B)有機アルミニウム化合物触媒成分とか
    らなる触媒系の存在下に、オレフィンの重合もしくは共
    重合を行うことを特徴とするポリオレフィンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、外部に循環ポンプを設
    置し、反応槽下部と反応槽上部を循環させる循環ライン
    を有する反応槽を用いて得られた固体触媒成分(A)を
    用いることを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、反応槽中心部に設けら
    れた攪拌軸に配設され、かつ槽底部近くに位置するパド
    ル翼部とそれより上部に位置する上部翼部とから構成さ
    れる攪拌翼を用いて攪拌を行って得られた固体触媒成分
    (A)を用いることを特徴とするポリオレフィンの製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102068944A (zh) * 2010-11-23 2011-05-25 中国石油天然气股份有限公司 一种过滤式搅拌反应器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102068944A (zh) * 2010-11-23 2011-05-25 中国石油天然气股份有限公司 一种过滤式搅拌反应器

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