JP2003064121A - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィンの製造方法

Info

Publication number
JP2003064121A
JP2003064121A JP2001252706A JP2001252706A JP2003064121A JP 2003064121 A JP2003064121 A JP 2003064121A JP 2001252706 A JP2001252706 A JP 2001252706A JP 2001252706 A JP2001252706 A JP 2001252706A JP 2003064121 A JP2003064121 A JP 2003064121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst component
titanium
aluminum halide
halogen
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001252706A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Sone
誠 曽根
Takashi Inatomi
敬 稲富
Yutaka Naito
豊 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2001252706A priority Critical patent/JP2003064121A/ja
Publication of JP2003064121A publication Critical patent/JP2003064121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた品質のポリオレフィンを粉体特性が良好
かつ非常に高活性で生産できるポリオレフィン製造方法
を提供する。 【解決手段】ハロゲンあるいはハロゲン化アルキルの存
在下、チタンのジエーテル錯体を媒体として金属マグネ
シウムをアルコールと反応させ得られた均一溶液にハロ
ゲン化アルミニウムを反応させて得られるチタン触媒成
分であって、該均一溶液にハロゲン化アルミニウムをア
ルコキシ基に対するハロゲン原子のモル比が0.2以上
0.8未満となる量を添加して粒子を析出させた後、さ
らにハロゲン化アルミニウムをアルコキシ基に対するハ
ロゲン原子のモル比が1以上20未満となる量を添加し
て処理した固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物触
媒成分とからなる触媒系の存在下に、オレフィンの重合
もしくは共重合を行う。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は新規な触媒系の存在
下にオレフィンの重合もしくは共重合を行うことによる
ポリオレフィンの製造方法に関する。さらに詳しくは、
従来公知の方法に比し、優れた品質のポリオレフィンを
粉体特性が良好かつ非常に高活性で生産できるポリオレ
フィン製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】オレフィンの低圧重合において遷移金属
化合物と有機金属化合物からなる触媒系を用いることは
すでに知られている。また、高活性型触媒として、無機
または有機マグネシウム化合物と遷移金属化合物を成分
として含有する触媒系も知られている。 【0003】例えば特公昭52−15110号公報に
は、マグネシウム金属と水酸化有機化合物またはマグネ
シウムなどの酸素含有有機化合物、遷移金属の酸素含有
有機化合物、およびアルミニウムハロゲン化物を反応さ
せて得られる触媒成分(A)と有機金属化合物の触媒成
分(B)とからなる活性の高い触媒系が開示されてい
る。 【0004】しかしながら、これらの触媒系の活性は未
だ不十分なものであり、得られる重合体粒子は、平均粒
径が小さかったり粒度分布が広かったりして重合体粒子
中に含まれる微細粒子の割合が多く、粉体特性の点にお
いても不十分なものであった。 【0005】すなわち、上述のような欠点を有している
と、ポリオレフィン中の触媒残渣が多く着色したり耐候
性に劣るなどの問題を生じたり、ポリオレフィンを製造
する際に、粉体移送、造粒などの工程で種々のトラブル
を引き起こし、時には長期にわたる連続生産が不可能に
なったりする。また、スラリー重合では重合体スラリ−
からの粒子分離、粉体乾燥が容易ではなく、気相重合で
は粉体により製造工程が閉塞したりする。さらに、多段
重合法によって重合体を得る場合、重合体粒子の粒度分
布が広いと、乾燥以降の添加剤配合段階や輸送段階にお
いて粉体の分級が起き易く、粒径毎に物性が異なるため
品質上に及ぼす悪影響も無視できないときがある。 【0006】そこで、上記の触媒成分(A)の原料にケ
イ素化合物を加えて使用することにより、重合体の粒径
を大きくすることができることが特公昭62−5836
7号公報に開示されているが、触媒活性および粒度分布
の改善までには至らなかった。 【0007】さらに、本発明者らは特開平4−3095
05号公報においてチタンを含む固体成分にエチレンお
よび/またはエチレン以外のα−オレフィンを接触・吸
収させて得られる触媒を用いることでポリオレフィンの
粒度分布・粒径の改善を果たすことを見いだしたが、触
媒活性の点では充分に目的を達成することができなかっ
た。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
特開平4−309505号公報に開示された触媒の有す
る上記特性を損なうことなく、触媒活性を大幅に改善す
ることにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意検討を行った結果、(A)ハロゲン
あるいはハロゲン化アルキルの存在下、チタンのジエー
テル錯体を媒体として金属マグネシウムをアルコールと
反応させ得られる均一溶液にハロゲン化アルミニウムを
反応させて得られるチタン触媒成分の調製において、該
均一溶液に含まれるアルコキシ基に対するハロゲン化ア
ルミニウムのハロゲンのモル比が特定の範囲となる量の
ハロゲン化アルミニウムを添加することにより粒子を析
出させた後、さらにハロゲン化アルミニウムで処理した
固体触媒成分を用いることにより触媒活性と得られるポ
リオレフィンの粉体特性の両者を同時に満足させること
を見いだし、本発明を完成させるに至った。 【0010】すなわち、本発明は(A)ハロゲンあるい
はハロゲン化アルキルの存在下、チタンのジエーテル錯
体を溶媒として金属マグネシウムをアルコールと反応さ
せえられた均一溶液にハロゲン化アルミニウムを反応さ
せて得られるチタン触媒成分であって、前段において該
均一溶液にハロゲン化アルミニウムをアルコキシ基に対
するハロゲン原子のモル比が0.2以上0.8未満とな
る量を添加して粒子を析出させた後、後段においてさら
にハロゲン化アルミニウムをアルコキシ基に対するハロ
ゲン原子のモル比が1以上20未満となる量を添加して
処理した固体触媒成分と、(B)有機アルミニウム化合
物触媒成分とからなる触媒系の存在下に、オレフィンの
重合もしくは共重合を行うことを特徴とするポリオレフ
ィンの製造方法である。 【0011】本発明において、固体触媒成分(A)の調
製に用いられる均一溶液は以下のように調製することが
できる。 【0012】金属マグネシウムとしては各種の形状、す
なわち粉末、粒子、箔またはリボンなどいずれの形状の
ものも使用でき、またアルコールとしては、1〜18個
の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族アルコー
ル、脂環式アルコールまたは芳香族アルコールが使用で
きる。このアルコ−ルの例としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブ
タノール、i−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エ
チルヘキサノール、n−オクタノール、i−オクタノー
ル、n−ステアリルアルコール、シクロペンタノール、
シクロヘキサノール、エチレングリコールなどがあげら
れる。これらのアルコールは、単独または2種類以上の
混合物として使用される。 【0013】ハロゲンまたはハロゲン化アルキルとして
は、金属マグネシウムとアルコールとの反応を促進する
目的から使用し、金属マグネシウムと反応したり、付加
化合物を生成したりするような物質、例えばヨウ素、ヨ
ウ化アルキルを触媒として単独または2種類以上使用す
ることもできる。 【0014】チタンのジエーテル錯体は、一般式[Ti
a(OR1bm[L]nで表される化合物である。た
だし、該一般式においてR1は炭素数1〜20、好まし
くは1〜10の直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロア
ルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびアル
キルアリール基などの炭化水素基を表わし、aとbと
は、a≧0、b>0でチタンの原子価と相容れるような
数を表す。Lはジエーテル化合物を表す。mとnはチタ
ン化合物とジエーテル化合物の数を表す。特に好ましく
はaが0≦a≦1でmが1≦m≦6であるようなチタン
化合物を使うことが望ましい。具体的な例としては、チ
タンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシ
ド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−
n−ブトキシド、ヘキサ−i−プロポキシジチタネート
のチタン化合物に1,2−ジメトキシエタン、1,3−
ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−ジメ
トキシプロパン、2,2−ジブトキシ−1,3−ジメト
キシプロパン、2−ブチル−2−エチル−1,3−ジメ
トキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−
ジメトキシプロパンなどのジエーテルが配位した錯体な
どがあげられる。またOR1は同一でも異なっていても
よく、更にこれらのチタンのジエーテル錯体は単独また
は2種類以上の混合物として使用される。本触媒におい
てハロゲン化アルミニウムを用いて固体成分を析出させ
る際、ケイ素化合物を用いることができる。ケイ素化合
物としては、次に示すポリシロキサンおよびシラン類が
用いられる。 【0015】このうちポリシロキサンとしては、下記一
般式(Si(R2)(R3)O)p(式中、R2およびR3
は炭素数1〜12のアルキル基、アリール基などの炭化
水素基、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のア
ルコキシ基、アリロキシ基、脂肪酸残基などのケイ素に
結合しうる原子または残基を表わし、R2およびR3は同
種、異種のいずれでもよく、pは通常2〜10、000
の整数を表わす)で示される繰返し単位の1種または2
種以上を、分子内に種々の比率、分布で有している鎖
状、環状あるいは三次元構造を有するシロキサン重合物
(ただし、すべてのR2およびR3が、水素あるいはハロ
ゲンである場合は除く)があげられる。 【0016】具体的には、鎖状ポリシロキサンとして
は、例えばヘキサメチルジシロキサン、ジメチルポリシ
ロキサン、メチルヒドロポリシロキサン、1,5−ジク
ロロヘキサメチルトリシロキサン、ジメトキシポリシロ
キサンなどがあげられる。 【0017】また環状ポリシロキサンとしては、例えば
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、デカメチルシクロ
ペンタシロキサン、2,4,6−トリメチルシクロトリ
シロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキ
サン、テトラフェニルテトラメチルシクロテトラシロキ
サンなどがあげられる。 【0018】更に三次元構造を有するポリシロキサンと
しては、例えば上記の鎖状または環状のポリシロキサン
を加熱などにより架橋構造を持つようにしたものなどを
あげることができる。 【0019】これらのポリシロキサンは取扱上液状であ
ることが望ましく、25℃における粘度が1〜1000
0センチトークス、更に1〜1000センチトークスの
範囲であることが望ましい。しかし、液状に限る必要は
なく、シリコングリースと総括的に呼ばれるような固形
物であってもさしつかえない。 【0020】一方シラン類としては、一般式HqSir
4 st(式中R4は、炭素数1〜12のアルキル基、アリ
ール基等の炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ
基、アリロキシ基、脂肪酸残基などのケイ素に結合しう
る基を表わし、各R4は互いに異種または同種であって
もよく、Xは互いに異種または同種のハロゲン原子を示
し、q、sおよびtは0以上の整数、rは自然数であっ
てq+s+t=2r+2または2rである)で示される
ケイ素化合物があげられる。 【0021】具体的には、例えばトリメチルフェニルシ
ラン、ジメチルジフェニルシラン、アリルトリメチルシ
ランなどのシラン炭化水素、ヘキサメチルジシラン、オ
クタフェニルシクロテトラシランなどの鎖状および環状
の有機シラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメ
チルシランなどの有機シラン、四塩化ケイ素、四臭化ケ
イ素などのハロゲン化ケイ素、ジメチルジクロロシラ
ン、ジフェニルジクロロシラン、トリエチルフルオロシ
ランなどのアルキルおよびアリールハロゲノシラン、ト
リメチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシランなどのアルコキシシラン、ジクロ
ロジエトキシシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリ
ブロモエトキシシランなどのハロアルコキシおよびフェ
ノキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、ジエチル
ジアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシランなど
の脂肪酸残基を含むシラン化合物などがあげられる。こ
のうちジメチルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロ
キサンなどの鎖状ポリシロキサンや、メチルトリメトキ
シシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ンなどのアルコキシシランなどが好ましく用いられる。 【0022】上記のケイ素化合物は単独で用いてもよ
く、また2種以上を混合あるいは反応させて使用するこ
ともできる。 【0023】本発明の均一溶液を調製する場合の金属マ
グネシウムとアルコールの反応はハロゲンまたはハロゲ
ン化アルキルの存在下、チタンのジエーテル化合物を媒
体として行う必要がある。場合により用いるケイ素化合
物の反応順序は、化学反応を生じる限り任意の順序で有
り得る。 【0024】本発明において用いられる前記金属マグネ
シウム、チタン化合物、場合により用いるケイ素化合物
の使用量は特に制限されないが、Mgのグラム原子とチ
タン化合物中のTiのグラム原子との原子比は、1/2
0≦Mg/Ti≦100であることが好ましく、より好
ましくは1/2≦Mg/Ti≦10である。この範囲を
はずれてMg/Tiが大きすぎると、触媒調製の際に均
一なMg−Ti溶液を得ることが困難になる場合があ
り、重合の際に触媒の活性が低くなることがあり、逆に
小さすぎても触媒の活性が低くなるため、製品が着色す
るなどの問題を生ずるおそれがある。 【0025】前記のケイ素化合物を用いる場合、ケイ素
化合物中のSiのグラム原子と前記のMgのグラム原子
との原子比は、1/20≦Mg/Si≦100が好まし
く、更に好ましくは1/2≦Mg/Si≦10の範囲と
なる量が選ばれる。この範囲をはずれて小さすぎると触
媒の活性が低くなるおそれがある。 【0026】本発明は前述により例示した方法などによ
り得た均一溶液に、前段において特定量のハロゲン化ア
ルミニウムを加えて粒子を生成した後に、後段において
さらに賦活化を進めることにより得られた固体触媒成分
(A)を用いるものである。 【0027】本発明において用いられるハロゲン化アル
ミニウムとしては、一般式R5 zAlX3-zで示されるも
のが使用される。ただし、該一般式においてR5は1〜
20個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する炭化水
素基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、zは0<z
<3の数、好ましくは0<z≦2の数を表わす。またR
5は直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、
アリールアルキル基、アリール基およびアルキルアリー
ル基から選ばれることが好ましい。 【0028】このハロゲン化アルミニウムの具体例とし
ては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアル
ミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイ
ド、ジプロピルアルミニウムクロライド、エチルアルミ
ニウムジクロライド、i−ブチルアルミニウムジクロラ
イド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルア
ルミニウムセスキクロライド、i−ブチルアルミニウム
セスキクロリド、トリエチルアルミニウムと三塩化アル
ミニウムの混合物などがあげられる。 【0029】前段のハロゲン化アルミニウムとの反応に
より粒子を析出させるために、上記ハロゲン化アルミニ
ウムを単独または2種類以上の混合物として使用するこ
とができる。本発明では特に触媒活性と粉体性状を良く
するためにこの段階のハロゲン化アルミニウムの種類お
よび使用量を適切に選択しなければならない。このため
ハロゲン化アルミニウムの2種類を特定の割合で混合し
たものを用いることが好ましい。より具体的には、前記
zが1≦z≦2、好ましくは1.5<z<2の範囲とな
るようにして用いる。 【0030】また、前段のハロゲン化アルミニウムの使
用量は、前記均一溶液中に含まれるアルコキシ基のモル
量に対するハロゲン原子のモル比(以下X1/ORとい
う)が0.2以上0.8未満、好ましくは0.25以上
0.6未満となるようにする。この理由は、均一溶液中
のマグネシウムやチタンなどのアルコキシ基とハロゲン
化アルミニウムのハロゲン原子との交換反応によりマグ
ネシウムやチタンが不溶化して粒子が析出する際に、適
切なハロゲン化アルミニウムを適切な量使用することで
高活性・良粉体特性を与える粒子が得られるためと考え
られる。従って、この範囲を外れて、例えばzが小さい
と前段での粒子が生成しにくく触媒活性が高くならず、
その結果粒度分布の広いポリオレフィンしか得られな
い。一方、zが大きいと前段での粒子が均質でないため
か触媒活性が低く、平均粒子径の小さい微細粒子の多い
ポリオレフィンしか得られない。またX1/ORが小さ
いと前段で粒子が生成せず触媒活性が低く、粒度分布の
広いポリオレフィンしか得られない。一方X1/ORが
大きいと触媒活性が低く、平均粒子径の小さい微細粒子
の多いポリオレフィンしか得られない。 【0031】粒子を析出させた後の後段において、均一
溶液中に含まれるアルコキシ基のモル比に対するハロゲ
ン原子のモル比(以下X2/ORという)が1以上20
未満、好ましくは1以上10未満となるようにハロゲン
化アルミニウムを添加して処理する。このようにして賦
活化を進めることで、本発明において用いられる固体触
媒成分(A)が得られる。またX2/ORが1未満ある
いは20以上では重合活性が低い触媒しか得られない。 【0032】以上の固体触媒成分(A)の調製は液体媒
体中で行うことが好ましい。そのため特にこれらの反応
剤自体が操作条件で液状でない場合、または液状反応剤
の量が不十分な場合には、不活性有機溶媒の存在下で行
うべきである。不活性有機溶媒としては、当該技術分野
で通常用いられるものはすべて使用できるが、脂肪族、
脂環族もしくは芳香族炭化水素類またはそれらのハロゲ
ン誘導体あるいはそれらの混合物があげられ、例えばイ
ソブタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼンなどが
好ましく用いられる。 【0033】各段階の反応条件は特に限定的ではない
が、通常−50〜300℃、好ましくは0〜200℃な
る範囲の温度で、通常0.5〜50時間、好ましくは1
〜6時間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行
われる。特に粒子を生成させるために、ハロゲン化アル
ミニウムをX1/ORが0.2以上0.8未満となる量
反応させた後、熟成反応を行うことが好ましい。しかる
後に賦活化を進めるためのハロゲン化アルミニウムを反
応させ固体触媒成分(A)を得る。 【0034】かくして得た固体触媒成分(A)は、残存
する未反応物および副生成物を除去することなく、また
は濾過や傾斜法により除去してから重合反応に用いるこ
とができる。 【0035】またこの固体触媒成分(A)は、そのまま
懸濁状態で重合に供することができるが、場合によって
は、溶媒から分離してもよく、さらには常圧あるいは減
圧下で加熱して溶媒を除去し乾燥した状態で使用するこ
ともできる。 【0036】本発明において用いられる触媒成分(B)
である有機アルミニウム化合物としては、直鎖または分
岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基を持つ有機アルミニ
ウム化合物が用いられる。具体的には、例えばトリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−i−
ブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、
トリ−n−デシルアルミニウムなどがあげられる。触媒
成分(B)としては、このほか炭素数1〜20のアルキ
ル基を有するアルキルアルミニウム水素化物を使用する
ことができる。このような化合物としては、具体的には
ジイソブチルアルミニウム水素化物などをあげることが
できる。また炭素数1〜20のアルキル基を有するアル
キルアルミニウムハライド、例えばエチルアルミニウム
セスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、
ジイソブチルアルミニウムクロライドあるいはアルキル
アルミニウムアルコキシド、例えばジエチルアルミニウ
ムエトキシドなども使用できる。更に炭素数1〜20の
アルキル基を有するトリアルキルアルミニウムあるいは
ジアルキルアルミニウム水素化物と炭素数4〜20のジ
オレフィンとの反応により得られる有機アルミニウム化
合物、例えばイソプレニルアルミニウムのような化合物
を使用することもできる。 【0037】本発明によるオレフィンの重合は、いわゆ
るチーグラー法の一般的な反応条件で行うことができ
る。すなわち、連続式またはバッチ式で20〜110℃
の温度で重合を行う。重合圧としては特に限定はない
が、加圧下特に1.5〜50kg/cm2Gの使用が適
している。重合を不活性溶媒の存在下に行う場合には、
不活性溶媒として通常使用されているいかなるものも使
用しうる。特に4〜20個の炭素原子を有するアルカン
またはシクロアルカン、例えばイソブタン、ペンタン、
ヘキサン、シクロヘキサンなどが適している。 【0038】重合を不活性溶媒の存在しない気相中で行
う場合は、重合体の融点以下の温度でオレフィンガスの
存在下で反応を行う。 【0039】重合工程において使用する反応器として
は、流動床型撹拌器、撹拌槽型撹拌器など当該技術分野
で通常用いられるものであれば適宜使用することができ
る。流動床型撹拌器を用いる場合は、ガス状のオレフィ
ンおよび又は不活性ガスを該系に吹き込むことにより、
該反応系を流動状態に保ちながら行われる。撹拌槽型撹
拌器を用いる場合撹拌機としては、イカリ型撹拌機、ス
クリュー型撹拌機、リボン型撹拌機など種々の型の撹拌
機を用いることができる。 【0040】本発明の実施にあたり、触媒成分(A)の
使用量は、溶媒1L当たりまたは反応器1L当たり、通
常チタン原子0.001〜2.5ミリモルに相当する量
で使用することが好ましく、条件により一層高い濃度で
使用することもできる。 【0041】触媒成分(B)の有機アルミニウム化合物
は溶媒1L当たり、または反応器1L当たり、0.02
〜50ミリモル、好ましくは0.2〜5ミリモルの濃度
で使用する。 【0042】本発明のポリオレフィンの製造方法におい
て重合させるオレフィンとしては、一般式R6−CH=
CH2のα−オレフィン(式中、R6は水素原子または1
〜10個、特に1〜8個の炭素原子を有する直鎖または
分岐鎖の置換・非置換アルキル基を表わす)をあげるこ
とができる。具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
オクテンなどがあげられる。また、上記α−オレフィン
の2種以上の混合物あるいはα−オレフィンとブタジエ
ン、イソプレンなどのジエン類との混合物を使用して共
重合を行うこともできる。特にエチレン、エチレンとエ
チレン以外の上記のα−オレフィンとの混合物、または
エチレンとジエン類との混合物を使用することが好まし
い。 【0043】本発明において生成重合体の分子量は公知
の手段、すなわち適当量の水素を反応系内に存在させる
などの方法により調節することができる。 【0044】 【実施例】以下に本発明を実施例により示すが、本発明
はこれらの実施例によってなんら限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例において、HLMI/M
Iは高負荷メルトインデックス(HLMI、ASTMD
−1238条件Fによる)とメルトインデックス(M
I、ASTMD−1238条件Eによる)との比であ
り、分子量分布の尺度である。HLMI/MI値が小さ
いと分子量分布が狭いと考えられる。 【0045】活性は、触媒成分(A)1g当たりの重合
体生成量(g)を表わす。重合体粒子の粒径分布の広狭
は重合体粒子を篩によって分級した結果を確率対数紙に
プロットし、近似した直線より公知の方法で幾何標準偏
差を求め、その常用対数(以下、σという)で表わし
た。また、平均粒径は前記の近似直線の重量積算値50
%に対応する粒径を読み取った値である。 【0046】実施例1 〔固体触媒成分の調製〕撹拌装置を備えた1Lのガラス
フラスコに、金属マグネシウム粉末10.0g(0.4
1モル)および反応の媒体として[チタンテトラブトキ
シド][2、2−ジブチル−1,3−ジメトキシプロパ
ン]0.33 50.9g(Ti原子として0.12モル)
を入れ、ヨウ素0.5gを溶解したn−ブタノール6
6.9g(0.90モル)を90℃で2時間かけて加
え、発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下、1
40℃で2時間撹拌した。次いで、ヘキサン680mL
を加えて、均一溶液を得た。この均一溶液にはアルコキ
シ基が1.1モル相当含まれることになる。 【0047】この均一溶液100mL(Mgとして0.
069モル相当、アルコキシ基として0.18モル相当
含有)を別途用意した500mLガラスフラスコに入
れ、別容器にi−ブチルアルミニウムジクロライド0.
21モルを含むヘキサン溶液76mL(ハロゲン原子と
して0.42モル相当含有)を用意する。まず、この均
一溶液の内温を45℃に保持し、攪拌数450回転/分
で激しく攪拌しながら20分かけて別容器に用意したi
−ブチルアルミニウムジクロライドのヘキサン溶液を1
3mL加え粒子を生成させた(X1/ORは0.29に
相当する)。次いで、45℃で攪拌数を150回転/分
とし穏やかに攪拌を行いながらi−ブチルアルミニウム
ジクロライドのヘキサン溶液63mLを加え(X2/O
Rは1.5に相当)、さらに60℃で1時間撹拌を行い
固体触媒成分(A)を得た。ヘキサンを用いて傾斜法に
より残存する未反応物および副生成物を除去した。 【0048】〔エチレンの重合〕内容積2Lのステンレ
ススチ−ル製電磁攪拌式オ−トクレ−ブ内を十分窒素で
置換し、ヘキサン1.1Lを仕込み、内温を80℃に調
節した。その後、触媒成分(B)としてトリ−i−ブチ
ルアルミニウム0.23g(1.2ミリモル)を順次添
加した。オートクレーブ内圧を1kg/cm2Gに調節
した後、水素を4kg/cm2加え、次いでおよび前記
で得た固体触媒成分(A)4.0mgを含有するスラリ
ーを0.1Lのヘキサンを用いてエチレンで圧入した。
オートクレーブ内圧が11.0kg/cm2Gになるよ
うに、連続的にエチレンを加えながら1.5時間重合を
行った。重合終了後冷却し、未反応ガスを追い出してポ
リエチレンを取り出し、濾過により溶媒から分離して乾
燥した。 【0049】その結果、メルトインデックス(MI)は
0.92g/10分、HLMI/MIは32.8、嵩密
度は0.426g/cm3のポリエチレン158gが得
られた。固体触媒成分(A)1g当りの生成量(以下、
活性という)は39450g/gに相当した。また平均
粒径は215μであり、粒径が105μ以下の微細粒子
の割合(以下、微細粒子含量という)は8.0重量%、
σは0.24であった。wax発生量は4.37g/K
gPEであった。 【0050】実施例2−5 実施例1と同様の方法で、用いる原料を替えた実施例を
表1−3に示す。 【0051】比較例1 〔固体触媒成分の調製〕チタン化合物としてチタンテト
ラブトキシドを用いた以外、実施例1と同様に反応を実
施して固体触媒成分を得た。 【0052】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。 【0053】その結果、MIは1.56g/10分、H
LMI/MIは35.2、嵩密度は0.299g/cm
3のポリエチレン145gが得られた。活性は3620
0g/gに相当し、実施例1に比較し低いものであっ
た。また平均粒径は234μであり、微細粒子含量は1
9.9重量%、σは0.55で、実施例1に比較し微細
粒子が多く粒度分布の広い粉体特性の悪いものであっ
た。 【0054】比較例2 〔固体触媒成分の調製〕ハロゲン化アルミニウムを加え
て粒子を析出させる後段の工程でi−ブチルアルミニウ
ムジクロライドのヘキサン溶液をX2/ORが0.5に
相当する量を加えた以外、実施例1と同様に反応を実施
して固体触媒成分を得た。 【0055】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。結果ポリマーはほとん
ど得られなかった。 【0056】比較例3 〔固体触媒成分の調製〕ハロゲン化アルミニウムを加え
て粒子を析出させる工程を一段で回転数を150回転/
分とした以外、実施例1と同様に反応を実施して固体触
媒成分を得た。 【0057】〔エチレンの重合〕実施例1と同様の方法
によりエチレンの重合を行った。結果は表1に示すが、
粒度偏差σが0.61、微粒子の量が30.6重量%と
粉体特性の悪いポリマーが得られた。 【0058】 【表1】【表2】 【表3】 【発明の効果】本発明の効果は、第1に触媒活性が著し
く高いこと、すなわち、固体触媒成分(A)の単位重量
当たりに得られる重合体の重量が著しく多いことであ
る。従って重合体から特別の手段を講じて触媒残査を除
去する必要がなく、かつ重合体の成型時の劣化や着色な
どの問題を避けることができる。また重合体の単位重量
当たりに使用する固体触媒成分(A)の量が極めて少な
いことから触媒にかかる費用を低減でき、低コストでポ
リオレフィンを製造できる。 【0059】本発明の第2の効果は、重合体の粉体特性
が非常に顕著な点にある。すなわち、本発明によれば、
粒度分布が極めて狭く、かつ微細粒子含量が少ない。ま
た、重合工程においては、重合装置内での付着物の生成
が阻止され、重合体の分離、乾燥工程においては、重合
体スラリーの分離・濾過が容易となり、重合体の微細粒
子の系外への飛散が防止される。加えて流動性の向上に
より乾燥効率が向上する。更に移送工程においては、サ
イロ内でブリッジなどの発生がなく、移送上のトラブル
が解消される上に造粒もきわめて円滑に行われる。ま
た、重合体の粒度分布が狭いと、特に多段重合法によっ
て、より分子量分布の広い重合体を得る場合に粒子の分
級が起きにくく、均質な粒子が得られるので、成形物中
にブツやムラ等が生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC09A BA01A BA01B BA02A BB01A BB01B BC15A BC15B BC16A BC16B BC17A BC19A BC19B BC24B BC27B BC33A BC37A CB02A CB05A CB12A CB14A CB35A EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB10 EB13 EB14 FA02 FA04

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】(A)ハロゲンあるいはハロゲン化アルキ
    ルの存在下、チタンのジエーテル錯体を媒体として金属
    マグネシウムをアルコールと反応させ得られた均一溶液
    にハロゲン化アルミニウムを反応させて得られるチタン
    触媒成分であって、前段において該均一溶液にハロゲン
    化アルミニウムをアルコキシ基に対するハロゲン原子の
    モル比が0.2以上0.8未満となる量を添加して粒子
    を析出させた後、後段においてさらにハロゲン化アルミ
    ニウムをアルコキシ基に対するハロゲン原子のモル比が
    1以上20未満となる量を添加して処理した固体触媒成
    分と、(B)有機アルミニウム化合物触媒成分とからな
    る触媒系の存在下に、オレフィンの重合もしくは共重合
    を行うことを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
JP2001252706A 2001-08-23 2001-08-23 ポリオレフィンの製造方法 Pending JP2003064121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001252706A JP2003064121A (ja) 2001-08-23 2001-08-23 ポリオレフィンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001252706A JP2003064121A (ja) 2001-08-23 2001-08-23 ポリオレフィンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003064121A true JP2003064121A (ja) 2003-03-05

Family

ID=19081138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001252706A Pending JP2003064121A (ja) 2001-08-23 2001-08-23 ポリオレフィンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003064121A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005092826A1 (ja) * 2004-03-25 2008-02-14 株式会社Adeka 新規フェノール化合物及び該フェノール化合物から誘導し得る新規エポキシ樹脂

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005092826A1 (ja) * 2004-03-25 2008-02-14 株式会社Adeka 新規フェノール化合物及び該フェノール化合物から誘導し得る新規エポキシ樹脂
JP4698586B2 (ja) * 2004-03-25 2011-06-08 株式会社Adeka 新規フェノール化合物及び該フェノール化合物から誘導し得る新規エポキシ樹脂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101631806A (zh) 制备催化剂的方法以及使用该催化剂的聚烯烃聚合工艺
JPH05310824A (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPH0422163B2 (ja)
JP2850427B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3044262B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPS6258367B2 (ja)
KR100430848B1 (ko) 개선된올레핀중합및공중합용촉매
JPH0570519A (ja) 超高分子量ポリエチレンの製造方法
EP0496740B1 (en) Polyolefin catalysts and method of preparing an olefin polymer
JP2003064121A (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3319051B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPH06502204A (ja) ポリオレフィン触媒及びオレフィンポリマー製造方法
JP3006139B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP2757206B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPH06104684B2 (ja) エチレンの重合及び共重合用触媒の調製法
JP3966066B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP2002187910A (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3086891B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPS58451B2 (ja) エチレンノジユウゴウホウホウ
JPH089645B2 (ja) 立体規則性ポリオレフインの製造方法
JPS6254327B2 (ja)
JP3223566B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPS6254326B2 (ja)
JPH0539318A (ja) ポリオレフインの製造方法
JP2756572B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法