JPH089645B2 - 立体規則性ポリオレフインの製造方法 - Google Patents

立体規則性ポリオレフインの製造方法

Info

Publication number
JPH089645B2
JPH089645B2 JP12805886A JP12805886A JPH089645B2 JP H089645 B2 JPH089645 B2 JP H089645B2 JP 12805886 A JP12805886 A JP 12805886A JP 12805886 A JP12805886 A JP 12805886A JP H089645 B2 JPH089645 B2 JP H089645B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
catalyst component
compound
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12805886A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62285905A (ja
Inventor
陽三 近藤
充博 森
敏一 千種
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP12805886A priority Critical patent/JPH089645B2/ja
Publication of JPS62285905A publication Critical patent/JPS62285905A/ja
Publication of JPH089645B2 publication Critical patent/JPH089645B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な触媒の存在下に少なくとも1種のオ
レインを重合させることからなるポリオレフィンの製造
方法に係り、特に炭素数3以上のα−オレフィンの重合
において高立体規則性重合体を高い触媒活性で得るのに
適した製造方法に関する。
〔従来の技術〕
オレフィンの低圧重合に遷移金属化合物および有機金
属化合物からなる触媒系を用いることはすでに知られて
いる。また、高活性型触媒として、無機または有機マグ
ネシウム化合物と遷移金属化合物との反応物を1成分と
して含有する触媒系も知られている。さらに、炭素数3
以上のα−オレフィンの重合においては、触媒の活性が
高いだけでなく、得られるポリオレフィンの立体規則性
を高く保つ必要があり、そのために、重合に際しエステ
ル,エーテル,アミド,ケイ酸エステルなどを添加し得
られるポリオレフィンの立体規則性を高く保つことも行
われている。
それら提案の多くは、触媒成分として、塩化マグネシ
ウムまたな何らかの方法で表面処理を施した塩化マグネ
シウムを担体とし、その表面に四塩化チタンを担持させ
たものを使用する。しかしながら、遷移金属化合物とし
て四塩化チタンを出発原料とする触媒成分の製造方法で
は、工業的な取扱上極めて多くの欠点を有している。四
塩化チタンは、極く微量の水分や空気に触れると大量の
塩化水素を発生して分解するため、装置や配管などを著
しく腐蝕し、加えて該分解生成物が白色結晶の水酸化チ
タン系ないしは酸化チタン系の化合物となり配管の閉塞
を生ずるなどの問題を起こしている。触媒成分の製造に
際し、洗浄によって過度に使用した四塩化チタンを分離
するため、とりわけ分離後の洗浄液を処理する工程にお
いて、この問題が重大である。本発明者らは、上記の欠
点を改善または解消する方法については、既に特公昭52
−15110号などを提案した。
そこではマグネシウム金属と水酸化有機化合物または
マグネシウムなどの酸素含有有機化合物、遷移金属の酸
素含有有機化合物、およびアルミニウムハロゲン化物を
反応させて得られる触媒成分(A)と有機金属化合物の
触媒成分(B)とからなる、極めて活性の高い触媒系が
使用されている。
しかし、近年になって、得られる重合体粒子の形状が
良好であるという性能も要求されるようになったが、前
記特公昭52−15110号などに開示されている触媒の存在
下で得られる重合体粒子は、平均粒径が小さかったり、
粒度分布が広かったりして、重合体粒子中に含まれる微
細粒子の割合が多く、粉体特性の点ではまだ不十分なも
のであった。
そこで、本発明者等は、先に特公昭52−15110号など
に開示した触媒成分(A)の原料に加えて、ケイ素化合
物および/または有機アルミニウム化合物を使用するこ
とにより、高活性、かつ、重合体粒子の粉体特性が大巾
に改善されたポリオレフィンの製造方法を見出し、特開
昭56−155205号,特開昭60−248705号,特開昭60−2628
02号,特願昭60−27513号として提案した。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これらの提案においては炭素数3以上
のα−オレフィンの重合において、粉体特性に優れた重
合体粒子を高活性かつ立体規則性良く得ることは困難で
あった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題を解決する方法について鋭意検
討した結果、前記特開昭56−155205号、特開昭60−2487
05号、特開昭60−262802号、特願昭60−27513号に示さ
れる触媒成分(A)および触媒成分(B)に加え、本発
明の触媒成分(C)として示される特定の化合物を併用
することにより、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、 (A)(i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物およ
びマグネシウムの酸素含有有機化合物から選ばれた少な
くとも1員、 (ii)一般式[TiOa(OR2(式中、R2は炭素数
1〜20の炭化水素基を表わし、Tiの原子価は4価、aと
bとは、a≧0でb>0で、mは整数である。)で表わ
される少なくとも1種のチタンの酸素含有有機化合物、 (iii)一般式R1 3AlまたはR1 nAlY3-n(式中、R1は同一
または異なる1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を
表わし、Yは1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ
基、アリールオキシ基、シクロアルコキシ基またはハロ
ゲン原子を表わし、またnは1≦n<3の数を表わ
す。)で表わされる少なくとも1種の有機アルミニウム
化合物および/または (iv)一般式 (式中、R3およびR4は炭素数1〜12の炭化水素基、水
素、ハロゲン、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリロキ
シ基、脂肪酸残基を表わし、R3およびR4は同種、異種の
いずれでもよく、pは通常2〜10000の整数を表わ
す。)で表わされる繰返し単位の1種または2種以上
を、分子内に種々の比率、分布で有している鎖状、環状
あるいは三次元構造を有するポリシロキサンおよび一般
式HqSirR5 sXt(式中、R5は炭素数1〜12の炭化水素基、
炭素数1〜12のアルコキシ基、アリロキシ基、脂肪酸残
基を表わし、R5は互いに異種または同種であってもよ
く、Xは互いに異種または同種のハロゲンを示し、q,s
およびtは0以上の整数、rは自然数であってq+s+
t=2r+2である。)で表わされるシラン類の少なくと
も1種を反応させて得られる反応物と、 (v)一般式R6 zAlX3-z(式中、R6は1〜20個の炭素原
子を有する炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表
わし、zは0≦z<3の数を表わす。)で表わされる少
なくとも1種のハロゲン化アルミニウム化合物とを反応
させて得られる固体触媒成分(A)と、 (B) 周期律表の第I a,II a,II b,III bおよびIV b
族金属の有機金属化合物の群から選ばれた少なくとも1
種の触媒成分(B)と、 (C) アルコキシシラン、アリーロキシシラン、ハロ
アルコキシシラン、ハロアリーロキシシランの群から選
ばれた少なくとも1種の触媒成分(C)とからなる触媒
系の存在下で、少なくとも1種のオレフィンを重合させ
ることを特徴とする立体規則性ポリオレフィンの製造方
法にある。
〔作 用〕
本発明によれば、高活性で、粒子形状の良好な重合体
を立体規則性良く製造することができる。
本発明において調整し使用する触媒が優れた性質を有
する理由は定かでないが、(i)のマグネシウム含有反
応剤と(ii)のチタンの酸素含有有機化合物とを含有す
る均一溶液(以下、Mg−Ti溶液という)を有機アルミニ
ウム化合物(iii)および/またはケイ素化合物(iv)
と反応させて得られる反応物が、触媒粒子形成を完結さ
せる目的で実施される次のハロゲン化アルミニウム化合
物(v)との反応の際に、粒子形成の核の役割を果た
し、粒子形状の良好な固体触媒成分(A)が得られ、か
つ、固体触媒成分(A),触媒成分(B)および触媒成
分(C)の相互作用により高活性化かつ高立体規則性化
が達成されるものと考えられる。
本発明において固体触媒成分(A)の調整に用いる反
応剤である前記(i)の金属マグネシウムと水酸化有機
化合物からなる群としては、以下のものがあげられる。
金属マグネシウムとしては各種の形状、すなわち、粉
末,粒子,箔またはリボンなどのいずれの形状のものも
使用でき、また水酸化有機化合物としては、アルコール
類,有機シラノール,フェノール類が適している。
アルコール類としては、1〜18個の炭素原子を有する
直鎖または分岐鎖脂肪族アルコール,脂環式アルコール
または芳香族アルコールが使用できる。例としては、メ
タノール,エタノール,n−プロパノール,i−プロパノー
ル,n−ブタノール,i−ブタノール,n−アミルアルコー
ル,i−アミルアルコール,n−ヘキサノール,2−メチルペ
ンタノール,2−エチルヘキサノール,n−オクタノール,i
−オクタノール,1−デカノール,1−ドデカノール,n−ス
テアリルアルコール,シクロペンタノール,シクロヘキ
サノール,エチレングリコールなどがあげられる。また
有機シラノールとしては少なくとも1個のヒドロキシル
基を有し、かつ、有機基は1〜12個の炭素原子、好まし
くは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基,シクロア
ルキル基,アリールアルキル基,アリール基,アルキル
アリール基および芳香族基から選ばれる。例えば次の例
をあげることができる。トリメチルシラノール,トリエ
チルシラノール,トリフェニルシラノール,t−ブチルジ
メチルシラノール。さらに、フェノール類としてはフェ
ノール,クレゾール,キシレール,ハイドロキノンなど
があげられる。
中でも、アルコール類の使用が望ましい。アルコール
類を単独で使用することはもちろん良いが、特に、2〜
18個の炭素原子を有する直鎖脂肪族アルコールと3〜18
個の炭素原子を有する分岐鎖脂肪族アルコールとの混合
物の使用が好適である。その場合、直鎖脂肪族アルコー
ルと分岐鎖脂肪族アルコールの量比は、好ましくは10:1
〜1:10の範囲、特に好ましくは3:1〜1:3の範囲である。
加うるに、金属マグネシウムを使用して本発明で述べ
る固体触媒成分(A)をうる場合、反応を促進する目的
から、金属マグネシウムと反応したり、付加化合物を生
成したりするような物質、例えばヨウ素,塩化第2水
銀,ハロゲン化アルキル,有機酸エステルおよび有機酸
などのような極性物質を、単独または2種以上添加する
ことが好ましい。
次に、マグネシウムの酸素含有有機化合物に属する化
合物としては、マグネシウムアルコキシド類、例えばメ
チレート,エチレート,イソプロピレート,デカノレー
ト,メトキシエチレートおよびシクロヘキサノレート,
マグネシウムアルキルアルコキシド類、例えばエチルエ
チレート,マグネシウムヒドロアルコキシド類、例えば
ヒドロキシメチレート,マグネシウムフェノキシド類、
例えばフェネート,ナフテネート,フェナンスレネート
およびクレゾレート,マグネシウムカルボキシレート
類、例えばアセテート,ステアレート,ベンゾエート,
フェニルアセテート,アジペート,セバケート,フタレ
ート,アクリレートおよびオレエート,オキシメート
類、例えばブチルオキシメート,ジメチルグリオキシメ
ートおよびシクロヘキシルオキシメート,ヒドロキサム
酸塩類、ヒドロキシルアミル塩類、例えばN−エトロソ
−N−フェニル−ヒドロキシルアミン誘導体,エノレー
ト類、例えばアセチルアセトネート,マグネシウムシラ
ノレート類、例えばトリフェニルシラノレート,マグネ
シウムと他の金属との錯アルコキシド類、例えばMg〔Al
(OC2H5)〕があげられる。これらの酸素含有有機マ
グネシウム化合物は、単独または2種類以上の混合物と
して使用される。
前記(ii)の反応剤であるチタンの酸素含有有機化合
物としては、一般式〔TiOa(OR2で表わされる
化合物が使用される。ただし、該一般式においてR2は炭
素数1〜20、好ましくは1〜10の直鎖または分岐鎖アル
キル基,シクロアルキル基,アリールアルキル基,アリ
ール基およびアルキルアリール基などの炭化水素基を表
わし、Tiの原子価は4価、aとbとは、a≧0でb>0
で、mは整数である。なかんずく、aが0≦a≦1でm
が1≦m≦6であるような酸素含有有機化合物を使うこ
とが望ましい。
具体的な例としては、チタンテトラエトキシド,チタ
ンテトラ−n−プロポキシド,チタンテトラ−i−プロ
ポキシド,チタンテトラ−n−ブトキシド,ヘキサ−i
−プロポキシジチタネートなどがあげられる。いくつか
の異なる炭化水素基を有する酸素含有有機化合物の使用
も、本発明の範囲に入る。これらチタンの酸素含有有機
化合物は単独または2種以上の混合物として使用する。
前記の(iii)の反応剤である有機アルミニウム化合
物としては、一般式R1 3AlまたはR1 nAlY3-nで表わされる
ものが使用される。ただし、該一般式において、R1は同
一または異なる1〜20個、好ましくは1〜8個の炭素原
子を有するアルキル基を表わし、Yは1〜20個、好まし
くは1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基,アリー
ルオキシ基,シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を
表わし、またnは1≦n<3の数を表わす。
上記有機アルミニウム化合物は、単独または2種類以
上の混合物として使用することができる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチ
ルアルミニウム,トリ−i−ブチルアルミニウム,ジエ
チルアルミニウムクロライド,エチルアルミニウムセス
キクロライド,i−ブチルアルミニウムジクロライド,ジ
エチルアルミニウムエトキシドなどがあげられる。
前記(iv)の反応剤であるケイ素化合物としては、次
に示すポリシロキサンおよびシラン類が用いられる。
ポリシロキサンとしては、一般式 (式中、R3およびR4は炭素数1〜12のアルキル基,アリ
ール基などの炭化水素基,水素,ハロゲン、炭素数1〜
12のアルコキシ基、アリロキシ基、脂肪酸残基を表わ
し、R3およびR4は同種、異種のいずれでもよく、pは通
常2〜10,000の整数を表わす。)で表わされる繰返し単
位の1種または2種以上を、分子内に種々の比率、分布
で有している鎖状、環状あるいは三次元構造を有するシ
ロキサン重合物(ただし、すべてのR3およびR4が、水素
あるいはハロゲンである場合は除く)があげられる。
具体的には、鎖状ポリシロキサンとしては、例えばヘ
キサメチルジシロキサン,オクタメチルトリシロキサ
ン,ジメチルポリシロキサン,ジエチルポリシロキサ
ン,メチルエチルポリシロキサン,メチルヒドロポリシ
ロキサン,エチルヒドロポリシロキサン,ブチルヒドロ
ポリシロキサン,ヘキサフェニルジシロキサン,オクタ
フェニルトリシロキサン,ジフェニルポリシロキサン,
フェニルヒドロポリシロキサン,メチルフェニルポリシ
ロキサン,1,5−ジクロロヘキサメチルトリシロキサン,
1,7−ジクロロオクタメチルテトラシロキサン,ジメト
キシポリシロキサン,ジエトキシポリシロキサン,ジフ
ェノキシポリシロキサンなどがあげられる。
環状ポリシロキサンとしては、例えばヘキサメチルシ
クロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキ
サン,デカメチルシクロペンタシロキサン,2,4,6−トリ
メチルシクロトリシロキサン,2,4,6,8−テトラメチルシ
クロテトラシロキサン,トリフェニルトリメチルシクロ
トリシロキサン,テトラフェニルテトラメチルシクロテ
トラシロキサン,ヘキサフェニルシクロトリシロキサ
ン,オクタフェニルシクロテトラシロキサンなどがあげ
られる。
三次元構造を有するポリシロキサンとしては、例えば
上記の鎖状または環状のポリシロキサンを加熱などによ
り架橋構造を持つようにしたものなどをあげることがで
きる。
これらのポリシロキサンは、取扱上液状であることが
望ましく、25℃における粘度が1〜10000センチストー
クス、好ましくは1〜1000センチストークスの範囲であ
ることが望ましい。しかし、液状に限る必要はなく、シ
リコーングリースと総括的に呼ばれるような固形物であ
ってもさしつかえない。
シラン類としては、一般式HqSirR5 sXt(式中、R5は炭
素数1〜12のアルキル基,アリール基等の炭化水素基,
炭素数1〜12のアルコキシ基,アリロキシ基,脂肪酸残
基を表わし、R5は互いに異種または同種であってもよ
く、Xは互いに異種または同種のハロゲンを示し、q,s
およびtは0以上の整数、rは自然数であってq+s+
t=2r+2である)で表わされるケイ素化合物があげら
れる。
具体的には、例えばトリメチルフェニルシラン,アリ
ルトリメチルシランなどのシラン炭化水素、ヘキサメチ
ルジシラン,オクタフェニルシクロテトラシランなどの
鎖状および環状の有機シラン,メチルシラン,ジメチル
シラン,トリメチルシランなどの有機シラン、四塩化ケ
イ素,四臭化ケイ素などのハロゲン化ケイ素、ジメチル
・ジクロロシラン,ジエチル・ジクロロシラン・n−ブ
チルトリクロロシラン,ジフェニル・ジクロロシラン,
トリエチルフルオロシラン,ジメチルジブロモシランな
どのアルキルおよびアリールハロゲノシラン、トリメチ
ルメトキシシラン,ジメチル・ジエトキシシラン,テト
ラメトキシシラン,ジフェニルジエトキシシラン,テト
ラメチルジエトキシジシラン,ジメチル・テトラエトキ
シジシランなどのアルコキシシラン、ジクロロジエトキ
シシラン,ジクロロジフェニルシラン,トリブロモエト
キシシランなどのハロ・アルコキシおよびフェノキシシ
ラン、トリメチル・アセトキシシラン,ジエチル・ジア
セトキシシラン,エチルトリアセトキシシランなどの脂
肪酸残基を含むシラン化合物などがあげられる。
上記の有機ケイ素化合物は単独で用いてもよく、また
2種以上を混合あるいは反応させて使用することもでき
る。
前記(v)の反応剤であるハロゲン化アルミニウム化
合物としては、一般式R6 zAlX3-zで示されるものが使用
される。ただし、該一般式においてはR6は1〜20個、好
ましくは1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基を表わ
し、Xはハロゲン原子を表わし、zは0≦z<3の数を
表わし、好ましくは0≦z≦2の数を表わす。またR6
直鎖または分岐鎖アルキル基,シクロアルキル基,アリ
ールアルキル基,アリール基およびアルキルアリール基
から選ばれることが好ましい。
上記ハロゲン化アルミニウム化合物は、単独または2
種以上の混合物として使用することができる。
ハロゲン化アルミニウム化合物の具体例としては、例
えば、三塩化アルミニウム,ジエチルアルミニウムクロ
ライド,エチルアルミニウムジクロライド,i−ブチルア
ルミニウムジクロライド,トリエチルアルミニウムと三
塩化アルミニウムの混合物などがあげられる。
本発明に用いる固体触媒成分(A)は、上記の反応剤
(i),(ii)を反応させて得た反応生成物に、反応剤
(iii)および/または反応剤(iv)さらに反応剤
(v)を反応させることにより調整することができる。
これらの反応は、液体媒体中で行うことが好ましい。
そのため特にこれらの反応剤自体が操作条件下で液体で
ない場合、または液状反応剤の量が不十分な場合には、
不活性有機溶媒の存在下で行うべきである。不活性有機
溶媒としては、当該技術分野で通常用いられるものはす
べて使用できるが、脂肪族,脂環族もしくは芳香族炭化
水素類またはそれらのハロゲン誘導体あるいはそれらの
混合物があげられ、例えばイロブタン,ヘキサン,ヘプ
タン,シクロヘキサン,ベンゼン,トルエン,キシレ
ン,モノクロロベンゼンなどが好ましく用いられる。
反応剤(i),(ii),(iii)および/または(i
v)の反応順序は、化学反応を生じる限り、任意の順序
でありうる。すなわち、例えばマグネシウム化合物とチ
タン化合物の混合物にケイ素化合物を加える方法、マグ
ネシウム化合物とチタン化合物の混合物に有機アルミニ
ウム化合物を加え次いでケイ素化合物を加える方法、マ
グネシウム化合物,チタン化合物,ケイ素化合物を同時
に混合する方法、マグネシウム化合物とケイ素化合物
に、チタン化合物を加える方法などが考えられる。
マグネシウム化合物とチタン化合物の混合物に有機ア
ルミニウム化合物を加え次でケイ素化合物を加える方法
は、粉体特性が優れており、好ましい。かくして得られ
る生成物と、ハロゲン化アルミニウム化合物とを反応さ
せて、固体触媒成分(A)を得る。
本発明において固体触媒成分(A)の調整に使用する
反応剤の使用量は、特に制限されないが、マグネシウム
のグラム原子(Mg),チタン化合物中のチタンのグラム
原子(Ti),アルコキシ基もしくはアリロキシ基を含む
ケイ素化合物を使用の際のケイ素化合物中のアルコキシ
基もしくはアリロキシ基のグラム当量(S)、およびハ
ロゲンのグラム原子(X)が、次の2つの式を満足する
ような割合で選ばれることが好ましい。
1/20≦Mg/Ti≦200、より好ましくは2≦Mg/Ti≦200お
よび1/5≦P≦10(P=Mg/Ti+Mg×X/4・Ti+2・Mg+
S)より好ましくは1≦P≦10の範囲で選ばれる。この
範囲内で調整された固体触媒成分(A)を触媒成分
(B)と組合せ、オレフィンを重合することにより、極
めて高い触媒活性で、適度な分子量分布を有し、しかも
粉体特性の優れた重合体が得られ、さらには、成形加工
性に優れ色相,外観の極めて良好な製品が得られる。こ
の範囲をはずれてMg/Tiが大きすぎると、触媒調整の際
に均一なMg−Ti溶液を得ることが困難になったり、重合
の際に触媒の活性が低くなる。逆に小さすぎても触媒の
活性が低くなるため、製品が着色し色相が悪化するなど
の問題を生ずる。また、Pが範囲外にあると触媒活性が
低くなり、粉体特性の向上が望まれない結果となる。し
かも成形加工性が悪く、またゲル,フィッシュアイも多
発し、製品のフィルムやシートの外観を損うという結果
を招く。前記(iii)の有機アルミニウム化合物を全く
使用しないこともできるが、粉体特性を重視する場合に
は使用することが好ましい。
前記アルミニウム化合物R1 3AlまたはR1 nAlY3-n(該式
中、nは1≦n<3である)使用の際には、該化合物中
のAlのグラム原子(以下、Al(iii)という)にnを乗
じたもの(R1 3Alの場合は、Alのグラム原子×3であ
る)と前記(ii)のチタン化合物のTiのグラム原子との
原子比は、 好ましくは の範囲になるように使用量を選ぶことが好ましい。この
範囲をはずれて が大きすぎるると触媒活性が低くなり、小さすぎると粉
体特性の向上が望まれないという結果となる。
前記(iv)のケイ素化合物中のSiのグラム原子と前記
(i)のマグネシウム化合物中のMgのグラム原子との原
子比は1/20≦Mg/Si≦100、好ましくは1/5≦Mg/Si≦10の
範囲になるように使用量を選ぶことが好ましい。この範
囲をはずれてMg/Siが大きすぎると粉体特性の改良が不
十分である。逆に小さすぎると触媒の活性が低いという
結果となる。
前記(v)のハロゲン化アルミニウム化合物の使用量
は、Pが前述の範囲内になるように選ばれる。さらに、
前記(iii)の有機アルミニウム化合物を使用する場
合、前記有機アルミニウム化合物(iii)中のAlのグラ
ム原子(Al(iii))とハロゲン化アルミニウム化合物
(v)中のAlのグラム原子(以下、Al(v)という)の
原子比が1/20≦Al(iii)/Al(v)≦10、好ましくは の範囲になるように選ぶことが好ましい。
の原子比がこの範囲をはずれると、粉体特性の向上が望
まれない結果となる。
各段階の反応条件は特に臨界的ではないが、−50〜30
0℃、好ましくは0〜200℃なる範囲の温度で、0.5〜50
時間、好ましくは1〜6時間、不活性ガス雰囲気中で常
圧または加圧下で行われる。
かくして得た固体触媒成分(A)は、そのまま使用し
てもよいが、一般には過または傾斜法により残存する
未反応物および副生成物を除去してから、不活性有機溶
媒で数回洗浄後、不活性溶媒中に懸濁して使用する。洗
浄後単離し、常圧あるいは減圧下で加熱して不活性有機
溶媒を除去したものも使用できる。
本発明において、触媒成分(B)である周期率表の第
I a,II a,II b,III b,IV b族金属の有機金属化合物とし
ては、リチウム,マグネシウム,亜鉛,スズまたはアル
ミニウムなどの金属と有機基とからなる有機金属化合物
があげられる。上記の有機基としては、アルキル基を代
表としてあげることができる。このアルキル基としては
直鎖または分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基が用いら
れる。このような有機基を有する有機金属化合物として
は、例えばn−ブチルリチウム,ジエチルマグネシウ
ム,ジエチル亜鉛,トリメチルアルミニウム,トリエチ
ルアルミニウム,トリ−i−ブチルアルミニウム,トリ
−n−ブチルアルミニウム,トリ−n−デシルアルミニ
ウム,テトラエチルスズあるいはテトラブチルスズなど
があげられる。なかんずく、直鎖または分岐鎖の炭素数
1〜10のアルキル基を有するトリアルキルアルミニウム
の使用が好ましい。
成分(B)としては、このほか炭素数1〜20のアルキ
ル基を有するアルキル金属水素化物を使用することがで
きる。このような化合物としては、具体的には、ジ−i
−ブチルアルミニウム水素化物,トリメチルスズ水素化
物などをあげることができる。または炭素数1〜20のア
ルキル基を有するアルキル金属アルコキシド、例えばジ
エチルアルミニウムエトキシドなども使用できる。
なお、炭素数1〜20のアルキル基を有するトリアルキ
ルアルミニウムあるいはジアルキルアルミニウム水素化
物と炭素数4〜20のジオレフィンとの反応により得られ
る有機アルミニウム化合物、例えば、イソプレニルアル
ミニウムのような化合物を使用することもできる。
また、酸素原子や窒素原子を介して2以上のアルミニ
ウムが結合したアルミノキサン化合物、例えば、テトラ
メチルアルミノキサン,ポリメチルアルミノキサンなど
を使用することもできる。
本発明で用いられる触媒成分(C)のケイ素の酸素含
有有機化合物としては、炭素数1〜12の炭化水素基が酸
素によってケイ素に結合している化合物をあげることが
できる。
具体的には、例えば、トリメチルメトキシシラン,ト
リメチルエトキシシラン,ジメチルエトキシシラン,ト
リメチル−i−プロポキシシラン,トリメチル−n−プ
ロポキシシラン,トリメチル−t−ブトキシシラン,ト
リメチル−i−ブトキシシラン,トリメチル−n−ブト
キシシラン,トリメチル−n−ペントキシシラン,トリ
メチルフェノキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,
メチルフェニルジメトキシシラン,ジフェニルジメトキ
シシラン,メチルジメトキシシラン,ジメチルジエトキ
シシラン,ジエチルジエトキシシラン,ジフェニルジエ
トキシシラン,メチルドデシルジエトキシシラン,メチ
ルオクダデシルジエトキシシラン,メチルフェニルジエ
トキシシラン,メチルジエトキシシラン,ジベンシルジ
エトキシシラン,ジエトキシシラン,ジメチルジ−n−
ブトキシシラン,ジメチルジ−i−ペントキシシラン,
ジエチルジ−i−ペントキシシラン,ジ−i−ブチルジ
−i−ペントキシシラン,ジフェニルジ−i−ペントキ
シシラン,ジフェニルジ−n−オクトキシシラン,メチ
ルトリメトキシシラン,エチルトリメトキシシラン,n−
ブチルトリメトキシシラン,フェニルトリメトキシシラ
ン,ビニルトリメトキシシラン,クロロメチルトリメト
キシシラン,3−クロロプロピルトリメトキシシラン,4−
クロロフェニルトリメトキシシラン,トリメトキシシラ
ン,メチルトリエトキシシラン,エチルトリエトキシシ
ラン,n−プロピルトリエトキシシラン,n−ブチルトリエ
トキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,ビニルト
リエトキシシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン,トリエトキシシラン,エチルトリ−i−プロポキシ
シラン,ビニルトリ−i−プロポキシシラン,i−ペンチ
ルトリ−n−ブトキシシラン,メチルトリ−i−ペント
キシシラン,エチル−i−ペントキシシラン,メチルト
リ−n−ヘキソキシシラン,フェニルトリ−i−ペント
キシシラン,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシ
ラン,テトラ−i−プロポキシシラン,テトラ−n−プ
ロポキシシラン,テトラ−n−ブトキシシラン,テトラ
−i−ペントキシシラン,テトラ−n−ヘキソキシシラ
ン,テトラフェノキシシラン,テトラメチルジエトキシ
ジシラン,ジメチルテトラエトキシジシランなどのアル
コキシシランもしくはアリーロキシシラン,ジクロロジ
エトキシシラン,ジクロロジフェノキシシラン,トリブ
ロモエトキシシランのどのハロ・アルコキシシランもし
くはハロアリーロキシシランなどがあげられる。
上記のケイ素の酸素含有有機化合物は、単独で用いて
もよく、また2種以上の混合あるいは反応させて使用す
ることもできる。
本発明の実施にあたり、触媒成分(A)の使用量は、
反応器1当たり、チタン原子0.001〜2.5ミリモル(mm
ol)に相当する量で使用することが好ましい。
成分(B)の有機金属化合物は、反応器1当たり、
0.02〜50mmol、好ましくは0.2〜5mmolの濃度で使用す
る。
成分(C)のケイ素の酸素含有有機化合物は、反応器
1当たり、0.001〜50mmol、好ましくは0.01〜5mmolの
濃度で使用する。
本発明における3成分の重合器内への送入態様は、特
に限定されるものではなく、例えば成分(A),成分
(B),成分(C)を各々別個に重合機へ送入する方
法、あるいは成分(A)と成分(C)を接触させた後に
成分(B)と接触させて重合する方法、成分(B)と成
分(C)を接触させた後に成分(A)と接触させて重合
する方法、予め成分(A)と成分(B)と成分(C)と
を接触させて重合する方法などを採用することができ
る。オレフィンの重合は、重合体の融点未満の反応温度
で液相中あるいは気相中で行う。
重合を液相中で行う場合は、オレフィンそれ自身を反
応媒体としてもよいが、不活性溶媒を反応媒体として用
いることもできる。この不活性溶媒は、当該技術分野で
通常用いられるものであればどれでも使用することがで
きるが、特に4〜20個の炭素原子を有するアルカン,シ
クロアルカン、例えばイソブタン,ペンタン,ヘキサ
ン,シクロヘキサンなどが適当である。
本発明のポリオレフィンの製造方法において重合させ
るオレフィンとしては、一般式R−CH=CH2のα−オレ
フィン(式中、Rは1〜10個、特に1〜8個の炭素原子
を有する直鎖または分岐鎖の置換・非置換アルキル機を
表わす)をあげることができる。具体的には、プロピレ
ン,1−ブテン,1−ペンテン,4−メチル−1−ペンテン,1
−オクテンなどがあげられる。これらは、単独重合のみ
ならず、ランダム共重合,ブロック共重合を行うことが
できる。共重合に際しては、上記α−オレフィンの2種
以上もしくはα−オレフィンとブタジエン,イソプレン
などのジエン類を用いて重合を行う。特に、プロピレ
ン,プロピレンとエチレン,プロピレンとプロピレン以
外の上記のα−オレフィン,プロピレンとジエン類を用
いて重合を行うことが好ましい。
本発明における反応条件は、重合体の融点未満の反応
温度で行われる限り特に限定されないが、通常温度20〜
110℃,圧力2〜50Kg/cm2・Gに選ばれる。
各重合工程において使用する反応器は、当該技術分野
で通常用いられるものであれば適宜使用することができ
る。例えば、撹はん槽型反応器または循環式反応器を用
いて、重合操作を連続方式,半回分方式および回分方式
のいずれかの方式で行うことができる。
さらに重合を反応条件の異なる2段階以上に分けて行
うことも可能である。
〔発明の効果〕
本発明の効果は、第1に重合体の粉体特性が顕著な点
にある。すなわち、本発明によれば、微細粒子含量が少
なく、さらに適度な大きさの平均粒径を有する嵩密度の
高い重合体を得ることができる。また、粒度分布が極め
て狭い重合体を得ることも可能である。これらのことは
工業的に極めて大きな意義を有する。すなわち、重合工
程においては、重合装置内での付着物の生成が阻止さ
れ、重合体の分離,乾燥工程においては、重合体スラリ
ーの分離・過が容易となり、重合体の微細粒子の系外
への飛散が防止される。加えて流動性の向上により乾燥
効率が向上する。また、移送工程においては、サイロ内
でブリッジなどの発生がなく、移送上のトラブルが解消
される。さらに、一定の品質を有するポリマーを提供す
ることが可能となる。
本発明の第2の効果は、触媒活性が高いこと、すなわ
ち、固定触媒成分(A)の単位重量当たりに得られる重
合体の重量が著しく多いことである。また、Ti単位重量
当たりの活性を極めて高く、たとえばプロピレン重合の
場合、使用したチタン1グラムかつプロピレン分圧1Kg/
cm2当たり1時間当たりの活性は普通1,000を越える。最
も好ましい場合には、この地は10,000を越える。したが
って重合体の成形時に劣化や着色などの問題を避けるこ
とができる。
本発明の第3の効果は、重合体の立体規則性が極めて
高いことにある。したがって、反応媒体を使用しない気
相重合法による重合体製造に極めて有利である。
本発明の第4の効果は、触媒成分の製造に四ハロゲン
化チタンを用いないため、触媒製造工程および触媒洗浄
液処理工程におけるトラブルを回避できることにある。
四ハロゲン化チタンは、極少量の空気や水分に接触して
も容易に分解して塩化水素や分解生成物である固体堆積
物を多量に発生させるため、装置や配管を腐蝕し、ま
た、配管を閉塞するなどの問題を生ずる。本発明による
触媒成分の製造方法に従えば、四ハロゲン化チタンを出
発原料とすることに因るこれからの問題を改善もしくは
解消することができる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例により示すが、本発明はこれら
の実施例によってなんら限定されるものではない。な
お、実施例および比較例において、メルトフローレート
(以下MFRと略す)はASTM D−1238条件Lにより測定
した。アイソタクチックインデックス(以下IIと略す)
は全生成重合体に対するn−ヘプタン抽出後の不溶性重
合体の割合を重量百分率で示した。
活性は、固体触媒成分(A)1g当たりの重合体生成量
(g)を表わす。Ti活性は、固体触媒成分(A)中のTi
含量1g当たりの重合体生成量(g)を表わす。重合体粒
子の粒径分布の広狭は重合体粒子を篩によって分級した
結果を確率対数紙にプロットし、近似した直線より公知
の方法で幾何標準偏差を求め、その常用通際(以下σと
いう)で表わした。また、平均粒径は前記の近似直線の
重量積算値50%に対応する粒径を読み取った値である。
微細粒子含量は粒径が105μ以下の微細粒子の割合を重
量百分率で示す。
実施例1 (イ)[固体触媒成分(A)の調整] 撹拌装置を備えた1.6のオートクレーブに、n−ブ
タノール70g(0.94モル)を入れ、これにヨウ素0.55g,
金属マグネシウム粉末11g(0.45モル)およびチタンテ
トラブトキシド61g(0.18モル)を加え、さらにヘキサ
ン450mlを加えた後80℃まで昇温し、発生する水素ガス
を排除しながら窒素シール下で1時間撹拌した。引き続
き120℃まで昇温して1時間反応を行い、Mg−Ti溶液を
得た。
内容積500mlのフラスコにMg−Ti溶液のMg換算0.048モ
ルを加え45℃に昇温してトリ−i−ブチルアルミニウム
(0.048モル)のヘキサン溶液を1時間かけて加えた。
すべてを加えた後60℃で1時間撹拌した。次にメチルヒ
ドロポリシロキサン(25℃における粘度約30センチスト
ークス)2.8ml(ケイ素0.048グラム原子)を加え、還流
下に1時間反応させた。45℃に冷却後、i−ブチルアル
ミニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液90mlを2時間
かけて加えた。すなわち、Mg/Tiは2.5,Pは1.9に相当す
る。すべてを加えたのち、70℃で1時間撹拌を行った。
生成物にヘキサンを加え、傾斜法で15回洗浄を行った。
かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分(A)のス
ラリー(固体触媒成分(A)9.5gを含む)を得た。その
一部を採取し、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥
し、元素分析したところ、Tiは8.9wt%であった。
(ロ)プロピレンの重合 内容積2のステンレススチール製電磁撹拌式オート
クレーブ内を十分窒素で置換し、触媒成分(B)として
トリエチルアルミニウム0.57g,触媒成分(C)としてフ
ェニルトリエトキシシラン0.24g、および前記(イ)で
得た固体触媒成分(A)30mgを含有するスラリー5mlを
順次添加した。オートクレーブ内圧を0.1Kg/cm2Gに調節
し、水素を0.2Kg/cm2加えたのち、液体プロピレン0.5Kg
を圧入した。撹拌を開始するとともに、オートクレーブ
内温を60℃に昇温し、同温度で1.5時間プロピレンを重
合させた。重合反応終了後、撹拌を止めると同時に系内
の未反応プロピレンを放出し、生成重合体を回収した。
その結果、生成重合体は230gであり、活性は8300g/g、T
i活性は93Kg/gに相当する。また、重合体粒子の諸特性
を測定したところ、MFR15g/10分,II95.0%,嵩密度0.34
g/cm3,平均粒径230μ,σ0.17,微細粒子含量2.6%の結
果を得た。
実施例2〜10,比較例1〜2 実施例1の方法において、成分(C)の種類および添
加量のみを表1に示すようにそれぞれ変化させて実験を
行った。すなわち、実施例1で調整した固体触媒成分
(A)およびトリエチルアルミニウムは実施例1と同様
に用い、実施例2および3ではフェニルトリエトキシシ
ランの添加量を、実施例4〜8および比較例2では触媒
成分(C)の種類を変化させ、また、比較例1では触媒
成分(C)を用いないで、かつ、触媒成分(A)および
(B)の使用量を各々10mg,0.19gとして重合を行った。
結果は表1に併記する。
実施例11 実施例1と同様の装置を用い、反応剤としてn−ブタ
ノール37g(0.50モル)、i−プロパノール30g(0.50モ
ル)、ヨウ素0.55g,金属マグネシウム粉体11g(0.45モ
ル)およびチタンテトラブトキシド61g(0.18モル),
ヘキサン450mlを使用し、実施例1と同様の条件で反応
を行い、Mg−Ti溶液を得た。
このMg−Ti溶液のMg換算0.052モルを500mlのフラスコ
に加え、実施例1の(イ)と同様の方法でジエチルアル
ミニウムクロライド(0.10モル)と反応させた。反応終
了後、室温に降温し生成物にヘキサンを加え傾斜法で3
回洗浄を行った。続いて実施例1の(イ)と同様の方法
でメチルヒドロポリシロキサン(ケイ素0.10グラム原
子)、さらにi−ブチルアルミニウムジクロライド(0.
28モル)を反応させて固体触媒成分(A)のスラリーを
得た。Mg/Tiは2.5,Pは2.4に相当しTi含量は9.0wt%であ
った。
得られた固体触媒成分(A)を用いた以外は実施例1
と同様にプロピレンの重合を行った。その結果、MFR14g
/10分,II94.3%,嵩密度0.34g/cm3のポリプロピレンが
得られた。活性は7700g/gに相当する。また、平均粒径
は220μ,σは0.17,微細粒子含量は3.0重量%であっ
た。
実施例12 撹拌装置を備えた容量1.6のオートクレーブに、n
−ブタノール32.2g(0.42モル)を入れ、さらにヨウ素
0.2g、金属マグネシウム粉末4.86g(0.20モル)とチタ
ンテトラブトキシド27.2g(0.08モル)を加え、さらに
ヘキサン200mlを加えたのち、80℃まで昇温し、発生す
る水素ガスを排除しながら窒素シール下で1時間撹拌し
た。引き続き120℃まで昇温し1時間反応を行った。そ
の後120℃でジメチルポリシロキサン(25℃における粘
度50センチストークス)153g(ケイ素0.2グラム原子)
を窒素により圧入し、120℃で1時間反応させた。
ヘキサン340mlを加えて45℃に降温し、エチルアルミ
ニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液348mlを3時間
かけて加えた。すべての加えた後昇温し、60℃で1時間
撹拌を行った。生成物にヘキサンを加え、傾瀉法で15回
洗浄を行った。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒
成分(A)のスラリー[固体触媒成分(A)38gを含
む]を得た。その一部を採取し、上澄液を除去した後、
窒素雰囲気下で乾燥し、分析したところ、チタン含量は
9.3wt%であった。
得られた固体触媒成分(A)を用いた以外は実施例1
と同様にプロピレンの重合を行った。結果は表2に示
す。
実施例13〜15 実施例12と同様な操作で固体触媒成分(A)の調整と
プロピレンの重合を行った。ただし、ケイ素化合物(i
v)として実施例12で用いたジメチルポリシロキサンの
代りに種々の化合物を用いた。すなわち、実施例13では
メチルフェニルポリシロキサン(25℃における粘度500
センチストークス)、実施例14ではジフェニルジエトキ
シシラン、実施例15ではテトラメトキシシランを用い
た。
各触媒を用いて、実施例1と同様の操作でプロピレン
の重合を行った。その結果を表2に示す。
実施例16 撹拌装置を備えた1.6のオートクレーブに、n−ブ
タノール37g(0.50モル),2−エチルヘキサンノール65g
(0.50モル)を入れ、これにヨウ素0.55g,金属マグネシ
ウム粉末11g(0.45モル)およびチタンテトラブトキシ
ド15g(0.044モル)を加え、さらにヘキサン450mlを加
えた後80℃まで昇温し、発生する水素ガスを排除しなが
ら窒素シール下で1時間撹拌した。引き続き120℃まで
昇温して1時間反応を行い、Mg−Ti溶液を得た。
内容積500mlのフラスコにMg−Ti溶液のMg換算0.048モ
ルを加え45℃に昇温してジエチルアルミニウムクロライ
ド(0.048モル)のヘキサン溶液を1時間かけて加え
た。すべての加えたのち、60℃で1時間撹拌した。次に
メチルヒドロポリシロキサン(25℃における粘度約30セ
ンチストークス)5.6ml(ケイ素0.096グラム原子)を加
え、還流下に1時間反応させた。45℃に冷却後、i−ブ
チルアルミニウムジクロライドの50%のヘキサン溶液80
mlを2時間かけて加えた。すべてを加えたのち、70℃で
撹拌を行った。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で15回
洗浄を行った。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒
成分(A)のスラリー(固体触媒成分(A)12.6gを含
む)を得た。その一部を採取し、上澄液を除去して窒素
雰囲気下で乾燥し、元素分析したところ、Tiは3.6重量
%であった。
得られた固体触媒成分(A)を用いた以外は実施例1
と同様にプロピレンの重合を行った。結果は表3に示
す。
実施例17〜20 実施例16と同様な操作で固体触媒成分(A)の調整と
プロピレンの重合を行った。ただし、固体触媒成分
(A)の製造に用いる反応剤の種類および反応剤の使用
量を変化させた。すなわち、実施例17では1−デカノー
ル(0.50モル)とi−プロパノール(0.50モル)、実施
例18では1−ドデカノール(0.50モル)とi−プロパノ
ール(0.50モル)にアルコール類を変化させ、実施例19
ではチタンテトラブトキシドの使用量を15g(0.044モ
ル)に変化させた。また、実施例20ではアルコール類を
n−オクタノール(0.50モル)と2−エチルヘキサノー
ル(0.50モル)にチタンテトラブトキシドの使用量を4g
(0.012モル)として固体触媒成分(A)の調整を行っ
た。
得られた各固体触媒成分(A)を用いて、実施例1と
同様の操作でプロピレンの重合を行った。その結果を表
3に示す。
実施例21 撹拌装置を備えた1.6のオートクレーブにジエトキ
シマグネシウム21.3g(0.2モル)を入れ、これにチタン
テトラブトキシド68g(0.2モル)を加えたのち120℃ま
で昇温して1時間反応を行った。その後120℃でジメチ
ルポリシロキサン(25℃における粘度約50センチストー
クス)153g(ケイ素0.2グラム原子)を窒素により圧送
し、120℃で1時間反応させた。反応後、ヘキサン340ml
を加え、45℃に冷却後、ヘキサンで50wt%に希釈された
i−ブチルアルミニウムジクロライド186g(1.2モル)
を3時間かけて加えた。すべてを加えた後60℃で1時間
撹拌を行い、固体触媒成分(A)を得た。この固体触媒
成分(A)のTi含量は12.4wt%であった。
得られた固体触媒成分(A)を用いて実施例1と同様
な操作でプロピレンの重合を行った。その結果、MFR22g
/10分,II93.1%,嵩密度0.32g/cm3のポリプロピレンが
得られた。活性は6700g/0に相当する。また、平均粒径
は250μ,微細粒子含量は10重量%、そしてσは0.36で
あった。
実施例22および23 実施例1の固体触媒成分(A)を用い、加える水素の
量を変えた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を
行った。結果は、表4に示す。
実施例24 実施例1と同様にプロピレンの重合を行ったが、触媒
成分(B)はトリエチルアルミニウム0.29gおよびジエ
チルアルミニウムクロライド0.30gを使用した。その結
果、MFR17g/10分,II88.7%,嵩密度0.34g/cm3のポリプ
ロピレンが得られた。活性は9300g/0に相当する。ま
た、平均粒径は240μ,σは0.17,微細粒子含量は2.5重
量%であった。
実施例25 実施例1で調整した固体触媒成分(A)を用いて気相
中で重合を行った。内容積2のステンレススチール
製、電磁撹拌型オートクレーブ内に嵩密度0.34g/cm3,MF
R6g/10分のポリプロピレン粉末50gを仕込み70℃で2時
間の脱気乾燥を行った。オートクレーブ内を充分に窒素
置換したのち、内温を60℃に調節した。その後、触媒成
分(B)としてトリエチルアルミニウム0.57g,成分
(C)としてフェニルトリエトキシシラン0.24g、およ
び成分(A)30mgを順次添加した。反応器内圧を0.1Kg/
cm2Gに調節した後、水素0.3Kg/cm2を加えて全圧が10.4K
g/cm2Gになるように連続的にプロピレンを加えながら、
2時間重合を行った。MFR5g/10分、嵩密度0.35g/cm3
ポリプロピレン175gを得た。
実施例26 内容積2のステンレススチール製電磁撹拌式オート
クレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2を仕込
み、内温を60℃に調節した。その後、触媒成分(B)と
してトリ−i−ブチルアルミニウム0.99g,触媒成分とし
てフェニルトリエトキシシラン0.24g、および実施例1
で調整した固体触媒成分(A)30mgを含有するスラリー
5mlを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.1Kg/cm2
調節した後、水素を0.2Kg/cm2加え、次いでオートクレ
ーブ内圧が10.3Kg/cm2Gになるように連続的にプロピレ
ン加えながら1時間重合を行った。0.1Kg/cm2Gまで脱圧
した後、水素0.2Kg/cm2を加え、全圧が10.3Kg/cm2Gにな
るように連続的にエチレンを加えながら10分間重合を行
い、プロピレン/エチレンブロック共重合体140gを得
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる触媒調製工程を示すフローチャ
ート図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(i)金属マグネシウムと水酸化有
    機化合物およびマグネシウムの酸素含有有機化合物から
    選ばれた少なくとも1員、 (ii)一般式[TiOa(OR2(式中、R2は炭素数
    1〜20の炭化水素基を表わし、Tiの原子価は4価、aと
    bとは、a≧0でb>0で、mは整数である。)で表わ
    される少なくとも1種のチタンの酸素含有有機化合物、 (iii)一般式R1 3AlまたはR1 nAlY3-n(式中、R1は同一
    または異なる1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を
    表わし、Yは1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ
    基、アリールオキシ基、シクロアルコキシ基またはハロ
    ゲン原子を表わし、またnは1≦n<3の数を表わ
    す。)で表わされる少なくとも1種の有機アルミニウム
    化合物および/または (iv)一般式 (式中、R3およびR4は炭素数1〜12の炭化水素基、水
    素、ハロゲン、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリロキ
    シ基、脂肪酸残基を表わし、R3およびR4は同種、異種の
    いずれでもよく、pは通常2〜10000の整数を表わ
    す。)で表わされる繰返し単位の1種または2種以上
    を、分子内に種々の比率、分布で有している鎖状、環状
    あるいは三次元構造を有するポリシロキサンおよび一般
    式HqSirR5 sXt(式中、R5は炭素数1〜12の炭化水素基、
    炭素数1〜12のアルコキシ基、アリロキシ基、脂肪酸残
    基を表わし、R5は互いに異種または同種であってもよ
    く、Xは互いに異種または同種のハロゲンを示し、q,s
    およびtは0以上の整数、rは自然数であってq+s+
    t=2r+2である。)で表わされるシラン類の少なくと
    も1種を反応させて得られる反応物と、 (v)一般式R6 zAlX3-z(式中、R6は1〜20個の炭素原
    子を有する炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表
    わし、zは0≦z<3の数を表わす。)で表わされる少
    なくとも1種のハロゲン化アルミニウム化合物とを反応
    させて得られる固体触媒成分(A)と、 (B) 周期律表の第I a,II a,II b,III b及びIV b族
    金属の有機金属化合物の群から選ばれた少なくとも1種
    の触媒成分(B)と、 (C) アルコキシシラン、アリーロキシシラン、ハロ
    アルコキシシラン、ハロアリーロキシシランの群から選
    ばれた少なくとも1種の触媒成分(C)とからなる触媒
    系の存在下で、少なくとも1種のオレフィンを重合させ
    ることを特徴とする立体規則性ポリオレフィンの製造方
    法。
JP12805886A 1986-06-04 1986-06-04 立体規則性ポリオレフインの製造方法 Expired - Lifetime JPH089645B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12805886A JPH089645B2 (ja) 1986-06-04 1986-06-04 立体規則性ポリオレフインの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12805886A JPH089645B2 (ja) 1986-06-04 1986-06-04 立体規則性ポリオレフインの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62285905A JPS62285905A (ja) 1987-12-11
JPH089645B2 true JPH089645B2 (ja) 1996-01-31

Family

ID=14975434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12805886A Expired - Lifetime JPH089645B2 (ja) 1986-06-04 1986-06-04 立体規則性ポリオレフインの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH089645B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6469112B2 (en) * 2000-08-22 2002-10-22 Engelhard Corporation (Cycloalkyl)methyl silanes as external donors for polyolefin catalysts

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62285905A (ja) 1987-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0504744B1 (en) Method for producing a stereospecific polyolefin
JP3049569B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
EP0275317B1 (en) Process for producing stereoregular polyolefins
JPH0422163B2 (ja)
JP2850427B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPS6258367B2 (ja)
JP3044262B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPS6248682B2 (ja)
JP3319051B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3006139B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPH0791336B2 (ja) ポリオレフィン触媒およびオレフィンポリマーの製造方法
JPH089645B2 (ja) 立体規則性ポリオレフインの製造方法
JP2757206B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
EP0132288B1 (en) A method of polymerizing an olefin
US6320003B1 (en) Method for producing a polyolefin
JP3966066B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP2536531B2 (ja) 立体規則性ポリオレフィンの製造方法
JP3223566B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3086891B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3211268B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP2535914B2 (ja) ポリエチレンの製造方法
JPH01105A (ja) 立体規則性ポリオレフィンの製造方法
JPS6072908A (ja) エチレン共重合体の製造方法
JP2003064121A (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP2002187910A (ja) ポリオレフィンの製造方法