JP3223566B2 - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィンの製造方法

Info

Publication number
JP3223566B2
JP3223566B2 JP10904092A JP10904092A JP3223566B2 JP 3223566 B2 JP3223566 B2 JP 3223566B2 JP 10904092 A JP10904092 A JP 10904092A JP 10904092 A JP10904092 A JP 10904092A JP 3223566 B2 JP3223566 B2 JP 3223566B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
transition metal
carbon atoms
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10904092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05287020A (ja
Inventor
史治 高橋
豊 内藤
充博 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP10904092A priority Critical patent/JP3223566B2/ja
Publication of JPH05287020A publication Critical patent/JPH05287020A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3223566B2 publication Critical patent/JP3223566B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィンの製造方
法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は優れ
た重合活性で任意に分子量分布を制御することが可能な
ポリオレフィン製造方法であり、さらに、重合体の粒子
形状は良好で粉体特性が優れており、オレフィンの共重
合においては透明性が良く溶融張力などの溶融物性に優
れた共重合体を得ることができるポリオレフィンの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの重合によりポリオレフィン
を製造する方法として遷移金属化合物および有機金属化
合物の組み合わせからなる触媒系を用いることはすでに
知られている。さらに近年では、高活性型触媒として例
えば塩化マグネシウムと四塩化チタンを用いたマグネシ
ウム、チタン、ハロゲンを主成分とする固体触媒成分と
有機金属化合物からなる触媒成分の存在下にポリオレフ
ィンを製造する方法が数多く提案されている。しかしな
がら、このチタン化合物を主成分とする触媒系では、生
成重合体の分子量分布の制御に限界があり、ポリオレフ
ィンの品質の多様化に応じて分子量分布を任意に制御で
きる触媒が要請されている。
【0003】このため、すでに特公昭52−39714
号において、金属マグネシウム、水酸化有機化合物、遷
移金属の有機酸素化合物、遷移金属のハロゲン含有化合
物およびアルミニウムハロゲン化物の反応生成物と有機
金属化合物とからなる触媒系を使用することにより、高
活性を維持しつつ任意の分子量分布を有するポリオレフ
ィンを製造しえる重合方法が提示されている。この提案
では、塩化マグネシウムや四塩化チタンと比べ比較的取
り扱いの容易な金属マグネシウム、アルコールのような
水酸化有機化合物およびチタンテトラブトキシドのよう
な遷移金属の有機酸素化合物を用いるため、触媒成分の
調製に水分の制御や調製機器の腐食の問題がなく工業的
に利点の多い触媒調製方法を開示している。しかしなが
ら、この提案による触媒系の重合活性は未だ充分なもの
とはいえず改良の余地が残されている。また、この提案
による触媒系でエチレン・α−オレフィン共重合体を製
造した場合には、組成分布が広く、共重合体中に取り込
まれたα−オレフィン単位が低分子量側に多く存在する
ため、べとつきや、透明性に劣るといった問題が生じ
る。
【0004】さらに、これらの触媒系の存在下で得られ
る重合体粒子は、平均粒径が小さかったり、粒度分布が
広かったりして、重合体粒子中に含まれる微細粒子の割
合が多く、粉体特性の点ではいまだ不十分なものであっ
た。
【0005】その為、広範囲な分子量分布の制御が可能
で、粒子形状の優れた重合体を高活性で生産でき、さら
に共重合においては組成分布の狭い共重合体を与える触
媒系の開発が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
触媒成分の調製に水分の制御や調製機器の腐食の問題が
なく工業的に利点の多い金属マグネシウム、アルコール
のような水酸化有機化合物およびチタンテトラブトキシ
ドのような遷移金属の有機酸素化合物を用いる触媒製造
方法についてさらに鋭意検討を重ねた結果、非常に高い
活性で、嵩密度、粒度分布、粒径の粉体特性に優れた重
合体が得られ、なおかつ、分子量分布の制御が可能であ
り、共重合時の組成分布をも制御できるという驚くべき
触媒系を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は遷移金属化合物および
有機金属化合物からなる触媒の存在下、ポリオレフィン
を製造するにあたって、 (A)成分として (i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物、およびマ
グネシウムの酸素含有有機化合物から選ばれた少なくと
も1員、 (ii)一般式[Me 1 a (OR 1 b 1 c m (該一般
式においてMe 1 は周期律表のIVa族の遷移金属であ
り、R 1 は炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、X 1
ハロゲン原子を示し、a、bおよびcは、a≧0でb>
0、4>c≧0で遷移金属の原子価と相容れるような数
を表わし、mは整数を表わす。)で表される少なくとも
1種以上の遷移金属の酸素含有有機化合物とを含有する
均一溶液に、 (iii)一般式
【化1】 (式中、R 2 およびR 3 は炭素数1〜12の炭化水素基、
水素、ハロゲン、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリ
ロキシ基、脂肪酸残基のケイ素に結合しうる原子または
残基を表わし、R 2 およびR 3 は同種、異種のいずれでも
よく、nは通常2〜10、000の整数を表わす。)で
表わされる繰返し単位の1種または2種以上を、分子内
に有している鎖状、環状あるいは三次元構造を有するシ
ロキサン重合物(ただし、すべてのR 2 およびR 3 が、水
素あるいはハロゲンである場合は除く。)または一般式
o Si p 4 q 2 r (式中R 4 は、炭素数1〜12の炭化
水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリロキシ
基、脂肪酸残基のケイ素に結合しうる基を表わし、各R
4 は互いに異種または同種であってもよく、X 2 は互いに
異種または同 種のハロゲン原子を示し、o、qおよびr
は0以上の整数、pは自然数であってo+q+r=2p
+2または2pである。)で表わされるシラン類から選
ばれた少なくとも1種以上のケイ素化合物および (iv)一般式(シクロペンタジエニル類) s Me 2
t-s (式中、Me 2 は周期律表のIVa族の遷移金属を表
し、Lは遷移金属に配位するシクロペンタジエニル類以
外の配位子を表す。sはシクロペンタジエニル類の配位
数を表す整数で、tは遷移金属の原子価を示す。s、t
は1≦s≦tの範囲であり、sがs≧2の場合には、2
個のシクロペンタジエニル類の配位子が、シリレン基、
置換シリレン基、アルキレン基、置換アルキレン基、硫
黄を介して2個以上結合されていてもよい。)で表され
少なくとも1種以上の遷移金属のシクロペンタジエニ
ル類を配位子とする化合物を加え、次いで、 (v)少なくとも1種以上のハロゲン化有機アルミニウ
ム化合物を反応させて得られる固体触媒と、 (B)成分として有機アルミニウム化合物および/また
は有機アルミニウムオキシ化合物からなる触媒系の存在
下で、少なくとも1種以上のα−オレフィンを重合させ
ることを特徴とするポリオレフィンの製造方法である。
【0008】
【作用】本発明において固体触媒成分(A)の調製に用
いる反応剤である前記(i) の金属マグネシウムと水酸化
有機化合物およびマグネシウムの酸素含有有機化合物と
しては、以下のものがあげられる。まず、金属マグネシ
ウムと水酸化有機化合物とを使用する場合において、金
属マグネシウムとしては各種の形状、すなわち粉末,粒
子,箔またはリボンなどのいずれの形状のものも使用で
き、また水酸化有機化合物としては、アルコール類,有
機シラノール,フェノール類が適している。
【0009】アルコール類としては、1〜18個の炭素
原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族アルコール、脂環
式アルコールまたは芳香族アルコールが使用できる。例
としては、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノー
ル、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−
オクタノール、i−オクタノール、n−ステアリルアル
コール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エ
チレングリコールなどがあげられる。
【0010】また、有機シラノールとしては少なくとも
1個のヒドロキシル基を有し、かつ、有機基は1〜12
個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する
アルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、
アリール基、アルキルアリール基および芳香族基から選
ばれる。例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシ
ラノール、トリフェニルシラノール、t−ブチルジメチ
ルシラノールなどがあげられる。
【0011】さらに、フェノール類としてはフェノー
ル、クレゾール、キシレノール、ハイドロキノンなどが
あげられる。
【0012】これらの水酸化有機化合物は、単独または
2種類以上の混合物として使用される。単独で使用する
ことはもちろん良いが、2種類以上の混合物として使用
すると、重合体の粉体特性などに特異な効果を醸し出す
ことがある。
【0013】加うるに、金属マグネシウムを使用して本
発明で述べる固体触媒成分を得る場合、反応を促進する
目的から、金属マグネシウムと反応したり、付加化合物
を生成したりするような物質、例えばヨウ素,塩化第2
水銀,ハロゲン化アルキル,有機酸エステルおよび有機
酸などのような極性物質を、単独または2種類以上添加
することが好ましい。
【0014】次に、マグネシウムの酸素含有有機化合物
に属する化合物としては、マグネシウムアルコキシド
類、例えば、メチレート、エチレート、イソプロピレー
ト、デカノレート、メトキシエチレートおよびシクロヘ
キサノレート、マグネシウムアルキルアルコキシド類、
例えばエチルエチレート、マグネシウムヒドロアルコキ
シド類、例えばヒドロキシメチレート、マグネシウムフ
ェノキシド類、例えばフェネート、ナフテネート、フェ
ナンスレネートおよびクレゾレート、マグネシウムカル
ボキシレート類、例えばアセテート、ステアレート、ベ
ンゾエート、フェニルアセテート、アジペート、セバケ
ート、フタレート、アクリレートおよびオレエート、オ
キシメート類、例えばブチルオキシメート、ジメチルグ
リオキシメートおよびシクロヘキシルオキシメート、ヒ
ドロキサム酸塩類、ヒドロキシルアミン塩類、例えばN
−エトロソ−N−フェニル−ヒドロキシルアミン誘導
体、エノレート類、例えばアセチルアセトネート、マグ
ネシウムシラノレート類、例えばトリフェニルシラノレ
ート、マグネシウムと他の金属との錯アルコキシド類、
例えばMg〔Al(OCがあげられる。
これらの酸素含有有機マグネシウム化合物は、単独また
は2種類以上の混合物として使用される。
【0015】前記(ii)の反応剤である遷移金属の酸
素含有有機化合物としては、一般式[Me1a(O
1b1 cmで表される化合物が使用される。ただ
し、該一般式においてMe1は周期律表のIVa族の遷
移金属であり、例えば、チタン、ジルコニウム、および
ハフニウムがあげられ、特にチタン、ジルコニウムが望
ましい。R1は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の
直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ールアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基
などの炭化水素基を表わし、X1はハロゲン原子を示
し、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素である。a、b
およびcは、a≧0でb>0、4>c≧0で遷移金属の
原子価と相容れるような数を表わし、mは整数を表わ
す。なかんずく、aが0≦a≦1でmが1≦m≦6であ
るような酸素含有有機化合物を使うことが望ましい。
【0016】具体的な例としては、テトラエトキシチタ
ン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチ
タン、テトラブトキシチタン、TiO(O−i−C
などがあげられる。これらのチタン化合物にお
いて遷移金属を、ジルコニウムに置き換えた遷移金属化
合物も用いることができる。また、いくつかの異なる炭
化水素基を有する酸素含有有機化合物の使用も、本発明
の範囲に入る。これらの遷移金属の酸素含有有機化合物
は単独または2種類以上の混合物として使用する。
【0017】前記(iii)の反応剤であるケイ素化合
物としては、次に示すポリシロキサンおよびシラン類が
用いられる。
【0018】ポリシロキサンとしては、一般式
【0019】
【化1】 (式中、RおよびRは炭素数1〜12のアルキル
基、アリール基などの炭化水素基、水素、ハロゲン、炭
素数1〜12のアルコキシ基、アリロキシ基、脂肪酸残
基などのケイ素に結合しうる原子または残基を表わし、
およびRは同種、異種のいずれでもよく、nは通
常2〜10、000の整数を表わす)で表わされる繰返
し単位の1種または2種以上を、分子内に種々の比率、
分布で有している鎖状、環状あるいは三次元構造を有す
るシロキサン重合物(ただし、すべてのRおよびR
が、水素あるいはハロゲンである場合は除く)があげら
れる。
【0020】具体的には、鎖状ポリシロキサンとして
は、例えばヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルト
リシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリ
シロキサン、メチルエチルポリシロキサン、メチルヒド
ロポリシロキサン、エチルヒドロポリシロキサン、ブチ
ルヒドロポリシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサ
ン、オクタフェニルトリシロキサン、ジフェニルポリシ
ロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン、メチルフェ
ニルポリシロキサン、1,5−ジクロロヘキサメチルト
リシロキサン、1,7−ジクロロオクタメチルテトラシ
ロキサン、ジメトキシポリシロキサン、ジエトキシポリ
シロキサン、ジフェノキシポリシロキサンなどがあげら
れる。
【0021】環状ポリシロキサンとしては、例えばヘキ
サメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、
2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,
4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ト
リフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラフ
ェニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサフ
ェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテ
トラシロキサンなどがあげられる。
【0022】三次元構造を有するポリシロキサンとして
は、例えば上記の鎖状または環状のポリシロキサンを加
熱などにより架橋構造を持つようにしたものなどをあげ
ることができる。
【0023】これらのポリシロキサンは、取扱上液状で
あることが望ましく、25℃における粘度が1〜100
00センチストークス、好ましくは、1〜1000セン
チストークスの範囲であることが望ましい。しかし、液
状に限る必要はなく、シリコングリースと総括的に呼ば
れるような固形物であってもさしつかえない。
【0024】シラン類としては、一般式HSi
(式中Rは、炭素数1〜12のアルキル基、
アリール基等の炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキ
シ基、アリロキシ基、脂肪酸残基などのケイ素に結合し
うる基を表わし、各Rは互いに異種または同種であっ
てもよく、Xは互いに異種または同種のハロゲン原子
を示し、o、qおよびrは0以上の整数、pは自然数で
あってo+q+r=2p+2または2pである)で表わ
されるケイ素化合物があげられる。
【0025】具体的には、例えばトリメチルフェニルシ
ラン、ジメチルジフェニルシラン、アリルトリメチルシ
ランなどのシラ炭化水素、ヘキサメチルジシラン、オク
タフェニルシクロテトラシランなどの鎖状および環状の
有機シラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチ
ルシランなどの有機シラン、四塩化ケイ素、四臭化ケイ
素などのハロゲン化ケイ素、ジメチルジクロロシラン、
ジエチルジクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラ
ン、ジフェニルジクロロシラン、トリエチルフルオロシ
ラン、ジメチルジブロモシランなどのアルキルおよびア
リールハロゲノシラン、トリメチルメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン、テトラメチルジエトキシジシラ
ン、ジメチル・テトラエトキシジシランなどのアルコキ
シシラン、ジクロロジエトキシシラン、ジクロロジフェ
ニルシラン、トリブロモエトキシシランなどのハロアル
コキシおよびフェノキシシラン、トリメチルアセトキシ
シラン、ジエチルジアセトキシシラン、エチルトリアセ
トキシシランなどの脂肪酸残基を含むシラン化合物など
があげられる。
【0026】好ましくは、ジメチルポリシロキサン、メ
チルヒドロポリシロキサンなどの鎖状ポリシロキサン
や、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシランなどのアルコキシシランなど
である。
【0027】上記の有機ケイ素化合物は単独で用いても
よく、また2種以上を混合あるいは反応させて使用する
こともできる。
【0028】前記(iv)の反応剤であるシクロペンタ
ジエニル類を配位子とする遷移金属化合物としては、一
般式 (シクロペンタジエニル類)sMe2t-s (式中、Me2周期律表のIVa族の遷移金属を表
し、Lは遷移金属に配位するシクロペンタジエニル類以
外の配位子で、例えば炭化水素基、アルコキシ基、ハロ
ゲンまたは水素を表す。また、sはシクロペンタジエニ
ル類の配位数を表す整数で、tは遷移金属の原子価を示
す。s、tは1≦s≦tの範囲であり、sがs≧2の場
合には、2個のシクロペンタジエニル類の配位子が、シ
リレン基、置換シリレン基、アルキレン基、置換アルキ
レン基、硫黄を介して2個以上結合されていてもよ
い。)で表される。
【0029】該一般式において遷移金属は、Me1と同
様なものを用いることができる。具体的には、ジルコニ
ウム、ハフニウム、またはチタンであることが好まし
い。
【0030】シクロペンタジエニル類の配位子は、例え
ばシクロペンタジエニル基、インデニル基、フレオレニ
ル基などが挙げられる。
【0031】シクロペンタジエニル類以外の配位子とし
ては、例えば炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基などが例示され、アルコキシ基としては
メトキシ基、エトキシ基などが例示され、ハロゲンとし
ては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素などが例示さ
れる。
【0032】以下、シクロペンタジエニル類を配位子と
する遷移金属化合物を具体的に示すと、例えばビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモ
ノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)メチル
ジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フレオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、チオビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、な
どが挙げられる。また、これらのジルコニウム化合物に
おいて遷移金属を、チタン、またはハフニウムに置き換
えた遷移金属化合物を用いることもできる。
【0033】前記(iii)のケイ素化合物および前記
(iv)のシクロペンタジエニル類を配位子とする遷移
金属化合物をMg−Tiの均一溶液に加える順序は任意
であり、特に限定されない。
【0034】前記(v)の反応剤であるハロゲン化有機
アルミニウム化合物としては、一般式R AlX
3−zで示されるものが使用される。ただし、該一般式
においてRは1〜20個、好ましくは1〜8個の炭素
原子を有する炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子
を表わし、zは0<z<3の数、好ましくは0<z≦2
の数を表わす。またRは直鎖または分岐鎖アルキル
基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール
基およびアルキルアリール基から選ばれることが好まし
い。
【0035】ハロゲン化有機アルミニウム化合物の具体
例としては、例えば、ジメチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミ
ニウムブロマイド、ジプロピルアルミニウムクロライ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、i−ブチルアル
ミニウムジクロライド、メチルアルミニウムセスキクロ
ライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、i−ブ
チルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニ
ウムと三塩化アルミニウムの混合物などがあげられる。
【0036】上記ハロゲン化有機アルミニウム化合物
は、単独または2種類以上の混合物として使用すること
ができる。
【0037】これらの反応は、液体媒体中で行うことが
好ましい。そのため特にこれらの反応剤自体が操作条件
で液状でない場合、または液状反応剤の量が不十分な場
合には、不活性有機溶媒の存在下で行うべきである。不
活性有機溶媒としては、当該技術分野で通常用いられる
ものはすべて使用できるが、脂肪族、脂環族もしくは芳
香族炭化水素類またはそれらのハロゲン誘導体あるいは
それらの混合物があげられ、例えば、イソブタン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、モノクロロベンゼンなどが好ましく用い
られる。
【0038】本発明で用いる反応剤の使用量は特に制限
されないが、前記(i)のマグネシウム化合物中のMg
のグラム原子と前記(ii)の遷移金属化合物中の遷移
金属(Me)のグラム原子との原子比は、1/20≦
Mg/Me≦100、好ましくは、1/5≦Mg/M
≦10である。この範囲をはずれてMg/Me
大きすぎると、触媒調製の際に均一なMg−遷移金属溶
液を得ることが困難になったり、重合の際に触媒の活性
が低くなる。逆に小さすぎても触媒の活性が低くなるた
め、製品が着色するなどの問題を生ずる。
【0039】前記(iii)のケイ素化合物中のSiの
グラム原子と前記(i)のマグネシウム化合物中のMg
のグラム原子との原子比は、1/20≦Mg/Si≦1
00、好ましくは1/10≦Mg/Si≦10の範囲に
なるように使用量を選ぶことが好ましい。この範囲をず
れてMg/Siが大きすぎると粉体特性の改良が不十分
である。逆に小さすぎると触媒の活性が低いという結果
となる。
【0040】前記(iv)のシクロペンタジエニル類を
配位子とする遷移金属(Me)のグラム原子と前記
(ii)の遷移金属化合物中の遷移金属(Me)のグ
ラム原子との原子比は、ポリオレフィンの分子量分布を
制御する上で重要であり、1/100≦Me/Me
≦10、特に1/20≦Me/Me≦5の範囲であ
るような量で使用することが好ましい。
【0041】本発明においては、前記(v)のハロゲン
化有機アルミニウムの種類及び使用量も適切に選択しな
ければならない。すなわち、前記(ii)の遷移金属の
酸素含有有機化合物と前記(iv)の遷移金属のシクロ
ペンタジエニル類を配位子とする化合物から生じる活性
種の触媒特性をハロゲン化有機アルミニウムの種類及び
量により制御する。より具体的には、前記(i)のマグ
ネシウム化合物中のMgのグラム原子と前記(v)のハ
ロゲン化有機アルミニウム中のアルミニウムのグラム原
子との原子比は、1/20≦Mg/Al≦10、好まし
くは、1/5≦Mg/Al≦5である。
【0042】各段階の反応条件は特に限定的ではない
が、−50〜300℃、好ましくは0〜200℃なる範
囲の温度で、0.5〜50時間、好ましくは1〜6時
間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行われ
る。
【0043】かくして得た固体触媒成分(A)は、その
まま懸濁状態で重合に供することができるが、場合によ
っては、溶媒から分離してもよく、さらには常圧あるい
は減圧下で加熱して溶媒を除去し乾燥した状態で使用す
ることもできる。
【0044】本発明において、触媒成分(B)はアルミ
ニウム金属と有機基とからなる有機アルミニウム化合物
および/または有機アルミニウムオキシ化合物があげら
れる。
【0045】上記の有機基としては、アルキル基を代表
としてあげることができる。このアルキル基としては、
直鎖または分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基が用い
られる。具体的には、例えばトリメチルアルミニウム,
トリエチルアルミニウム,トリ−i−ブチルアルミニウ
ム,トリ−n−ブチルアルミニウム、あるいはトリ−n
−デシルアルミニウムなどがあげられる。なかんずく、
直鎖または分岐鎖の炭素数1〜10のアルキル基を有す
るトリアルキルアルミニウムの使用が好ましい。
【0046】有機アルミニウム化合物としては、このほ
か炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル金属水
素化物を使用することができる。このような化合物とし
ては、具体的には、ジイソブチルアルミニウム水素化物
などをあげることができる。また炭素数1〜20のアル
キル基を有するアルキル金属ハライド、例えばエチルア
ルミニウムセスキクロライド,ジエチルアルミニウムク
ロライド,ジイソブチルアルミニウムクロライドあるい
はアルキルアルミニウムアルコキシド、例えばジエチル
アルミニウムエトキシドなども使用できる。
【0047】なお、炭素数1〜20のアルキル基を有す
るトリアルキルアルミニウムあるいはジアルキルアルミ
ニウム水素化物と炭素数4〜20のジオレフィンとの反
応により得られる有機アルミニウム化合物、例えばイソ
プレニルアルミニウムのような化合物を使用することも
できる。
【0048】上記の有機アルミニウム化合物は単独で用
いてもよく、また2種以上を混合あるいは反応させて使
用することもできる。
【0049】更に、有機アルミニウムオキシ化合物とし
て、上記有機アルミニウム化合物と水との反応生成物で
あるアルミノオキサンを使用することができる。特に、
トリアルキルアルミニウムから生成されるアルミノオキ
サンが好ましい。
【0050】本発明によるオレフィンの重合は、液相
中、気相中いずれにおいても実施でき、いわゆるチーグ
ラー法の一般的な反応条件で行うことができる。すなわ
ち、連続式またはバッチ式で20〜250℃の温度で重
合を行う。重合圧としては特に限定はないが、加圧下特
に1.5〜2500kg/cmGの使用が適してい
る。
【0051】重合を液相中で行う場合には、不活性溶媒
の存在下で行う。不活性溶媒としては、通常使用されて
いるいかなるものも使用しうる。特に4〜20個の炭素
原子を有するアルカンまたはシクロアルカン、例えばイ
ソブタン,ペンタン,ヘキサン,シクロヘキサンなどが
適している。
【0052】重合を気相中で行う場合は、固体触媒成分
(A)1g当たり0.01〜50gのエチレンあるいは
炭素数3以上のα−オレフィンで予備重合することが望
ましい。モノマーとの接触条件は特に限定されないが、
酸素、水、などが実質的にない状態で行う必要がある。
一般的にこの接触処理は−50〜100℃、好ましくは
0〜50℃の温度範囲で、常圧下または加圧下にて実施
することができ、気相中で処理する場合には流動状況下
で、液相中で処理する場合には撹拌下で、十分接触させ
ることが好ましい。予備重合に用いるモノマーは、単独
あるいは2種以上で用いることができ、2種以上予備重
合する場合には、逐次あるいは同時に予備重合すること
ができる。予備重合においては、有機アルミニウム化合
物を固体触媒成分(A)中の遷移金属原子1モルに対し
て0.1〜1000モルの割合で用いることが望まし
い。
【0053】気相重合で行う場合、重合工程において使
用する反応器としては、流動床型重合器、撹拌槽型重合
器など当該技術分野で通常用いられるものであれば適宜
使用することができる。流動床型重合器を用いる場合
は、ガス状のオレフィンおよび/または不活性ガスを該
系に吹き込むことにより、該反応系を流動状態に保ちな
がら行われる。撹拌槽型重合器を用いる場合、撹拌機と
しては、イカリ型撹拌機、スクリュー型撹拌機、リボン
型撹拌機など種々の型の撹拌機を用いることができる。
【0054】本発明の重合はα−オレフィンの単独重合
のみならず2種以上のα−オレフィンの共重合も含む。
重合に用いるα−オレフィンとしては、エチレン,プロ
ピレン,1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン,1
−オクテン,4−メチル−1−ペンテンなどがあげられ
る。また、重合体中に二重結合を導入する為にα−オレ
フィンとブタジエン,イソプレンなどのジエン類との混
合物を使用して共重合を行うこともできる。共重合に用
いるα−オレフィンの使用量は、目的重合体の密度に合
わせて選ぶことが必要である。本発明による重合体の密
度は0.890〜0.970g/cmの範囲で製造が
可能である。
【0055】本発明の重合操作は通常の一つの重合条件
で行う1段重合のみならず、複数の重合条件で行う多段
階重合において行うことができる。
【0056】本発明の実施にあたり、固体触媒成分
(A)の使用量は、溶媒1l当たり、または反応器1l
当たり、遷移金属原子0.001〜2.5ミリモルに相
当する量で使用することが好ましく、条件により一層高
い濃度で使用することもできる。
【0057】触媒成分(B)の有機アルミニウム化合物
は溶媒1l当たり、または反応器1l当たり、0.02
〜10000ミリモル、好ましくは0.2〜100ミリ
モルの濃度で使用する。
【0058】本発明において生成重合体の分子量は公知
の手段、すなわち適当量の水素を反応系内に存在させる
などの方法により調節することができる。
【0059】
【実施例】以下に本発明を実施例により示すが、本発明
はこれらの実施例によってなんら限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例において、HLMI/M
Iは高負荷メルトインデックス(HLMI,ASTMD
−1238条件Fによる)とメルトインデックス(M
I,ASTMD−1238条件Eによる)との比であ
り、分子量分布の尺度である。HLMI/MI値が小さ
いと分子量分布が狭いと考えられる。
【0060】活性は、固体複合体1g当たりの重合体生
成量(g)を表わす。重合体粒子の平均粒径は重合体粒
子を篩によって分級した結果を確率対数紙にプロット
し、近似した直線より重量積算値50%に対応する粒径
を読み取った値である。
【0061】エチル分岐数は、フーリエ変換赤外分光光
度計(FT−IR)により1378cm−1付近に現れ
るメチル基に由来するピークより定量した。
【0062】実施例1 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 撹拌装置を備えた1lのガラスフラスコに、金属マグネ
シウム粉末7.0g(0.288mol)およびチタン
テトラブトキシド49.0g(0.144mol)を入
れ、ヨウ素0.35gを溶解したn−ブタノール44.
8g(0.60mol)を90℃で2時間かけて加え、
さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で
140℃で2時間撹拌した。これを110℃とした後
に、テトラエトキシシラン18g(0.086mol)
とテトラメトキシシラン13.2g(0.086mo
l)を加え、さらに140℃で2時間撹拌した。次い
で、ヘキサン490mlを加えて、Mg−Ti溶液を得
た。
【0063】このMg−Ti溶液96.8g(Mgとし
て0.058mol相当)を別途用意した500mlガ
ラスフラスコに入れ、次いで、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド4.4g(0.015
mol)を入れ、完全に溶解させて均一溶液を得た。更
に、この均一溶液にi−ブチルアルミニウムジクロライ
ド0.35molを含むヘキサン溶液129mlを加
え、70℃で1時間撹拌を行った。生成物にヘキサンを
加え、傾斜法で7回洗浄を行った。かくして、ヘキサン
に懸濁した固体触媒成分(A)のスラリーを得た。その
一部を採取し、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥
し、元素分析したところ、Tiは8.0重量%、Zrは
6.9重量%であった。
【0064】(ロ)〔予備重合〕 内容積2lのステンレススチ−ル製電磁撹拌式オ−トク
レ−ブ内を十分窒素で置換し、前記で得られた固体触媒
成分(A)3.15gを400mlのヘキサンに懸濁し
て入れた。続いて、成分(B)としてトリエチルアルミ
ニウム1.80g(15.8mmol)を順次添加し
た。その後、オ−トクレ−ブの内温を30℃、圧力を1
〜2kg/cmGに保ちながらプロピレンを供給し、
プロピレン31.5gを反応させて、固体触媒成分
(A)をプロピレンにて予備重合した。この操作によ
り、固体触媒成分(A)1g当り10.0gのプロピレ
ンを吸収させたことになる。また、生成物にヘキサンを
加え、傾斜法で7回洗浄を行った。かくして、ヘキサン
に懸濁した予備重合触媒を得た。
【0065】(ハ)〔重合〕 前記で得られた予備重合触媒を用いて気相法によりエチ
レンと1−ブテンの共重合を行った。すなわち、内容積
2lのステンレススチール製電磁撹拌式オートクレーブ
内を十分窒素で置換し、200℃で30時間乾燥した食
塩200gを触媒の分散媒として入れ内温を80℃に調
節した。その後、成分(B)としてメチルアルミノオキ
サンをアルミニウム原子換算で2.6ミリグラム原子、
および前記で得られた予備重合触媒38.5mg(固体
触媒成分(A)を3.5mg含む)を順次添加した。重
合器内を窒素によって1kg/cmGに調製した後、
水素を0.5kg/cm加え、次いで気相中のブテン
−1/エチレン(mol比)を0.20になるように調
整しつつ、オートクレーブ内圧が17.5kg/cm
Gになるように、連続的にエチレンと1−ブテンを加え
ながら1.5時間重合を行った。重合終了後冷却し、未
反応ガスを追い出して生成ポリマーと食塩の混合物を取
出した。この混合物を純水で洗浄し食塩を溶解した後に
乾燥し、ポリマーを得た。
【0066】その結果、メルトインデックスは0.22
g/10分,HLMI/MIは83、また、平均粒径は
340μ、嵩密度は0.40g/cmであり、エチル
分岐数は22(個/炭素数1000個)のポリエチレン
169gが得られた。固体触媒成分(A)1gあたりの
活性は48000g/gであった。
【0067】実施例2 〔重合〕実施例1で得られた予備重合触媒を用いてエチ
レンの気相重合を実施した。すなわち、内容積2lのス
テンレススチール製電磁撹拌式オートクレーブ内を十分
窒素で置換し、200℃で30時間乾燥した食塩200
gを触媒の分散媒として入れ内温を80℃に調節した。
その後、成分(B)としてメチルアルミノオキサンをア
ルミニウム原子換算で2.3ミリグラム原子、および実
施例1で得られた予備重合触媒36.3mg(固体触媒
成分(A)を3.3mg含む)を順次添加した。重合器
内を窒素によって1kg/cmGに調製した後、水素
を2.0kg/cm加え、オートクレーブ内圧が1
9.0kg/cmGになるように連続的にエチレンを
加えながら1.5時間重合を行った。重合終了後冷却
し、未反応ガスを追い出して生成ポリマーと食塩の混合
物を取出した。この混合物を純水で洗浄し食塩を溶解し
た後に乾燥し、ポリマーを得た。
【0068】その結果、メルトインデックスは1.8g
/10分,HLMI/MIは150、また、平均粒径は
380μ、嵩密度は0.41g/cmのポリエチレン
169gが得られた。固体触媒成分(A)1gあたりの
活性は35000g/gであった。
【0069】実施例3 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 撹拌装置を備えた1lのガラスフラスコに、金属マグネ
シウム粉末7.0g(0.288mol)およびチタン
テトラブトキシド49.0g(0.144mol)を入
れ、ヨウ素0.35gを溶解したn−ブタノール44.
8g(0.60mol)を90℃で2時間かけて加え、
さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で
140℃で2時間撹拌した。次いで、ヘキサン490m
lを加えて、Mg−Ti溶液を得た。
【0070】このMg−Ti溶液92.3g(Mgとし
て0.055mol相当)を別途用意した500mlガ
ラスフラスコに入れ、次いで、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド4.0g(0.014
mol)およびメチルヒドロポリシロキサン(25℃に
おける粘度約30センチストークス)6.6g(ケイ素
0.110グラム原子)を45℃で加え、70℃で1時
間撹拌した。更に、この溶液にi−ブチルアルミニウム
ジクロライド0.33molを含むヘキサン溶液122
mlを加え、70℃で1時間撹拌を行った。生成物にヘ
キサンを加え、傾斜法で7回洗浄を行った。かくして、
ヘキサンに懸濁した固体触媒成分(A)のスラリーを得
た。その一部を採取し、上澄液を除去して窒素雰囲気下
で乾燥し、元素分析したところ、Tiは7.6重量%、
Zrは5.2重量%であった。
【0071】(ロ)〔予備重合〕 前記で得られた固体触媒成分(A)を実施例1と同様に
予備重合を実施した。
【0072】(ハ)〔重合〕 前記で得られた予備重合触媒を用いて実施例1と同様に
エチレンと1−ブテンの共重合を実施した。
【0073】その結果、メルトインデックスは0.15
g/10分,HLMI/MIは88、また、平均粒径は
310μ、嵩密度は0.38g/cmであり、エチル
分岐数は21(個/炭素数1000個)のポリエチレン
170gが得られた。固体触媒成分(A)1gあたりの
活性は46000g/gであった。
【0074】実施例4 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 実施例1でテトラエトキシシランおよびテトラメトキシ
シランのかわりにジメチルポリシロキサン(25℃にお
ける粘度約200センチストークス)12.8g(ケイ
素0.173グラム原子)を用いた以外は実施例1と同
様に触媒を調製した。得られた固体触媒成分(A)の元
素分析を行ったところ、Tiは8.3重量%、Zrは
7.5重量%であった。
【0075】(ロ)〔予備重合〕 前記で得られた固体触媒成分(A)を実施例1と同様に
予備重合を実施した。
【0076】(ハ)〔重合〕 前記で得られた予備重合触媒を用いて実施例1と同様に
エチレンと1−ブテンの共重合を実施した。
【0077】その結果、メルトインデックスは0.18
g/10分,HLMI/MIは85、また、平均粒径は
320μ、嵩密度は0.39g/cmであり、エチル
分岐数は18(個/炭素数1000個)のポリエチレン
178gが得られた。固体触媒成分(A)1gあたりの
活性は43000g/gであった。
【0078】比較例1 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 実施例1でテトラエトキシシランおよびテトラメトキシ
シランを加えなかった以外は実施例1と同様に触媒を調
製した。得られた固体触媒成分(A)の元素分析を行っ
たところ、Tiは8.2重量%、Zrは7.2重量%で
あった。
【0079】(ロ)〔予備重合〕 前記で得られた固体触媒成分(A)を実施例1と同様に
予備重合を実施した。
【0080】(ハ)〔重合〕 前記で得られた予備重合触媒を用いて実施例1と同様に
エチレンと1−ブテンの共重合を実施した。
【0081】その結果、メルトインデックスは0.26
g/10分,HLMI/MIは78、また、平均粒径は
120μ、嵩密度は0.29g/cmであり、エチル
分岐数は20(個/炭素数1000個)のポリエチレン
135gが得られた。固体触媒成分(A)1gあたりの
活性は42000g/gであった。
【0082】
【発明の効果】本発明の効果は、第1に重合活性が極め
て高く、触媒除去を目的とする脱灰工程の不要な重合体
が得られることである。高活性であるため、製品の着
色、着臭などの心配がなく、重合体の精製も不要となり
極めて経済的である。
【0083】本発明の第2の効果は、重合体の粉体特性
が良好であり高い生産性で製造可能となることである。
特に、気相重合法において得られる重合体は嵩密度が高
く、粒度分布が狭く、粒径が大きく、共重合体にいたっ
てはべとつきの少ない良好な重合体粒子を製造すること
ができる。このため、重合工程においては、重合装置内
での付着物の生成が阻止され、また、移送工程において
は、サイロ内でブリッジなどの発生がなく、移送上のト
ラブルが解消され、さらに、造粒もきわめて円滑に行わ
れる。
【0084】本発明の第3の効果は、共重合を行った場
合、極めて共重合性が良く、組成分布の狭い共重合体を
容易に製造することができる。
【0085】本発明の第4の効果は、触媒製造に用いる
反応剤の使用量、特に反応剤(v)のハロゲン化有機ア
ルミニウム化合物の量比、または反応剤(ii)の酸素
含有有機化合物中の遷移金属と反応剤(iv)のシクロ
ペンタジエニル類を配位子とする遷移金属との量比によ
り容易に分子量分布を制御できる点である。そのため、
種々の物性の重合体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における触媒調製フローチャート図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属化合物および有機金属化合物から
    なる触媒の存在下、ポリオレフィンを製造するにあたっ
    て、 (A)成分として (i)金属マグネシウムと水酸化有機化合物、およびマ
    グネシウムの酸素含有有機化合物から選ばれた少なくと
    も1員、 (ii)一般式[Me 1 a (OR 1 b 1 c m (該一般
    式においてMe 1 は周期律表のIVa族の遷移金属であ
    り、R 1 は炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、X 1
    ハロゲン原子を示し、a、bおよびcは、a≧0でb>
    0、4>c≧0で遷移金属の原子価と相容れるような数
    を表わし、mは整数を表わす。)で表される少なくとも
    1種以上の遷移金属の酸素含有有機化合物とを含有する
    均一溶液に、 (iii)一般式 【化1】 (式中、R 2 およびR 3 は炭素数1〜12の炭化水素基、
    水素、ハロゲン、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリ
    ロキシ基、脂肪酸残基のケイ素に結合しうる原子または
    残基を表わし、R 2 およびR 3 は同種、異種のいずれでも
    よく、nは通常2〜10、000の整数を表わす。)で
    表わされる繰返し単位の1種または2種以上を、分子内
    に有している鎖状、環状あるいは三次元構造を有するシ
    ロキサン重合物(ただし、すべてのR 2 およびR 3 が、水
    素あるいはハロゲンである場合は除く。)または一般式
    o Si p 4 q 2 r (式中R 4 は、炭素数1〜12の炭化
    水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アリロキシ
    基、脂肪酸残基のケイ素に結合しうる基を表わし、各R
    4 は互いに異種または同種であってもよく、X 2 は互いに
    異種または同 種のハロゲン原子を示し、o、qおよびr
    は0以上の整数、pは自然数であってo+q+r=2p
    +2または2pである。)で表わされるシラン類から選
    ばれた少なくとも1種以上のケイ素化合物および (iv)一般式(シクロペンタジエニル類) s Me 2
    t-s (式中、Me 2 は周期律表のIVa族の遷移金属を表
    し、Lは遷移金属に配位するシクロペンタジエニル類以
    外の配位子を表す。sはシクロペンタジエニル類の配位
    数を表す整数で、tは遷移金属の原子価を示す。s、t
    は1≦s≦tの範囲であり、sがs≧2の場合には、2
    個のシクロペンタジエニル類の配位子が、シリレン基、
    置換シリレン基、アルキレン基、置換アルキレン基、硫
    黄を介して2個以上結合されていてもよい。)で表され
    少なくとも1種以上の遷移金属のシクロペンタジエニ
    ル類を配位子とする化合物を加え、次いで、 (v)少なくとも1種以上のハロゲン化有機アルミニウ
    ム化合物を反応させて得られる固体触媒と、 (B)成分として有機アルミニウム化合物および/また
    は有機アルミニウムオキシ化合物からなる触媒系の存在
    下で、少なくとも1種以上のα−オレフィンを重合させ
    ることを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
JP10904092A 1992-04-03 1992-04-03 ポリオレフィンの製造方法 Expired - Fee Related JP3223566B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10904092A JP3223566B2 (ja) 1992-04-03 1992-04-03 ポリオレフィンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10904092A JP3223566B2 (ja) 1992-04-03 1992-04-03 ポリオレフィンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05287020A JPH05287020A (ja) 1993-11-02
JP3223566B2 true JP3223566B2 (ja) 2001-10-29

Family

ID=14500086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10904092A Expired - Fee Related JP3223566B2 (ja) 1992-04-03 1992-04-03 ポリオレフィンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3223566B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05287020A (ja) 1993-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3049569B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPH0422163B2 (ja)
JP2850427B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3044262B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPS6258367B2 (ja)
EP0448115B1 (en) Method for producing a polyolefin
JP3223566B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3319051B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JPS6248682B2 (ja)
JP3006139B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP2757206B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
US5481056A (en) Process for the preparation of polyolefins
US6320003B1 (en) Method for producing a polyolefin
JPH0791336B2 (ja) ポリオレフィン触媒およびオレフィンポリマーの製造方法
JP2819638B2 (ja) ポリエチレンの製造方法
JP3966066B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3223563B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3211268B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3223569B2 (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP3033234B2 (ja) ポリエチレンの製造方法
JPH0641230A (ja) ポリオレフィンの製造方法
JP2535914B2 (ja) ポリエチレンの製造方法
JPH059216A (ja) ポリオレフインの製造方法
JPH089645B2 (ja) 立体規則性ポリオレフインの製造方法
JPS62161804A (ja) ポリエチレンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070824

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080824

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees