JPH05295024A - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィンの製造方法

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JPH05295024A
JPH05295024A JP12980592A JP12980592A JPH05295024A JP H05295024 A JPH05295024 A JP H05295024A JP 12980592 A JP12980592 A JP 12980592A JP 12980592 A JP12980592 A JP 12980592A JP H05295024 A JPH05295024 A JP H05295024A
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】金属Mgと水酸化有機化合物、およびMgの酸
素含有有機化合物から選ばれた少なくとも1員と少なく
とも1種以上の遷移金属の酸素含有有機化合物とを含有
する均一溶液に、少なくとも1種以上の遷移金属のシク
ロペンタジエニル類を配位子とする化合物を加え、次い
で、少なくとも1種以上のハロゲン化有機Al化合物お
よび少なくとも1種以上の有機Alオキシ化合物を加え
て得られる固体触媒と、有機Al化合物および/または
有機Alオキシ化合物からなる触媒系の存在下で、少な
くとも1種以上のα−オレフィンを重合させることを特
徴とするポリオレフィンの製造方法。 【効果】優れた重合活性で任意に分子量分布を制御する
ことが可能であり、さらに、重合体の粒子形状は良好で
粉体特性が優れており、オレフィンの共重合においては
透明性が良く溶融張力などの溶融物性に優れた共重合体
を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィンの製造方
法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は優れ
た重合活性で任意に分子量分布を制御することが可能な
ポリオレフィン製造方法であり、さらに、重合体の粒子
形状は良好で粉体特性が優れており、オレフィンの共重
合においては透明性が良く溶融張力などの溶融物性に優
れた共重合体を得ることができるポリオレフィンの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの重合によりポリオレフィン
を製造する方法として遷移金属化合物および有機金属化
合物の組み合わせからなる触媒系を用いることはすでに
知られている。さらに近年では、高活性型触媒として例
えば塩化マグネシウムと四塩化チタンを用いたマグネシ
ウム、チタン、ハロゲンを主成分とする固体触媒成分と
有機金属化合物からなる触媒成分の存在下にポリオレフ
ィンを製造する方法が数多く提案されている。しかしな
がら、このチタン化合物を主成分とする触媒系では、生
成重合体の分子量分布の制御に限界があり、ポリオレフ
ィンの品質の多様化に応じて分子量分布を任意に制御で
きる触媒が要請されている。
【0003】このため、すでに特公昭52−39714
号において、金属マグネシウム、水酸化有機化合物、遷
移金属の有機酸素化合物、遷移金属のハロゲン含有化合
物およびアルミニウムハロゲン化物の反応生成物と有機
金属化合物とからなる触媒系を使用することにより、高
活性を維持しつつ任意の分子量分布を有するポリオレフ
ィンを製造しえる重合方法が提示されている。この提案
では、塩化マグネシウムや四塩化チタンと比べ比較的取
り扱いの容易な金属マグネシウム、アルコールのような
水酸化有機化合物およびチタンテトラブトキシドのよう
な遷移金属の有機酸素化合物を用いるため、触媒成分の
調製に水分の制御や調製機器の腐食の問題がなく工業的
に利点の多い触媒調製方法を開示している。しかしなが
ら、この提案による触媒系の重合活性は未だ充分なもの
とはいえず改良の余地が残されている。また、この提案
による触媒系でエチレン・α−オレフィン共重合体を製
造した場合には、組成分布が広く、ポリマー中に取り込
まれたα−オレフィン単位が低分子量側に多く存在する
ため、べとつきや、透明性に劣るといった問題が生じ
る。
【0004】さらに、これらの触媒系の存在下で得られ
る重合体粒子は、平均粒径が小さかったり、粒度分布が
広かったりして、重合体粒子中に含まれる微細粒子の割
合が多く、粉体特性の点ではいまだ不十分なものであっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】その為、広範囲な分子
量分布の制御が可能で、粒子形状の優れた重合体を高活
性で生産でき、さらに共重合においては組成分布の狭い
共重合体を与える触媒系の開発が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
触媒成分の調製に水分の制御や調製機器の腐食の問題が
なく工業的に利点の多い金属マグネシウム、アルコール
のような水酸化有機化合物およびチタンテトラブトキシ
ドのような遷移金属の有機酸素化合物を用いる触媒製造
方法についてさらに鋭意検討を重ねた結果、非常に高い
活性でかつ分子量分布の制御が可能であり、加えて共重
合時の組成分布をも制御できるという驚くべき触媒系を
見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は遷移金属化合物および
有機金属化合物からなる触媒の存在下、ポリオレフィン
を製造するにあたって、 (A)成分として(i)金属マグネシウムと水酸化有機
化合物、およびマグネシウムの酸素含有有機化合物から
選ばれた少なくとも1員と、(ii)少なくとも1種以
上の遷移金属の酸素含有有機化合物とを含有する均一溶
液に、(iii)少なくとも1種以上の遷移金属のシク
ロペンタジエニル類を配位子とする化合物を加え、次い
で、(iv)少なくとも1種以上のハロゲン化有機アル
ミニウム化合物および、(v)少なくとも1種以上の有
機アルミニウムオキシ化合物を加えて得られる固体触媒
と、 (B)成分として有機アルミニウム化合物および/また
は有機アルミニウムオキシ化合物からなる触媒系の存在
下で、少なくとも1種以上のα−オレフィンを重合させ
ることを特徴とするポリオレフィンの製造方法である。
【0008】
【作用】本発明において固体触媒成分(A)の調製に用
いる反応剤である前記(i)の金属マグネシウムと水酸
化有機化合物およびマグネシウムの酸素含有有機化合物
としては、以下のものがあげられる。まず、金属マグネ
シウムと水酸化有機化合物とを使用する場合において、
金属マグネシウムとしては各種の形状、すなわち粉末,
粒子,箔またはリボンなどのいずれの形状のものも使用
でき、また水酸化有機化合物としては、アルコール類,
有機シラノール,フェノール類が適している。
【0009】アルコール類としては、1〜18個の炭素
原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族アルコール、脂環
式アルコールまたは芳香族アルコールが使用できる。例
としては、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノー
ル、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−
オクタノール、i−オクタノール、n−ステアリルアル
コール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エ
チレングリコールなどがあげられる。
【0010】また、有機シラノールとしては少なくとも
1個のヒドロキシル基を有し、かつ、有機基は1〜12
個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する
アルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、
アリール基、アルキルアリール基および芳香族基から選
ばれる。例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシ
ラノール、トリフェニルシラノール、t−ブチルジメチ
ルシラノールなどがあげられる。
【0011】さらに、フェノール類としてはフェノー
ル、クレゾール、キシレノール、ハイドロキノンなどが
あげられる。
【0012】これらの水酸化有機化合物は、単独または
2種類以上の混合物として使用される。単独で使用する
ことはもちろん良いが、2種類以上の混合物として使用
すると、重合体の粉体特性などに特異な効果を醸し出す
ことがある。
【0013】加うるに、金属マグネシウムを使用して本
発明で述べる固体触媒成分を得る場合、反応を促進する
目的から、金属マグネシウムと反応したり、付加化合物
を生成したりするような物質、例えばヨウ素,塩化第2
水銀,ハロゲン化アルキル,有機酸エステルおよび有機
酸などのような極性物質を、単独または2種類以上添加
することが好ましい。
【0014】次に、マグネシウムの酸素含有有機化合物
に属する化合物としては、マグネシウムアルコキシド
類、例えば、メチレート、エチレート、イソプロピレー
ト、デカノレート、メトキシエチレートおよびシクロヘ
キサノレート、マグネシウムアルキルアルコキシド類、
例えばエチルエチレート、マグネシウムヒドロアルコキ
シド類、例えばヒドロキシメチレート、マグネシウムフ
ェノキシド類、例えばフェネート、ナフテネート、フェ
ナンスレネートおよびクレゾレート、マグネシウムカル
ボキシレート類、例えばアセテート、ステアレート、ベ
ンゾエート、フェニルアセテート、アジペート、セバケ
ート、フタレート、アクリレートおよびオレエート、オ
キシメート類、例えばブチルオキシメート、ジメチルグ
リオキシメートおよびシクロヘキシルオキシメート、ヒ
ドロキサム酸塩類、ヒドロキシルアミン塩類、例えばN
−エトロソ−N−フェニル−ヒドロキシルアミン誘導
体、エノレート類、例えばアセチルアセトネート、マグ
ネシウムシラノレート類、例えばトリフェニルシラノレ
ート、マグネシウムと他の金属との錯アルコキシド類、
例えばMg〔Al(OCがあげられる。
これらの酸素含有有機マグネシウム化合物は、単独また
は2種類以上の混合物として使用される。
【0015】前記(ii)の反応剤である遷移金属の酸
素含有有機化合物としては、一般式〔Me(OR
で表される化合物が使用される。ただ
し、該一般式においてMeは周期律表のIVa、Va、
VIa族の遷移金属であり、例えば、チタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、クロム、およびバナジウムなどがあ
げられ、特にチタン、ジルコニウムが望ましい。R
炭素数1〜20、好ましくは1〜10の直鎖または分岐
鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキル
基、アリール基およびアルキルアリール基などの炭化水
素基を表わし、X1はハロゲン原子を示し、フッ素、塩
素、臭素、またはヨウ素である。a、bおよびcは、a
≧0でb>0、4>c≧0で遷移金属の原子価と相容れ
るような数を表わし、mは整数を表わす。なかんずく、
aが0≦a≦1でmが1≦m≦6であるような酸素含有
有機化合物を使うことが望ましい。
【0016】具体的な例としては、テトラエトキシチタ
ン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチ
タン、テトラブトキシチタン、TiO(O−i−C
などがあげられる。これらのチタン化合物にお
いて遷移金属を、ジルコニウムに置き換えた遷移金属化
合物も用いることができる。また、いくつかの異なる炭
化水素基を有する酸素含有有機化合物の使用も、本発明
の範囲に入る。これらの遷移金属の酸素含有有機化合物
は単独または2種類以上の混合物として使用する。
【0017】本発明で重合体の形状を良くする目的でケ
イ素化合物を用いることもできる。具体的には、次に示
すポリシロキサンおよびシラン類が用いられる。ジメチ
ルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサンなどの
鎖状ポリシロキサンや、メチルトリメトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのアル
コキシシランなどである。
【0018】上記の有機ケイ素化合物は単独で用いても
よく、また2種以上を混合あるいは反応させて使用する
こともできる。
【0019】前記(iii)の反応剤であるシクロペン
タジエニル類を配位子とする遷移金属化合物としては、
一般式、(シクロペンタジエニル類)Meq−p
(式中、Meは遷移金属を表し、Lは遷移金属に配位
するシクロペンタジエニル類以外の配位子で、例えば炭
化水素基、アルコキシ基、ハロゲンまたは水素を表す。
また、pはシクロペンタジエニル類の配位数を表す整数
で、qは遷移金属の原子価を示す。p、qは1≦p≦q
の範囲であり、pがp≧2の場合には、2個のシクロペ
ンタジエニル類の配位子が、シリレン基、置換シリレン
基、アルキレン基、置換アルキレン基、硫黄を介して2
個以上結合されていてもよい。)で表される。
【0020】該一般式において遷移金属は、Meと同
様なものを用いることができる。具体的には、ジルコニ
ウム、ハフニウム、チタン、クロム、またはバナジウム
であることが好ましい。
【0021】シクロペンタジエニル類の配位子は、例え
ばシクロペンタジエニル基、インデニル基、フレオレニ
ル基などが挙げられる。
【0022】シクロペンタジエニル類以外の配位子とし
ては、例えば炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基などが例示され、アルコキシ基としては
メトキシ基、エトキシ基などが例示され、ハロゲンとし
ては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素などが例示さ
れる。
【0023】以下、シクロペンタジエニル類を配位子と
する遷移金属化合物を具体的に示すと、例えばビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモ
ノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)メチル
ジルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フレオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、チオビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、な
どが挙げられる。また、これらのジルコニウム化合物に
おいて遷移金属を、チタン、ハフニウム、またはバナジ
ウムに置き換えた遷移金属化合物を用いることもでき
る。
【0024】前記(iv)の反応剤であるハロゲン化有
機アルミニウム化合物としては、一般式R Al
3−zで示されるものが使用される。ただし、該一般
式においてRは1〜20個、好ましくは1〜8個の炭
素原子を有する炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子
を表わし、zは0<z<3の数、好ましくは0<z≦2
の数を表わす。またRは直鎖または分岐鎖アルキル
基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール
基およびアルキルアリール基から選ばれることが好まし
い。
【0025】ハロゲン化有機アルミニウム化合物の具体
例としては、例えば、ジメチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミ
ニウムブロマイド、ジプロピルアルミニウムクロライ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、i−ブチルアル
ミニウムジクロライド、メチルアルミニウムセスキクロ
ライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、i−ブ
チルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニ
ウムと三塩化アルミニウムの混合物などがあげられる。
【0026】上記ハロゲン化有機アルミニウム化合物
は、単独または2種類以上の混合物として使用すること
ができる。
【0027】前記(v)の反応剤である有機アルミニウ
ムオキシ化合物としては、従来公知のアルミノオキサン
を用いることができる。例えば、メチルアルミノオキサ
ン、エチルアルミノオキサン、プロピルアルミノオキサ
ンなどを挙げることができる。このアルミノオキサンは
例えば、通常トリメチルアルミニウム、ジイソブチルア
ルミニウム水素化物、エチルアルミニウムセスキクロラ
イドなどの有機アルミニウム化合物と水との反応生成物
であるアルミノオキサンが使用される。
【0028】前記(iv)および前記(v)の反応剤を
用いる順序は特に限定されない。すなわち、前記(i
v)の反応剤であるハロゲン化有機アルミニウム化合物
と前記(v)の反応剤である有機アルミニウムオキシ化
合物は、別々に用いても良いし、混ぜて用いても良い。
好ましくは、ハロゲン化有機アルミニウム化合物を反応
させた後、有機アルミニウムオキシ化合物を加えるのが
望ましい。
【0029】これらの反応は、液体媒体中で行うことが
好ましい。そのため特にこれらの反応剤自体が操作条件
で液状でない場合、または液状反応剤の量が不十分な場
合には、不活性有機溶媒の存在下で行うべきである。不
活性有機溶媒としては、当該技術分野で通常用いられる
ものはすべて使用できるが、脂肪族、脂環族もしくは芳
香族炭化水素類またはそれらのハロゲン誘導体あるいは
それらの混合物があげられ、例えば、イソブタン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、モノクロロベンゼンなどが好ましく用い
られる。
【0030】本発明で用いる反応剤の使用量は特に制限
されないが、前記(i)のマグネシウム化合物中のMg
のグラム原子と前記(ii)の遷移金属化合物中の遷移
金属(Me)のグラム原子との原子比は、1/20≦
Mg/Me≦100、好ましくは、1/5≦Mg/M
≦10である。この範囲をはずれてMg/Me
大きすぎると、触媒調製の際にMgおよび遷移金属を含
有する均一溶液を得ることが困難になったり、重合の際
に触媒の活性が低くなる。逆に小さすぎても触媒の活性
が低くなるため、製品が着色するなどの問題を生ずる。
かくして、前記反応剤(i)(ii)よりMgおよび遷
移金属を含有する均一溶液を得ることができる。
【0031】前記(iii)のシクロペンタジエニル類
を配位子とする遷移金属(Me)のグラム原子と前記
(ii)の遷移金属化合物中の遷移金属(Me)のグ
ラム原子との原子比は、ポリオレフィンの分子量分布を
制御する上で重要であり、1/100≦Me/Me
≦10、特に1/20≦Me/Me≦5の範囲であ
るような量で使用することが好ましい。
【0032】本発明においては、前記(iv)のハロゲ
ン化有機アルミニウムの種類及び使用量も適切に選択し
なければならない。すなわち、前記(ii)の遷移金属
の酸素含有有機化合物と前記(iii)の遷移金属のシ
クロペンタジエニル類を配位子とする化合物から生じる
活性種の触媒特性をハロゲン化有機アルミニウムの種類
及び量により制御する。より具体的には、前記(i)の
マグネシウム化合物中のMgのグラム原子と前記(i
v)のハロゲン化有機アルミニウム中のアルミニウム
(Al)のグラム原子との原子比は、1/20≦Mg
/Al≦10、好ましくは、1/5≦Mg/Al
5である。
【0033】前記(v)の有機アルミニウムオキシ化合
物中のアルミニウム(Al)のグラム原子と前記(i
ii)のシクロペンタジエニル類を配位子とする遷移金
属(Me)のグラム原子との原子比は1≦Al/M
≦1000、好ましくは、10≦Al/Me
200である。
【0034】各段階の反応条件は特に限定的ではない
が、−50〜300℃、好ましくは0〜200℃なる範
囲の温度で、0.5〜50時間、好ましくは1〜6時
間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行われ
る。
【0035】かくして得た固体触媒成分(A)は、その
まま懸濁状態で重合に供することができるが、場合によ
っては、溶媒から分離してもよく、さらには常圧あるい
は減圧下で加熱して溶媒を除去し乾燥した状態で使用す
ることもできる。
【0036】本発明において、触媒成分(B)はアルミ
ニウム金属と有機基とからなる有機アルミニウム化合物
および/または有機アルミニウムオキシ化合物があげら
れる。 上記の有機基としては、アルキル基を代表とし
てあげることができる。このアルキル基としては直鎖ま
たは分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基が用いられ
る。具体的には、例えばトリメチルアルミニウム,トリ
エチルアルミニウム,トリ−i−ブチルアルミニウム,
トリ−n−ブチルアルミニウムあるいはトリ−n−デシ
ルアルミニウムなどがあげられる。なかんずく、直鎖ま
たは分岐鎖の炭素数1〜10のアルキル基を有するトリ
アルキルアルミニウムの使用が好ましい。
【0037】有機アルミニウム化合物としては、このほ
か炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル金属水
素化物を使用することができる。このような化合物とし
ては、具体的には、ジイソブチルアルミニウム水素化物
などをあげることができる。また炭素数1〜20のアル
キル基を有するアルキルアルミニウムハライド、例えば
エチルアルミニウムセスキクロライド,ジエチルアルミ
ニウムクロライド,ジイソブチルアルミニウムクロライ
ドあるいはアルキルアルミニウムアルコキシド、例えば
ジエチルアルミニウムエトキシドなども使用できる。
【0038】なお、炭素数1〜20のアルキル基を有す
るトリアルキルアルミニウムあるいはジアルキルアルミ
ニウム水素化物と炭素数4〜20のジオレフィンとの反
応により得られる有機アルミニウム化合物、例えばイソ
プレニルアルミニウムのような化合物を使用することも
できる。
【0039】上記の有機アルミニウム化合物は単独で用
いてもよく、また2種以上を混合あるいは反応させて使
用することもできる。
【0040】更に、有機アルミニウムオキシ化合物とし
ては、前記(v)と同様のものを用いることができる。
【0041】本発明によるオレフィンの重合は、液相
中、気相中いずれにおいても実施でき、いわゆるチーグ
ラー法の一般的な反応条件で行うことができる。すなわ
ち、連続式またはバッチ式で20〜250℃の温度で重
合を行う。重合圧としては特に限定はないが、加圧下特
に1.5〜2500kg/cmGの使用が適してい
る。 重合を液相中で行う場合には、不活性溶媒の存在
下で行う。不活性溶媒としては、通常使用されているい
かなるものも使用しうる。特に4〜20個の炭素原子を
有するアルカンまたはシクロアルカン、例えばイソブタ
ン,ペンタン,ヘキサン,シクロヘキサンなどが適して
いる。
【0042】重合を気相中で行う場合は、固体触媒成分
(A)1g当たり0.01〜50gのエチレンあるいは
炭素数3以上のα−オレフィンで予備重合することが望
ましい。モノマーとの接触条件は特に限定されないが、
酸素、水、などが実質的にない状態で行う必要がある。
一般的にこの接触処理は−50〜100℃、好ましくは
0〜50℃の温度範囲で、常圧下または加圧下にて実施
することができ、気相中で処理する場合には流動状況下
で、液相中で処理する場合には撹拌下で、十分接触させ
ることが好ましい。予備重合に用いるモノマーは、単独
あるいは2種以上で用いることができ、2種以上予備重
合する場合には、逐次あるいは同時に予備重合すること
ができる。予備重合においては、有機アルミニウム化合
物を固体触媒成分(A)中の遷移金属原子1モルに対し
て0.1〜1000モルの割合で用いることが望まし
い。
【0043】気相重合で行う場合、重合工程において使
用する反応器としては、流動床型重合器、撹拌槽型重合
器など当該技術分野で通常用いられるものであれば適宜
使用することができる。流動床型重合器を用いる場合
は、ガス状のオレフィンおよび/または不活性ガスを該
系に吹き込むことにより、該反応系を流動状態に保ちな
がら行われる。撹拌槽型重合器を用いる場合撹拌機とし
ては、イカリ型撹拌機、スクリュー型撹拌機、リボン型
撹拌機など種々の型の撹拌機を用いることができる。
【0044】本発明の重合はα−オレフィンの単独重合
のみならず2種以上のα−オレフィンの共重合も含む。
重合に用いるα−オレフィンとしては、エチレン,プロ
ピレン,1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン,1
−オクテン,4−メチル−1−ペンテンなどがあげられ
る。また、重合体中に二重結合を導入する為にα−オレ
フィンとブタジエン,イソプレンなどのジエン類との混
合物を使用して共重合を行うこともできる。共重合に用
いるα−オレフィンの使用量は、目的重合体の密度に合
わせて選ぶことが必要である。本発明による重合体の密
度は0.890〜0.970g/cmの範囲で製造が
可能である。
【0045】本発明の重合操作は通常の一つの重合条件
で行う1段重合のみならず、複数の重合条件で行う多段
階重合において行うことができる。
【0046】本発明の実施にあたり、固体触媒成分
(A)の使用量は、溶媒1l当たり、または反応器1l
当たり、遷移金属原子0.001〜2.5ミリモルに相
当する量で使用することが好ましく、条件により一層高
い濃度で使用することもできる。
【0047】触媒成分(B)の有機アルミニウム化合物
は溶媒1l当たり、または反応器1l当たり、0.02
〜1000ミリモル、好ましくは0.2〜100ミリモ
ルの濃度で使用する。
【0048】本発明において生成重合体の分子量は公知
の手段、すなわち適当量の水素を反応系内に存在させる
などの方法により調節することができる。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例により示すが、本発明
はこれらの実施例によってなんら限定されるものではな
い。
【0050】なお、実施例および比較例において、HL
MI/MIは高負荷メルトインデックス(HLMI,A
STMD−1238条件Fによる)とメルトインデック
ス(MI,ASTMD−1238条件Eによる)との比
であり、分子量分布の尺度である。HLMI/MI値が
小さいと分子量分布が狭いと考えられる。
【0051】活性は、固体触媒成分1g当たりの重合体
生成量(g)を表わす。重合体粒子の平均粒径は重合体
粒子を篩によって分級した結果を確率対数紙にプロット
し、近似した直線より重量積算値50%に対応する粒径
を読み取った値である。
【0052】エチル分岐数は、フーリエ変換赤外分光光
度計(FT−IR)により1378cm−1付近に現れ
るメチル基に由来するピークより定量した。
【0053】実施例1 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 撹拌装置を備えた1lのガラスフラスコに、金属マグネ
シウム粉末7.0g(0.288mol)およびチタン
テトラブトキシド49.0g(0.144mol)を入
れ、ヨウ素0.35gを溶解したn−ブタノール44.
8g(0.60mol)を90℃で2時間かけて加え、
さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で
140℃で2時間撹拌した。これを110℃とした後
に、テトラエトキシシラン18g(0.086mol)
とテトラメトキシシラン13.2g(0.086mo
l)を加え、さらに140℃で2時間撹拌した。次い
で、ヘキサン490mlを加えて、Mgおよび遷移金属
を含有する均一溶液を得た。
【0054】この均一溶液95.2g(Mgとして0.
057mol相当)を別途用意した500mlガラスフ
ラスコに入れ、次いで、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド4.2g(0.014mo
l)を入れて溶解させた後、この溶液にi−ブチルアル
ミニウムジクロライド0.34molを含むヘキサン溶
液127mlを加え、70℃で1時間撹拌を行った。更
に、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥した後、固体
状の触媒成分3.9gを300mlガラスフラスコに入
れ、次いで、トルエン115mlおよびメチルアルミノ
オキサンのトルエン溶液31.3g(アルミニウム原子
換算で0.091mol)を加え、30℃で1時間撹拌
した。その後、エバポレーターを用い、減圧下でトルエ
ンを除去した。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で7回
洗浄を行た。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成
分(A)のスラリーを得た。その一部を採取し、上澄液
を除去して窒素雰囲気下で乾燥し、元素分析したとこ
ろ、Tiは3.1重量%、Zrは4.0重量%であっ
た。
【0055】(ロ)〔重合〕 内容積2lのステンレススチール製電磁撹拌式オートク
レーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2lを仕
込、内温を80℃に調節した。その後、触媒成分(B)
としてメチルアルミノオキサンをアルミニウム原子換算
で2.3ミリグラム原子および前記で得た固体触媒成分
(A)10.7mgを含有するスラリーを順次添加し
た。オートクレーブ内圧を1kg/cmGに調節した
後、水素を4kg/cm加え、次いでオートクレーブ
内圧が11.0kg/cmGになるように、連続的に
エチレンを加えながら1.5時間重合を行った。重合終
了後冷却し、未反応ガスを追い出してポリエチレンを取
り出し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
【0056】その結果、メルトインデックスは0.03
g/10分,HLMI/MIは109、平均粒径は35
0μ、微細粒子含量は1.5重量%は、嵩密度は0.3
5g/cmのポリエチレン440gが得られた。活性
は41000g/gに相当する。
【0057】実施例2 〔重合〕実施例1の重合において、触媒成分(B)とし
てメチルアルミノオキサンのかわりに、トリ−i−ブチ
ルアルミニウム0.08g(0.4mmol)およびメ
チルアルミノオキサンをアルミニウム原子換算で1.8
ミリグラム原子、固体触媒成分(A)を11.2mgを
用いた以外は同様に重合を行った。
【0058】その結果、メルトインデックスは0.26
g/10分,HLMI/MIは44、平均粒径は380
μ、微細粒子含量は1.2重量%、嵩密度は0.34g
/cmのポリエチレン231gが得られた。活性は2
1000g/gであった。
【0059】実施例3 (イ)〔予備重合〕 内容積2lのステンレススチール製電磁撹拌式オートク
レーブ内を十分窒素で置換し、実施例1(イ)で得られ
た固体触媒成分(A)2.02gを400mlのヘキサ
ンに懸濁して入れた。続いて、触媒成分(B)としてト
リエチルアルミニウム0.44g(3.9mmol)を
順次添加した。その後、オ−トクレ−ブの内温を30
℃、圧力を1〜2kg/cmGに保ちながらプロピレ
ンを供給し、プロピレン20.2gを反応させて、固体
触媒成分(A)をプロピレンにて予備重合した。この操
作により、固体触媒成分(A)1g当り10gのプロピ
レンを吸収させたことになる。また、生成物にヘキサン
を加え、傾斜法で7回洗浄を行った。かくして、ヘキサ
ンに懸濁した予備重合触媒を得た。
【0060】(ロ)〔重合〕 前記で得られた予備重合触媒を用いて気相法によりエチ
レンと1−ブテンの共重合を行った。すなわち、内容積
2lのステンレススチール製電磁撹拌式オートクレーブ
内を十分窒素で置換し、200℃で30時間乾燥した食
塩200gを触媒の分散媒として入れ内温を80℃に調
節した。その後、成分(B)としてメチルアルミノオキ
サンをアルミニウム原子換算で2.4ミリグラム原子、
および前記で得られた予備重合触媒40.1mg(固体
触媒成分(A)を3.6mg含む)を順次添加した。重
合器内を窒素によって1kg/cmGに調製した後、
水素を2.0kg/cm加え、次いで気相中のブテン
−1/エチレン(mol比)を0.20になるように調
整しつつ、オートクレーブ内圧が19.0kg/cm
Gになるように、連続的にエチレンと1−ブテンを加え
ながら1.5時間重合を行った。重合終了後冷却し、未
反応ガスを追い出して生成ポリマーと食塩の混合物を取
出した。この混合物を純水で洗浄し食塩を溶解した後に
乾燥し、ポリマーを得た。
【0061】その結果、メルトインデックスは0.23
g/10分,HLMI/MIは85、平均粒径は400
μ、微細粒子含量は0.7重量%、嵩密度は0.39g
/cm、エチル分岐数は21(個/炭素数1000
個)のポリエチレン126gが得られた。固体触媒成分
(A)1gあたりの活性は35000g/gであった。
【0062】実施例4 (イ)〔固体触媒成分(A)の調製〕 撹拌装置を備えた1lのガラスフラスコに、金属マグネ
シウム粉末7.0g(0.288mol)およびチタン
テトラブトキシド49.0g(0.144mol)を入
れ、ヨウ素0.35gを溶解したn−ブタノール44.
8g(0.60mol)を90℃で2時間かけて加え、
さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で
140℃で2時間撹拌した。次いで、ヘキサン490m
lを加えて、Mgおよび遷移金属を含有する均一溶液を
得た。
【0063】この均一溶液92.1g(Mgとして0.
055mol相当)を別途用意した500mlガラスフ
ラスコに入れ、次いで、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド4.0g(0.014mo
l)を入れて溶解させた後、この溶液にi−ブチルアル
ミニウムジクロライド0.33molを含むヘキサン溶
液123mlを加え、70℃で1時間撹拌を行った。更
に、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥した後、固体
状の触媒成分にトルエンmlおよびメチルアルミノオキ
サンg(アルミニウム原子換算でmol)を加え、30
℃で1時間撹拌した。その後、エバポレーターを用い、
減圧下でトルエンを除去した。生成物にヘキサンを加
え、傾斜法で7回洗浄を行た。かくして、ヘキサンに懸
濁した固体触媒成分(A)のスラリーを得た。その一部
を採取し、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥し、元
素分析したところ、Tiは2.9重量%、Zrは2.5
重量%であった。
【0064】(ロ)〔重合〕 内容積2lのステンレススチール製電磁撹拌式オートク
レーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2lを仕
込、内温を80℃に調節した。その後、触媒成分(B)
としてメチルアルミノオキサンをアルミニウム原子換算
で2.2ミリグラム原子および前記で得た固体触媒成分
(A)9.5mgを含有するスラリーを順次添加した。
オートクレーブ内圧を1kg/cmGに調節した後、
水素を4kg/cm加え、次いでオートクレーブ内圧
が11.0kg/cmGになるように、連続的にエチ
レンを加えながら1.5時間重合を行った。重合終了後
冷却し、未反応ガスを追い出してポリエチレンを取り出
し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
【0065】その結果、メルトインデックスは1.50
g/10分,HLMI/MIは132、平均粒径は33
0μ、微細粒子含量は1.7重量%は、嵩密度は0.3
1g/cmのポリエチレン409gが得られた。活性
は43000g/gに相当する。
【0066】実施例5 (イ)〔予備重合〕 実施例4(イ)で得られた固体触媒成分(A)を実施例
3(イ)と同様に予備重合を実施した。
【0067】(ロ)〔重合〕 前記で得られた予備重合触媒を用いて気相法によりエチ
レンと1−ブテンの共重合を行った。すなわち、内容積
2lのステンレススチール製電磁撹拌式オートクレーブ
内を十分窒素で置換し、200℃で30時間乾燥した食
塩200gを触媒の分散媒として入れ内温を80℃に調
節した。その後、成分(B)としてトリ−i−ブチルア
ルミニウム0.44g(2.2mmol)、および前記
で得られた予備重合触媒38.3mg(固体触媒成分
(A)を3.5mg含む)を順次添加した。重合器内を
窒素によって1kg/cmGに調製した後、水素を
2.0kg/cm加え、次いで気相中のブテン−1/
エチレン(mol比)を0.20になるように調整しつ
つ、オートクレーブ内圧が19.0kg/cmGにな
るように、連続的にエチレンと1−ブテンを加えながら
1.5時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガ
スを追い出して生成ポリマーと食塩の混合物を取出し
た。この混合物を純水で洗浄し食塩を溶解した後に乾燥
し、ポリマーを得た。 その結果、メルトインデックス
は0.28g/10分,HLMI/MIは50、平均粒
径は380μ、微細粒子含量は0.9重量%は、嵩密度
は0.37g/cmエチル分岐数は16(個/炭素数
1000個)のポリエチレン84gが得られた。固体触
媒成分(A)1gあたりの活性は24000g/gであ
った。
【0068】比較例1 (イ)〔触媒調製〕 実施例4(イ)で調製したMgおよび遷移金属を含有す
る均一溶液97.5g(Mgとして0.059mol相
当)を別途用意した500mlガラスフラスコに入れ、
次いで、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロライド4.4g(0.015mol)を入れ、完全
に溶解させて均一溶液を得た。更に、この均一溶液にi
−ブチルアルミニウムジクロライド0.23molを含
むヘキサン溶液86mlを加え、70℃で1時間撹拌を
行った。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で7回洗浄を
行った。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分
(A)のスラリーを得た。その一部を採取し、上澄液を
除去して窒素雰囲気下で乾燥し、元素分析したところ、
Tiは7.9重量%、Zrは6.8重量%であった。
【0069】(ロ)〔重合〕 内容積2lのステンレススチール製電磁撹拌式オートク
レーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2lを仕
込、内温を80℃に調節した。その後、触媒成分(B)
としてメチルアルミノオキサンをアルミニウム原子換算
で1.5ミリグラム原子、前記で得た固体触媒成分
(A)3.1mgを含有するスラリーを順次添加した。
オートクレーブ内圧を1kg/cmGに調節した後、
水素を4kg/cm加え、次いでオートクレーブ内圧
が11.0kg/cmGになるように、連続的にエチ
レンを加えながら1.5時間重合を行った。重合終了後
冷却し、未反応ガスを追い出してポリエチレンを取り出
し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。
【0070】その結果、メルトインデックスは0.04
g/10分,HLMI/MIは64、平均粒径は110
μ、嵩密度は0.26g/cmのポリエチレン257
gが得られた。活性は83000g/gに相当する。
【0071】
【発明の効果】本発明の効果は、第1に重合活性が極め
て高く、触媒除去を目的とする脱灰工程の不要な重合体
が得られることである。高活性であるため、製品の着
色、着臭などの心配がなく、ポリマーの精製も不要とな
り極めて経済的である。
【0072】本発明の第2の効果は、共重合を行った場
合、極めて共重合性が良く、組成分布の狭い共重合体が
容易に製造することができる。
【0073】本発明の第3の効果は、触媒製造に用いる
反応剤の使用量、特に反応剤(iv)ハロゲン化有機アルミ
ニウム化合物の量比により容易に分子量分布が制御でき
る点である。そのため、種々の物性の重合体を容易に製
造することができる。
【0074】本発明の第4の効果は、重合体の粉体特性
が良好であり高い生産性で製造可能となることである。
すなわち、得られる重合体は微粒子が少なく、粒径が大
きく、共重合体にいたってはべとつきの少ない良好な重
合体粒子を製造することができる。このため、重合工程
においては、重合装置内での付着物の生成が阻止され、
また、移送工程においては、サイロ内でブリッジなどの
発生がなく、移送上のトラブルが解消され、さらに、造
粒もきわめて円滑に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒調製フローチャート図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】この均一溶液92.1g(Mgとして0.
055mol相当)を別途用意した500mlガラスフ
ラスコに入れ、次いで、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド4.0g(0.014mo
l)を入れて溶解させた後、この溶液にi−ブチルアル
ミニウムジクロライド0.33molを含むヘキサン溶
液123mlを加え、70℃で1時間撹拌を行った。更
に、上澄液を除去して窒素雰囲気下で乾燥した後、固体
状の触媒成分にトルエン120mlおよびメチルアルミ
ノオキサン25.0g(アルミニウム原子換算で0.0
73mol)を加え、30℃で1時間撹拌した。その
後、エバポレーターを用い、減圧下でトルエンを除去し
た。生成物にヘキサンを加え、傾斜法で7回洗浄を行
た。かくして、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分(A)
のスラリーを得た。その一部を採取し、上澄液を除去し
て窒素雰囲気下で乾燥し、元素分析したところ、Tiは
2.9重量%、Zrは2.5重量%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属化合物および有機金属化合物から
    なる触媒の存在下、ポリオレフィンを製造するにあたっ
    て、 (A)成分として(i)金属マグネシウムと水酸化有機
    化合物、およびマグネシウムの酸素含有有機化合物から
    選ばれた少なくとも1員と、(ii)少なくとも1種以
    上の遷移金属の酸素含有有機化合物とを含有する均一溶
    液に、(iii)少なくとも1種以上の遷移金属のシク
    ロペンタジエニル類を配位子とする化合物を加え、次い
    で、(iv)少なくとも1種以上のハロゲン化有機アル
    ミニウム化合物および(v)少なくとも1種以上の有機
    アルミニウムオキシ化合物を加えて得られる固体触媒
    と、 (B)成分として有機アルミニウム化合物および/また
    は有機アルミニウムオキシ化合物からなる触媒系の存在
    下で、少なくとも1種以上のα−オレフィンを重合させ
    ることを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
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