JPH059204A - 分岐シクロデキストリンの製造法 - Google Patents

分岐シクロデキストリンの製造法

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JPH059204A
JPH059204A JP18817991A JP18817991A JPH059204A JP H059204 A JPH059204 A JP H059204A JP 18817991 A JP18817991 A JP 18817991A JP 18817991 A JP18817991 A JP 18817991A JP H059204 A JPH059204 A JP H059204A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シクロデキストリンと、分岐シクロデキスト
リンとの混合物中のシクロデキストリンを酵素で選択的
に分解して低分子のマルトオリゴ糖とすることにより、
混合物中の分岐シクロデキストリンを、簡便で、経済的
な方法で分画できるようにする。 【構成】 分岐シクロデキストリンとシクロデキストリ
ンとの混合物に、好ましくはα−アミラーゼTF−35で
ある、シクロデキストリンを優先的に加水分解する酵素
を作用させて、シクロデキストリンの大部分をマルトオ
リゴ糖に分解した後、分画処理して分岐シクロデキスト
リンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分岐シクロデキストリ
ンとシクロデキストリンとの混合物中のシクロデキスト
リンを優先的に酵素分解することにより、分画処理を容
易にして分岐シクロデキストリンを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シクロデキストリン(以下、「CD」と
略記する)は、6〜12個のグルコース分子がα−1,4
−グルコピラノシド結合で結合した環状の非還元性マル
トオリゴ糖であり、工業的にはグルコース分子6個、7
個又は8個が結合したα−、β−及びγ−CDが有用と
されている。
【0003】これらのCDは、バチルス(Bacillus)属あ
るいはクレブシエラ(Klebsiella)属の細菌が生産するC
D生成酵素(Cyclomaltodextrin glucanotransferase、
以下CGTaseと略す)を、澱粉に作用させた後、結晶化、
有機溶媒沈殿法、各種クロマトグラフィー等の精製操作
を経て製造される。
【0004】CDは、その分子内の空洞に、各種の有機
化合物をゲスト化合物として取り込んで包接化合物を形
成し、ゲスト化合物の種々の物理化学的又は生理化学的
効果を変化させることができることから、産業界で広く
利用されている。
【0005】このCDに、グルコースを含む一連の直鎖
状又は分岐したマルトオリゴ糖が、α−1,6−グルコ
ピラノシド結合で結合したものが分岐CDである。
【0006】この分岐CDは、CDと同様に包接化合物
を形成するが、CDが水、有機溶媒に溶解しにくいのに
対して、水、有機溶媒に溶解しやすく、特にエタノール
に溶解しやすいという性質を有するため、香料、医薬品
等を包接させて安定化させたり、水、有機溶媒に可溶化
させたりという用途が期待されている。
【0007】分岐CDは、澱粉にCGTaseを作用させて
CDを製造する際に、副産物として生成する(Carbohyd
r. Res.、 131巻、175 〜179 頁、1984年、同153 巻、55
〜67頁、1986年、同173 巻、324 〜331 頁、 1988年)ほ
か、高濃度のマルトオリゴ糖とCDとの混合物を基質
とする、プルラナーゼ、イソアミラーゼ等の澱粉枝切り
酵素の逆合成反応によっても生成する(Nature、 210
巻、 200 頁、1966 年、Arch. Biochem. Biophys.、 137
巻、 483 〜493 頁、 1970年、 Carbohydr. Res.、 154巻、
81〜92頁、 1986年、 同159 巻、 303 〜313 頁、1987年、
同168 巻、285 〜294 頁、 1987年、同192 巻、 223 〜23
1 頁、1989年、Agric. Biol. Chem.、 159 巻、303 〜31
3 頁、1987年、 同52巻、 1655〜1659頁、1988年、同53
巻、2181〜2188頁、 1989年、 同54巻、 2585〜2591頁、19
90年)。
【0008】また、これらの知見に基づいて、分岐CD
の製造法に関する特許が数多く出願されている(特開昭
61-70996号、同61-92592号、同61-197602 号、同61-212
297号、 同61-236801 号、 同61-236802 号、 同61-293395
号、 特開平2-20502 号、 同2-211890号、 特公平3-20121
号、 同3-20122 号) 。
【0009】上記分岐CDの製造法において、の方法
ではCDの副産物として生成するものであり、の方法
においても、上記文献、特許公報に記載された枝切り酵
素を用いた場合、使用したCDの全てを分岐CDに変換
することはできず、その変換率は20〜70%程度であるの
で、反応液中には大量のCDとマルトオリゴ糖とが残存
する。したがって、分岐CDと、CDと、マルトオリゴ
糖との混合液中から、分岐CDを単離精製しなければな
らない。これらの混合物から、マルトオリゴ糖を分画す
るのは容易であるが、分岐CDとCDとは、分子量、物
性が似ていることから、分画するのが困難である。
【0010】これらの分画方法について、前記特許公
開、公告公報にいくつかの方法が記載されている。例え
ば、特開昭61-70996号、 同61-92592号、同61-197602
号、同61-236801 号には、「トヨパールHW−40S」
(商品名、トーソー株式会社製)を用いてゲル濾過によ
り分離する方法が記載されている。また、特開昭61-236
802号、 特公平3-20121 号、 同3-20122 号には、イオン
交換クロマトグラフィー、ODSなどの逆相カラムクロ
マトグラフィー、又は溶媒沈殿などの通常の精製法によ
り処理すると記載されている(ただし、実施例中に具体
的な記載はされていない)。更に、特開平2-20502 号に
は、CDと包接化合物を形成する有機溶媒を用いる方法
が記載されている。更に、前記Carbohydr. Res.、 192
巻、 223 〜231 頁、1989年、及び月刊フードケミカル、
5巻、27〜36頁、1989年には、小林、原らが、ODS(O
ctadesylated silica)担体を用いた吸着クロマトグラフ
ィーにより分画する方法を提案している。この方法は、
分岐CDとCDとを担体に吸着させることにより、マル
トオリゴ糖から分画した後、5%エタノール溶液で溶出
することにより、分岐CDとCDとを分画する方法であ
る。
【0011】一方、CDを加水分解する酵素が、分岐C
Dにどのような作用をするかという検討がいくつかなさ
れている。例えば、Agric. Biol.Chem.、 49巻、 3391〜3
398頁、 1985年には、アスペルギルス・オリゼー(Asperg
illus oryzae)の生産するα−アミラーゼ(タカアミラ
ーゼAともいう)や、サーモアクチノマイセス・ブルガ
リス(Thermoactionmyces vulgaris)のα−アミラーゼ
の、CD、マルトシルCDに対する作用が記載されてお
り、澱粉科学、38巻、第1号、17〜22頁、1991年には、
アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)由来の
工業用タカアミラーゼAである「Fungamyl 800L」(商
品名、ノボノルディスク社製)や、バチルス・ズブティ
リス(Bacillus subtillis)由来のマルトゲナーゼ(ノボ
ノルディスク社製)の、CD、グルコシルCDに対する
作用が記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たゲルクロマトグラフィーによる分画は、一般に操作が
非常に煩雑であり、しかも生産性が低い。また、分岐C
DとCDとは分子量差が小さく、これらを相互に分画す
ることは実質的に不可能であった。
【0013】また、イオン交換クロマトグラフィーや限
外濾過膜を用いる分画法は、マルトオリゴ糖とCDとの
分画は可能であるが、分岐CDとCDとの分画はほとん
ど不可能であった。
【0014】更に、ODS担体を用いる方法において
は、ODS担体に吸着し得るCD及び分岐CDが少量で
あること、及び、CDと分岐CDとの分画に用いるエタ
ノールが大量に必要であって、費用がかかりすぎてしま
うという問題があった。
【0015】一方、前述したように各種の酵素が、C
D、分岐CDにどのように作用するかという報告もなさ
れているが、Agric. Biol. Chem.に記載された酵素は、
両者を区別することなく加水分解すると報告され、澱粉
科学に記載された酵素は、両酵素とも、CDと、グルコ
シルCDとで、加水分解速度に有意差があると報告され
ているが、CD、分岐CD、及びマルトオリゴ糖の混合
物中のCDのみを優先的に加水分解するというものでは
なかった。
【0016】すなわち、従来の方法において、分岐CD
は、単独で製造することが困難であり、分岐CDとCD
との混合物として製造した後、分岐CDのみを分画しな
ければならないが、この分画処理も、煩雑で、コストの
かかる方法しかなく、かつ、収率の悪いものであった。
【0017】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、CD、分岐CDの混合物中から、分
岐CDを容易に、かつ、経済的に製造する方法、すなわ
ち、混合物中のCDを、CDを優先的に分解する酵素に
より加水分解して低分子のマルトオリゴ糖とし、簡便
で、経済的な方法により分画して、分岐CDを高収率で
製造する方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の分岐CDの製造法は、分岐CDとCDとの
混合物に、CDを優先的に加水分解する酵素を作用させ
た後、分画処理することを特徴とする。
【0019】本発明の好ましい態様においては、CDを
優先的に加水分解する酵素として、α−アミラーゼTF
−35が用いられる。
【0020】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て詳細に説明する。
【0021】本発明においては、分岐CDと、CDとの
混合物中のCDを、優先的に加水分解して低分子マルト
オリゴ糖とした後、この低分子マルトオリゴ糖と、分岐
CDとを分画処理することにより、分岐CDを製造す
る。
【0022】分岐CDと、CDとの混合物としては、例
えば、澱粉にCGTaseを作用させた後、結晶化法、その
他の方法で大部分のCDを除去した残余の母液や、高
濃度のマルトオリゴ糖とCDとの混合物を基質とし、プ
ルラナーゼ、イソアミラーゼ等の澱粉枝切り酵素により
逆合成反応させたものなどが用いられる。しかし、本発
明は、これらに限らず、分岐CDと、CDと、場合によ
ってはマルトオリゴ糖などを含む混合物から分岐CDを
分離する場合に広く適用できる。
【0023】本発明に用いるCDを優先的に加水分解す
る酵素とは、分岐CDよりもCDの方をより選択的に分
解する酵素を意味し、好ましくは、分岐CDはほとんど
分解せず、CDは大部分分解する酵素が用いられる。こ
のような酵素の好ましい例としては、例えば特開平2-11
3886号に記載されたα−アミラーゼTF−35が挙げられ
る。このα−アミラーゼTF−35は、サーモモノスボラ
・ビリディス(Thermomonospora viridis TF-35、微工研
菌寄第10339 号) の培養物から採取された酵素であり、
その製造方法や理化学的性質については、上記特許公開
公報に記載されているので、説明を省略する。
【0024】この酵素の使用量は、混合物中のCDの
量、種類、基質濃度、反応時間に応じて変更される。一
般に、この酵素は、α−CDを分解し難く、γ−CDを
分解し易く、β−CDをそれらの中間程度の速度で分解
するという性質を有する。したがって、例えばα−CD
を分解する際には、他の種類のCDを分解する場合より
多量に用いる必要がある。
【0025】反応条件は、pH5〜7、温度40〜70℃程度
が好ましく、反応時間は5〜100 時間程度が好ましい。
【0026】上記の条件下に、分岐CDと、CDとの混
合物に、α−アミラーゼTF−35を作用させると、CD
の大部分は、マルトースを主成分とする低分子マルトオ
リゴ糖に分解され、分岐CDと、マルトオリゴ糖との混
合物となる。
【0027】この混合物から、分岐CDを分画する方法
は、従来から採用されている方法を採用することがで
き、例えば、限外濾過膜処理、強酸性カチオン交換樹脂
による方法等、経済的な方法により十分分画できるが、
ゲル濾過用樹脂担体を用いる方法なども採用できる。な
お、限外濾過膜は、平均分画分子量700〜1500程度のも
のを用いるのが好ましく、1000程度のものがより好まし
い。
【0028】
【作用】本発明においては、分岐CDと、CDとの混合
物に、CDを優先的に加水分解する酵素を作用させるの
で、分岐CDはほとんど分解せず、CDは大部分が分解
して、低分子マルトオリゴ糖となり、分岐CDと、マル
トオリゴ糖との混合物となる。分岐CDと、マルトオリ
ゴ糖との混合物は、限外濾過膜処理、強酸性カチオン交
換樹脂による方法等、簡便で、経済的な方法により十分
分画することができる。すなわち、分子量、物性が類似
していることから、分画が困難であり、煩雑で、コスト
のかかる分画処理を行なっても、十分分画することがで
きなかった分岐CDと、CDとを、簡便に、経済的に分
画することができ、分岐CDを高収率で得ることができ
る。
【0029】したがって、分岐CDを、工業的に有利な
方法で製造することが可能となり、香料、医薬品等を包
接させて安定化させたり、水、有機溶媒に可溶化させた
りという用途が期待される分岐CDを、容易に、安価に
得ることができる。
【0030】
【実施例】
実施例1 α−CD1.9kg と、マルトース5.6kg と、3mM−塩化カ
ルシウムとを含む、pH4.5 の糖質混合液(A)10L(リ
ットル)に、プルラナーゼである「DB−250」(商品
名、天野製薬株式会社製)23mL(ミリリットル)を添加
し、65℃で、72時間反応させて、α−CD19.8重量%
と、マルトシルα−CD10.3重量%と、ジマルトシルα
−CD2.7 重量%と、その他のオリゴ糖67.2重量%とか
らなる固形分30W/V %を含有する糖質混合液(B)を得
た。
【0031】次いで、得られた糖質混合液(B)に、混
合液中の固形分1gに対して50単位のα−アミラーゼT
F−35(日本食品化工株式会社製、2700U/mL)を添加
し、pH6.5 、60℃の条件下に、70時間反応させて、糖質
混合液(C)を得た。
【0032】比較例1、2 比較のため、上記糖質混合液(B)に、糖質混合液
(B)中の固形分1gに対して20単位のアスペルギルス
・オリゼー(Aspergillus oryzae)由来のα−アミラーゼ
(商品名「スミチームL」、新日本化学株式会社製、32
00U/g )、又は、糖質混合液(B)中の固形分1gに対
して1.0 単位のバチルス・ズブティリス(Bacillus subt
ilis) 由来のα−アミラーゼ(大和化成株式会社製、52
000U/g) を添加し、pH5.5 で同様に反応させた糖質混合
液(D)、(E)を得た。これらをそれぞれ比較例1、
2とする。
【0033】分解前の糖質混合液(B)、実施例1の糖
質混合液(C)、比較例1、2の糖質混合液(D)、
(E)について、それぞれの糖組成を測定し、その結果
を表1に示した。なお、糖組成は、以下に示す条件の高
速液体クロマトグラフィーにより測定した。 カラム:「アサヒパックNH2P−50」(商品名、旭化
成工業株式会社製) 移動相: 65 重量%アセトニトリル 流速 : 0.8mL/分 検出 :IRデテクター
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から、α−CDと、マルトシル
α−CDと、ジマルトシルα−CDと、その他のオリゴ
糖とからなる糖質混合液に、α−アミラーゼTF−35を
作用させた実施例1においては、α−CDの大部分であ
る99.5%が加水分解しているが、分岐α−CDであるマ
ルトシルα−CD、 ジマルトシルβ−CDは、 それぞれ
17.5%、3.7 %しか分解されず、その大部分である82.5
%、 96.3%が未分解であることがわかる。これに対し
て、比較例3、4においては、α−CDとともに分岐α
−CDも分解されていることがわかる。
【0036】続いて、実施例1の糖質混合液(C)に加
水しながら、平均分画分子量1000の限外濾過膜である
「SD−100 」(商品名、住友ベークライト株式会社
製)を通過させて、マルトシルα−CD75.3重量%と、
ジマルトシルα−CD23.0重量%と、α−CD0.6 重量
%と、その他のマルトオリゴ糖1.1 重量%とからなる組
成の、分岐α−CDを主成分とする成分を得た。
【0037】実施例2 β−CD1.25kgと、マルトース6.25kgと、3mM−塩化カ
ルシウムとを含む、pH4.5 の糖質混合液(F)10Lに、
実施例1と同様にプルラナーゼを添加し、反応させて、
β−CD5.5 重量%と、マルトシルβ−CD6.6 重量%
と、ジマルトシルβ−CD1.6 重量%と、その他のオリ
ゴ糖86.3重量%とからなる固形分30W/V%を含有する糖
質混合液(G)を得た。
【0038】次いで、得られた糖質混合液(G)に、混
合液中の固形分1gに対して20単位のα−アミラーゼT
F−35を添加し、実施例1と同様の条件下に反応させ
て、糖質混合液(H)を得た。
【0039】比較例3、4 比較のため、上記糖質混合液(G)に、比較例1、2と
同様に、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryza
e)由来のα−アミラーゼ(商品名「スミチームL」、新
日本化学株式会社製、3200U/g )、又は、バチルス・ズ
ブティリス(Bacillus subtilis) 由来のα−アミラーゼ
(大和化成株式会社製、52000U/g) を添加し、同様に反
応させて糖質混合液(I)、(J)を得た。これらをそ
れぞれ比較例3、4とする。
【0040】分解前の糖質混合液(G)、実施例1の糖
質混合液(H)、比較例1、2の糖質混合液(I)、
(J)について、それぞれの糖組成を実施例1と同様の
条件下で測定し、その結果を表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】表2の結果から、β−CDと、マルトシル
β−CDと、ジマルトシルβ−CDと、その他のオリゴ
糖とからなる糖質混合液に、α−アミラーゼTF−35を
作用させた実施例2においては、β−CDの大部分であ
る98.2%が加水分解しているが、分岐β−CDであるマ
ルトシルβ−CDは19.7%しか分解されず、ジマルトシ
ルβ−CDは全く分解されなくて、その大部分又は全部
である80.3%、 100 %が未分解であることがわかる。こ
れに対して、比較例3、4においては、β−CDととも
に分岐β−CDも分解されていることがわかる。
【0043】実施例3 γ−CD1.9kg と、マルトース5.6kg と、3mM−塩化カ
ルシウムとを含む、pH4.5 の糖質混合液(K)10Lに、
実施例1と同様にプルラナーゼを添加し、反応させて、
γ−CD12.9重量%と、マルトシルγ−CD12.8重量%
と、ジマルトシルγ−CD5.2 重量%と、その他のオリ
ゴ糖69.1重量%とからなる固形分30W/V%を含有する糖
質混合液(L)を得た。
【0044】次いで、得られた糖質混合液(L)に、混
合液中の固形分1gに対して1.0 単位のα−アミラーゼ
TF−35を添加し、実施例1と同様の条件下に反応させ
て、糖質混合液(M)を得た。
【0045】比較例5、6 比較のため、上記糖質混合液(L)に、比較例1、2と
同様に、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryza
e)由来のα−アミラーゼ(商品名「スミチームL」、新
日本化学株式会社製、3200U/g )、又は、バチルス・ズ
ブティリス(Bacillus subtilis) 由来のα−アミラーゼ
(大和化成株式会社製、52000U/g) を添加し、同様に反
応させて糖質混合液(N)、(O)を得た。これらをそ
れぞれ比較例5、6とする。
【0046】分解前の糖質混合液(L)、実施例1の糖
質混合液(M)、比較例1、2の糖質混合液(N)、
(O)について、それぞれの糖組成を実施例1と同様の
条件下で測定し、その結果を表3に示した。
【0047】
【表3】
【0048】表3の結果から、γ−CDと、マルトシル
γ−CDと、ジマルトシルγ−CDと、その他のオリゴ
糖とからなる糖質混合液に、α−アミラーゼTF−35を
作用させた実施例3においては、γ−CDの大部分であ
る97.7%が加水分解しているが、分岐γ−CDであるマ
ルトシルγ−CD、 ジマルトシルγ−CDは、 それぞれ
64.1%、28.8%しか分解されず、35.9%、 71.2%が未分
解であることがわかる。これに対して、比較例5、6に
おいては、γ−CDとともに分岐γ−CDも分解されて
いることがわかる。
【0049】実施例4〜6 実施例1、2及び3で調製した分岐CDと、CDと、オ
リゴ糖とからなる固形分濃度30w/v %の糖質混合液
(B)、(G)、(L)に、それぞれ混合液中の固形分
1gに対して2単位のグルコアミラーゼ(商品名「グル
クザイム スペシャル」、天野製薬株式会社製、3000単
位/g)を添加し、pH5 〜5.5 、55℃の条件下に、30時
間反応させて、マルトシルCD、ジマルトシルCDを、
それぞれグルコシルCD、ジグルコシルCDにした。
【0050】上記で得られたそれぞれの糖質混合液
(B’)、(G’)、(L’)に、混合液中の固形分1
gに対して1.0 単位のα−アミラーゼTF−35を添加
し、実施例1と同様の条件下に反応させて、糖質混合液
(P)、(Q)、(R)を得た。これらをそれぞれ実施
例4、5、6とする。
【0051】上記におけるグルコアミラーゼ処理後でα
−アミラーゼTF−35処理前の糖質混合液(B’)、
(G’)、(L’)と、α−アミラーゼTF−35処理後
の実施例4、5、6の糖質混合液(P)、(Q)、
(R)について、その糖組成を実施例1と同様の条件下
で測定し、その結果を表4に示した。
【0052】
【表4】
【0053】表4の結果から、分岐CDがグルコシルC
D、ジグルコシルCDである場合にも、分岐CDとCD
との混合物にα−アミラーゼTF−35を作用させると、
グルコシルCD及びジグルコシルCDをほとんど加水分
解することなく、CDを加水分解することがわかる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
分岐CDと、CDとの混合物に、CDを優先的に加水分
解する酵素を作用させて、CDを低分子マルトオリゴ糖
に分解するので、簡便で、経済的な分画処理により、分
岐CDを高収率で得ることができる。すなわち、分岐C
Dを、工業的に有利な方法で製造することが可能になっ
た。したがって、香料、医薬品等を包接させて安定化さ
せたり、水、有機溶媒に可溶化させたりという用途への
分岐CDの利用が期待される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分岐シクロデキストリンとシクロデキス
    トリンとの混合物に、シクロデキストリンを優先的に加
    水分解する酵素を作用させた後、分画処理することを特
    徴とする分岐シクロデキストリンの製造法。
  2. 【請求項2】 前記酵素がα−アミラーゼTF−35であ
    る請求項1に記載の分岐シクロデキストリンの製造法。
JP3188179A 1991-07-02 1991-07-02 分岐シクロデキストリンの製造法 Expired - Lifetime JP3009944B2 (ja)

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