JPH0292296A - 高純度マルトース及びその還元物の製造方法 - Google Patents

高純度マルトース及びその還元物の製造方法

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JPH0292296A JP24238788A JP24238788A JPH0292296A JP H0292296 A JPH0292296 A JP H0292296A JP 24238788 A JP24238788 A JP 24238788A JP 24238788 A JP24238788 A JP 24238788A JP H0292296 A JPH0292296 A JP H0292296A
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Yoshifumi Ishii
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野) 本発明は高純度マルトース及びその還元物の製造方法に
関する。
〔従来の技術〕
マルトース、即ち4−[α−D−グルコピラノシル]−
D−グルコースは古来麦芽水飴の主成分として知られ、
良質の風味を有するために広く食品に使用されてきた。
一方、その還元物であるマルチトール、即ち4−[α−
D−グルコピラノシル]−〇−グルチトールも、微生物
により発酵されにくいことや、砂糖に近い甘味質を有す
ることなどの利点があることから、食品、化粧品、薬品
などの分野で広範囲の用途に使用されている。
従来、高純度のマルトース又はマルチトールを得ること
は、他のIIjN類の高純度品を得ることに比較して困
難であったが、特殊な糖化方法を採用したり、他の糖類
の純度を高める際に多(利用されているクロマト分離法
をマルトース又はマルチトールの製造工程に適用するこ
とにより、その困難さを軽減する試みがなされてきた。
高純度のマルトース又はマルチトールを得ようとする試
みは多数報告されているが、それらのなかでも代表的な
ものは以下の4種に大別される。
■即ち、第1の方法は、例えば、特開昭57−1344
98号公報に開示されているような、α−アミラーゼで
澱粉を低DE(デキストロース当量)に液化した澱粉液
化液にβ−アミラーゼ及びイソアミラーゼを作用させて
、マルトース高含有液を得、更に必要に応じてこれを水
素添加して高純度マルチトールを得る方法である。
■第2の方法は、特開昭57−209000号公報、同
58−23799号公報、同60−67000号公報、
同62−19210号公報等に開示されているような、
グルコース含有量が少なく、マルトース純度75〜85
%程度(本明細書中、%とは固形分あたりの重量%を示
す、以下単に純度ということがある。)のマルトースを
主成分とする液化液の成分を、アルカリ金属形強酸性カ
チオン交換樹脂でクロマト分離することにより、例えば
93%以上の高純度マルトースを製造し、その後水素添
加して高純度マルチトールにする方法である。
■第3の方法は、特開昭61480797号公報に開示
されているような、4度25〜45%の澱粉乳を液化し
た後、糖化条件を調節して糖化し、マルトース純度50
〜80%以上の糖化液を得、その後これを水素添加して
からクロマト分離することにより高純度のマルチトール
を製造する方法である。
■第4の方法は、特願昭63−101356号に紹介さ
れているような汎用性の高い酵素を特殊な組み合わせで
使用する方法である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の方法には数多くの課題が残されて
おり、工業的に有利に高純度のマルトース又はマルチト
ールを製造する方法として満足なものではなかった。
例えば、■に開示されている方法は、澱粉を液化する際
のDBをできるだけ低く抑える必要がある。具体的には
、高純度のマルトース又はマルチトールを得るためには
DBを2以下、更に好ましくは、0.5〜1.0にする
ことが要求される。
このDBIN及びその後の工程中での数値を満たすため
には、原料澱粉を価格の高い地下澱粉(馬鈴薯澱粉等)
に限定し、更に液化濃度を20%以下と、通常のハイマ
ルトースを製造する工程よりも低くする必要がある。
その結果、この方法は大量に生産・販売されているハイ
マルトースシロップやグルコースシロップの製造工程中
の糖化槽と比較して、非常に大きなものを必要とする。
また、大量の水を濃縮する必要があるため、濃縮コスト
の増大を招くなどの欠点もあった。
■の方法は経済的に有利な地上澱粉も使用し得る方法で
あり、マルトースの純度を高める役を担っている工程は
、マルトースとDP(1gの重合度)3以上、即ち、三
糖以上のオリゴ糖とを分離する方法である。しかし、こ
の方法は、特にマルトースとマルトトリオースの分子量
比が小さく、その他の分離に必要な性質の差異も小さい
ために、分離が極めて困難である。
このため、容量の大きな分離塔を必要とし、分離に大量
の溶出水を要することやその結果この水の濃縮費用がか
さむことなどの不利益がある。
更に分離が困難なためにマルトース画分の中にグルコー
スなどの不純物が混入することが多く、マルトース純度
が高くなりにくいという欠点もあった。
また、■の方法は、分画に供する液の組成がソルビトー
ル、マルチトール、及びDP3以上の糖アルコールの混
合物であり、これからマルチトールを主成分とする百分
を取り出すために8塔式のクロマト分離装置を、極めて
複雑な操作で用いている。
それにも拘らず、各糖成分の分離状態は不良であり、結
果的に、マルチトールを主成分とする両分にはマルトト
リイトールが8%前後混入している。
この方法は、DP3以上の糖アルコールが混入してくる
ので、その後のマルチトールの結晶析出が阻害され、結
晶化工程に長時間を要することやマルチトールの収率が
低い結果を招くなどの不都合を生じている。
更に、分画に使用しているカルシウム型イオン交換体は
、ソルビトールに対して極めて強い吸着力を有するので
、その溶出がマルチトールやDP3以上の糖アルコール
に比較して著しく遅れ、その結果クロマト分離の際に原
料糖液の約5倍の溶出液を必要とするという欠点もあっ
た。
このことは、つまり、その後の濃縮工程で大量の水を濃
縮、除去する必要があるということであり、工業的には
極めて不利なことである。
次に、■の方法は汎用性の高い酵素を特殊な組み合わせ
で使用してはいるが、最終糖化段階で高価なグルコアミ
ラーゼを比較的多量に使用する必要があることや、糖化
終了時点でのマルトースの純度が比較的低いこと、更に
、還元後にクロマト分離工程が必要なためにこの工程を
含まないプロセスに比べ、カラムから溶出する際に使う
水によって工程中の固形分濃度が低くなってしまい、製
品化前にこの水を蒸発させる必要があることから、経済
的に不利であるという欠点を有していた。
以上のことから、クロマト分離をせずに、経済的に有利
で、糖化終了時点でマルトース純度が高く、且つ工程の
簡素な、高純度マルトース及びその還元物の製造方法が
切望されていた。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意研究を重
ねた結果、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bac
illus stearothermophilus)
の遺伝子のフルトゲニック−α−アミラーゼがコードさ
れた部分を組込んだプラスミドを調製して、更に、この
プラスミドをバチルス・ズブティリス(Bacillu
s 5ubtilis)に組込んで生産されたフルトゲ
ニック−α−アミラーゼ(以下単にこのものをフルトゲ
ニック−α−アミラーゼと言うことがある)を使用して
特定の条件下で糖化することによって、経済的に有利で
且つ簡素な高純度マルトースの製造方法を開発し、本発
明を完成するに至った。
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
本発明の目的は食品又は各種原材料として有用な高純度
マルトース又は高純度マルチトールの有利な製造方法を
提供することにある。
請求項1の本発明の工程は、1)#粉を液化した後、β
−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼからなる
群の中から選ばれる2種以上の酵素を使用して固形分中
のマルトース純度を70重量%以上に調製したのちに、
マルトゲニック−αアミラーゼを添加して次式 の数値を与えるまで糖化する方法、つまり、従来品の酵
素を組合わせて使用することによりマルトース純度を7
0%以上にした後、マルトゲニンク−αミラーゼで三糖
以上のオリゴ糖を選択的に加水分解して更にマルトース
の純度を高めることにより構成される。
また、請求項2の本発明の工程は上記りと同様の糖化工
程を経た後に、得られた糖化物を還元することにより構
成される。
本発明の原料は、地上澱粉、地下澱粉の別を問わず使用
可能であり、澱粉中のアミロースやアミロペクチンの組
成も気にする必要はない。
本発明に使用可能な澱粉を具体的に例示すると、トウモ
ロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、その他大麦、せ薯、タピオカ
など由来の澱粉が挙げられる。
次に、これらの澱粉を液化するが、液化の方法や条件は
特別に限定する必要はない。
然しなから、4度を高(保つことにより経済性を改善す
るためと、DEを比較的高くすることにより液化物の老
化を防止するために、例えば基質濃度20〜35%で、
例えばノボ社のターマミル(登録商標)などの耐熱液化
酵素を使用して、ジェットクツカー等の装置による液化
を行い、DB5〜15程度で液化酵素を失活させること
が有利である。
更に、この液化液を55〜60°Cで糖化するが、その
際にβ−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼか
らなる群の中から選ばれる2種以上の酵素を使用する。
この糖化工程開始後マルトゲニックーα−アミラーゼを
添加する前までの糖化の程度は、固形分中のマルトース
純度が70重景%以上になるまで糖化することが、最終
的に純度の高いマルトース又はその還元物を製造するた
めに有利である。
このとき使用する糖化酸素は、β−アミラーゼとしては
例えば長瀬産業■製のβ−アミラーゼ#1500、フィ
ンシュガー社製のスペザイム(SPEZYME;登録商
標) BBAI500などがあるが、それらの中でも大
豆由来のβ−アミラーゼが本発明を実施するうえで有利
な性質を備えている。
また、プルラナーゼとしてはノボ社のプロモザイムや天
野製薬■製のプルラナーゼアマノCKL等が汎用性が高
いことや酵素の性質から有利である。
次に、マルトゲニック−α−アミラーゼを添加して下記
の式 を満たすまで糖化を行うが、本発明を実施する上で使用
できるマルトゲニック−α−アミラーゼとしてはノボ社
のマルトゲナーゼがある。
その好適な糖化条件は、温度50〜60°c、6’+素
添加It〜20 u / g基質固形分(以下DSと略
することがある。)、pH4,5〜6.5程度であり、
これにより、マルトース純度80〜90%程度の高純度
マルトースを得ることができる。
更に、前記のようにして得られた高純度マルトースを、
それ自身は公知な方法で、回分式又は連続式の方法を採
用し、ニンケル系又は貴金属系などの触媒の存在下で水
素添加して高純度マルチトール液にすることができる。
水素添加条件は、マルトースの分解が生じない条件であ
ればどのような条件でも良いが、通常は糖液の濃度を4
0〜60重世%にして、水素圧20kg/c艷以上で反
応させることが好ましく、50〜200 kg/cIa
で、温度100〜150°Cにて実施することが更に好
ましい。
この水素添加後の未還元糖は極端に低減させる必要はな
いが、1%以下、更には0.5%以下にすることが、こ
のものを利用加工する上で有利な物性を付与することが
可能になるので好ましい。
得られた水素添加液は、必要に応じて触媒を除去した後
、更に必要ならば脱色、脱イオンなどの精製操作を経由
して製品とすることができる。
本発明の方法により得られる高純度マルトース又は高純
度マルチトールは、現在市販されているマルトース又は
マルチトールを主成分とする製品群の中では比較的高い
マルトース又はマルチ)−ル純度を有するものであり、
その成分組成は三糖以上のオリゴ糖又はオリゴ糖アルコ
ール含有量が少ないので、クロマト分離法や晶析分蜜化
などの公知の方法で更にマルトース又はマルチトールの
純度を向上させたり、公知の方法で直接結晶・粉末化さ
せることも容易に可能である。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本
発明は以下の実施例により限定されるものではない。
実施例−1 (工程−1)  トウモロコシ澱粉を濃度32%、pl
+6.3に調整し、耐熱液化酵素[長瀬産業■製、スビ
クーゼIts] 20 u/gDSを添加してジェット
クツカーにて105°Cで液化した。液化酵素を失活さ
せることによりDEL2にて液化を停止した。
(工程−2) 次に、液化液をPH5,5に調整し、温
度57°Cで1ml/kgDsのフィンシュガー社製の
スペザイムBBA1500及び1 u / g D S
のノボ社製プルラナーゼ、プロモザイムT1120OL
を添加して糖化反応を進め6時間目に液化酵素スピター
ゼPN4を20 u / g D S添加して合計36
時間糖化反応を行った。糖化開始後36時間口のI!組
成を高速液体クロマトグラフィーにて分析した結果は次
の通りであった。
(−糖            1.0%)(三糖  
      72.8%) (三糖        21.2%) (四糖以上のオリゴ糖  5.0%) (工程−3) 次いで、フルトゲニック−α−アミラー
ゼ(ノボ社製、マルトゲナーゼ)10u/gDSを添加
して更に36時間反応を続は高純度マルトース−■を得
た6反応終了後のII!組成を高速液体クロマトグラフ
ィーにて分析した結果は次の通りであった。
(−糖         9.8%) (三糖        84.1%) (三$1         1.9%)(四糖以上のオ
リゴ糖  4.2%) 実施例−2 トウモロコシ澱粉の濃度を25%に液化DEを6に変更
した以外は実施例1の工程−1及び2と同様に操作して
以下の糖組成の液を得た。
(−糖         0.7%) (三糖        80.5%) (三糖        14.7%) (四糖以上のオリゴ$1!4.1%) 更に マルトゲナーゼの添加量を5 u / g D Sに変
更した以外は実施例1の工程−3と同様に操作して以下
のtJ! m成を有する高純度マルトース−■を得た。
(−tJ!            5.5%)(二t
l!         88.9%)(三糖     
    1.6%) (四糖以上のオリゴ$1!4.0%) 実施例−3 実施例−1で得た高純度マルトース−■を常法に従って
脱色、脱塩、濃縮して濃度50%の濃縮糖液とし、その
20kgとラネーニッケル触媒200gを内容積25リ
ツトルのオートクレーブに仕込み、水素圧を120kg
/cdに保ち、120°Cにて2時間攪拌して水素添加
を行った。得られた反応液を触媒と分離し、粒状活性炭
のカラムを通した後、高速液体クロマトグラフィーにて
分析した結果は以下の通りであった。
ソルビトール         10.3%マルチトー
ル         83.8%三糖以上のオリゴ糖ア
ルコール  5.9%実施例−4 実施例−2で得た高純度マルトース−■を常法に従って
脱色、脱塩、!縮して濃度50%の濃縮糖液とし、実施
例−3と同様に水素添加し、その後の精製操作の後、高
速液体クロマトグラフィーにて分析した結果は以下の通
りであった。
ソルビトール          5,7%マルチトー
ル         88.5%三糖以上のオリゴ糖ア
ルコール  5.8%〔発明の効果〕 以上の記載から明らかなように、本発明により、汎用酵
素及びマルトゲニック−α−アミラーゼを特定の条件下
で使用し、各工程を実施することにより、容品な操作で
高純度マルトース又はマルチトールを収率良く得ること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)澱粉を液化した後、β−アミラーゼ、イソアミラ
    ーゼ、プルラナーゼからなる群の中から選ばれる2種以
    上の酵素を使用して固形分中のマルトース純度を70重
    量%以上に調製したものに、バチルス・ステアロサーモ
    フィルス(Bacillusstearothermo
    philus)の遺伝子のマルトゲニック−α−アミラ
    ーゼがコードされた部分を組み込んだプラスミドをバチ
    ルス・ズブティリス(Baci−llussubtil
    is)に組込んで生産されたマルトゲニック−α−アミ
    ラーゼを添加して次式 (三糖以上のオリゴ糖の固形分重量)/[(二糖の固形
    分重量)+(三糖以上のオリゴ糖の固形分重量)]×1
    00≦8の数値を与えるまで糖化することを特徴とする
    高純度マルトースの製造方法。
  2. (2)[1]澱粉を液化した後、β−アミラーゼ、イソ
    アミラーゼ、プルラナーゼからなる群の中から選ばれる
    2種以上の酵素を使用して固形分中のマルトース純度を
    70重量%以上に調製したものに、バチルス・ステアロ
    サーモフィルス(Bacillusstearothe
    rmophilus)の遺伝子のマルトゲニック−α−
    アミラーゼがコードされた部分を組み込んだプラスミド
    をバチルス・ズブティリス(Bacillussubt
    ilis)に組込んで生産されたマルトゲニック−α−
    アミラーゼを添加して次式 (三糖以上のオリゴ糖の固形分重量)/[(二糖の固形
    分重量)+(三糖以上のオリゴ糖の固形分重量)]×1
    00≦8の数値を与えるまで糖化する第1工程、 [2]得られた糖化物を還元する第2工程、上記2工程
    を逐次的に実施することを特徴とする高純度マルチトー
    ルの製造方法。
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