JP2696534B2 - 高純度マルトース及びその還元物の製造方法 - Google Patents
高純度マルトース及びその還元物の製造方法Info
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- JP2696534B2 JP2696534B2 JP24238788A JP24238788A JP2696534B2 JP 2696534 B2 JP2696534 B2 JP 2696534B2 JP 24238788 A JP24238788 A JP 24238788A JP 24238788 A JP24238788 A JP 24238788A JP 2696534 B2 JP2696534 B2 JP 2696534B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高純度マルトース及びその還元物の製造方法
に関する。
に関する。
マルトース、即ち4−[α−D−グルコピラノシル]
−D−グルコースは古来麦芽水飴の主成分として知ら
れ、良質の風味を有するために広く食品に使用されてき
た。
−D−グルコースは古来麦芽水飴の主成分として知ら
れ、良質の風味を有するために広く食品に使用されてき
た。
一方、その還元物であるマルチトール、即ち4−[α
−D−グルコピラノシル]−D−グルチトールも、微生
物により発酵されにくいことや、砂糖に近い甘味質を有
することなどの利点があることから、食品、化粧品、薬
品などの分野で広範囲の用途に使用されている。
−D−グルコピラノシル]−D−グルチトールも、微生
物により発酵されにくいことや、砂糖に近い甘味質を有
することなどの利点があることから、食品、化粧品、薬
品などの分野で広範囲の用途に使用されている。
従来、高純度のマルトース又はマルチトールを得るこ
とは、他の糖類の高純度品を得ることに比較して困難で
あったが、特殊な糖化方法を採用したり、他の糖類の純
度を高める際に多く利用されているクロマト分離法をマ
ルトース又はマルチトールの製造工程に適用することに
より、その困難さを軽減する試みがなされてきた。
とは、他の糖類の高純度品を得ることに比較して困難で
あったが、特殊な糖化方法を採用したり、他の糖類の純
度を高める際に多く利用されているクロマト分離法をマ
ルトース又はマルチトールの製造工程に適用することに
より、その困難さを軽減する試みがなされてきた。
高純度のマルトース又はマルチトールを得ようとする
試みは多数報告されているが、それらのなかでも代表的
なものは以下の4種に大別される。
試みは多数報告されているが、それらのなかでも代表的
なものは以下の4種に大別される。
即ち、第1の方法は、例えば、特開昭57−134498号公
報に開示されているような、α−アミラーゼで澱粉を低
DE(デキストロース当量)に液化した澱粉液化液にβ−
アミラーゼ及びイソアミラーゼを作用させて、マルトー
ス高含有液を得、更に必要に応じてこれを水素添加して
高純度マルチトールを得る方法である。
報に開示されているような、α−アミラーゼで澱粉を低
DE(デキストロース当量)に液化した澱粉液化液にβ−
アミラーゼ及びイソアミラーゼを作用させて、マルトー
ス高含有液を得、更に必要に応じてこれを水素添加して
高純度マルチトールを得る方法である。
第2の方法は、特開昭57−209000号公報、同58−2379
9号公報、同60−67000号公報、同62−19210号公報等に
開示されているような、グルコース含有量が少なく、マ
ルトース純度75〜85%程度(本明細書中、%とは固形分
あたりの重量%を示す。以下単に純度ということがあ
る。)のマルトースを主成分とする液化液の成分を、ア
ルカリ金属形強酸性カチオン交換樹脂でクロマト分離す
ることにより、例えば93%以上の高純度マルトースを製
造し、その後水素添加して高純度マルチトールにする方
法である。
9号公報、同60−67000号公報、同62−19210号公報等に
開示されているような、グルコース含有量が少なく、マ
ルトース純度75〜85%程度(本明細書中、%とは固形分
あたりの重量%を示す。以下単に純度ということがあ
る。)のマルトースを主成分とする液化液の成分を、ア
ルカリ金属形強酸性カチオン交換樹脂でクロマト分離す
ることにより、例えば93%以上の高純度マルトースを製
造し、その後水素添加して高純度マルチトールにする方
法である。
第3の方法は、特開昭61−180797号公報に開示されて
いるような、濃度25〜45%の澱粉乳を液化した後、糖化
条件を調節して糖化し、マルトース純度50〜80%以上の
糖化液を得、その後これを水素添加してからクロマト分
離することにより高純度のマルチトールを製造する方法
である。
いるような、濃度25〜45%の澱粉乳を液化した後、糖化
条件を調節して糖化し、マルトース純度50〜80%以上の
糖化液を得、その後これを水素添加してからクロマト分
離することにより高純度のマルチトールを製造する方法
である。
第4の方法は、特願昭63−101356号に紹介されている
ような汎用性の高い酵素を特殊な組み合わせで使用する
方法である。
ような汎用性の高い酵素を特殊な組み合わせで使用する
方法である。
しかしながら、従来の方法には数多くの課題が残され
ており、工業的に有利に高純度のマルトース又はマルチ
トールを製造する方法として満足なものではなかった。
ており、工業的に有利に高純度のマルトース又はマルチ
トールを製造する方法として満足なものではなかった。
例えば、に開示されている方法は、澱粉を液化する
際のDEをできるだけ低く抑える必要がある。具体的に
は、高純度のマルトース又はマルチトールを得るために
はDEを2以下、更に好ましくは、0.5〜1.0にすることが
要求される。
際のDEをできるだけ低く抑える必要がある。具体的に
は、高純度のマルトース又はマルチトールを得るために
はDEを2以下、更に好ましくは、0.5〜1.0にすることが
要求される。
このDE値及びその後の工程中での数値を満たすために
は、原料澱粉を価格の高い地下澱粉(馬鈴薯澱粉等)に
限定し、更に液化濃度を20%以下と、通常のハイマルト
ースを製造する工程よりも低くする必要がある。
は、原料澱粉を価格の高い地下澱粉(馬鈴薯澱粉等)に
限定し、更に液化濃度を20%以下と、通常のハイマルト
ースを製造する工程よりも低くする必要がある。
その結果、この方法は大量に生産・販売されているハ
イマルトースシロップやグルコースシロップの製造工程
中の糖化槽と比較して、非常に大きなものを必要とす
る。
イマルトースシロップやグルコースシロップの製造工程
中の糖化槽と比較して、非常に大きなものを必要とす
る。
また、大量の水を濃縮する必要があるため、濃縮コス
トの増大を招くなどの欠点もあった。
トの増大を招くなどの欠点もあった。
の方法は経済的に有利な地上澱粉も使用し得る方法
であり、マルトースの純度を高める役を担っている工程
は、マルトースとDP(糖の重合度)3以上、即ち、三糖
以上のオリゴ糖との分離する方法である。しかし、この
方法は、特にマルトースとマルトトリオースの分子量比
が小さく、その他の分離に必要な性質の差異も小さいた
めに、分離が極めて困難である。
であり、マルトースの純度を高める役を担っている工程
は、マルトースとDP(糖の重合度)3以上、即ち、三糖
以上のオリゴ糖との分離する方法である。しかし、この
方法は、特にマルトースとマルトトリオースの分子量比
が小さく、その他の分離に必要な性質の差異も小さいた
めに、分離が極めて困難である。
このため、容量の大きな分離塔を必要とし、分離に大
量の溶出水を要することやその結果この水の濃縮費用が
かさむことなどの不利益がある。
量の溶出水を要することやその結果この水の濃縮費用が
かさむことなどの不利益がある。
更に分離が困難なためにマルトース画分の中にグルコ
ースなどの不純物が混入することが多く、マルトース純
度が高くなりにくいという欠点もあった。
ースなどの不純物が混入することが多く、マルトース純
度が高くなりにくいという欠点もあった。
また、の方法は、分画に供する液の組成がソルビト
ール、マルチトール、及びDP3以上の糖アルコールの混
合物であり、これからマルチトールを主成分とする画分
を取り出すために8塔式のクロマト分離装置を、極めて
複雑な操作で用いている。
ール、マルチトール、及びDP3以上の糖アルコールの混
合物であり、これからマルチトールを主成分とする画分
を取り出すために8塔式のクロマト分離装置を、極めて
複雑な操作で用いている。
それにも拘らず、各糖成分の分離状態は不良であり、
結果的に、マルチトールを主成分とする画分にはマルト
トリイトールが8%前後混入している。
結果的に、マルチトールを主成分とする画分にはマルト
トリイトールが8%前後混入している。
この方法は、DP3以上の糖アルコールが混入してくる
ので、その後のマルチトールの結晶析出が阻害され、結
晶化工程に長時間を要することやマルチトールの収率が
低い結果を招くなどの不都合を生じている。
ので、その後のマルチトールの結晶析出が阻害され、結
晶化工程に長時間を要することやマルチトールの収率が
低い結果を招くなどの不都合を生じている。
更に、分画に使用しているカルシウム型イオン交換体
は、ソルビトールに対して極めて強い吸着力を有するの
で、その溶出がマルチトールやDP3以上の糖アルコール
に比較して著しく遅れ、その結果クロマト分離の際に原
料糖液の約5倍の溶出液を必要とする欠点もあった。
は、ソルビトールに対して極めて強い吸着力を有するの
で、その溶出がマルチトールやDP3以上の糖アルコール
に比較して著しく遅れ、その結果クロマト分離の際に原
料糖液の約5倍の溶出液を必要とする欠点もあった。
このことは、つまり、その後の濃縮工程で大量の水を
濃縮、除去する必要があるということであり、工業的に
は極めて不利なことである。
濃縮、除去する必要があるということであり、工業的に
は極めて不利なことである。
次に、の方法は汎用性の高い酵素を特殊な組み合わ
せで使用してはいるが、最終糖化段階で高価なグルコア
ミラーゼを比較的多量に使用する必要があることや、糖
化終了時点でのマルトースの純度が比較的低いこと、更
に、還元後にクロマト分離工程が必要なためにこの工程
を含まないプロセスに比べ、カラムから溶出する際に使
う水によって工程中の固形分濃度が低くなってしまい、
製品化前にこの水を蒸発させる必要があることから、経
済的に不利であるという欠点を有していた。
せで使用してはいるが、最終糖化段階で高価なグルコア
ミラーゼを比較的多量に使用する必要があることや、糖
化終了時点でのマルトースの純度が比較的低いこと、更
に、還元後にクロマト分離工程が必要なためにこの工程
を含まないプロセスに比べ、カラムから溶出する際に使
う水によって工程中の固形分濃度が低くなってしまい、
製品化前にこの水を蒸発させる必要があることから、経
済的に不利であるという欠点を有していた。
以上のことから、クロマト分離をせずに、経済的に有
利で、糖化終了時点でマルトース純度が高く、且つ工程
の簡素な、高純度マルトース及びその還元物の整合方法
が切望されていた。
利で、糖化終了時点でマルトース純度が高く、且つ工程
の簡素な、高純度マルトース及びその還元物の整合方法
が切望されていた。
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意研究を
重ねた結果、バチルス・ステアロサーモフィルス(Baci
llus stearothermophilus)の遺伝子のマルドゲニック
−α−アミラーゼがコードされた部分を組込んだプラス
ミドをバチルス・ズブティリス(Bacillus subtilis)
に組込んで生産されたマルトゲニック−α−アミラーゼ
(以下単にこのものをマルトゲニック−α−アミラーゼ
と言うこともがある)を使用して特定の条件下で糖化す
ることによって、経済的に有利で且つ簡素な高純度マル
トースを製造方法を開発し、本発明を完成するに至っ
た。
重ねた結果、バチルス・ステアロサーモフィルス(Baci
llus stearothermophilus)の遺伝子のマルドゲニック
−α−アミラーゼがコードされた部分を組込んだプラス
ミドをバチルス・ズブティリス(Bacillus subtilis)
に組込んで生産されたマルトゲニック−α−アミラーゼ
(以下単にこのものをマルトゲニック−α−アミラーゼ
と言うこともがある)を使用して特定の条件下で糖化す
ることによって、経済的に有利で且つ簡素な高純度マル
トースを製造方法を開発し、本発明を完成するに至っ
た。
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
本発明の目的は食品又は各種原材料として有用な高純
度マルトース又は高純度マルチトールの有利な製造方法
を提供することにある。
度マルトース又は高純度マルチトールの有利な製造方法
を提供することにある。
請求項1の本発明の工程は、1)澱粉を液化した後、
β−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼからな
る群の中から選ばれる2種以上の酵素を使用して固形中
分のマルトース純度を70重量%以上に調製したのちに、
マルトゲニック−α−アミラーゼを添加して次式 の数値を与えるまで糖化する方法、つまり、従来品の酵
素を組合わせて使用することによりマルトース純度を70
%以上にした後、マルトゲニック−α−アミラーゼで三
糖以上のオリゴ糖を選択的に加水分解して更にマルトー
スの純度を高めることにより構成される。
β−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼからな
る群の中から選ばれる2種以上の酵素を使用して固形中
分のマルトース純度を70重量%以上に調製したのちに、
マルトゲニック−α−アミラーゼを添加して次式 の数値を与えるまで糖化する方法、つまり、従来品の酵
素を組合わせて使用することによりマルトース純度を70
%以上にした後、マルトゲニック−α−アミラーゼで三
糖以上のオリゴ糖を選択的に加水分解して更にマルトー
スの純度を高めることにより構成される。
また、請求項2の本発明の工程は上記1)と同様の糖
化工程を経た後に、得られた糖化物を還元することによ
り構成される。
化工程を経た後に、得られた糖化物を還元することによ
り構成される。
本発明の原料は、地上澱粉、地下澱粉の別を問わず使
用可能であり、澱粉中のアミロースやアミロペクチンの
組成も気にする必要はない。
用可能であり、澱粉中のアミロースやアミロペクチンの
組成も気にする必要はない。
本発明に使用可能な澱粉を具体的に例示すると、トウ
モロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、その他大麦、甘薯、タピオ
カなど由来の澱粉が挙げられる。
モロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、その他大麦、甘薯、タピオ
カなど由来の澱粉が挙げられる。
次に、これらの澱粉を液化するが、液化の方法や条件
は特別に限定する必要はない。
は特別に限定する必要はない。
然しながら、濃度を高く保つことにより経済性を改善
するためと、DEを比較的高くすることにより液化物の老
化を防止するために、例えば基質濃度20〜35%で、例え
ばノボ社のターマミル(登録商標)などの耐熱液化酵素
を使用して、ジェットクッカー等の装置により液化を行
い、DE5〜15程度で液化酵素を失活させることが有利で
ある。
するためと、DEを比較的高くすることにより液化物の老
化を防止するために、例えば基質濃度20〜35%で、例え
ばノボ社のターマミル(登録商標)などの耐熱液化酵素
を使用して、ジェットクッカー等の装置により液化を行
い、DE5〜15程度で液化酵素を失活させることが有利で
ある。
更に、この液化液を55〜60℃で糖化するが、その際に
β−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼからな
る群の中から選ばれる2種以上の酵素を使用する。
β−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼからな
る群の中から選ばれる2種以上の酵素を使用する。
この糖化工程開始後マルトゲニック−α−アミラーゼ
を添加する前までの糖化の程度は、固形分中のマルトー
ス純度が70重量%以上になるまで糖化することが、最終
的に純度の高いマルトース又はその還元物を製造するた
めに有利である。
を添加する前までの糖化の程度は、固形分中のマルトー
ス純度が70重量%以上になるまで糖化することが、最終
的に純度の高いマルトース又はその還元物を製造するた
めに有利である。
このとき使用する糖化酵素は、β−アミラーゼとして
は例えば長瀬産業(株)製のβ−アミラーゼ#1500、フ
ィンシュガー社製のスペザイム(SPEZYME;登録商標)EE
A1500などがあるが、それらの中でも大豆由来のβ−ア
ミラーゼが本発明を実施するうえで有利な性質を備えて
いる。
は例えば長瀬産業(株)製のβ−アミラーゼ#1500、フ
ィンシュガー社製のスペザイム(SPEZYME;登録商標)EE
A1500などがあるが、それらの中でも大豆由来のβ−ア
ミラーゼが本発明を実施するうえで有利な性質を備えて
いる。
また、プルラナーゼとしてはノボ社のプロモザイムや
天野製薬(株)製のプルラナーゼアマノCKL等が汎用性
が高いことや酵素の性質から有利である。
天野製薬(株)製のプルラナーゼアマノCKL等が汎用性
が高いことや酵素の性質から有利である。
次に、マルトゲニック−α−アミラーゼを添加して下
記の式 を満たすまで糖化を行うが、本発明を実施する上で使用
できるマルトゲニック−α−アミラーゼとしてはノボ社
のマルトゲナーゼがある。
記の式 を満たすまで糖化を行うが、本発明を実施する上で使用
できるマルトゲニック−α−アミラーゼとしてはノボ社
のマルトゲナーゼがある。
その好適な糖化条件は、温度50〜60℃、酵素添加量1
〜20u/g基質固形分(以下DSと略することがある。)、p
H4.5〜6.5程度であり、これにより、マルトース純度80
〜90%程度の高純度マルトースを得ることができる。
〜20u/g基質固形分(以下DSと略することがある。)、p
H4.5〜6.5程度であり、これにより、マルトース純度80
〜90%程度の高純度マルトースを得ることができる。
更に、前記のようにして得られた高純度マルトース
を、それ自身は公知な方法で、回分式又は連続式の方法
を採用し、ニッケル系又は貴金属系などの触媒の存在下
で水素添加して高純度マルチトール液にすることができ
る。
を、それ自身は公知な方法で、回分式又は連続式の方法
を採用し、ニッケル系又は貴金属系などの触媒の存在下
で水素添加して高純度マルチトール液にすることができ
る。
水素添加条件は、マルトースの分解が生じない条件で
あればどのような条件でも良いが、通常は糖液の濃度を
40〜60重量%にして、水素圧20kg/cm2以上で反応させる
ことが好ましく、50〜200kg/cm2で、温度100〜150℃に
て実施することが更に好ましい。
あればどのような条件でも良いが、通常は糖液の濃度を
40〜60重量%にして、水素圧20kg/cm2以上で反応させる
ことが好ましく、50〜200kg/cm2で、温度100〜150℃に
て実施することが更に好ましい。
この水素添加後の未還元糖は極端に低減させる必要は
ないが、1%以下、更には0.5%以下にすることが、こ
のものを利用加工する上で有利な物性を付与することが
可能になるので好ましい。
ないが、1%以下、更には0.5%以下にすることが、こ
のものを利用加工する上で有利な物性を付与することが
可能になるので好ましい。
得られた水素添加液は、必要に応じて触媒を除去した
後、更に必要ならば脱色、脱イオンなどの精製操作を経
由して製品とすることができる。
後、更に必要ならば脱色、脱イオンなどの精製操作を経
由して製品とすることができる。
本発明の方法により得られる高純度マルトース又は高
純度マルチトールは、現在市販されているマルトース又
はマルチトールを主成分とする製品群の中では比較的高
いマルトース又はマルチトール純度を有するものであ
り、その成分組成は三糖以上のオリゴ糖又はオリゴ糖ア
ルコール含有量が少ないので、クロマト分離法が晶析分
蜜化などの公知の方法で更にマルトース又はマルチトー
ルの純度を向上させたり、公知の方法で直接結晶、・粉
末化させることも容易に可能である。
純度マルチトールは、現在市販されているマルトース又
はマルチトールを主成分とする製品群の中では比較的高
いマルトース又はマルチトール純度を有するものであ
り、その成分組成は三糖以上のオリゴ糖又はオリゴ糖ア
ルコール含有量が少ないので、クロマト分離法が晶析分
蜜化などの公知の方法で更にマルトース又はマルチトー
ルの純度を向上させたり、公知の方法で直接結晶、・粉
末化させることも容易に可能である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
実施例−1 (工程−1)トウモロコシ澱粉を濃度32%、pH6.3に調
整し、耐熱液化酵素[長瀬産業(株)製、スピターゼH
S]20u/gDSを添加してジェットクッカーにて105℃で液
化した。液化酵素を失活させることによりDE12にて液化
を停止した。
整し、耐熱液化酵素[長瀬産業(株)製、スピターゼH
S]20u/gDSを添加してジェットクッカーにて105℃で液
化した。液化酵素を失活させることによりDE12にて液化
を停止した。
(工程−2)次に、液化液をpH5.5に調整し、温度57℃
で1ml/gDSのフィンシュガー社製のスペイザイムBBA1500
及び1u/kgDSのノボ社製プルラナーゼ、プロモザイムTM2
00Lを添加して糖化反応を進め6時間目に液化酵素スピ
ターゼPN4を20u/gDS添加して合計36時間糖化反応を行っ
た。糖化開始後36時間目の糖組成を高速液体クロマトグ
ラフィーにて分析した結果は次の通りであった。
で1ml/gDSのフィンシュガー社製のスペイザイムBBA1500
及び1u/kgDSのノボ社製プルラナーゼ、プロモザイムTM2
00Lを添加して糖化反応を進め6時間目に液化酵素スピ
ターゼPN4を20u/gDS添加して合計36時間糖化反応を行っ
た。糖化開始後36時間目の糖組成を高速液体クロマトグ
ラフィーにて分析した結果は次の通りであった。
(一糖 1.0%) (二糖 72.8%) (三糖 21.2%) (四糖以上のオリゴ糖 5.0%) (工程−3)次いで、マルトゲニック−α−アミラーゼ
(ノボ社製、マルトゲナーゼ)10u/gDSを添加して更に3
6時間反応を続け高純度マルトース−を得た。反応終
了後の糖組成を高速液体クロマトグラフィーにて分析し
た結果は次の通りであった。
(ノボ社製、マルトゲナーゼ)10u/gDSを添加して更に3
6時間反応を続け高純度マルトース−を得た。反応終
了後の糖組成を高速液体クロマトグラフィーにて分析し
た結果は次の通りであった。
(一糖 9.8%) (二糖 84.1%) (三糖 1.9%) (四糖以上のオリゴ糖 4.2%) 実施例−2 トウモロコシ澱粉の濃度を25%に液化DEを6に変更し
た以外は実施例1の工程−1及び2と同様に操作して以
下の糖組成の液を得た。
た以外は実施例1の工程−1及び2と同様に操作して以
下の糖組成の液を得た。
(一糖 0.7%) (二糖 80.5%) (三糖 14.7%) (四糖以上のオリゴ糖 4.1%) 更に、 マルトゲナーゼの添加量を5u/gDSに変更した以外は実
施例1の工程−3と同様に操作して以下の糖組成を有す
る高純度マルトース−を得た。
施例1の工程−3と同様に操作して以下の糖組成を有す
る高純度マルトース−を得た。
(一糖 5.5%) (二糖 88.9%) (三糖 1.6%) (四糖以上のオリゴ糖 4.0%) 実施例−3 実施例−1で得た高純度マルトース−を常法に従っ
て脱色、脱塩、濃縮して濃度50%の濃縮糖液とし、その
20kgとラネーニッケル触媒200gを内容積25リットルのオ
ートクレーブに仕込み、水素圧を120kg/cm2に保ち、120
℃にて2時間撹拌して水素添加を行った。得られた反応
液を触媒と分離し、粒状活性炭のカラムを通した後、高
速液体クロマトグラフィーにて分析した結果は以下の通
りであった。
て脱色、脱塩、濃縮して濃度50%の濃縮糖液とし、その
20kgとラネーニッケル触媒200gを内容積25リットルのオ
ートクレーブに仕込み、水素圧を120kg/cm2に保ち、120
℃にて2時間撹拌して水素添加を行った。得られた反応
液を触媒と分離し、粒状活性炭のカラムを通した後、高
速液体クロマトグラフィーにて分析した結果は以下の通
りであった。
ソルビトール 10.3% マルチトール 83.8% 三糖以上のオリゴ糖アルコール 5.9% 実施例−4 実施例−2で得た高純度マルトース−を常法に従っ
て脱色、脱塩、濃縮して濃度50%の濃縮糖液とし、実施
例−3と同様に水素添加し、その後の精製操作の後、高
速液体クロマトグラフィーにて分析した結果は以下の通
りであった。
て脱色、脱塩、濃縮して濃度50%の濃縮糖液とし、実施
例−3と同様に水素添加し、その後の精製操作の後、高
速液体クロマトグラフィーにて分析した結果は以下の通
りであった。
ソルビトール 5.7% マルチトール 88.5% 三糖以上のオリゴ糖アルコール 5.8% 〔発明の効果〕 以上の記載から明らかなように、本発明により、汎用
酵素及びマルトゲニック−α−アミラーゼを特定の条件
下で使用し、各工程を実施例することにより、容易な操
作で高純度マルトース又はマルチトールを収率良く得る
ことができる。
酵素及びマルトゲニック−α−アミラーゼを特定の条件
下で使用し、各工程を実施例することにより、容易な操
作で高純度マルトース又はマルチトールを収率良く得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 19/14 C12R 1:125) (C12N 15/09 C12R 1:07)
Claims (2)
- 【請求項1】澱粉を液化した後、β−アミラーゼ、イソ
アミラーゼ、プルラナーゼからなる群の中から選ばれる
2種以上の酵素を使用して固形分中のマルトース純度を
70重量%以上に調製したものに、バチルス・ステアロサ
ーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)の遺伝
子のマルトゲニック−α−アミラーゼがコードされた部
分を組み込んだプラスミドをバチルス・ズブティリス
(Bacillus subtilis)に組込んで生産されたマルトゲ
ニック−α−アミラーゼを添加して次式 の数値を与えるまで糖化することを特徴とする高純度マ
ルトースの製造方法。 - 【請求項2】澱粉を液化した後、βアミラーゼ、イソ
アミラーゼ、プルラナーゼからなる群の中から選ばれる
2種以上の酵素を使用して固形分中のマルトース純度を
70重量%以上に調製したものに、バチルス・ステアロサ
ーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)の遺伝
子のマルトゲニック−α−アミラーゼがコードされた部
分を組み込んだプラスミドをバチルス・ズブティリス
(Bacillus subtilis)に組込んで生産されたマルトゲ
ニック−α−アミラーゼを添加して次式 の数値を与えるまで糖化する第1工程、 得られた糖化物を還元する第2工程、 上記2工程を逐次的に実施することを特徴とする高純度
マルチトールの製造方法。
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1988
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