JP2696529B2 - 粉末マルトース及び粉末マルチトールの製造法 - Google Patents

粉末マルトース及び粉末マルチトールの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は地上澱粉に液化酵素、β−アミラーゼ及
びプルラナーゼ及び/又はイソアミラーゼ、液化酵
素、グルコアミラーゼの順に作用させる三糖以上のオ
リゴ糖の少ない粉末マルトールを調製する方法及び、そ
のものを還元したのち三糖以上のオリゴ糖アルコール含
有量の少ない還元物を調製し、直接結晶化して粉末マル
チトールを製造する方法、又はこれから必要に応じてク
ロマト分離や晶析などの工程で容易に高純度にすること
ができる粉末マルチトールの製造方法に関する。
(従来の技術) マルトール即ち4−[α−D−グルコピラノシル]−
D−グルコースは広く食品に利用され、そのマルトール
を水素添加して得られるマルチトール、即ち4−[α−
D−グルコピラノシル]−D−グルシトールは、微生物
により醗酵されにくいことや、砂糖に近い甘味質を有す
ること、更には保湿性が高いことなどの数多くの利点を
有する糖アルコールであり、食品、薬品、化粧品等の分
野において広範囲の用途に使用されている。
粉末マルトール又は粉末マルチトールを得ようとする
試みは多数報告されているが、マルトール又はマルチト
ールは糖又は糖アルコールの中でも粉末状又は結晶状に
することが極めて困難であり、従来の製造方法として
は、まず高純度のマルトース又はマルチトールを製造し
てから結晶化する方法が多く試みられてきた。それらの
中でも代表的な方法は以下の4種に大別される。
即ち、第1の方法は、例えば特開昭57−134498号公
報に示されているように、α−アミラーゼで澱粉を低DE
(デキストロース当量)に液化した澱粉液化液にβ−ア
ミラーゼ及びイソアミラーゼを作用させて、マルトール
高含有糖化液を得、これを水素添加して高純度マルチト
ールを得るものである。
第2の方法は、特開昭57−209000号公報、同58−23
799号公報、同60−67000号公報、同62−19210号公報等
に開示されているような糖化液の分画によって得た高純
度マルトールを原料とする方法、即ち、グルコール含有
量の少ない、マルトール純度(固形物あたりの重量%で
示す。以下単に純度という。)75〜85%の糖化液をクロ
マト分離し、例えば純度93%以上のマルトール画分を
得、これを水素添加する方法である。
第3の方法は、特開昭61−180797号公報に開示され
ているように、まず25〜45%の濃度を有する澱粉乳を液
化した後、糖化条件を選んで糖化し、マルトール純度50
〜80%以上の糖化液を得る。これを水素添加して、更に
クロマト分離により、マルチトール純度87〜97.5%の糖
アルコール液を得、それを濃縮、結晶化することにより
高純度のマルチトールを得るものである。
一方、粉末又は結晶状マルトール又はマルチトール
を製造するために適切な、マルトースを調製する方法と
して特公昭57−3356号公報、特公昭56−28153号公報、
特公昭56−28154号公報に開示されている方法は糖化の
際にマルトトリオース分解活性/マルトール分解活性≧
2.5である酵素等を作用させるというものであった。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の方法には必ずしも満足できない
課題があり、工業的に有利に粉末マルトース又は粉末マ
ルチトールを製造する方法として充分なものではなかっ
た。
例えばの方法は、最初に高純度マルトースを製造す
る必要があり、そのためには澱粉液化の際のDEをできる
だけ低く抑える必要がある。即ち、高純度マルトールを
得るためには液化DEを2以下、更に好ましくは0.5〜1.0
にすることが要求される。
このDE及びその後の工程中の数値を満足させるには、
原料澱粉を価格の高い地下澱粉(馬鈴薯澱粉等)に限定
し、更に液化濃度を20%以下と通常のハイマルトースを
製造する際よりも低くする必要がある。その結果、この
方法は大量に生産・販売されているハイマルトースシロ
ップやグルコースシロップの製造に使用されている糖化
槽と比較して非常に大きなものを必要とする。また、大
量の水を濃縮するため、濃縮コストの増大を招くなどの
欠点もあった。
の方法の主旨は、商業的見地からコストが低く有利
な地上澱粉も使用し得る方法ではあるが、マルトールと
DP(糖の重合度)3以上、即ち三糖以上のオリゴ糖とを
クロマト分離するものである。この方法によれば、特に
マルトースとマルトトリオースは分子量比が小さく、そ
の他の分離上必要な性質の差異が小さいために分離が困
難であることから、分離塔の容量を大きなものにする必
要が生じ、分離に大量の溶出水を要することやその結果
この水の濃縮費用がかさむなどの不利益がある。更に分
離が困難なためにマルトール画分の中にグルコースなど
の不純物が混入することが多く、マルトース純度を高め
ることが困難であるという欠点もあった。
またの方法は、分画に供する液の固形分組成がソル
ビトール、マルチトール及びDP3以上の糖アルコールで
あり、これからマルチトールを主成分とする画分を取り
出すために8塔式のクロマト分離装置を極めて複雑な操
作で用いている。それにも拘らず、各糖成分の分離状態
は不良であり、特にマルチトールを主成分とする画分に
はマルトトリイトールが8%前後混入している。DP3以
上の糖アルコールの存在は目的物であるマルチトールの
晶析を阻害するため、結晶化工程に長時間を要すること
やマルチトールの回収率が低いことなどの欠点がある。
さらに分画に使用しているカルシウム型イオン交換体は
ソルビトールに対しては極めて強い吸着力を有し、その
溶出がマルチトールやDP3以上の糖アルコールに比較し
て著しく遅れるためにクロマト分離の際に原料糖液の約
5倍の溶出水を必要とするという欠点もあった。このこ
とは、つまり、その後の濃縮工程で大量の水を濃縮・除
去する必要があるということであり、工業的には極めて
不利なことである。
の方法の主旨は、糖化の際にマルトトリオース分解
活性/マルトース分解活性≧2.5である酵素等を作用さ
せるというものであるが、糖化の際に使用する酵素とし
て特殊なものを使用しているために酵素の入手が困難で
あるという欠点があった。更に結果的にはマルトースも
分解しているためグルコース含量が増加してマルトール
収率が高まらないので、開示されている条件の中でもDE
1前後にて液化を止めて糖化し、得た高純度マルトール
糖液からマルチトールを製造しなければならないという
欠点もあった。
以上のことから、工業的に粉末状または結晶状マルト
ール又はマルチトールを製造する上で、より容易で且つ
有利な方法の開発が強く望まれていた。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意研究を
重ねた結果、直接結晶・粉末化により粉末状マルトース
又はマルチトールを得ようとしたり、必要に応じてのク
ロマト分離法や晶析法により最終的に高純度マルチトー
ルを得ようとした場合は、マルトトリオースやマルトテ
トラオース又は、マルトトリイトールやマルトテトライ
トールなどのDP3以上のオリゴ等又はオリゴ糖アルコー
ルの含有量を減少させることにより、その後の工程が非
常に容易に実施できるという知見を得、これに着目し、
使用原料が地上澱粉であっても汎用製の高い酵素を組み
合わせて使用することにより、マルトール純度を75〜88
%程度にして三糖以上のオリゴ槽の少ない糖組成に調製
し、そのまま結晶・粉末化するか又は更に水素添加した
後直接結晶・粉末化を行って粉末状マルトース又は粉末
状マルチトールを得ることに成功し、更に必要に応じて
クロマト分離法や晶析法を晶して高純度のマルトール又
はマルチトールを得ることに成功し、本発明を完成する
に至った。
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
本発明の目的は実現容易な工程でコストの有利な地上
澱粉をも使用し、汎用性の高い酵素を使用することによ
り粉末マルトール又は粉末マルチトール、更に高純度マ
ルトール又は高純度マルチトールを製造し得る方法を提
供することにある。
即ち、第一の本発明は (1) 濃度10〜30重量%の地上澱粉水溶液に液化酵素
を作用させて液化し、デキストロース当量10以下にて液
化酵素を失活させる第1工程、 (2) 上記工程で得られた液化物にβ−アミラーゼ及
びプルラナーゼ及び/又はイソアミラーゼを作用させて
糖化する第2工程、 (3) 第2工程開始後1〜10時間後に液化酵素を基質
固形分1gあたり1〜20単位添加して更に糖化する第3工
程、 (4) 更に、バチルス・ステアロサーモフィルス(Ba
cillus stearothermophilus)の遺伝子のマルトゲニッ
ク−α−アミラーゼがコードされた部分をプラスミドに
はめ込み、バチルス・ズブティリス(Bacillus subtili
s)に組込んで生産されたマルトゲニック−α−アミラ
ーゼを基質固形分1gあたり1〜20単位添加して作用さ
せ、糖化物のマルトース含有量が固形分中75〜88重量%
で、且つ糖化物に含まれるオリゴ糖の含有量が次式で計
算したとき8以下の範囲に糖化する工程、 上記4工程を実施することにより構成される。
上記の工程を経た糖化物を公知の方法により精製、濃
縮、クロマト分離、結晶化(固化)乾燥、粉末化などの
工程に供することによって容易に粉末状マルトースや高
純度マルトースを得ることができる。
一方第二の本発明は (1) 濃度10〜30重量%の地上澱粉水溶液に液化酵素
を作用させて液化し、デキストロース当量5以下にて液
化酵素を失活させる第1工程、 (2) 上記工程で得られた液化物にβ−アミラーゼ及
びプルラナーゼ及び/又はイソアミラーゼを作用させて
糖化する第2工程、 (3) 第2工程開始後1〜10時間後に液化酵素を基質
固形分1gあたり1〜20単位添加して更に糖化する第3工
程、 (4) 更に、基質固形分1gあたり0.1〜10単位のグル
コアミラーゼを加えて作用させ、糖化物のマルトース含
有量が固形分中75〜88重量%で、且つ糖化物に含まれる
オリゴ糖の含有量が次式で計算したとき8以下の数値の
範囲に糖化する第4工程、 (5) 得られた糖化物を還元する第5工程、 上記5工程を実施することにより構成される。
上記の工程を経た還元物は公知の方法により、精製、
濃縮、クロマト分離、結晶化(固化)、乾燥、粉末化な
どの工程に供することによって容易に粉末状マルチトー
ルや高純度マルチトールを得ることができる。
本発明には地上澱粉、地下澱粉の別を問わず使用可能
であるが、特に従来は粉末状又は高純度マルトース又は
マルチトールを製造するうえで不都合の多かった地上澱
粉も有利に使用可能であることが本発明の利点の一つで
ある。本発明を実施するうえでこの澱粉中のアミロース
やアミロペクチンの組成も特に気にする必要はなく、使
用可能な澱粉を具体的に例示すると、トウモロコシ澱
粉、小麦澱粉、大麦澱粉などの地上澱粉の他に各種の地
下澱粉があげられる。
これらの澱粉を変化する際、地上澱粉を原料としたと
きは特に液化液の老化を防ぐ意味で液化時の基質濃度を
10〜30%、pHを6.0〜6.8に調整して耐熱液化酵素例えば
ノボ社製ターマミル(登録商標)などの液化酵素を使用
して液化し、デキストロース当量10以下で液化酵素を失
活させることが望ましい。
次に、液化物にβ−アミラーゼ及びプルラナーゼ及び
/又はイソアミラーゼを作用させて糖化するが、その一
般的な条件はpH5.3、温度55℃程度である。この糖化開
始後1〜10時間後に液化酵素を基質固形分1gあたり1〜
20単位添加して更に糖化するが、この操作により、主に
四糖以上のオリゴ糖を分解してマルトース及び三糖を生
成して第4工程の一層の効果発現を促す糖組成とし、濾
過性を改善することができる。この時に使用する酵素
は、β−アミラーゼとしては長瀬産業(株)製のβ−ア
ミラーゼ#1500、フィンシュガー社製のスペザイム(SP
EZYME;登録商標)BBA 1500、またプルラナーゼとして
はノボ社製のプロモザイムや天野製薬(株)製プルラナ
ーゼアマノCKL等が汎用性が高く市販されていることや
酵素の性質から有利に使用できる。また、この工程はマ
ルトースの純度が平衡に達するまで(通常24〜48時間)
を目安に行う。
更に第3工程終了後基質固形分1gあたり0.1〜10単位
のグルコアミラーゼ又は1〜20単位のマルトゲニック−
α−アミラーゼを添加して作用させるが、その時に使用
する酵素にはノボ社製のAMG 200L、天野製薬(株)製の
グルクザイムなどがある。また、このときにはグルコア
ミラーゼの代りに、例えば三糖以上のオリゴ糖を加水分
解する活性の強いマルトゲニック−α−アミラーゼであ
るノボ社製のマルトゲナーゼ(Maltogenase;登録商標)
も有利に使用することができる。このグルコアミラーゼ
又はマルトゲニック−α−アミラーゼ処理工程は、マル
トース純度を75〜88重量%で且つ糖化物の組成が次式 を満足する範囲で酵素反応を停止する。この工程では二
糖も加水分解されるが、三糖以上のオリゴ糖が比較的速
やかに加水分解されて上記式の値が低下し、やがて上昇
してくるので、固形物の二糖が最高値の組成を示す時に
反応を停止すると三糖以上のオリゴ糖の少ないマルトー
ス、ひいては結晶性の良いマルトース又はマルチトール
の収率を高めるうえで好ましい。
この処理液をそれ自身は公知の回分式又は連続式の方
法で、ニッケル系又は貴金属系などの触媒の存在下で水
素添加してマルチトールを主成分とする糖アルコール液
にする。水素添加条件はマルトースの分解が生じない条
件であればどのような条件でも良いが、通常は糖液の濃
度を40〜60重量%にして、20kg/cm2以上、更に好ましく
は50〜200kg/cm2の水素圧下で、100〜150℃の温度にて
行う。この水素添加後の未還元糖は極端に低減する必要
はないが、1%、更には0.5%以下にすることが好まし
い。
得られた水素添加液は、現在市販されているマルチト
ールと比較して割合高い純度を有するものであり、その
成分組成が三糖以上のオリゴ糖アルコール含有量が少な
いので、公知の方法で直接結晶・粉末化することも容易
に可能であり、この後晶析やクロマト分離工程に供して
マルチトール純度を高める場合にも、従来の方法で製造
した品よりもマルチトールを分離し易く、任意の方法で
マルチトールを主とする成分を取り出し、高純度マルチ
トールを製造することができる。
粉末マルチトールを得る方法としては、例えば噴霧造
粒法、ニーダー法、流動造粒法、ブロック粉砕法、分蜜
法等の各種方法またはそれらの組み合わせが採用可能で
ある。
この後必要に応じマルチトール純度を高めようとする
ときはイオン交換樹脂、イオン交換繊維、ゼオライトな
どの各種イオン交換体をアルカリ金属型(特にナトリウ
ム型にしたものが有利であるが)とし、クロマト分離す
る方法や適切な濃度まで濃縮した後、晶析・分蜜化する
方法などが採用可能である。
(実施例) 次に本発明を実施例を掲げて更に具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例により限定されるものではな
い。
実施例−1 第1工程(液化工程) トウモロコシ澱粉を濃度18%、pH6.3に調整し、耐熱
液化酵素「長瀬産業(株)製、スピターゼHS」5u/g基質
固形分(以下DSと略する。)を添加して常法にて105℃
で液化した。加熱により液化反応をDE1.9にて停止させ
た。
第2工程 次に、温度57℃、pH5.5に調整した後、30u/gDSの長瀬
産業(株)製β−アミラーゼ#1500及び2u/gDSのノボ社
製プロモザイムTM200Lを添加して糖化反応を進めた。
第3工程 更に第2工程開始後6時間目に上記スピターゼPN4を2
0u/gDS添加して更に39時間糖化反応を進めた、第3工程
終了後の糖組成を高速液体クロマトグラフィーにて測定
した結果はつぎの通りであった。
(一糖 1.3%) (二糖 86.0%) (三糖 10.6%) (四糖以上のオリゴ糖 2.1%) 上記の6時間後に、糖化の途中で液化酵素を添加する
工程は三糖以上のオリゴ糖を減少させ、濾過性の向上に
有利な方法である。
第4工程 次に、グルコアミラーゼ「天野製薬(株)製、グルク
ザイム」1u/gDSを添加して更に9時間反応を進めた。こ
の反応では二糖も加水分解されるが、三糖以上のオリゴ
糖が比較的速やかに加水分解されて の値が減少して、更に反応を進めるとこの数値がやがて
増大してくるので、この値を最低となる7時間前後に、
加熱により反応を停止した。
このときの糖成分を高速液体クロマトグラフィーにて
分析した結果は下記の通りであった。
(一糖 9.3%) (二糖 84.8%) (三糖 3.5%) (四糖以上のオリゴ糖 2.4%) [上記式の値=6.5] 第5工程 上記で得られた糖化液を常法に従って脱色、脱塩、濃
縮して濃度50%の精製糖液として、その20kgとラネーニ
ッケル触媒200gを内容積25リットルのオートクレーブに
仕込み、水素圧を120kg/cm2に保ち、120℃にて2時間撹
はんし水素添加を行った。得られた液を触媒と分離した
後、粒状活性炭のカラムを通して高速液体クロマトグラ
フィーにて分析した結果は以下の通りであった。
ソルビトール 10.1% マルチトール 84.2% 三糖以上のオリゴ糖アルコール 5.7% 実施例−2 実施例−1と同様に第1工程〜第3工程まで実施し、
得た糖化物にノボ社製マルトゲナーゼ5u/g DS(マルト
ゲニッコ・アミラーゼ・ノボ・ユニット)を添加して更
に反応を進めた。
反応24時間目に、加熱により反応を停止し、糖成分を
高速液体クロマトグラフィーにて分析した結果、下記の
通りの糖組成であった。
一糖 6.3% 二糖 89.1% 三糖 0.9% 四糖以上のオリゴ糖 3.7% 〔前記式の値=4.9〕 (発明の効果) 以上に述べたように、本発明を実施することにより、
容易な工程管理で汎用性の高い酵素を組合せて使用し、
三糖以上のオリゴ糖又は相当する糖アルコール含有量は
少なく、その結果、直接結晶・粉末化可能なマルトース
又はマルチトールを経済的に有利に製造することが可能
になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 19/14 C12R 1:125) (C12N 15/09 C12R 1:07)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 濃度10〜30重量%の地上澱粉水溶
    液に液化酵素を作用させて液化し、デキストロース当量
    10以下にて液化酵素を失活させる第1工程、 (2) 上記工程で得られた液化物にβ−アミラーゼ及
    びプルラナーゼ及び/又はイソアミラーゼを作用させて
    糖化する第2工程、 (3) 第2工程開始後1〜10時間後に液化酵素を基質
    固形分1gあたり1〜20単位添加して更に糖化する第3工
    程、 (4) 更に、バチルス・ステアロサーモフィルス(Ba
    cillus stearothermophilus)の遺伝子のマルトゲニッ
    ク−α−アミラーゼがコードされた部分をプラスミドに
    はめ込み、バチルス・ズブティリス(Bacillus subtili
    s)に組込んで生産されたマルトゲニック−α−アミラ
    ーゼを基質固形分1gあたり1〜20単位添加して作用さ
    せ、糖化物のマルトース含有量が固形分中75〜88重量%
    で、且つ糖化物に含まれるオリゴ糖の含有量が次式で計
    算したとき8以下の範囲に糖化する工程、 上記4工程を経ることを特徴とする粉末マルトースの製
    造法。
  2. 【請求項2】(1) 濃度10〜30重量%の地上澱粉水溶
    液に液化酵素を作用させて液化し、デキストロース当量
    10以下にて液化酵素を失活させる第1工程、 (2) 上記工程で得られた液化物にβ−アミラーゼ及
    びプルラナーゼ及び/又はイソアミラーゼを作用させて
    糖化する第2工程、 (3) 第2工程開始後1〜10時間後に液化酵素を基質
    固形分1gあたり1〜20単位添加して更に糖化する第3工
    程、 (4) 更に、基質固形分1gあたり0.1〜10単位のグル
    コアミラーゼを加えて作用させ、糖化物のマルトース含
    有量が固形分中75〜88重量%で、且つ糖化物に含まれる
    オリゴ糖の含有量が次式で計算したとき8以下の数値の
    範囲に糖化する第4工程、 (5) 得られた糖化物を還元する第5工程、 上記5工程を経ることを特徴とする粉末マルチトースの
    製造法。
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