JPH059150A - オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体及びその製造方法 - Google Patents

オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体及びその製造方法

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JPH059150A
JPH059150A JP3183564A JP18356491A JPH059150A JP H059150 A JPH059150 A JP H059150A JP 3183564 A JP3183564 A JP 3183564A JP 18356491 A JP18356491 A JP 18356491A JP H059150 A JPH059150 A JP H059150A
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正行 大山
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I): 【化1】 (式中、 Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロアルキル
基であり、nは0〜100の整数である。)又は一般式(I
I): 【化2】 (式中、 Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフルオロアル
キレン基であり、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整
数である。)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレ
ンオキシド誘導体。 【効果】 新規化合物であり、フッ素樹脂、フッ素ゴ
ム、フッ素系界面活性剤の原料として有用なヨウ素含有
オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドの合成中間体
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素樹脂、フッ素ゴ
ム、フッ素系界面活性剤等の合成上有用である新規なオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素
系界面活性剤等の有用な合成中間体である一般式(i):
【化5】(式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロ
アルキル基、nは0〜100 の整数である。) 及び一般式(ii):
【化6】(式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフロ
ロアルキレン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整
数である。)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオ
ロプロピレンオキシドの工業化に適した製造方法は未だ
開発されていない。
【0003】即ち、従来、例えば一般式(i) のヨウ素含
有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドを製造する
場合、まず下記に示すように一般式(iii) で示されるオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフロ
ライドを原料とし、これを加水分解することによりカル
ボン酸を得た後、酸化銀を用いて銀塩を得、これをI3
存在下で熱分解させて一般式(i) のヨウ素含有オリゴヘ
キサフルオロプロピレンオキシドを製造する方法が知ら
れている(特開昭63−30441 号公報)。
【化7】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によれば、目的物であるヨウ素含有オリゴヘキサフル
オロプロピレンオキシドの収率はせいぜい70〜85%程度
であり、また中間物質である銀塩が多くの場合固体であ
るなど、取り扱い難い点がある上、高価な銀を用いるこ
とから、工業化する場合には銀の回収が必要になるとい
う欠点もある。更に、工程が3工程と長い上に、製造工
程中に毒物に該当するフッ化水素が発生し、しかも目的
物を得るため熱分解反応を行なう必要があるなど、工業
化にあたっては数多くの問題点があり、コスト的にも高
価な原材料を用いたり、設備費も増大するなどの不利が
ある。
【0005】このため、ヨウ素含有オリゴヘキサフルオ
ロプロピレンオキシドをこのような問題点がなく工業的
有利に製造することが要望されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記要望に応
えるべく鋭意検討を重ねた結果、目的化合物に対応する
オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフ
ロライドと特定の金属ヨウ化物とを反応させることによ
り、新規なカルボニルアイオダイド基を有するオリゴヘ
キサフルオロプロピレンオキシド誘導体が大気圧下、室
温においても容易にかつ高収率で副生成物を含まずに得
られると共に、かかる誘導体は大気圧下、室温にて紫外
線を照射することにより一酸化炭素を脱離し、副生成物
を生じずに反応転化率95%以上で目的とする一般式(i)
又は一般式(ii)のヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロ
ピレンオキシドが得られることを知見した。そこで、本
発明はかかる新規なオリゴヘキサフルオロプロピレンオ
キシド誘導体及びその製造方法を提供することにある。
【0007】新規オリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
シド誘導体すなわち、本発明によれば、一般式(I):
【化1】(式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロ
アルキル基であり、nは0〜100の整数である。)で示
されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体
が提供される。
【0008】また、本発明によれば、一般式(II):
【化2】(式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフル
オロアルキレン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の
整数である。)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピ
レンオキシド誘導体が提供される。
【0009】さて、一般式(I) においてRf は炭素原子
数1〜10のパーフロロアルキル基であり、具体的にはト
リフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、ヘプタフロ
ロプロピル基、ヘプタフロロイソプロピル基等が挙げら
れる。また、nは0〜100 の整数であるが、一般的には
0〜30の範囲である。一般式(II)においてはR1 ′は炭
素原子数2〜10のパーフロロアルキレン基であり、具体
的には、 −CF2 CF2 −, CF2 CF2 CF2 −, CF2 CF
2 CF2CF2 −,CF2 CF2 CF2 CF2 CF2 −等
が挙げられる。またa及びbはそれぞれ独立に0〜20の
整数であるが、一般的には0〜10の範囲である。
【0010】これらの一般式(I) 及び一般式(II)の化合
物は紫外線照射により容易に一酸化炭素を脱離して、フ
ッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系界面活性剤等の有用な
合成中間体として使用される一般式(i) 及び一般式(ii)
ヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドを
生成する。
【0011】一般式(I) 又は一般式(II)の化合物を使用
して一般式(i) の化合物や一般式(ii)の化合物を製造す
る方法は、上述した従来法に比較して (1)工程収率が非常に高い、(2)高価な酸化銀を用いな
い、(3)2工程であるので工程の簡略化ができる、(4)製
造工程中に毒物に該当するフッ化水素が発生しない、
(5)反応温度が低い、(6)中間体の一般式(I) で示される
オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は室温
で液体であり、低分子量のものは蒸留単離が可能であ
る、(7)紫外線を照射する工程では、紫外線を照射する
だけで照射途中において他に特に操作を必要とせず、装
置内に反応液を入れるタンクを設ければ理論的にはいく
らでもスケールを大きくすることが可能である。など、
数多くの優れた点を有し、工業的に有利に一般式(i) 又
は(ii)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロ
ピレンオキシドを製造できる。したがって、一般式(I)
及び(II)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオ
キシド誘導体は、それぞれ一般式(i) 及び(ii)で示され
る化合物の合成中間体として極めて有用である。
【0012】製造方法 一般式(I) の化合物は、一般式(III):
【化3】(式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロ
アルキル基、nは0〜100 の整数である。)で示される
オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフ
ロライドと一般式(IV): MIc (IV) (式中、Mは金属原子、cは該金属原子の原子価数を示
す。)で示される金属ヨウ化物とを反応させることによ
り製造することができる。
【0013】また、一般式(II)の化合物は、一般式(V):
【化4】(式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフロ
ロアルキレン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整
数である。)前記一般式(IV)で示される金属ヨウ化物と
を反応させることにより製造することができる。
【0014】上記一般式(III) 又は(V) で示されるオリ
ゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフロラ
イドは公知の方法により製造することができる(米国特
許3,250,808 号、同3,322,826 号)。
【0015】また、一般式(IV)の金属ヨウ化物として
は、例えば LiI, NaI 等のヨウ化アルカリ金属、 Mg
I2 , CaI2 等のヨウ化アルカリ土類金属、あるいは Al
I3 等が挙げられる。この金属ヨウ化物の使用量は、金
属ヨウ化物中のヨウ素の量を一般式(III) 又は(V) で示
されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボ
ニルフロライドにも含まれる
【化8】 基1モルに対し、 1〜1.2 倍モルとすることが好まし
く、具体的にはヨウ化アルカリ金属は 1〜1.2 倍モル、
アルカリ土類金属は 0.5〜0.6 倍モルとすることがよ
い。
【0016】これら両者を反応させる方法としては一般
式(III) 又は(IV)で示されるオリゴヘキサフルオロプロ
ピレンオキシドカルボニルフロライドに極性溶媒を加
え、撹拌しながら金属ヨウ化物を少量づつ加える方法を
採用することができる。
【0017】この場合、極性溶媒としては、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、
アセトニトリル等の非プロトン性溶媒を好適に使用する
ことができ、その使用量はヨウ化アルカリ金属を用いる
場合はその2〜10重量%、ヨウ化アルカリ土類金属を用
いる場合は、その4〜20重量%とすることが好ましい。
反応温度は0〜100 ℃、好ましくは20〜50℃であり、反
応時間は2〜50時間、好ましくは5〜10時間である。こ
の場合、原料及び生成物がいずれも加水分解性が高いの
で、反応器内に窒素、アルゴンなどの不活性ガスで十分
に置換することが好ましい。反応終了後、生成した金属
フッ化物を濾過して除き、蒸留単離又は溶媒を留去する
ことにより、本発明の一般式(I) 又は(II)で示されるオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体を高収率
で得ることができる。
【0018】この一般式(I) 及び(II)で示されるオリゴ
ヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は上述したよ
うに紫外線を照射することにより、容易に一酸化炭素を
脱離してそれぞれ一般式(i) 及び(ii)で示されるヨウ素
含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体を
高収率で得ることができる。
【化9】
【化10】
【0019】この場合、紫外線照射は、石英冷却管付の
高圧水銀灯を備えた紫外線照射装置を好適に使用するこ
とができる。反応は、この光反応装置に原料を仕込み、
0〜60℃の温度、好ましくは室温で2〜30時間、λ= 1
80〜380nm 、好ましくはλ=200〜300nm の紫外線を照
射して行なうことができる。溶媒は特に必要ではない
が、場合によっては安定な有機溶媒で希釈して反応を行
なうこともできる。このような有機溶媒としては、パー
フロロオクタン、パーロフロロイソノナンなどを用いる
ことができる。また、この反応も窒素、アルゴン等の不
活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0020】このようにして得られた一般式(i) 及び(i
i)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレ
ンオキシド誘導体は、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素
系界面活性剤等の合成中間体として有用である。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0022】実施例1 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式
【化11】 で示されるカルボン酸フロライド 400g(0.80モル)及
びアセトニトリル8gを仕込んだ。内容物を撹拌しなが
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム 118g(0.88モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が40℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約15時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除いた。得られた液体を蒸留して沸点87〜90℃/80mm
Hgの留分として生成物 421gを得た。このときの収率は
87%であった。得られた生成物について元素分析、GC
−MS、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定
を行なった。その結果を以下に示す。
【0023】
【0024】GC−MS m/e(M+ )分子量 606
【0025】赤外吸収スペクトル 図1に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化8】に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに17
85cm-1
【化12】 に由来する吸収が新たに発現していることが認められ
る。
【0026】 19F−NMR δ (ppm):−66.5 (m, 1F, C) −52.8 (m, 2F, C2 ) −41.0 (m, 1F, C−COI) −7.1 〜1.5 (m, 13F, −C 3 , C 2 O−) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化13】
【0027】実施例2 上記化合物 200g(0.33モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm )を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて35〜40℃で16時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、78.5℃/101mmHgの留分 181gを得
た。このときの収率は95%であった。得られた生成物に
ついて元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び
19F−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示
す。
【0028】
【0029】GC−MS m/e(M+ )分子量 578
【0030】赤外吸収スペクトル 図2に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化12】に由来する1785cm-1の吸収が消失しているこ
とが認められた。
【0031】 19F−NMR δ (ppm):−69.9 (m, 1F, C) −59.8 (m, 2F, C 2 ) −3.7 〜−15.8(m, 13F, −C 3 , C 2 O−) 0.3 (m, 1F, −CI) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化14】
【0032】実施例3 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式:
【化15】 で示されるカルボン酸フロライド 332g( 1.0モル)及
びアセトニトリル5gを仕込んだ。内容物を撹拌しなが
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム 147g( 1.1モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が40℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約15時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除いた。得られた液体を蒸留して沸点30〜32℃/60mm
Hgの留分として生成物 398gを得た。このときの収率は
90%であった。得られた生成物について元素分析、GC
−MS、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定
を行なった。その結果を以下に示す。
【0033】
【0034】GC−MS m/e(M+ )分子量 440
【0035】赤外吸収スペクトル 図3に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化8】に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに17
85cm-1
【化12】に由来する吸収が新たに発現していることが
認められる。
【0036】 19F−NMR δ (ppm):−52.8 (m, 2F, C 2 ) −41.5 (m, 1F, CCOI) −7.1 〜1.2 (m, 5F, C 3 , C 2 O) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化16】
【0037】実施例4 上記化合物 200g(0.45モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm )を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて25〜35℃で20時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、86℃〜88℃の留分158gを得た。
このときの収率は84%であった。得られた生成物につい
て元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び19
−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示す。
【0038】
【0039】GC−MS m/e(M+ )分子量 412
【0040】赤外吸収スペクトル 図4に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化12】に由来する1785cm-1の吸収が消失しているこ
とが認められた。
【0041】 19F−NMR δ (ppm):−53.6 (m, 2F, −C 2 −) −11.3〜−5.3 (m, 5F, C 2 O, CF−C 3 ) −5.2 (m, 3F, C 3 , CF2 ) 0.5 (m, CF−I) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化17】
【0042】実施例5 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式:
【化18】 で示されるカルボン酸フロライド 332g(0.50モル)及
びアセトニトリル2gを仕込んだ。内容物を撹拌しなか
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム73.6g(0.55モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が40℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約8時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除き、液体状生成物 341gを得た。このときの収率は
88%であった。得られた生成物について元素分析、GC
−MS、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定
を行なった。その結果を以下に示す。
【0043】
【0044】GC−MS m/e(M+ )分子量 772
【0045】赤外吸収スペクトル 図5に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化8】に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに17
85cm-1
【化12】に由来する吸収が新たに発現していることが
認められる。
【0046】 19F−NMR δ (ppm):−68.4 (m, 2F, C) −53.1 (m, 2F, C 2 ) −42.3 (m, 1F, −COI) −10.0〜3.3 (m, 18F, −C 3 , C 2 O) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化19】
【0047】実施例6 上記化合物 200g(0.26モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm )を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて35〜40℃で25時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、72℃/20mmHgの留去 181gを得
た。このときの収率は93%であった。得られた生成物に
ついて元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び
19F−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示
す。
【0048】
【0049】GC−MS m/e(M+ )分子量 744
【0050】赤外吸収スペクトル 図6に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化12】に由来する1785cm-1の吸収が消失しているこ
とが認められた。
【0051】 19F−NMR δ (ppm):−68.0 (m, 2F, C) −53.5 (m, 2F, C 2 ) −13.8〜−0.7 (m, 18F, C 3 , C 2 O) −1.6 (m, 1F, CI) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化20】
【0052】実施例7 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式
【化21】 で示されるカルボン酸フロライド 350g(0.82モル)及
びアセトニトリル7gを仕込んだ。内容物を撹拌しなが
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム 242g(1.80モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が50℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約3時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除いた。得られた液体を蒸留して沸点83℃/5mmHgの
留分として生成物 461gを得た。このときの収率は87%
であった。得られた生成物について元素分析、GC−M
S、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定を行
なった。その結果を以下に示す。
【0053】
【0054】GC−MS m/e(M+ )分子量 642
【0055】赤外吸収スペクトル 図7に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化8】に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに17
85cm-1
【化12】に由来する吸収が新たに発現していることが
認められる。
【0056】 19F−NMR δ (ppm):−44.4(m, 2F, C) −8.3 (m, 4F, C 2 ) −5.1 (m, 6F, C 3 ) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化22】
【0057】実施例8 上記化合物 200g(0.31モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm )を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて35〜40℃で28時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、95℃/100mmHgの留分 156gを得
た。このときの収率は85%であった。得られた生成物に
ついて元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び
19F−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示
す。
【0058】
【0059】GC−MS m/e(M+ )分子量 586
【0060】赤外吸収スペクトル 図8に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化12】に由来する1785cm-1の吸収が消失しているこ
とが認められた。
【0061】 19F−NMR δ (ppm):−14.3(m, 4F, C 2 ) −8.2 (m, 6F, C 3 ) 0.9 (m, 2F, C) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化23】
【0062】実施例9 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式
【化24】 (但し、a+b=3) で示されるカルボン酸フロライド 350g(0.38モル)及
びアセトニトリル3gを仕込んだ。内容物を撹拌しなが
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム 111.6g(0.83モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が50℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約12時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除き、液体生成物398gを得た。このときの収率は92
%であった。得られた生成物について元素分析、GC−
MS、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定を
行なった。その結果を以下に示す。
【0063】
【0064】GC−MS m/e(M+ )分子量 1140
【0065】赤外吸収スペクトル 図9に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化8】に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに17
85cm-1
【化12】に由来する吸収が新たに発現していることが
認められる。
【0066】 19F−NMR δ (ppm):−68.9 (m, 3F, CO) −44.7 (m, 2F, CCOI) −11.2〜−3.3 (m, 25F, C 3 , C 2 ) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化25】 (ただし、a+b=3)
【0067】実施例10 上記化合物 200g(0.18モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm)を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて35〜40℃で18時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、 110℃/3mmHgの留分 178gを得
た。このときの収率は90%であった。得られた生成物に
ついて元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び
19F−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示
す。
【0068】
【0069】GC−MS m/e(M+ )分子量 1084
【0070】赤外吸収スペクトル 図10に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化12】に由来する1785cm-1の吸収が消失しているこ
とが認められた。
【0071】 19F−NMR δ (ppm):−69.2 (m, 3F, CO) −15.5〜−5.0 (m, 25F, CF3 , CF2 ) −1.0 (m, 2F, CI) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化26】 (ただし、a+b=3)
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により提供
される式(I) 及び(II)で示されるオリゴヘキサフルオロ
プロピレンオキシド誘導体は新規化合物であり、フッ素
樹脂、フッ素ゴム、フッ素系界面活性剤の原料として有
用な式(i) 及び(ii)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサ
フルオロプロピレンオキシドの合成中間体として有用で
あり、また、本発明の製造方法によれば式(I) 及び(II)
で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘
導体を高収率で工業的有利に製造することができるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図2】実施例2の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図3】実施例3の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図4】実施例4の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図5】実施例5の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図6】実施例6の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図7】実施例7の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図8】実施例8の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図9】実施例9の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図10】実施例10の赤外線吸収スペクトルを示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 オリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
シド誘導体及びその製造方法
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロアルキル
基であり、nは0〜100の整数である。)で示されるオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体。
【化2】 (式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフルオロアル
キレン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整数であ
る。)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
シド誘導体。
【化3】 (式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロアルキル
基、nは0〜100 の整数である。)で示されるオリゴヘ
キサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフロライド
と一般式(IV): MIc (IV) (式中、Mは金属原子、cは該金属原子の原子価数を示
す。)で示される金属ヨウ化物とを反応させることから
なる請求項1記載のオリゴヘキサフルオロプロピレンオ
キシド誘導体の製造方法。
【化4】 (式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフロロアルキ
レン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整数であ
る。)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
シドカルボニルフロライドと、一般式(IV): MIc (IV) (式中、Mは金属原子、cは該金属原子の原子価数を示
す。)で示される金属ヨウ化物とを反応させることから
なる請求項2記載のオリゴヘキサフルオロプロピレンオ
キシド誘導体の製造方法。
【化5】 (式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロアルキル
基であり、nは0〜100の整数である。)で示されるオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体に紫外線
を照射することからなる、一般式(i):
【化6】 (式中、Rf およびnは一般式(I) に定義のとおり)で
示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオ
キシド誘導体の製造方法。
【化7】 (式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフルオロアル
キレン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整数であ
る。)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
シド誘導体に紫外線を照射することからなる、一般式(i
i):
【化8】 (式中、Rf ′、a及びbは式(II)に定義のとおり)で
示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオ
キシド誘導体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素樹脂、フッ素ゴ
ム、フッ素系界面活性剤等の合成上有用である新規なオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素
系界面活性剤等の有用な合成中間体である一般式(i):
【化9】 (式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロアルキル
基、nは0〜100 の整数である。)及び一般式(ii):
【化10】 (式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフロロアルキ
レン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整数であ
る。)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロ
ピレンオキシドの工業化に適した製造方法は未だ開発さ
れていない。
【0003】即ち、従来、例えば一般式(i) のヨウ素含
有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドを製造する
場合、まず下記に示すように一般式(iii) で示されるオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフロ
ライドを原料とし、これを加水分解することによりカル
ボン酸を得た後、酸化銀を用いて銀塩を得、これをI3
存在下で熱分解させて一般式(i) のヨウ素含有オリゴヘ
キサフルオロプロピレンオキシドを製造する方法が知ら
れている(特開昭63−30441 号公報)。
【化11】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によれば、目的物であるヨウ素含有オリゴヘキサフル
オロプロピレンオキシドの収率はせいぜい70〜85%程度
であり、また中間物質である銀塩が多くの場合固体であ
るなど、取り扱い難い点がある上、高価な銀を用いるこ
とから、工業化する場合には銀の回収が必要になるとい
う欠点もある。更に、工程が3工程と長い上に、製造工
程中に毒物に該当するフッ化水素が発生し、しかも目的
物を得るため熱分解反応を行なう必要があるなど、工業
化にあたっては数多くの問題点があり、コスト的にも高
価な原材料を用いたり、設備費も増大するなどの不利が
ある。
【0005】このため、ヨウ素含有オリゴヘキサフルオ
ロプロピレンオキシドをこのような問題点がなく工業的
有利に製造することが要望されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記要望に応
えるべく鋭意検討を重ねた結果、目的化合物に対応する
オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフ
ロライドと特定の金属ヨウ化物とを反応させることによ
り、新規なカルボニルアイオダイド基を有するオリゴヘ
キサフルオロプロピレンオキシド誘導体が大気圧下、室
温においても容易にかつ高収率で副生成物を含まずに得
られると共に、かかる誘導体は大気圧下、室温にて紫外
線を照射することにより一酸化炭素を脱離し、副生成物
を生じずに反応転化率95%以上で目的とする一般式(i)
又は一般式(ii)のヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロ
ピレンオキシドが得られることを知見した。そこで、本
発明はかかる新規なオリゴヘキサフルオロプロピレンオ
キシド誘導体及びその製造方法を提供することにある。
【0007】新規オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体 すなわち、本発明によれば、一般式(I):
【化12】 (式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロアルキル
基であり、nは0〜100の整数である。)で示されるオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体が提供さ
れる。
【0008】また、本発明によれば、一般式(II):
【化13】 (式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフルオロアル
キレン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整数であ
る。)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
シド誘導体が提供される。
【0009】さて、一般式(I) においてRf は炭素原子
数1〜10のパーフロロアルキル基であり、具体的にはト
リフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、ヘプタフロ
ロプロピル基、ヘプタフロロイソプロピル基等が挙げら
れる。また、nは0〜100 の整数であるが、一般的には
0〜30の範囲である。一般式(II)においてはR1 ′は炭
素原子数2〜10のパーフロロアルキレン基であり、具体
的には、 −CF2 CF2 −, CF2 CF2 CF2 −, CF2 CF
2 CF2CF2 −,CF2 CF2 CF2 CF2 CF2 −等
が挙げられる。またa及びbはそれぞれ独立に0〜20の
整数であるが、一般的には0〜10の範囲である。
【0010】これらの一般式(I) 及び一般式(II)の化合
物は紫外線照射により容易に一酸化炭素を脱離して、フ
ッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系界面活性剤等の有用な
合成中間体として使用される一般式(i) 及び一般式(ii)
ヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドを
生成する。
【0011】一般式(I) 又は一般式(II)の化合物を使用
して一般式(i) の化合物や一般式(ii)の化合物を製造す
る方法は、上述した従来法に比較して (1)工程収率が非常に高い、(2)高価な酸化銀を用いな
い、(3)2工程であるので工程の簡略化ができる、(4)製
造工程中に毒物に該当するフッ化水素が発生しない、
(5)反応温度が低い、(6)中間体の一般式(I) で示される
オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は室温
で液体であり、低分子量のものは蒸留単離が可能であ
る、(7)紫外線を照射する工程では、紫外線を照射する
だけで照射途中において他に特に操作を必要とせず、装
置内に反応液を入れるタンクを設ければ理論的にはいく
らでもスケールを大きくすることが可能である。など、
数多くの優れた点を有し、工業的に有利に一般式(i) 又
は(ii)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロ
ピレンオキシドを製造できる。したがって、一般式(I)
及び(II)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオ
キシド誘導体は、それぞれ一般式(i) 及び(ii)で示され
る化合物の合成中間体として極めて有用である。
【0012】製造方法 一般式(I) の化合物は、一般式(III):
【化14】 (式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロアルキル
基、nは0〜100 の整数である。)で示されるオリゴヘ
キサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフロライド
と一般式(IV): MIc (IV) (式中、Mは金属原子、cは該金属原子の原子価数を示
す。)で示される金属ヨウ化物とを反応させることによ
り製造することができる。
【0013】また、一般式(II)の化合物は、一般式(V):
【化15】 (式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフロロアルキ
レン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整数であ
る。)前記一般式(IV)で示される金属ヨウ化物とを反応
させることにより製造することができる。
【0014】上記一般式(III) 又は(V) で示されるオリ
ゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフロラ
イドは公知の方法により製造することができる(米国特
許3,250,808 号、同3,322,826 号)。
【0015】また、一般式(IV)の金属ヨウ化物として
は、例えば LiI, NaI 等のヨウ化アルカリ金属、 Mg
I2 , CaI2 等のヨウ化アルカリ土類金属、あるいは Al
I3 等が挙げられる。この金属ヨウ化物の使用量は、金
属ヨウ化物中のヨウ素の量を一般式(III) 又は(V) で示
されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボ
ニルフロライドにも含まれる
【化16】 基1モルに対し、 1〜1.2 倍モルとすることが好まし
く、具体的にはヨウ化アルカリ金属は 1〜1.2 倍モル、
アルカリ土類金属は 0.5〜0.6 倍モルとすることがよ
い。
【0016】これら両者を反応させる方法としては一般
式(III) 又は(IV)で示されるオリゴヘキサフルオロプロ
ピレンオキシドカルボニルフロライドに極性溶媒を加
え、撹拌しながら金属ヨウ化物を少量づつ加える方法を
採用することができる。
【0017】この場合、極性溶媒としては、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、
アセトニトリル等の非プロトン性溶媒を好適に使用する
ことができ、その使用量はヨウ化アルカリ金属を用いる
場合はその2〜10重量%、ヨウ化アルカリ土類金属を用
いる場合は、その4〜20重量%とすることが好ましい。
反応温度は0〜100 ℃、好ましくは20〜50℃であり、反
応時間は2〜50時間、好ましくは5〜10時間である。こ
の場合、原料及び生成物がいずれも加水分解性が高いの
で、反応器内に窒素、アルゴンなどの不活性ガスで十分
に置換することが好ましい。反応終了後、生成した金属
フッ化物を濾過して除き、蒸留単離又は溶媒を留去する
ことにより、本発明の一般式(I) 又は(II)で示されるオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体を高収率
で得ることができる。
【0018】この一般式(I) 及び(II)で示されるオリゴ
ヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は上述したよ
うに紫外線を照射することにより、容易に一酸化炭素を
脱離してそれぞれ一般式(i) 及び(ii)で示されるヨウ素
含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体を
高収率で得ることができる。
【化17】
【化18】
【0019】この場合、紫外線照射は、石英冷却管付の
高圧水銀灯を備えた紫外線照射装置を好適に使用するこ
とができる。反応は、この光反応装置に原料を仕込み、
0〜60℃の温度、好ましくは室温で2〜30時間、λ= 1
80〜380nm 、好ましくはλ=200〜300nm の紫外線を照
射して行なうことができる。溶媒は特に必要ではない
が、場合によっては安定な有機溶媒で希釈して反応を行
なうこともできる。このような有機溶媒としては、パー
フロロオクタン、パーロフロロイソノナンなどを用いる
ことができる。また、この反応も窒素、アルゴン等の不
活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0020】このようにして得られた一般式(i) 及び(i
i)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレ
ンオキシド誘導体は、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素
系界面活性剤等の合成中間体として有用である。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0022】実施例1 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式
【化19】 で示されるカルボン酸フロライド 400g(0.80モル)及
びアセトニトリル8gを仕込んだ。内容物を撹拌しなが
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム 118g(0.88モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が40℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約15時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除いた。得られた液体を蒸留して沸点87〜90℃/80mm
Hgの留分として生成物 421gを得た。このときの収率は
87%であった。得られた生成物について元素分析、GC
−MS、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定
を行なった。その結果を以下に示す。
【0023】
【0024】GC−MS m/e(M+ )分子量 606
【0025】赤外吸収スペクトル 図1に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化20】 に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに1785cm-1
【化21】 に由来する吸収が新たに発現していることが認められ
る。
【0026】 19F−NMR δ (ppm):−66.5 (m, 1F, C) −52.8 (m, 2F, C2 ) −41.0 (m, 1F, C−COI) −7.1 〜1.5 (m, 13F, −C 3 , C 2 O−) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化22】
【0027】実施例2 上記化合物 200g(0.33モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm )を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて35〜40℃で16時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、78.5℃/101mmHgの留分 181gを得
た。このときの収率は95%であった。得られた生成物に
ついて元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び
19F−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示
す。
【0028】
【0029】GC−MS m/e(M+ )分子量 578
【0030】赤外吸収スペクトル 図2に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化23】 に由来する1785cm-1の吸収が消失していることが認めら
れた。
【0031】 19F−NMR δ (ppm):−69.9 (m, 1F, C) −59.8 (m, 2F, C 2 ) −3.7 〜−15.8(m, 13F, −C 3 , C 2 O−) 0.3 (m, 1F, −CI) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化24】
【0032】実施例3 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式:
【化25】 で示されるカルボン酸フロライド 332g( 1.0モル)及
びアセトニトリル5gを仕込んだ。内容物を撹拌しなが
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム 147g( 1.1モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が40℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約15時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除いた。得られた液体を蒸留して沸点30〜32℃/60mm
Hgの留分として生成物 398gを得た。このときの収率は
90%であった。得られた生成物について元素分析、GC
−MS、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定
を行なった。その結果を以下に示す。
【0033】
【0034】GC−MS m/e(M+ )分子量 440
【0035】赤外吸収スペクトル 図3に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化26】 に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに1785cm-1
【化27】 に由来する吸収が新たに発現していることが認められ
る。
【0036】 19F−NMR δ (ppm):−52.8 (m, 2F, C 2 ) −41.5 (m, 1F, CCOI) −7.1 〜1.2 (m, 5F, C 3 , C 2 O) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化28】
【0037】実施例4 上記化合物 200g(0.45モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm )を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて25〜35℃で20時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、86℃〜88℃の留分158gを得た。
このときの収率は84%であった。得られた生成物につい
て元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び19
−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示す。
【0038】
【0039】GC−MS m/e(M+ )分子量 412
【0040】赤外吸収スペクトル 図4に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化29】 に由来する1785cm-1の吸収が消失していることが認めら
れた。
【0041】 19F−NMR δ (ppm):−53.6 (m, 2F, −C 2 −) −11.3〜−5.3 (m, 5F, C 2 O, CF−C 3 ) −5.2 (m, 3F, C 3 , CF2 ) 0.5 (m, CF−I) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化30】
【0042】実施例5 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式:
【化31】 で示されるカルボン酸フロライド 332g(0.50モル)及
びアセトニトリル2gを仕込んだ。内容物を撹拌しなか
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム73.6g(0.55モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が40℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約8時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除き、液体状生成物 341gを得た。このときの収率は
88%であった。得られた生成物について元素分析、GC
−MS、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定
を行なった。その結果を以下に示す。
【0043】
【0044】GC−MS m/e(M+ )分子量 772
【0045】赤外吸収スペクトル 図5に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化32】 に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに1785cm-1
【化33】 に由来する吸収が新たに発現していることが認められ
る。
【0046】 19F−NMR δ (ppm):−68.4 (m, 2F, C) −53.1 (m, 2F, C 2 ) −42.3 (m, 1F, −COI) −10.0〜3.3 (m, 18F, −C 3 , C 2 O) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化34】
【0047】実施例6 上記化合物 200g(0.26モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm )を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて35〜40℃で25時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、72℃/20mmHgの留去 181gを得
た。このときの収率は93%であった。得られた生成物に
ついて元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び
19F−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示
す。
【0048】
【0049】GC−MS m/e(M+ )分子量 744
【0050】赤外吸収スペクトル 図6に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化35】 に由来する1785cm-1の吸収が消失していることが認めら
れた。
【0051】 19F−NMR δ (ppm):−68.0 (m, 2F, C) −53.5 (m, 2F, C 2 ) −13.8〜−0.7 (m, 18F, C 3 , C 2 O) −1.6 (m, 1F, CI) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化36】
【0052】実施例7 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式
【化37】 で示されるカルボン酸フロライド 350g(0.82モル)及
びアセトニトリル7gを仕込んだ。内容物を撹拌しなが
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム 242g(1.80モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が50℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約3時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除いた。得られた液体を蒸留して沸点83℃/5mmHgの
留分として生成物 461gを得た。このときの収率は87%
であった。得られた生成物について元素分析、GC−M
S、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定を行
なった。その結果を以下に示す。
【0053】
【0054】GC−MS m/e(M+ )分子量 642
【0055】赤外吸収スペクトル 図7に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化38】 に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに1785cm-1
【化39】 に由来する吸収が新たに発現していることが認められ
る。
【0056】 19F−NMR δ (ppm):−44.4(m, 2F, C) −8.3 (m, 4F, C 2 ) −5.1 (m, 6F, C 3 ) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化40】
【0057】実施例8 上記化合物 200g(0.31モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm )を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて35〜40℃で28時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、95℃/100mmHgの留分 156gを得
た。このときの収率は85%であった。得られた生成物に
ついて元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び
19F−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示
す。
【0058】
【0059】GC−MS m/e(M+ )分子量 586
【0060】赤外吸収スペクトル 図8に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化41】 に由来する1785cm-1の吸収が消失していることが認めら
れた。
【0061】 19F−NMR δ (ppm):−14.3(m, 4F, C 2 ) −8.2 (m, 6F, C 3 ) 0.9 (m, 2F, C) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化42】
【0062】実施例9 内容積 0.5lの四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式
【化43】 (但し、a+b=3) で示されるカルボン酸フロライド 350g(0.38モル)及
びアセトニトリル3gを仕込んだ。内容物を撹拌しなが
らアルゴン気流下にてヨウ化リチウム 111.6g(0.83モ
ル)を数回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の
温度が50℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を
調節した。添加終了後、内容物を約12時間撹拌した。次
に、内容物をガラスフィルターにて濾過し、固型分を取
り除き、液体生成物398gを得た。このときの収率は92
%であった。得られた生成物について元素分析、GC−
MS、赤外吸収スペクトル及び19F−NMRの各測定を
行なった。その結果を以下に示す。
【0063】
【0064】GC−MS m/e(M+ )分子量 1140
【0065】赤外吸収スペクトル 図9に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化44】 に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに1785cm-1
【化45】 に由来する吸収が新たに発現していることが認められ
る。
【0066】 19F−NMR δ (ppm):−68.9 (m, 3F, CO) −44.7 (m, 2F, CCOI) −11.2〜−3.3 (m, 25F, C 3 , C 2 ) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることを確認した。
【化46】 (ただし、a+b=3)
【0067】実施例10 上記化合物 200g(0.18モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ= 220〜380nm)を備えた紫外線照射装置に
仕込み、マグネチックスターラーにて撹拌しながら紫外
線を照射した。反応はアルゴン気流下にて 100W高圧水
銀灯を用いて35〜40℃で18時間行なった。反応終了後、
反応生成物を蒸留し、 110℃/3mmHgの留分 178gを得
た。このときの収率は90%であった。得られた生成物に
ついて元素分析、GC−MS、赤外吸収スペクトル及び
19F−NMRの各測定を行なった。その結果を以下に示
す。
【0068】
【0069】GC−MS m/e(M+ )分子量 1084
【0070】赤外吸収スペクトル 図10に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。このスペ
クトルから
【化47】 に由来する1785cm-1の吸収が消失していることが認めら
れた。
【0071】 19F−NMR δ (ppm):−69.2 (m, 3F, CO) −15.5〜−5.0 (m, 25F, CF3 , CF2 ) −1.0 (m, 2F, CI) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物で
あることが確認された。
【化48】 (ただし、a+b=3)
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により提供
される式(I) 及び(II)で示されるオリゴヘキサフルオロ
プロピレンオキシド誘導体は新規化合物であり、フッ素
樹脂、フッ素ゴム、フッ素系界面活性剤の原料として有
用な式(i) 及び(ii)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサ
フルオロプロピレンオキシドの合成中間体として有用で
あり、また、本発明の製造方法によれば式(I) 及び(II)
で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘
導体を高収率で工業的有利に製造することができるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図2】実施例2の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図3】実施例3の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図4】実施例4の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図5】実施例5の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図6】実施例6の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図7】実施例7の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図8】実施例8の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図9】実施例9の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図10】実施例10の赤外線吸収スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷹合 俊雄 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロアルキル
    基であり、nは0〜100の整数である。)で示されるオ
    リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(II): 【化2】 (式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフルオロアル
    キレン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整数であ
    る。)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
    シド誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(III): 【化3】 (式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロアルキル
    基、nは0〜100 の整数である。)で示されるオリゴヘ
    キサフルオロプロピレンオキシドカルボニルフロライド
    と一般式(IV): MIc (IV) (式中、Mは金属原子、cは該金属原子の原子価数を示
    す。)で示される金属ヨウ化物とを反応させることから
    なる請求項1記載のオリゴヘキサフルオロプロピレンオ
    キシド誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(V): 【化4】 (式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフロロアルキ
    レン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の整数であ
    る。)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
    シドカルボニルフロライドと、一般式(IV): MIc (IV) (式中、Mは金属原子、cは該金属原子の原子価数を示
    す。)で示される金属ヨウ化物とを反応させることから
    なる請求項2記載のオリゴヘキサフルオロプロピレンオ
    キシド誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I): 【化1】(式中、Rf は炭素原子数1〜10のパーフロロ
    アルキル基であり、nは0〜100の整数である。)で示
    されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体
    に紫外線を照射することからなる、一般式(i): 【化5】 (式中、Rf およびnは一般式(I) に定義のとおり)で
    示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオ
    キシド誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(II): 【化2】(式中、Rf ′は炭素原子数2〜10のパーフル
    オロアルキレン基、a及びbはそれぞれ独立に0〜20の
    整数である。)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピ
    レンオキシド誘導体に紫外線を照射することからなる、
    一般式(ii): 【化6】 (式中、Rf ′、a及びbは式(II)に定義のとおり)で
    示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオ
    キシド誘導体の製造方法。
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