JP2586706B2 - オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体及びその製造方法 - Google Patents
オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体及びその製造方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C59/00—Compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms and containing any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, groups, groups, or groups
- C07C59/125—Saturated compounds having only one carboxyl group and containing ether groups, groups, groups, or groups
- C07C59/135—Saturated compounds having only one carboxyl group and containing ether groups, groups, groups, or groups containing halogen
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、下記一般式(I) (但し、式中Rfは炭素数1〜10のパーフロロアルキル
基、nは0〜30の整数である。)で示される新規なオリ
ゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体及びその製
造方法に関する。該化合物は紫外線照射により容易に一
酸化炭素を脱離して、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素
系界面活性剤等の有用な合成中間体として使用される下
記一般式(IV) (但し、式中Rf,nは上記と同様の意味を示す。) で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレン
オキシドを生成するため、その中間体として重要であ
る。
基、nは0〜30の整数である。)で示される新規なオリ
ゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体及びその製
造方法に関する。該化合物は紫外線照射により容易に一
酸化炭素を脱離して、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素
系界面活性剤等の有用な合成中間体として使用される下
記一般式(IV) (但し、式中Rf,nは上記と同様の意味を示す。) で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレン
オキシドを生成するため、その中間体として重要であ
る。
従来、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系界面活性剤
等の有用な合成中間体である下記一般式(IV) (但し、Rfは炭素数1〜10のパーフロロアルキル基、n
は0〜30の整数である。以下同様。) で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレン
オキシドの工業化に適した製造方法は未だ開発されてい
ない。
等の有用な合成中間体である下記一般式(IV) (但し、Rfは炭素数1〜10のパーフロロアルキル基、n
は0〜30の整数である。以下同様。) で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレン
オキシドの工業化に適した製造方法は未だ開発されてい
ない。
即ち、従来ヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレ
ンオキシドを製造する場合、まず下記式(II)で示され
るオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニル
フロライドを原料とし、これを加水分解することにより
カルボン酸を得た後、酸化銀を用いて銀塩を得、これを
I2存在下で熱分解させて式(IV)で示されるヨウ素含有
オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドを製造する方
法が知られている(特開昭63−30441号公報)。
ンオキシドを製造する場合、まず下記式(II)で示され
るオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニル
フロライドを原料とし、これを加水分解することにより
カルボン酸を得た後、酸化銀を用いて銀塩を得、これを
I2存在下で熱分解させて式(IV)で示されるヨウ素含有
オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドを製造する方
法が知られている(特開昭63−30441号公報)。
しかしながら、上記方法によれば、目的物であるヨウ
素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドの収率
はせいぜい70〜85%程度であり、また中間物質である銀
塩が多くの場合固体であるなど、取り扱い難い点がある
上、高価な銀を用いることから、工業化する場合には銀
の回収が必要になるという欠点もある。更に、工程が3
工程と長い上に、製造工程中に毒物に該当するフッ化水
素が発生し、しかも目的物を得るため熱分解反応を行な
う必要があるなど、工業化にあたっては数多くの問題点
があり、コスト的にも高価な原材料を用いたり、設備費
も増大するなどの不利がある。
素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドの収率
はせいぜい70〜85%程度であり、また中間物質である銀
塩が多くの場合固体であるなど、取り扱い難い点がある
上、高価な銀を用いることから、工業化する場合には銀
の回収が必要になるという欠点もある。更に、工程が3
工程と長い上に、製造工程中に毒物に該当するフッ化水
素が発生し、しかも目的物を得るため熱分解反応を行な
う必要があるなど、工業化にあたっては数多くの問題点
があり、コスト的にも高価な原材料を用いたり、設備費
も増大するなどの不利がある。
このため、ヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレ
ンオキシドをこのような問題点がなく工業的有利に製造
することが要望されていた。
ンオキシドをこのような問題点がなく工業的有利に製造
することが要望されていた。
本発明者は上記要望に応えるべく鋭意検討を重ねた結
果、上述した下記一般式(II) (但し、式中Rfは炭素数1〜10のパーフロロアルキル
基、nは0〜30の整数である。) で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカ
ルボニルフロライドと下記一般式(III) MIa …(III) (但し、Mは金属原子、aは該金属原子の原子価数を示
す。) で示される金属ヨウ化物とを反応させることにより、下
記一般式(I) (但し、式中Rf及びnは上記と同様の意味を示す。) で示される新規なカルボニルアイオダイド基を有するオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体が大気圧
下、室温においても容易にかつ高収率で副生成物を含ま
ずに得られると共に、かかる誘導体は大気圧下、室温に
て紫外線を照射することにより一酸化炭素を脱離し、副
生成物を生じずに反応転化率95%以上で式(IV)で示さ
れるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシ
ドが得られることを知見した。
果、上述した下記一般式(II) (但し、式中Rfは炭素数1〜10のパーフロロアルキル
基、nは0〜30の整数である。) で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカ
ルボニルフロライドと下記一般式(III) MIa …(III) (但し、Mは金属原子、aは該金属原子の原子価数を示
す。) で示される金属ヨウ化物とを反応させることにより、下
記一般式(I) (但し、式中Rf及びnは上記と同様の意味を示す。) で示される新規なカルボニルアイオダイド基を有するオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体が大気圧
下、室温においても容易にかつ高収率で副生成物を含ま
ずに得られると共に、かかる誘導体は大気圧下、室温に
て紫外線を照射することにより一酸化炭素を脱離し、副
生成物を生じずに反応転化率95%以上で式(IV)で示さ
れるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシ
ドが得られることを知見した。
即ち、上記式(I)で示される新規なオリゴヘキサフ
ルオロプロピレンオキシド誘導体を中間体として式(I
I)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシ
ドカルボニルフロライドから式(IV)で示されるヨウ素
含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドを製造す
る方法は、上述した従来法に比較して (1)工程収率が非常に高い、 (2)高価な酸化銀を用いない、 (3)2工程であるので工程の簡略化できる、 (4)製造工程中に毒物に該当するフッ化水素が発生し
ない、 (5)反応温度が低い、 (6)中間体の式(I)で示されるオリゴヘキサフルオ
ロプロピレンオキシド誘導体は室温で液体であり、低分
子量のものは蒸留単離が可能である。
ルオロプロピレンオキシド誘導体を中間体として式(I
I)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシ
ドカルボニルフロライドから式(IV)で示されるヨウ素
含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドを製造す
る方法は、上述した従来法に比較して (1)工程収率が非常に高い、 (2)高価な酸化銀を用いない、 (3)2工程であるので工程の簡略化できる、 (4)製造工程中に毒物に該当するフッ化水素が発生し
ない、 (5)反応温度が低い、 (6)中間体の式(I)で示されるオリゴヘキサフルオ
ロプロピレンオキシド誘導体は室温で液体であり、低分
子量のものは蒸留単離が可能である。
(7)紫外線を照射する工程では、紫外線を照射するだ
けで照射途中において他に特に操作を必要とせず、操作
内に反応液を入れるタンクを設ければ理論的にはいくら
でもスケールを大きくすることが可能である など、数多くの優れた点を有し、工業的有利に式(IV)
で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレン
オキシドを製造でき、それ故式(I)で示されるオリゴ
ヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は式(IV)で
示される化合物の合成中間体として極めて有用であるこ
とを見い出し本発明をなすに至ったものである。
けで照射途中において他に特に操作を必要とせず、操作
内に反応液を入れるタンクを設ければ理論的にはいくら
でもスケールを大きくすることが可能である など、数多くの優れた点を有し、工業的有利に式(IV)
で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレン
オキシドを製造でき、それ故式(I)で示されるオリゴ
ヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は式(IV)で
示される化合物の合成中間体として極めて有用であるこ
とを見い出し本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は式(I)で示されるオリゴヘキサフ
ルオロプロピレンオキシド誘導体及び式(II)で示され
るオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニル
フロライドと式(III)で示される金属ヨウ化物とを反
応させることからなる式(I)で示されるオリゴヘキサ
フルオロプロピレンオキシド誘導体の製造方法を提供す
る。
ルオロプロピレンオキシド誘導体及び式(II)で示され
るオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニル
フロライドと式(III)で示される金属ヨウ化物とを反
応させることからなる式(I)で示されるオリゴヘキサ
フルオロプロピレンオキシド誘導体の製造方法を提供す
る。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘
導体は下記式(I) で示されるカルボニルアイオダイド基を有する化合物で
ある。
導体は下記式(I) で示されるカルボニルアイオダイド基を有する化合物で
ある。
ここで、式(I)においてRfは炭素数1〜10のバーフ
ロロアルキル基であり、具体的にはトリフロロメチル
基、ペンタフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル基、
ヘプタフロロイソプロピル基等が挙げられる。また、n
は0〜30の範囲である。
ロロアルキル基であり、具体的にはトリフロロメチル
基、ペンタフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル基、
ヘプタフロロイソプロピル基等が挙げられる。また、n
は0〜30の範囲である。
この式(I)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピ
レンオキシド誘導体の製造は、下記式(II) (但し、式中Rf及びnは上記と同様の意味を示す。) で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカ
ルボニルフロライドと下記一般式(III) MIa …(III) (但し、Mは金属原子、aは該金属原子の原子価数を示
す。) で示される金属ヨウ化物とを反応させることにより行な
うことができる。
レンオキシド誘導体の製造は、下記式(II) (但し、式中Rf及びnは上記と同様の意味を示す。) で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカ
ルボニルフロライドと下記一般式(III) MIa …(III) (但し、Mは金属原子、aは該金属原子の原子価数を示
す。) で示される金属ヨウ化物とを反応させることにより行な
うことができる。
上記式(II)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピ
レンオキシドカルボニルフロライドは公知の方法により
製造することができる(米国特許3,250,808号公報、同
3,322,826号公報)。
レンオキシドカルボニルフロライドは公知の方法により
製造することができる(米国特許3,250,808号公報、同
3,322,826号公報)。
また、金属ヨウ化物としては、例えばLiI,NaI等のヨ
ウ化アルカリ金属、MgI2,CaI2等のヨウ化アルカリ土類
金属、あるいはAlI3等が挙げられる。この金属ヨウ化物
の使用量は、金属ヨウ化物中のヨウ素の量を式(II)で
示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカル
ボニルフロライド1モルに対し1〜1.2倍モルとするこ
とが好ましく、具体的にはヨウ化アルカリ金属は1〜1.
2倍モル、アルカリ土類金属は0.5〜0.6倍モルとするこ
とがよい。
ウ化アルカリ金属、MgI2,CaI2等のヨウ化アルカリ土類
金属、あるいはAlI3等が挙げられる。この金属ヨウ化物
の使用量は、金属ヨウ化物中のヨウ素の量を式(II)で
示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカル
ボニルフロライド1モルに対し1〜1.2倍モルとするこ
とが好ましく、具体的にはヨウ化アルカリ金属は1〜1.
2倍モル、アルカリ土類金属は0.5〜0.6倍モルとするこ
とがよい。
これら両者を反応させる方法としては式(II)で示さ
れるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニ
ルフロライドに極性溶媒を加え、撹拌しながら金属ヨウ
化物を少量づつ加える方法を採用することができる。
れるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカルボニ
ルフロライドに極性溶媒を加え、撹拌しながら金属ヨウ
化物を少量づつ加える方法を採用することができる。
この場合、極性溶媒としては、ジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アセトニト
リル等の非プロトン性溶媒を好適に使用することがで
き、その使用量はヨウ化アルカリ金属を用いる場合はそ
の2〜10重量%、ヨウ化アルカリ土類金属を用いる場合
は、その4〜20重量%とすることが好ましい。反応温度
は0℃〜100℃、好ましくは20〜50℃であり、反応時間
は2〜50時間、好ましくは5〜10時間である。この場
合、原料及び生成物がいずれも加水分解性が高いので、
反応器内を窒素、アルゴンなどの不活性ガスで十分に置
換することが好ましい。反応終了後、生成した金属フッ
化物を過して除き、蒸留単離又は溶媒を留去すること
により、本発明の式(I)で示されるオリゴヘキサフル
オロプロピレンオキシド誘導体を高収率で得ることがで
きる。
イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アセトニト
リル等の非プロトン性溶媒を好適に使用することがで
き、その使用量はヨウ化アルカリ金属を用いる場合はそ
の2〜10重量%、ヨウ化アルカリ土類金属を用いる場合
は、その4〜20重量%とすることが好ましい。反応温度
は0℃〜100℃、好ましくは20〜50℃であり、反応時間
は2〜50時間、好ましくは5〜10時間である。この場
合、原料及び生成物がいずれも加水分解性が高いので、
反応器内を窒素、アルゴンなどの不活性ガスで十分に置
換することが好ましい。反応終了後、生成した金属フッ
化物を過して除き、蒸留単離又は溶媒を留去すること
により、本発明の式(I)で示されるオリゴヘキサフル
オロプロピレンオキシド誘導体を高収率で得ることがで
きる。
この式(I)で示されるオリゴヘキサフルオロプロピ
レンオキシド誘導体は上述したように紫外線を照射する
ことにより、容易に一酸化炭素を脱離して式(IV)で示
されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
シド誘導体を高収率で得ることができる。
レンオキシド誘導体は上述したように紫外線を照射する
ことにより、容易に一酸化炭素を脱離して式(IV)で示
されるヨウ素含有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
シド誘導体を高収率で得ることができる。
この場合、紫外線照射は、石英冷却管付の高圧水銀灯
を備えた紫外線照射装置を好適に使用することができ
る。反応は、この光反応装置に原料を仕込み、0〜60℃
の温度、好ましくは室温で2〜30時間、λ=180〜380n
m、好ましくはλ=200〜300nmの紫外線を照射して行な
うことができる。溶媒は特に必要ではないが、場合によ
っては安定な有機溶媒で希釈して反応を行なうこともで
きる。このような有機溶媒としては、パーフロロオクタ
ン、パーフロロイソノナンなどを用いることができる。
また、この反応も窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気
下で行なうことが好ましい。
を備えた紫外線照射装置を好適に使用することができ
る。反応は、この光反応装置に原料を仕込み、0〜60℃
の温度、好ましくは室温で2〜30時間、λ=180〜380n
m、好ましくはλ=200〜300nmの紫外線を照射して行な
うことができる。溶媒は特に必要ではないが、場合によ
っては安定な有機溶媒で希釈して反応を行なうこともで
きる。このような有機溶媒としては、パーフロロオクタ
ン、パーフロロイソノナンなどを用いることができる。
また、この反応も窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気
下で行なうことが好ましい。
このようにして得られた式(IV)で示されるヨウ素含
有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は、
フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系界面活性剤等の合成
中間体として有用である。
有オリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は、
フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系界面活性剤等の合成
中間体として有用である。
以上説明したように、本発明の式(I)で示されるオ
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は、フッ
素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系界面活性剤の原料として
有用な式(IV)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフル
オロプロピレンオキシドの合成中間体として有用であ
り、また、本発明の製造方法によれば式(I)で示され
るオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体を高
収率で工業的有利に製造することができるものである。
リゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体は、フッ
素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系界面活性剤の原料として
有用な式(IV)で示されるヨウ素含有オリゴヘキサフル
オロプロピレンオキシドの合成中間体として有用であ
り、また、本発明の製造方法によれば式(I)で示され
るオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘導体を高
収率で工業的有利に製造することができるものである。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、
本発明は下記の実施例に制限するものではない。
本発明は下記の実施例に制限するものではない。
内容積0.5の四っ口フラスコにメカニカルスターラ
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式 で示されるカルボン酸フロライド400g(0.80モル)及び
アセトニトリル8gを仕込んだ。内容物を攪拌しながらア
ルゴン気流下にてヨウ化リチウム118g(0.88モル)を数
回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の温度が40
℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を調節し
た。添加終了後、内容物を約15時間攪拌した。
ー、還流冷却管及びガス導入管を取り付けた。フラスコ
内に次式 で示されるカルボン酸フロライド400g(0.80モル)及び
アセトニトリル8gを仕込んだ。内容物を攪拌しながらア
ルゴン気流下にてヨウ化リチウム118g(0.88モル)を数
回に分けて少量ずつ加えた。このとき内容物の温度が40
℃を超えないようにヨウ化リチウムの添加量を調節し
た。添加終了後、内容物を約15時間攪拌した。
次に、内容物をガラスフィルターにて過し、固型分
を取り除いた。得られた液体を蒸留して沸点87〜90℃/8
0mmHgの留分として生成物421gを得た。このときの収率
は87%であった。
を取り除いた。得られた液体を蒸留して沸点87〜90℃/8
0mmHgの留分として生成物421gを得た。このときの収率
は87%であった。
得られた生成物について元素分析、GC−MS、赤外吸収
スペクトル及び19F−NMRの各測定を行なった。その結果
を以下に示す。
スペクトル及び19F−NMRの各測定を行なった。その結果
を以下に示す。
元素分析 C F I O 計算値(%) 17.82 53.30 20.96 7.92 実測値(%) 17.79 53.37 20.91 7.93 GC−MS m/e(M+)分子量606 赤外吸収スペクトル 第1図に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。この
スペクトルから に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに1785cm-1に に由来する吸収が新たに発現していることが認められ
る。19 F−NMR δ(ppm):66.5(m,1F,CF) 52.8(m,2F,CF2) 41.0(m,1F,CF−COI) −1.5〜7.1(m,13F,−CF3,CF2O−) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物
であることを確認した。
スペクトルから に由来する1890cm-1の吸収が消失し、新たに1785cm-1に に由来する吸収が新たに発現していることが認められ
る。19 F−NMR δ(ppm):66.5(m,1F,CF) 52.8(m,2F,CF2) 41.0(m,1F,CF−COI) −1.5〜7.1(m,13F,−CF3,CF2O−) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物
であることを確認した。
〔参考例〕 上記化合物200g(0.33モル)を石英製冷却管付き高圧
水銀灯(λ=220〜380nm)を備えた紫外線照射装置に仕
込み、マグネチックスターラーにて攪拌しながら紫外線
を照射した。反応はアルゴン気流下にて100W高圧水銀灯
を用いて35〜40℃で16時間行なった。反応終了後、反応
生成物を蒸留し、78.5℃/101mmHgの留分181gを得た。こ
のときの収率は95%であった。
水銀灯(λ=220〜380nm)を備えた紫外線照射装置に仕
込み、マグネチックスターラーにて攪拌しながら紫外線
を照射した。反応はアルゴン気流下にて100W高圧水銀灯
を用いて35〜40℃で16時間行なった。反応終了後、反応
生成物を蒸留し、78.5℃/101mmHgの留分181gを得た。こ
のときの収率は95%であった。
得られた生成物について元素分析、GC−MS、赤外吸収
スペクトル及び19F−NMRの各測定を行なった。その結果
を以下に示す。
スペクトル及び19F−NMRの各測定を行なった。その結果
を以下に示す。
元素分析 C F I O 計算値(%) 16.61 55.88 21.79 5.54 実測値(%) 16.57 55.91 21.92 5.60 GC−MS m/e(M+)分子量578 赤外吸収スペクトル 第2図に赤外吸収スペクトルのチャートを示す。この
スペクトルから に由来する1785cm-1の吸収が消失していることが認めら
れた。19 F−NMR δ(ppm):69.9(m,1F,CF) 59.8(m,2F,CF2) 3.7〜15.8(m,13F,−CF3,−CF2O−) −0.3(m,1F,−CFI) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物
であることを確認された。
スペクトルから に由来する1785cm-1の吸収が消失していることが認めら
れた。19 F−NMR δ(ppm):69.9(m,1F,CF) 59.8(m,2F,CF2) 3.7〜15.8(m,13F,−CF3,−CF2O−) −0.3(m,1F,−CFI) 以上の測定結果から、生成物が次式で表される化合物
であることを確認された。
第1図は実施例で得られたオリゴヘキサフルオロプロピ
レンオキシド誘導体の赤外吸収スペクトルのチャート、
第2図は参考例で得られたヨウ素含有オリゴヘキサフル
オロプロピレンオキシドの赤外吸収スペクトルのチャー
トである。
レンオキシド誘導体の赤外吸収スペクトルのチャート、
第2図は参考例で得られたヨウ素含有オリゴヘキサフル
オロプロピレンオキシドの赤外吸収スペクトルのチャー
トである。
フロントページの続き (72)発明者 鷹合 俊雄 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社シリコーン電子材料技 術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−30441(JP,A) 米国特許3250808(US,A)
Claims (2)
- 【請求項1】下記一般式(I) (但し、式中Rfは炭素数1〜10のパーフロロアルキル
基、nは0〜30の整数である。) で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシド誘
導体。 - 【請求項2】下記一般式(II) (但し、式中Rfは炭素数1〜10のパーフロロアルキル
基、nは0〜30の整数である。) で示されるオリゴヘキサフルオロプロピレンオキシドカ
ルボニルフロライドと下記一般式(III) MIa …(III) (但し、Mは金属原子、aは該金属原子の原子価数を示
す。) で示される金属ヨウ化物とを反応させることを特徴とす
る請求項1記載のオリゴヘキサフルオロプロピレンオキ
シド誘導体の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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