JP4618781B2 - 新規プロリン誘導体、その製造方法、及びそれを用いた光学活性二級アルコール化合物の製造方法 - Google Patents

新規プロリン誘導体、その製造方法、及びそれを用いた光学活性二級アルコール化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、トリクロロシランを還元剤として使用する際に、その活性化剤として有用な新規なプロリン誘導体に関し、更に該誘導体の存在下に非対称ケトン化合物をトリクロロシランで還元して、光学活性二級アルコール化合物を製造する方法に関する。
光学活性二級アルコール化合物は、医農薬或いは香料の中間体として工業上極めて重要な化合物である。該光学活性二級アルコール化合物の製造方法としては、非対称ケトン化合物を光学活性触媒存在下、還元剤として水素ガスを使用して還元する方法が一般的であり、従来から数多くの光学活性触媒が開発されている。
一方、高純度多結晶シリコンの工業原料として極めて重要な化合物であるトリクロロシランは、還元性を有するばかりでなく、経済的にも安価な化合物であり、しかも還元剤として水素ガスを用いるときに使用する耐圧容器を使用することなく通常の反応容器を用いて還元反応を行うことができるため、有機化学への応用が近年益々盛んに行われている。
例えば、トリクロロシランを用いたケトン化合物の二級アルコール化合物への還元反応として、ジメチルホルムアミド存在下に還元する方法(非特許文献1参照)や炭素原子数が3以上の二級アミンのN−ホルミル化物等の“トリクロロシランと混合したときに74.9MHzの29Si−NMR測定で−15〜−120ppmにシグナルを与える配位子化合物”(以下、特定配位子化合物ともいう。)の存在下に還元する方法が知られている。(特許文献1参照)。
ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters),1996年,p.407〜408 特表2000−053551号公報
上記の前者の方法(ジメチルホルムアミド存在下に還元する方法)では、ジメチルホルムアミドが不斉源を持たないため、生成するアルコールに不斉が発現することはない。一方、上記後者の方法においては、特定配位子化合物としてプロリノール、プロリンアミド又はプロリンエステルから誘導される化合物の光学的に純粋な異性体を用いることによる光学活性二級アルコール化合物の光学純度は最高でも44%eeであり、光学純度の観点からは充分とは言えない。
そこで、本発明者らはかかる課題を解決する目的でピロリジンの誘導体を検討した結果、光学活性N−ピコノイルピロリジン誘導体の存在下、トリクロロシランを用いて非対称ケトン化合物を還元することで光学純度50〜70%eeの光学活性二級アルコール化合物を得ることができることを見出した(特願2003−196196号)。しかしながら、70%eeの光学純度では不斉合成の観点からはいまだ十分とはいい難い。
そこで、本発明は、トリクロロシランを還元剤として用い、光学純度がさらに高い光学活性二級アルコール化合物を得る方法を提供することを目的とする。
かかる実情に鑑み、本発明者らはさらに鋭意検討を行った結果、トリクロロシランを用いた非対称ケトン化合物の不斉還元反応を新規なプロリン誘導体の存在下で行った場合には、生成する光学活性二級アルコール化合物の光学純度が80%以上となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、第一の本発明は、下記式(I)
Figure 0004618781
(但し、Rは炭素数6〜12のアリール基である。)
で示される光学活性プロリン誘導体である。
また、第二の本発明は、下記式(II)
Figure 0004618781
(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
で示されるプロリンアルキルエステル誘導体をメタノール又はメタノールを含む混合溶媒からなる溶媒中で支持電解質の存在下に電解酸化して下記式(III)
Figure 0004618781
(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体を合成する工程、
前記式(III)で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体をルイス酸触媒下にベンゼン誘導体を反応させてトランス体及びシス体の混合物からなる下記式(IV)
Figure 0004618781
(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数6〜12のアリール基である。)
で示される化合物を合成する工程、及び
トランス体及びシス体の混合物からなる前記式(IV)で示される化合物からシス体を光学分割した後にこれを加水分解する工程
を含んでなることを特徴とする第一の本発明の光学活性プロリン誘導体の製造方法である。
更に、第三の本発明は、第一の本発明の光学活性プロリン誘導体の存在下に非対称ケトン化合物をトリクロロシランで還元することを特徴とする光学活性二級アルコール化合物の製造方法である。
本発明で使用する上記式(I)で示される光学活性プロリン誘導体は、前記特定配位子化合物に含まれるものではあるが、前記特許文献1及び特願2003−196196号公報に開示されておらず、該化合物を光学純度の高い二級アルコール化合物が得られることは、今回初めて明らかになったことである。
本発明によれば、光学活性プロリン誘導体を活性化剤として用いることにより、工業的に安価で取扱いが容易なトリクロロシランを還元剤として、非対称ケトン化合物から光学活性二級アルコール化合物が製造できるため、工業的に極めて重要であると言える。
本発明の光学活性プロリン誘導体は、下記式(I)で示される。
Figure 0004618781
ここで、上記式(I)中のRは、炭素数6〜12のアリール基を意味する。炭素数6〜12のアリール基を具体的に例示すると、フェニル基、4−メチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
前記式(I)で示される光学活性プロリン誘導体を具体的に例示すると、cis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチルフェニル)−L−プロリン、cis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリメチルフェニル)−L−プロリン、cis−N−ホルミル−α’−(4−メチルフェニル)−L−プロリン、cis−N−ホルミル−α’−(4−エチルフェニル)−L−プロリン、cis−N−ホルミル−α’−(4−イソプロピルフェニル)−L−プロリン、cis−N−ホルミル−α’−(4−tert−ブチルフェニル)−L−プロリン等を挙げることができる。
これらの中でも特に、非対称ケトン化合物をトリクロロシランで還元して光学活性二級アルコール化合物を製造する際の活性化剤として使用したときに高い光学収率が期待できると言う観点から、cis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチルフェニル)−L−プロリン、cis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリメチルフェニル)−L−プロリン等を使用するのが好適である。
前記式(I)で示される光学活性プロリン誘導体の構造は、下記(1)〜(3)により確認することができる。
(1) H−核磁気共鳴スペクトルを測定することにより、化合物中に存在する水素原子の結合様式を知ることができる。例えば、7.0ppm付近にホルミル基の水素のスペクトルを示す。
(2) 赤外吸収スペクトルを測定することにより、化合物の官能基に由来する特性吸収を観察することができる。例えば、1750cm−1付近にカルボニル基の吸収スペクトルを示す。
(3) 元素分析を測定し、前記式(I)で示される光学活性プロリン誘導体の炭素、水素、窒素、酸素の成分比が測定される。従って、分子式を決定することができる。
前記式(I)で示される光学活性プロリン誘導体は、新規化合物であるため試薬として入手することができないが、例えば以下に示す方法によって好適に合成することができる。
即ち、下記式(II)
Figure 0004618781
(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
で示されるプロリンアルキルエステル誘導体を出発原料として、下記式(III)
Figure 0004618781
(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体を得た後に該メトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体を下記式(IV)
Figure 0004618781
(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数6〜12のアリール基である。)
で示される光学活性プロリン誘導体前駆体へ転化させ、更にこれを単離した後、該前駆体を光学分割してから加水分解することにより好適に製造することができる。
以下、上記方法について更に詳しく説明する。
上記方法で原料として使用するプロリンアルキルエステル誘導体は前記式(II)で示される。なお、式中のRは、炭素数1〜6のアルキル基を意味し、好適な炭素数1〜6のアルキル基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等を挙げることができる。
前記式(II)で示されるプロリンアルキルエステル誘導体を具体的に例示すると、1−ホルミル−L−プロリンメチルエステル、1−ホルミル−L−プロリンエチルエステル、1−ホルミル−L−プロリンイソプロピルエステル、1−ホルミル−L−プロリンn−プロピルエステル、1−ホルミル−L−プロリンn−ブチルエステル、1−ホルミル−L−プロリンtert−ブチルエステル、1−ホルミル−L−プロリンn−ペンチルエステル、1−ホルミル−L−プロリンn−ヘキシルエステル等を挙げることができる。これらの中でも、特に合成が容易な、1−ホルミル−L−プロリンメチルエステル、1−ホルミル−L−プロリンエチルエステル等が好適に用いられる。
前記式(II)で示されるプロリンアルキルエステル誘導体は、試薬として或いは工業原料として入手容易なL−プロリンを出発物質として、塩化水素存在下、炭素数1〜6のアルコール化合物と反応させてL−プロリンアルキルエステル塩酸塩を合成した後、塩基存在下、ギ酸エチルと反応させることによって合成することができる。
前記式(II)で示されるプロリンアルキルエステル誘導体から上記一般式(III)で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体への変換反応は、いかなる方法を用いても良いが、メタノール或いはメタノールを含む混合溶媒中、支持電解質の存在下に、電解酸化することによって製造することが好適である(以下、この反応を「反応A」とする。)。
反応Aに用いる支持電解質としては、メタノール或いはメタノールを含む混合溶媒に溶解する塩であれば何等制限なく使用できるが、一般的には第四級アンモニウム塩を用いるのが好ましい。これらを具体的に例示すると、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムトルエンスルホネート、テトラエチルアンモニウムトルエンスルホネート、テトラブチルアンモニウムトルエンスルホネート等を挙げることができる。
反応Aに用いられる支持電解質の量としては特に制限は無いが、あまり量が少ないと電圧が高くなり、あまり量が多いと支持電解質を溶解させる大量の有機溶媒が必要となるため、通常上記一般式(II)で示されるプロリンアルキルエステル誘導体に対して0.01〜3モル、さらには0.1〜2.5モルの範囲から選択するのが好適である。電解方法としては、定電位法と定電流法が用いられるが、反応時間を短縮できる点から定電流法が好適である。反応Aの電流密度としては、上記一般式(II)で示されるプロリンアルキルエステル誘導体の種類によってそれぞれ固有の値を持つものであるため一概には言えないが、通常1〜300mA/cm、さらには2〜200mA/cmの範囲から選択するのが好適である。また、通電量は、上記一般式(II)で示されるプロリンアルキルエステル誘導体に対して2F/molの通電量で充分であるが、通常2〜10F/molの範囲から、目的物の生成量を測定しながら選択される。
反応Aに用いられる有機溶媒としてはメタノール或いはメタノールを含む混合溶媒が一般的に用いられる。メタノールを含む混合溶媒としてはメタノールと相溶する溶媒との混合溶媒であり、一般的には水、アセトニトリル、プロピオニトリル、エタノールとメタノールとの混合溶媒から選ばれるのが好ましい。反応Aに用いられる溶媒の量としては特に制限は無いが、あまり量が多いと経済的ではなくあまり量が少ないと支持電解質が完全に溶解しなくなるため、通常、上記一般式(II)で示されるプロリンアルキルエステル誘導体の初期濃度が1〜60重量%、さらには2〜50重量%となる範囲から選択するのが好適である。
本反応Aは、特別な電解槽を必要とせず、好ましくは無隔膜の電解槽内で実施される。陽極としては、電解条件下で安定な陽極材料をすべて使用できるが、好ましくは白金、金、グラファイト電極が用いられる。陰極材料としても、電解条件下で安定な陰極材料をすべて使用できるが、好ましくは銅、ニッケル、白金、金、グラファイト電極が用いられる。
電解温度は特に制限されないが、溶媒にメタノールを使用していることから通常メタノールの沸点以下の温度で実施される。
以上の電解条件で、上記一般式(II)で示されるプロリンアルキルエステル誘導体の電解酸化を行うと、上記一般式(III)で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体が製造される。該化合物を単離する方法としては特に制限されるものは無い。一例を挙げると、反応終了後、反応液を減圧留去し、反応残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液を加える。その後、この水溶液から有機溶媒可溶成分を、酢酸エチルを用いて抽出し、酢酸エチル溶液を乾燥、留去することによって、単離することができる。
このようにして単離された上記一般式(III)で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体は、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製された後、前記式(IV)で示される光学活性プロリン誘導体前駆体への変換反応へ供される。
前記式(III)で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体から前記式(IV)で示される光学活性プロリン誘導体前駆体への変換反応は、いかなる方法を用いても良いが、有機溶媒中ルイス酸触媒下、ベンゼン誘導体を反応させることによって製造することが好適である(以下、この反応を「反応B」とする。)。
反応Bに用いられるルイス酸触媒としては、市販の試薬が何等制限無く使用できる。それらを具体的に例示すると、四塩化錫、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、三塩化鉄、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等を挙げることができる。これらの中でも、特に高い収率が期待できる、四塩化錫、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等を好適に使用することができる。使用するルイス酸の量としては、特に制限は無いが、あまり量が少ないと反応速度が遅くなり、あまり量が多いとルイス酸の後処理工程が煩雑となるため、用いる上記一般式(III)で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体1モルに対して0.01〜5モル、さらには0.1〜2モルの範囲から選択するのが好適である。
反応Bで使用されるベンゼン誘導体としては、市販される試薬が何等制限なく使用できる。これらを具体的に例示すると、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン等を挙げることができる。これらの中でも、還元反応で高い光学純度が期待できる、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン等を好適に使用することができる。使用するベンゼン誘導体の量としては、量論反応である上に、溶媒を兼務することができるため、通常上記一般式(III)で示されるメトキシ化プロリンエチルエステル誘導体1モルに対して1モル以上使用すれば特に制限はないが、他の有機溶媒を用いる場合には、1〜10モル、好ましくは1〜5モルの範囲から選択するのが良い。
反応Bでは、ベンゼン誘導体を溶媒として用いない場合には、通常、有機溶媒中で行うのが一般的である。用いる溶媒の種類としては、ルイス酸と反応しない溶媒を何等制限なく使用される。それらを具体的に例示すると、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ニトロベンゼン等を挙げることができる。これらの溶媒の中でも特に、反応基質の溶解性が高く、また高収率を期待できる塩化メチレンが好適に使用される。本反応Bに用いられる溶媒の量としては特に制限は無いが、あまり量が多いと経済的ではなくあまり量が少ないと支持電解質が完全に溶解しなくなるため、通常、上記一般式(III)で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体の初期濃度が1〜60重量%、さらには2〜50重量%となる範囲から選択するのが好適である。
反応Bの温度については特に制限はないが、あまり温度が低いと反応が進行せず、あまり高いと副反応が助長されるため、通常−20〜60℃、好ましくは−10〜40℃の範囲から選択するのが好ましい。
反応Bの反応時間としては、反応温度及び触媒の量によって大きく異なるため、一概には言えないが、通常1〜30時間もあれば十分である。
以上により得られた前記式(IV)で示される光学活性プロリン誘導体前駆体を単離する方法としては特に制限されるものは無い。一例を挙げると、反応終了後、反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機溶媒可溶成分を、塩化メチレンを用いて抽出し、塩化メチレン溶液を乾燥、留去することによって、単離することができる。
このようにして単離された式(IV)で示される光学活性プロリン誘導体前駆体は、シス体、トランス体の混合物である。これに対し、前記式(I)で示される光学活性プロリン誘導体はシス体であるため、該化合物を得るためには、定法に従い上記一般式(IV)で示される光学活性プロリン誘導体前駆体を分割し、その後加水分解をしてカルボン酸に変換すればよい。
前記式(IV)で示される光学活性プロリン誘導体前駆体の光学分割方法としては特に制限はないが、一般的には該化合物をヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒に溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーによって分割することができる。
また、光学分割された光学活性プロリン誘導体前駆体を加水分解するには、例えば該化合物をメタノールに溶解させた後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて室温下2時間程度反応させればよい。反応終了後、水溶液に酢酸エチルを加えて有機溶媒可溶分を除去した後、該水溶液を亜硫酸ナトリウム水溶液で中和する。中和後、塩化メチレンを加えて抽出し、抽出液を乾燥、留去することによって目的物を得ることができる。
このようにして製造される本発明の光学活性プロリン誘導体は、トリクロロシランを還元剤として使用する際の活性化剤として有用であり、例えば、トリクロロシランを還元剤として非対称ケトン化合物から光学活性二級アルコール化合物を製造する場合に本発明の光学活性プロリン誘導体を活性化剤として使用することにより80%以上という高い光学純度の目的物を製造することができる。
以下に、本発明の光学活性プロリン誘導体の用途として、該誘導体を活性化剤として使用して非対称ケトン化合物をトリクロロシランで還元して光学活性二級アルコール化合物を製造する方法(本発明のアルコール製法)について説明する。
本発明のアルコール製法では、非対称ケトン化合物をトリクロロシランで還元して光学活性二級アルコール化合物を製造する。すなわち、上記の還元反応では,原料となる非対称ケトン化合物の−C(=O)−基が、−CH(−OH)−基に還元され、二級炭素にOH基が結合した光学活性二級アルコール化合物が得られる。従って、本発明では、目的物である光学活性二級アルコール化合物の構造に応じて、原料として使用する非対称ケトン化合物が一義的に決定されることになる。
本発明のアルコール製法で原料として使用される非対称ケトン化合物としては、目的とする光学活性二級アルコール化合物の種類に応じて、試薬或いは工業原料として入手容易な非対称ケトン化合物が何等制限なく用いられる。
これらの非対称ケトン化合物を具体的に例示すると、2−ブタノン、2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、2−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、6−ウンデカノン等の炭素数4〜20の鎖状脂肪族ケトン化合物;2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン等の炭素数6〜20の環状脂肪族ケトン化合物;アセトフェノン、1−(4−クロロフェニル)−1−エタノン、1−(2−クロロフェニル)−1−エタノン、1−(4−フルオロフェニル)−1−エタノン、1−(2−フルオロフェニル)−1−エタノン、1−(4−メチルフェニル)−1−エタノン、1−(2−メチルフェニル)−1−エタノン、1−(4−ニトロフェニル)−1−エタノン、1−(4−tert−ブチルフェニル)−1−エタノン、1−(4−メトキシフェニル)−1−エタノン、1−(4−アリルオキシカルボニルフェニル)−1−エタノン、1−フェニル−2−プロパノン、4−オキソ−4−フェニルブタン酸メチル、4−オキソ−4−フェニルブタン酸エチル、1−フェニル−2−ブタノン、4−フェニル−2−ブタノン、2−フェニルシクロペンタノン、2−フェニルシクロヘプタノン、9−アセチルアントラセン、2−アセチルビフェニル、4−アセチルビフェニル、アセチルピラジン、2−アセチルピリジン、3−アセチル−2,4−ジメチルチアゾール、3−アセチル−2,5−ジメチルチオフェン、2−アセチルフルオレン、2−アセチルフラン、3−アセチルインドール、2−アセチル−5−メチルフラン、2−アセチル−3−メチルチオフェン、2−アセチルナフタレン、2−アセチルフェナントレン、3−アセチルフェナントレン、9−アセチルフェナントレン、2−アセチルチアゾール、2−アセチルチオフェン等の炭素数6〜20までの芳香族ケトン化合物;3−フェニル−1−インダノン、4−アセチル−1−メチルシクロヘキセン、2−アセチル−5−ノルボルネン等のアラルキルケトン化合物等を挙げることができる。
これらの化合物の中でも特に高い収率が期待できるアセトフェノン、1−(4−クロロフェニル)−1−エタノン、1−(2−クロロフェニル)−1−エタノン、1−(4−フルオロフェニル)−1−エタノン、1−(2−フルオロフェニル)−1−エタノン、1−(4−メチルフェニル)−1−エタノン、1−(2−メチルフェニル)−1−エタノン、1−(4−ニトロフェニル)−1−エタノン、1−(4−tert−ブチルフェニル)−1−エタノン、1−(4−メトキシフェニル)−1−エタノン、1−(4−アリルオキシカルボニルフェニル)−1−エタノン、1−フェニル−2−プロパノン、4−オキソ−4−フェニルブタン酸メチル、4−オキソ−4−フェニルブタン酸エチル、1−フェニル−2−ブタノン、4−フェニル−2−ブタノン、2−フェニルシクロペンタノン、2−フェニルシクロヘプタノン、9−アセチルアントラセン、2−アセチルビフェニル、4−アセチルビフェニル、アセチルピラジン、2−アセチルピリジン、3−アセチル−2,4−ジメチルチアゾール、3−アセチル−2,5−ジメチルチオフェン、2−アセチルフルオレン、2−アセチルフラン、3−アセチルインドール、2−アセチル−5−メチルフラン、2−アセチル−3−メチルチオフェン、2−アセチルナフタレン、2−アセチルフェナントレン、3−アセチルフェナントレン、9−アセチルフェナントレン、2−アセチルチアゾール、2−アセチルチオフェン等の炭素数6〜20までの芳香族ケトン化合物の中から選ばれる非対称ケトン化合物が好適に使用できる。
本発明のアルコール製法で還元剤として使用されるトリクロロシランとしては、試薬や工業原料として市販されているものが特に制限なく使用できる。トリクロロシランは、一般に高純度シリコンの原料として使用されるため、極めて高純度のものが市販されており、特に精製等を行うことなくこれらを使用することができる。
本発明における非対称ケトン化合物とトリクロロシランとの反応は、量論反応であるため、トリクロロシランの使用量としては、非対称ケトン化合物1モルに対して1モル以上使用すれば特に制限は無いが、あまり量が多いと、後処理の中和工程において副生するシリカの除去操作が煩雑となるため、通常、非対称ケトン化合物1モルに対して1〜5モル、好ましくは1〜3モルの範囲から採用するのが良い。
本発明のアルコール製法では、非対称ケトン化合物とトリクロロシランとの反応を前記式(I)で示される光学活性プロリン誘導体の存在下に行なう必要がある。該光学活性プロリン誘導体はトリクロロシランの活性化剤として機能し、該化合物を使用することにより生成する二級アルコール化合物の光学活性を高くすることができる。
本発明において前記式(I)で示される光学活性プロリン誘導体の使用量としては特に制限は無いが、あまり量が少ないと反応速度が著しく小さくなり、あまり量が多いと、後処理工程での除去操作が煩雑となる上に、経済的にも不利になることから、通常、非対称ケトン化合物1モルに対して0.01〜5モル、好ましくは0.05〜3モルの範囲から選択されるのが良い。
また、本発明に於いては、前記式(I)で示される光学活性プロリン誘導体は繰り返しての使用が可能である。
本発明のアルコール製法における反応は、通常有機溶媒中で実施される。本発明において使用される有機溶媒については、還元反応を阻害しない有機溶媒が何等制限無く使用できる。これらの有機溶媒を具体的に例示すると、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラハイドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルカーボネート等のカーボネート類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類を挙げることができる。これらの中でも、特に高い光学収率が期待できる、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、エステル類、芳香族炭化水素類、カーボネート類が好適に採用される。
なお、本発明においては、水は阻害因子として作用するため、上記溶媒は乾燥して用いるのが好ましい。溶媒の乾燥方法としては、溶媒の種類によって最適な乾燥方法が異なるため、一概には言えないが、塩化カルシウム、ゼオライト、硫酸マグネシウム等の脱水剤或いはカルシクムハイドライド等の水素化物と溶媒を接触させた後、蒸留等の操作によって、乾燥溶媒を調整することができる。
本発明におけるこれらの有機溶媒の使用量としては、特に制限は無いが、あまり量が多いと、一バッチあたりの収量が少なくなるため経済的ではなく。あまり量が少ないと攪拌等に支障をきたすため、通常、非対称ケトン化合物の濃度が0.1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%となるように有機溶媒を使用することが好ましい。
本発明のアルコール製法における操作手順は特に制限されないが、例えば、反応容器中に非対称ケトン化合物、上記一般式(I)で示される光学活性プロリン誘導体及び有機溶媒を加えた後、所定の温度でトリクロロシランを添加することで実施される。
本発明における反応温度としては特に制限は無いが、あまり温度が高いと副反応を助長し、あまり温度が低いと反応速度が著しく小さくなるため、通常、−78〜50℃、好ましくは−30〜40℃の範囲で行われるのが良い。本発明における反応時間としては、用いる非対称ケトン化合物の種類によって異なるため一概には言えないが、通常1〜50時間もあれば十分である。本発明は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。また、本発明は、水が反応阻害因子として作用するため、通常、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体雰囲気下、或いは乾燥空気雰囲気下で行われることが好ましい。
このようにして得られた、光学活性二級アルコール化合物の単離生成方法としては特に制限は無く公知の方法が採用される。例えば、反応液に、メタノール或いは水を加えた後、析出物があればこれをろ過し、水に相溶しない有機溶媒を加えて抽出する。得られた有機溶媒を乾燥し、溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー等によって分離精製することで、単離することができる。
以下、実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等制限されるものではない。
製造例1
容量300mlのビーカー型無隔膜電解セル内に、温度計と白金電極(縦3cm×横10cm)2枚を取り付け、一方を陰極、一方を陽極にした。この電解セルに、N−ホルミル−L−プロリンメチルエステル7.85g(50mmol)、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(和光純薬試薬特級)4.34g(20mmol)、メタノール(和光純薬試薬特級)20ml、アセトニトリル(和光純薬試薬特級)180mlを加えた。電解セルを氷水で冷却し、反応液をマグネチックスターラーで攪拌しながら定電流値200mAの条件下に、4F/molの電気量を通電した。反応終了後、反応溶媒を留去し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加えた。得られた水溶液を酢酸エチル50mlで2回抽出した。得られた酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムトグラフィー(展開液 酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)で精製することにより、N−ホルミル−α’−メトキシ−L−プロリンメチルエステルのジアステレオマーの混合物7.2g(37.5mmol、収率75%)を取得した。
実施例1
(1)式(IV)で示される化合物の合成
50mlの茄子型フラスコに、1.0Mの四塩化錫の塩化メチレン溶液3ml、製造例1で調製したN−ホルミル−α’−メトキシ−L−プロリンメチルエステルのジアステレオマー混合物561mg(3mmol)、1,3,5−トリエチルベンゼン(和光純薬試薬特級)0.85ml(4.5mmol)、塩化メチレン10mlを加えて0℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液10mlを加え、塩化メチレン10ml×2で抽出操作を行った。
得られた塩化メチレン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、塩化メチレンを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムトグラフィー(展開液 酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)したところ、薄層クロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)におけるRf=0.22の液体250mgとRf=0.24の液体245mgを取得した。
まず、Rf=0.22の化合物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、1754cm−1にカルボニル基に基づく吸収を得た。さらに核磁気共鳴スペクトル(σ:ppm:テトラメチルシラン基準:重クロロホルム溶媒)を測定した結果は次の通りである。
Figure 0004618781
7.87ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(a)のホルミル基のプロトンに相当した。6.82〜7.10ppmに水素原子2個分のブロードピークを観測し、(b)及び(c)のベンゼン環のプロトンに相当した。5.02ppmに水素原子1個分のダブルダブレットピークを観測し(e)のメチン基のプロトンに相当した。4.50〜4.58ppmに水素原子1個分のマルチプレットピークを観測し、(d)のメチン基のプロトンに相当した。3.80ppmに水素原子3個分のシングレットピークを観測し、(f)のメチル基のプロトンに相当した。2.05〜2.95ppmに水素原子10個分のマルチプレットピークを観測し、(g)、(h)、(i)のメチレン基のプロトンに相当した。1.10〜1.30ppmに水素原子9個分のマルチプレットピークを観測し、(j)のメチル基のプロトンに相当した。
また、元素分析を測定した結果、計算値C:71.89%、H:8.57%、N:4.41%に対して、測定値C:71.92%、H:8.42%、N:4.43%と一致したので、分子式はC19H27NOと決定した。
上記の結果から単離生成物(Rf=0.22の化合物)がcis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンメチルエステルであることが明らかとなった。単離収率は26%であった。また、この化合物の25℃の旋光度は〔α〕D 25=−95.2(C=0.50、クロロホルム)であった。
次に、Rf=0.24の化合物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、1748cm−1にカルボニル基に基づく吸収を得た。さらに核磁気共鳴スペクトル(σ:ppm:テトラメチルシラン基準:重クロロホルム溶媒)を測定した結果は次の通りである。
Figure 0004618781
7.79ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(a)のホルミル基のプロトンに相当した。6.99ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(b)のベンゼン環のプロトンに相当した。6.88ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(c)のベンゼン環のプロトンに相当した。5.29〜5.36ppmに水素原子1個分のマルチプレットピークを観測し(e)のメチン基のプロトンに相当した。4.62ppmに水素原子1個分のトリプレットピークを観測し、(d)のメチン基のプロトンに相当した。3.80ppmに水素原子3個分のシングレットピークを観測し、(f)のメチル基のプロトンに相当した。2.01〜2.79ppmに水素原子10個分のマルチプレットピークを観測し、(g)、(h)、(i)のメチレン基のプロトンに相当した。1.10〜1.30ppmに水素原子9個分のマルチプレットピークを観測し、(j)のメチル基のプロトンに相当した。
また、元素分析を測定した結果、計算値C:71.89%、H:8.57%、N:4.41%に対して、測定値C:71.96%、H:8.41%、N:4.39%と一致したので、分子式はC19H27NOと決定した。
上記の結果から単離生成物(Rf=0.24の化合物)がtrans−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンメチルエステルであることが明らかとなった。単離収率は25%であった。また、この化合物の25℃の旋光度は〔α〕D 25=−140.2(C=1.10、クロロホルム)であった。
(2) 式(I)で示される化合物の合成(Rf=0.22の化合物からの合成)
上記のようにしてで得られたcis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンメチエステル159mg(0.5mmol)、水4ml、水酸化ナトリウム(和光試薬特級)24mg(0.6mmol)及びメタノール1mlを10mlの茄子型フラスコに入れ、室温下2時間反応させた。
反応終了後、酢酸エチル10mlを加えて、水相を分離した後、水相に硫酸水素ナトリウムを加えて酸性にし、塩化メチレン10mlで三回抽出した。得られた塩化メチレン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、塩化メチレンを留去することにより白色結晶を145mg取得した。
この化合物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、3500cm−1のカルボン酸のプロトンに基づく吸収を、1754cm−1にカルボニル基に基づく吸収を得た。さらに核磁気共鳴スペクトル(σ:ppm:テトラメチルシラン基準:重クロロホルム溶媒)を測定した結果は次の通りである。
Figure 0004618781
7.96ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(a)のホルミル基のプロトンに相当した。6.98ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(b)のベンゼン環のプロトンに相当した。6.89ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(c)のベンゼン環のプロトンに相当した。5.21ppmに水素原子1個分のダブルダブレットピークを観測し(e)のメチン基のプロトンに相当した。4.75ppmに水素原子1個分のダブレットピークを観測し、(d)のメチン基のプロトンに相当した。2.00〜2.80ppmに水素原子1個分のブロードピークを観測し、(f)のカルボン酸のプロトンに相当した。2.88ppmに水素原子1個分のダブルダブレットピークを観測し、(g)のメチレン基のプロトンに相当した。2.05〜2.85ppmに水素原子9個分のマルチプレットピークを観測し、(g’)、(h)、(i)のメチレン基のプロトンに相当した。1.10〜1.30ppmに水素原子9個分のマルチプレットピークを観測し、(j)のメチル基のプロトンに相当した。
また、元素分析を測定した結果、計算値C:71.26%、H:8.31%、N:4.62%に対して、測定値C:71.41%、H:8.55%、N:4.67%と一致したので、分子式はC18H25NOと決定した。
上記の結果から単離生成物がcis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンであることが明らかとなった。加水分解の収率は96%であった。
また、この化合物の25℃の旋光度は〔α〕D 25=−135.5(C=0.50、クロロホルム)であり、融点は132〜133℃であった。
(3) 式(1)で示される化合物の光学異性体の合成
次に、参照実験用のために、単離したRf=0.24の化合物からの合成から式(I)で示される化合物の光学異性体(トランス体)を合成した。即ち、単離したtrans−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンメチエステル159mg(0.5mmol)、水4ml、水酸化ナトリウム(和光試薬特級)24mg(0.6mmol)及びメタノール1mlを10mlの茄子型フラスコに入れ、室温下2時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル10mlを加えて、水相を分離した後、水相に硫酸水素ナトリウムを加えて酸性にし、塩化メチレン10mlで三回抽出した。得られた塩化メチレン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、塩化メチレンを留去することにより、白色結晶を145mg取得した。
この化合物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、3460cm−1のカルボン酸のプロトンに基づく吸収を、1749cm−1にカルボニル基に基づく吸収を得た。
さらに核磁気共鳴スペクトル(σ:ppm:テトラメチルシラン基準:重クロロホルム溶媒)を測定した結果は次の通りである。
Figure 0004618781
7.77ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(a)のホルミル基のプロトンに相当した。7.00ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(b)のベンゼン環のプロトンに相当した。6.89ppmに水素原子個分のシングレットピークを観測し、(c)のベンゼン環のプロトンに相当した。5.24〜5.30ppmに水素原子1個分のマルチプレットピークを観測し、(e)のメチン基のプロトンに相当した。5.20〜4.60ppmに水素原子1個分のブロードピークを観測し、(f)のカルボン酸のプロトンに相当した。4.67〜4.73ppmに水素原子1個分のダブレットピークを観測し、(d)のメチン基のプロトンに相当した。2.20〜2.79ppmに水素原子10個分のマルチプレットピークを観測し、(g)、(h)、(i)のメチレン基のプロトンに相当した。1.10〜1.30ppmに水素原子9個分のマルチプレットピークを観測し、(j)のメチル基のプロトンに相当した。
また、元素分析を測定した結果、計算値C:71.26%、H:8.31%、N:4.62%に対して、測定値C:71.38%、H:8.50%、N:4.61%と一致したので、分子式はC18H25NOと決定した。
上記の結果から単離生成物がtrans−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンであることが明らかとなった。加水分解の収率は96%であった。
また、この化合物の25℃の旋光度は〔α〕D 25=−191.0(C=0.50、クロロホルム)であり、融点は140〜141℃であった。
実施例2
(1) 式(I)で示される化合物の合成
トリエチルベンゼンに代えてトリメチルベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、cis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンメチルエステル及びtrans−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンメチルエステルを各々25%の収率で取得した。
次に、得られたcis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンメチルエステルをさらに実施例2と同様の操作を行ったところ、白色固体を124mg得た。
この化合物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、3490cm−1のカルボン酸のプロトンに基づく吸収を、1745cm−1にカルボニル基に基づく吸収を得た。
さらに核磁気共鳴スペクトル(σ:ppm:テトラメチルシラン基準:重クロロホルム溶媒)を測定した結果は次の通りである。
Figure 0004618781
7.87ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(a)のホルミル基のプロトンに相当した。6.84ppmに水素原子2個分のシングレットピークを観測し、(b)のベンゼン環のプロトンに相当した。5.10〜5.20ppmに水素原子1個分のマルチプレットピークを観測し、(d)のメチン基のプロトンに相当した。4.62〜4.75ppmに水素原子1個分のマルチプレットピークを観測し、(c)のメチン基のプロトンに相当した。3.10〜2.79ppmに水素原子1個分のブロードピークを観測し、(e)のカルボン酸のプロトンに相当した。1.95〜2.85ppmに水素原子13個分のマルチプレットピークを観測し、(f)のメチレン基、(g)のメチル基のプロトンに相当した。
また、元素分析を測定した結果、計算値C:68.94%、H:7.33%、N:5.36%に対して、測定値C:68.94%、H:7.33%、N:5.36%と一致したので、分子式はC15H19NOと決定した。
上記の結果から単離生成物がcis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリメチル)フェニル−L−プロリンであることが明らかとなった。加水分解の収率は95%であった。また、この化合物の25℃の旋光度は〔α〕D 25=−51.8(C=0.25、クロロホルム)であり、融点は127〜130℃であった。
(3) 式(1)で示される化合物の光学異性体の合成
上記操作の過程で得られたtrans−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンメチルエステルを実施例1と同様の操作を行ったところ、白色固体を124mg得た。この化合物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、3450cm−1のカルボン酸のプロトンに基づく吸収を、1743cm−1にカルボニル基に基づく吸収を得た。さらに核磁気共鳴スペクトル(σ:ppm:テトラメチルシラン基準:重クロロホルム溶媒)を測定した結果は次の通りである。
Figure 0004618781
7.80ppmに水素原子1個分のシングレットピークを観測し、(a)のホルミル基のプロトンに相当した。6.88ppmに水素原子2個分のシングレットピークを観測し、(b)のベンゼン環のプロトンに相当した。5.25〜5.35ppmに水素原子1個分のマルチプレットピークを観測し、(d)のメチン基のプロトンに相当した。4.60〜4.70ppmに水素原子1個分のマルチプレットピークを観測し、(c)のメチン基のプロトンに相当した。2.50〜3.00ppmに水素原子1個分のブロードピークを観測し、(e)のカルボン酸のプロトンに相当した。2.10〜2.55ppmに水素原子13個分のマルチプレットピークを観測し、(f)のメチレン基、(g)のメチル基のプロトンに相当した。
また、元素分析を測定した結果、計算値C:68.94%、H:7.33%、N:5.36%に対して、測定値C:68.81%、H:7.38%、N:5.23%と一致したので、分子式はC15H19NOと決定した。
上記の結果から単離生成物がtrans−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリメチル)フェニル−L−プロリンであることが明らかとなった。加水分解の収率は95%であった。また、この化合物の25℃の旋光度は〔α〕D 25=−165.6(C=0.50、クロロホルム)であり、融点は131〜133℃であった。
実施例3(第二級アルコール合成の例)
窒素雰囲気下、10mlの茄子型フラスコにアセトフェノン(和光純薬試薬特級)36mg(0.3mmol)、cis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリン9mg(0.03mmol)、塩化メチレン1.5mlを加え、氷冷下攪拌する。この溶液に、トリクロロシラン(信越化学社製)0.09ml(0.9mmol)を溶解させた塩化メチレン溶液0.5mlを添加し、0℃で30分、室温で24時間反応させた。
反応終了後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を10ml加えて、過剰のトリクロロシランを分解させ、塩化メチレン10ml×3で抽出を行った。得られた塩化メチレン溶液を乾燥した後、塩化メチレンを留去、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開液 酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で単離精製したところ、(R)−1−フェニル−1−エタノールが27mg(収率74%)取得できた。また、該化合物の光学純度を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、95%eeであった。
実施例4
実施例3で行った塩化メチレン抽出後の水相を硫酸水素ナトリウム水溶液で中和し、さらに塩化メチレン10ml×3で抽出し、得られた溶液を乾燥、塩化メチレンを留去することで、cis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンを回収した。この回収した該化物を用いて実施例3と同様の操作を行ったところ、(R)−1−フェニル−1−エタノールが27mg(収率74%)取得できた。また、該化合物の光学純度を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、95%eeであった。
実施例5
実施例4と同様の操作をさらに3回繰り返した。その結果を表1に示した。
Figure 0004618781
実施例6
光学活性プロリン誘導体をcis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリメチル)フェニル−L−プロリンに代えた以外は実施例4と同様の操作を行った。その結果、(R)−1−フェニル−1−エタノールが26mg(収率73%)取得できた。また、該化合物の光学純度を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、89%eeであった。
実施例7〜18
表2に示した非対称ケトンを用いた以外は実施例4と同様の操作を行った。その結果を、表2に示した。
Figure 0004618781
実施例19
溶媒をクロロホルムに代え、反応時間を6時間とした以外は実施例3と同様の操作を行った。その結果、(R)−1−フェニル−1−エタノールが33mg(収率90%)取得できた。また、該化合物の光学純度を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、97%eeであった。
実施例20〜31
表3に示した非対称ケトンを用いた以外は実施例19と同様の操作を行った。
Figure 0004618781
実施例32
トリクロロシランの使用量を0.45mmolに代えた以外は実施例19と同様の操作を行った。その結果、(R)−1−フェニル−1−エタノールが33mg(収率90%)取得できた。また、該化合物の光学純度を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、97%eeとなった。
実施例33
実施例19で行った塩化メチレン抽出後の水相を硫酸水素ナトリウム水溶液で中和し、さらに塩化メチレン10ml×3で抽出し、得られた溶液を乾燥、塩化メチレンを留去することで、cis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンを定量的に回収した。回収した該化合物を触媒として用い、実施例19の操作及び上記回収操作を4回繰り返した。その結果を表4に示した。
Figure 0004618781
比較例1
光学活性プロリン誘導体をtrans−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリエチル)フェニル−L−プロリンに代えた以外は実施例3と同様の操作を行った。その結果、1−フェニル−1−エタノールが1mg(収率3%)しか取得できなかった。また、該化合物の光学純度を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、0%eeであった。
比較例2
光学活性プロリン誘導体をtrans−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリメチル)フェニル−L−プロリンに代えた以外は実施例3と同様の操作を行った。その結果、(R)−1−フェニル−1−エタノールが6mg(収率25%)取得できた。また、該化合物の光学純度を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、わずかに25%eeであった。
比較例3
光学活性プロリン誘導体をcis−N−ホルミル−α’−(2,4,6−トリメチル)フェニル−L−プロリンメチルエステルに代えた以外は実施例3と同様の操作を行った。その結果、(R)−1−フェニル−1−エタノールがわずかに1mg(収率3%)取得できた。また、該化合物の光学純度を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、70%eeであった。

Claims (4)

  1. 下記式(I)
    Figure 0004618781
    (但し、Rは炭素数6〜12のアリール基である。)
    で示される光学活性プロリン誘導体。
  2. 請求項1に記載の光学活性プロリン誘導体を製造する方法であって、下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする方法。
    (1) 下記式(II)
    Figure 0004618781
    (但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
    で示されるプロリンアルキルエステル誘導体をメタノール又はメタノールを含む混合溶媒からなる溶媒中で支持電解質の存在下に電解酸化して下記式(III)
    Figure 0004618781
    (但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
    で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体を合成する工程;
    (2) 前記式(III)で示されるメトキシ化プロリンアルキルエステル誘導体をルイス酸触媒下にベンゼン誘導体を反応させてトランス体及びシス体の混合物からなる下記式(IV)
    Figure 0004618781
    (但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは炭素数6〜12のアリール基である。)
    で示される化合物を合成する工程;及び
    (3) トランス体及びシス体の混合物からなる前記式(IV)で示される化合物からシス体を光学分割した後にこれを加水分解する工程
  3. 請求項1記載の光学活性プロリン誘導体の存在下に、非対称ケトン化合物をトリクロロシランで還元することを特徴とする光学活性二級アルコール化合物の製造方法。
  4. 請求項1記載の光学活性プロリン誘導体の、トリクロロシランの活性化剤としての使用。
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