JPH0830021B2 - 含フッ素エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素エーテル化合物の製造方法

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JPH0830021B2
JPH0830021B2 JP63322146A JP32214688A JPH0830021B2 JP H0830021 B2 JPH0830021 B2 JP H0830021B2 JP 63322146 A JP63322146 A JP 63322146A JP 32214688 A JP32214688 A JP 32214688A JP H0830021 B2 JPH0830021 B2 JP H0830021B2
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淳一郎 中島
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、下記一般式(I) で示される含フッ素エーテル化合物の新規な製造方法に
関する。
(従来技術及び発明が解決しようとする課題) 従来、含フッ素エーテル化合物の製造方法として、例
えば、下記式で示される炭化水素系又は含フッ素系アル
コール R CH2OH (Rはアルキル基又は含フッ素アルキル基である。) をNa,K等のアルコラートとした後、フルオロオレフィン
と反応させ、含フッ素エーテル化合物を合成する方法が
知られている。この場合、フルオロオレフィンとしてテ
トラフルオロエチレンを用いた場合、下記構造の含フッ
素エーテルが得られる。
R CH2OCF2CF2H しかし、下記一般式(II) で示される含フッ素カルボニル化合物に直接下記一般式
(III) で示される含フッ素オレフィンを反応させて含フッ素エ
ーテル化合物を得る方法は知られていない。
パーフルオロカルボン酸フロライド又はパーフルオロ
ケトンを活性化する触媒として、KF,CsF,NR4F(Rはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル
基)等のアルカリ金属フッ化物や第4級アンモニウムフ
ッ化物が知られているが、このような触媒をパーフルオ
ロカルボン酸フロライド又はパーフルオロケトンとパー
フルオロオレフィンとの反応に用いた場合、パーフルオ
ロオレフィンが活性化を受け、反応生成物としてパーフ
ルオロケトン又は反応後、酸で加水分解した場合にはパ
ーフルオロ第3級アルコールが得られるが、含フッ素エ
ーテル化合物は生成しない。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者らは上記した含フッ素エーテル化合
物の合成反応に活性な触媒をいろいろ探索した結果、Ag
Fが上記反応を有効に進行させる触媒であることを見出
し本発明を完成させるに到った。
即ち、本発明は一般式〔II〕 で示される含フッ素カルボニル化合物と、一般式〔II
I〕 で示される含フッ素オレフィンとを水素原子を有する非
プロトン性極性溶媒中でAgFの存在下に反応させること
を特徴とする一般式〔I〕 で示される含フッ素エーテル化合物の製造方法である。
本発明で原料として用いられる前記一般式(II)の含
フッ素カルボニル化合物中、▲R1 f▼で示されるパーフ
ルオロアルキル基の炭素数は特に制限されるものではな
いが、入手の容易さ等から炭素数1〜8の直鎖又は分岐
状のパーフルオロアルキル基が好ましい。次に前記一般
式(II)中、▲R2 f▼はフッ素原子又はパーフルオロア
ルキル基であればよいが、入手の容易さ等から、フッ素
原子又は炭素数1〜3の直鎖又は分岐状のパーフルオロ
アルキル基が好ましい。
前記一般式(II)で示される含フッ素カルボニル化合
物を具体的に例示すると、例えば、パーフルオロ酢酸フ
ロライド、パーフルオロプロピオン酸フロライド、パー
フルオロ酪酸フロライド、パーフルオロ吉草酸フロライ
ド、ビス(トリフロロメチル)ケトン、ビス(ペンタフ
ロロエチル)ケトン、ビス(ヘプタフロロプロピル)ケ
トン、トリフルオロメチルペンタフルオロエチルケト
ン、トリフルオロメチルヘプタフルオロプロピルケトン
等を挙げることができる。
次に本発明において、もう一方の原料となる前記一般
式(III)中、▲R3 f▼はフッ素原子又はパーフルオロ
アルキル基であればよいが、入手の容易さ等から、フッ
素原子又はトリフルオロメチル基が好ましい。
前記一般式(III)で示される含フッ素オレフィンと
しては、具体的には、テトラフルオロエチレン、ヘキサ
フルオロプロピレンが好適に用いられる。
本発明において、前記一般式(II)で示される含フッ
素カルボニル化合物と前記一般式(III)で示される含
フッ素オレフィンの反応は、水素原子を有する非プロト
ン性極性溶媒中でおこなわれる、非プロトン性極性溶媒
の有する水素原子は反応に関与し、生成物である含フッ
素エーテル化合物を構成する水素原子となる。従って、
生成物の収率向上のために含フッ素カルボニル化合物に
対して当モル以上の非プロトン性極性溶媒を用いること
が好ましい。非プロトン性極性溶媒としては、公知の溶
媒が何ら制限なく使用し得る。例えば、モノグライム、
ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジエチル
エーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル
類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリッ
クトリアミド等が好適に用いられる。
本発明においては触媒としてAgFが用いられる。AgFの
使用量は、特に制限されるものではないが、生成物であ
る含フッ素エーテル化合物の収率の観点から、原料であ
る含フッ素カルボニル化合物に対して、0.1〜4.0倍モ
ル、好ましくは0.3〜1.5倍モルの範囲から選択すること
が好ましい。
AgFのフッ素原子は反応に関与し、生成物である含フ
ッ素エーテル化合物を構成するフッ素原子となる。この
ために、AgFの使用量が原料である含フッ素カルボニル
化合物に対して当モル未満の場合には、F源の不足によ
って収率が低下する惧れがある。しかし、この場合も、
F源としてアルカリ金属フッ化物HgF2、TiF4又はNR4F
(但し、Rはアルキル基である)等のフッ化物を共存さ
せることによって、十分に高収率で反応を進行させるこ
とができる。アルカリ金属フッ化物としては、NaF、K
F、CsF等を用いることができる。上記フッ化物の使用量
はAgFとの合計量で含フッ素カルボニル化合物に対して
当モル以上となるように、また、AgFに対して4倍モル
以下の範囲から選択することが好ましい。
前記した原料の反応方法の代表的な例を示すと次のと
おりである。まず、上記した水素原子を有する非プロト
ン性極性溶媒及びAgFを攪拌機を有した耐圧反応容器内
に加え、次に前記一般式(II)で示される含フッ素カル
ボニル化合物を加える。
その後、前記一般式(III)で示される含フッ素オレ
フィンを反応容器に導入して反応をおこなう。含フッ素
オレフィンの使用量は、通常含フッ素カルボニル化合物
に対し、0.5〜10倍モル、好ましくは1〜5倍モルの範
囲から選ばれる。このような使用量は、含フッ素オレフ
ィンの反応容器中での圧力を1〜20kg/cm2の範囲から選
択することにより達成できる。
該反応における反応温度は、原料化合物の反応性、圧
力、触媒量等により一概に決定できないが、通常、0℃
〜120℃、好ましくは20℃〜100℃の範囲から選ばれる。
反応時間は、原料化合物の反応性、反応温度、触媒量等
により一概には決定できないが、数時間〜数十時間あれ
ば十分に反応を完結させることができる。
(効果) 本発明の方法により、含フッ素カルボニル化合物と含
フッ素オレフィンから、直接、溶媒あるいは合成原料と
して有用である含フッ素エーテル化合物を好収率で製造
することができる。
(実施例) 以下に本発明を具体的に説明するために実施例及び比
較例を掲げるが、本発明はこれらの実施例及び比較例に
限定されるものではない。
実施例1 攪拌機を有する容量100mlの耐圧反応器にAgF5.8g、テ
トラグライム35mlを入れたのち−80℃に冷却し、系内を
排気した。次に反応器にC2F5COF7.4gを導入し、反応器
を30℃に昇温して1時間攪拌をおこなった。次にテトラ
フルオロエチレンを7kg/cm2まで導入したのち、30℃で
テトラフルオロエチレンの圧力を7kg/cm2に保存したま
ま48時間反応を続けたところ、テトラフルオロエチレン
の吸収量が4.8gになったので残余のテトラフルオロエチ
レンを放出したのち、反応器をあけて内容物を取り出
し、蒸留によりC3F7OCF2CF2Hを7.3g得た。
該生成物の構造は1H−核磁気共鳴スペクトル(以下、
1H−NMRと略記する)、19F−核磁気共鳴スペクトル(以
下、19F−NMRと略記する)、赤外吸収スペクトル、質量
分析スペクトルを測定して確認した。
19F−NMR及び1H−NMRの測定結果は以下のとおりであ
った。
比較例1 実施例1において、AgFのかわりにCsFを用いたほか
は、実施例1と同様な操作をおこなったが、生成物は得
られず、原料を回収したのみであった。
実施例2 攪拌機を有する容量100mlの耐圧反応器にAgF4.5g、ジ
オキサン35mlを入れたのち、−20℃に冷却して系内を排
気した。次に反応器に(C2F5)2C=0 8.2gを導入し、反
応器を60℃に昇温し、1時間攪拌をおこなった。次にテ
トラフルオロエチレンを7kg/cm2まで導入したのち60℃
で24時間反応を続けた。反応終了後、残余のテトラフル
オロエチレンを放出したのち、反応器をあけ、内容物を
蒸留して(C2F5)2CFOCF2CF2Hを9.2g得た。
実施例3 実施例1及び2で詳細に説明したのと同様な方法によ
り、第1表に示した各種の溶媒35ml中でC3F7COF6.5gとC
F2=CF2からAgF4.0gを用いてC4F9OCF2CF2Hを合成した。
第1表に用いた溶媒と生成物の反応収率を示した。
実施例4 0.02モルの含フッ素カルボニル化合物及び含フッ素オ
レフィンとして第2表に示した化合物を用い、AgFを第
2表に示した量だけ用いた他は実施例1と同様にして含
フッ素エーテル化合物を得た。得られた含フッ素エーテ
ル化合物の種類と収率を第2表に示した。
実施例5 第3表に示したフッ化物とAgFを併用した他は、実施
例1と同様にしてC3F7OCF2CF2Hを得た。用いたフッ化物
と収率を第3表に示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 で示される含フッ素カルボニル化合物と、一般式 で示される含フッ素オレフィンとを水素原子を有する非
    プロトン性極性溶媒中でAgFの存在下に反応させること
    を特徴とする一般式 で示される含フッ素エーテル化合物の製造方法。
JP63322146A 1988-12-22 1988-12-22 含フッ素エーテル化合物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0830021B2 (ja)

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