JPH0590693U - 磁気ディスク装置の電磁遮蔽構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ディスク装置１１が搭載される情報機器
側との電気的絶縁性を向上させ、情報機器から磁気ディ
スク装置１１へのノイズの侵入を防止する。 【構成】 磁気ディスク装置１１は、磁気ディスク及び
磁気ヘッドなどの構成部品が設けられる装置基台５と、
この装置基台５に不導体のシール材を介して装着される
トップカバーとから構成される金属製筐体を備えてい
る。この金属製筐体を、前記シール材の周囲を覆う金属
製のシールド板１７と、前記金属製筐体の周囲を覆う樹
脂シート１５とを有する遮蔽カバー１３で覆う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、情報機器の外部記憶装置として利用される磁気ディスク装置の電 磁遮蔽構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

磁気ディスク装置は、情報機器の外部記憶装置として広く利用され、特に近年 では１．８インチ以下の小径の磁気ディスクを用いた小型のものが、ラップトッ プ型，ノートブック型などの小型のパーソナルコンピュータ、あるいは手書き入 力可能なポータブル型の情報機器や情報端末などに広く搭載されてきている。

【０００３】 ところで、上記したような小型の情報機器においては、直接ユーザが触れる筐 体などの外側部品は、樹脂などの電気的に絶縁性のある材料である場合が多いが 、内部のシャーシは、妨害電磁波の問題などの対策が必要なこともあって、金属 製である場合が多く、内蔵される磁気ディスク装置についてもその筐体は、金属 製で構成されている。

【０００４】 図４は、このような磁気ディスク装置の外観を示す斜視図である。この磁気デ ィスク装置の金属製筐体は、図５に示すように、磁気ディスク１及び磁気ヘッド アセンブリ３などの構成部品が設けられるアルミニウムなどからなる装置基台５ を備えている。この装置基台５は、上部が開放されており、この開放部は図６に 内面からの斜視図で示すような、鉄あるいはアルミニウムなどからなるトップカ バー７で閉じられる。トップカバー７の外周縁部の内面側には、全周にわたりゴ ムなどの電気的な不導体で構成されるトップカバーシール９が装着され、このト ップカバーシール９が、図４のＡ−Ａ断面図である図７で示すように、装置基台 ５とトップカバー７との間に介装されて両者間を密封することで、装置内部への 塵埃の侵入などが防止される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の磁気ディスク装置の電磁遮蔽構造では、磁気 ディスク装置を情報機器に取り付ける際に、装置基台５及びトップカバー７で構 成される金属製筐体が、情報機器の金属製のシャーシなどに接触していると、情 報機器側の表示部の駆動回路を始めとする高周波のノイズ電流が、金属製筐体内 に流れ込み、電気的にも接続された磁気ディスク装置の微弱な信号を取扱うヘッ ド・ディスクアセンブリに悪影響を及ぼし、リードエラーが発生するなど記録再 生動作に支障を来たす。また、装置基台５及びトップカバー７との間に介装され るトップカバーシール９は、ゴムなどの不導体で構成されているため、金属製の 装置基台５及びトップカバー７のように電磁遮蔽効果はなく、情報機器側で発生 するノイズがトップカバーシール９を通して装置内部に侵入し、前記と同様にリ ードエラーなどの不具合が発生する。

【０００６】 そこで、この考案は、磁気ディスク装置が搭載される情報機器側との電気的絶 縁性を向上させ、情報機器から磁気ディスク装置へのノイズの侵入を防止するこ とを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、この考案は、磁気ディスク及び磁気ヘッドなどの 構成部品が設けられる装置基台及び、この装置基台にシール材を介して装着され るトップカバーで構成される金属製筐体を備え、この金属製筐体を、前記シール 材の周囲を覆う金属製シールド材と、前記金属製筐体の周囲を覆う電気的な絶縁 性を備えた絶縁シート材とから構成される遮蔽カバーで覆う構成としてある。

【０００８】

【作用】

このような磁気ディスク装置の電磁遮蔽構造によれば、絶縁シート材は金属製 筐体の周囲を覆って金属製筐体と情報機器側との電気的接触を防止し、一方金属 製シールド材は装置基台とトップカバーとの間に介装されるシール材の周囲を覆 って電磁遮蔽を行う。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づき説明する。

【００１０】 図１は、情報機器に搭載される小型の磁気ディスク装置１１に、電磁遮蔽用の 遮蔽カバー１３が被せられた状態を示す斜視図である。この磁気ディスク装置１ １及びその筐体は、前記図４及び図５，図６に示した従来のものと同様であり、 筐体は妨害電磁波の問題などの対策から金属製となっている。

【００１１】 遮蔽カバー１３は、図２に斜視図で示すように、装置基台５の側面及びトップ カバー７の上面などの金属面を覆う樹脂製の絶縁シート材としての樹脂シート１ ５と、樹脂シート１５の内面に接着により張り付けられ、トップカバーシール９ を全周にわたり覆う金属製シールド材としての鉄箔のシールド板１７とから構成 されている。

【００１２】 樹脂シート１５は、トップカバー７の上面を覆う上面シート部１５ａと、四方 周囲を覆う側面シート部１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ，１５ｅとから構成されている 。左右の側面シート部１５ｂ，１５ｃには、磁気ディスク装置１１の情報機器へ のねじ止めによる取り付け部１９に対する逃げ部となる切欠２１が形成されてい る。また、側面シート部１５ｄは、磁気ディスク装置１１の情報機器への電気的 接続部となるコネクタ２３の邪魔にならないように、他の側面シート部１５ｂ， １５ｃ，１５ｅより図中で上下方向長さが短くなっている。

【００１３】 一方、シールド板１７は、少なくともトップカバーシール９を覆う構成であれ ばよく、中央に開口部１７ａが形成されて樹脂シート１５の上面シート部１５ａ の外周縁に接する上面部１７ｂと、側面シート部１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ，１５ ｅの上部周縁に接する側面部１７ｃとから構成されている。

【００１４】 樹脂シート１５の内面には、接着剤が塗布されており、この接着剤により、樹 脂シート１５の内面にシールド板１７が張り付けられるとともに、樹脂シート１ ５の側面シート部１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ，１５ｅが磁気ディスク装置１１の装 置基台５の四方側面に張り付けられる。

【００１５】 このような磁気ディスク装置の電磁遮蔽構造によれば、樹脂シート１５は、上 面シート部１５ａが金属製筐体のトップカバー７を、側面シート部１５ｂ，１５ ｃ，１５ｄ，１５ｅが金属製筐体の装置基台５の側面を、それぞれ覆っているの で、磁気ディスク装置１１の金属製筐体の情報機器側との電気的接触が防止され る。また、シールド板１７は、不導体のトップカバーシール９を全周にわたり覆 っているので、電磁遮蔽効果を発揮し、情報機器側で発生するノイズの磁気ディ スク装置１１内部への侵入を防止する。この結果、磁気ディスク装置１１は、リ ードエラーなどの動作不良が防止され、記録再生動作は所望に行われる。

【００１６】 図３は、この考案の他の実施例による遮蔽カバー２５を示している。この遮蔽 カバー２５は、絶縁シート材である樹脂シート２７が、磁気ディスク装置１１の 装置基台５の底面をも覆う袋状に形成され、一方トップカバーシール９を覆うシ ールド板１７は、前記図２のものと同様であり、樹脂シート２７の内面に接着さ れる。樹脂シート２７は、前記図２の樹脂シート１５と同様に、トップカバー７ を覆う上面シート部２７ａと、装置基台５の側面を覆う側面シート部２７ｂ，２ ７ｃ，２７ｄ，２７ｅと、装置基台５の底面を覆う下面シート部２７ｆとから構 成され、このうち側面シート部２７ｄには、磁気ディスク装置１１のコネクタ２ ３の逃げ部となる開口部２９が形成され、かつ側面シート部２７ｄは、この部位 のシールド板１７とともに、上面シート部２７ａとの境界部位を中心に上方に開 放可能である。また、下面シート部２７ｆには、磁気ディスク装置１１の情報機 器に対する下面４箇所の取り付け部３１と整合する取り付け孔３３が形成されて いる。

【００１７】 磁気ディスク装置１１は、袋状の遮蔽カバー２５に、側面シート部２７ｄを上 方に開放させた状態で開口部２９から挿入し、磁気ディスク装置１１の情報機器 へのねじ止め時に、遮蔽カバー２５は磁気ディスク装置１１に固定される。

【００１８】 この実施例においても、前記図１の実施例と同様な効果を有するほか、樹脂シ ート２７が磁気ディスク装置１１の底面をも覆っているので、磁気ディスク装置 １１の金属製筐体の情報機器側との電気的接触が、より効果的に防止される。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明してきたように、この考案によれば、磁気ディスク装置の金属製筐体 の周囲は、電気的な絶縁性を備えた絶縁シート材で覆って金属製筐体と情報機器 側との電気的接触を防止する一方、装置基台とトップカバーとの間に介装される シール材の周囲は、金属製シールド材で覆って電磁遮蔽を行うようにしたので、 磁気ディスク装置が搭載される情報機器側のノイズの磁気ディスク装置内部への 侵入が回避され、磁気ディスク装置の動作障害を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係わる磁気ディスク装置
の電磁遮蔽構造を示す斜視図である。

【図２】図１の電磁遮蔽構造に使用される遮蔽カバーの
斜視図である。

【図３】遮蔽カバーの他の実施例を示す斜視図である。

【図４】磁気ディスク装置の斜視図である。

【図５】図４の磁気ディスク装置の内部構造を示す斜視
図である。

【図６】図４の磁気ディスク装置のトップカバーの裏面
からの斜視図である。

【図７】図４のＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

５ 装置基台（金属製筐体） ７ トップカバー（金属製筐体） ９ トップカバーシール（シール材） １３，２５ 遮蔽カバー １５，２７ 樹脂シート（絶縁シート材） １７ シールド板（金属製シールド材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ディスク及び磁気ヘッドなどの構成
   部品が設けられる装置基台及び、この装置基台にシール
   材を介して装着されるトップカバーで構成される金属製
   筐体を備え、この金属製筐体を、前記シール材の周囲を
   覆う金属製シールド材と、前記金属製筐体の周囲を覆う
   電気的な絶縁性を備えた絶縁シート材とから構成される
   遮蔽カバーで覆ったことを特徴とする磁気ディスク装置
   の電磁遮蔽構造。