JPH0589876U - ピストン式圧縮機の吸入リード弁機構 - Google Patents

ピストン式圧縮機の吸入リード弁機構

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JPH0589876U
JPH0589876U JP2938392U JP2938392U JPH0589876U JP H0589876 U JPH0589876 U JP H0589876U JP 2938392 U JP2938392 U JP 2938392U JP 2938392 U JP2938392 U JP 2938392U JP H0589876 U JPH0589876 U JP H0589876U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、ピストン式圧縮機の吸入リ
ード弁機構における吸入リード弁が、吸入ポートを有し
た対向する弁板の板面からピストンの吸入行程の初期に
円滑に開弁動作を開始できるようにした改良構造を供す
ることにある。 【構成】 ピストン式圧縮機の吸入リード弁機構の吸入
リード弁32は、弁板25とシリンダブロック22との
間に挟持されたベース部32aと、帯状のアーム部32
bと、弁板25の吸入ポート30と対向され、ピストン
の吸入および圧縮ストロークに応動してアーム部32b
と共に弁板面に対して離反動作と密着動作し、吸入ポー
ト30を開閉する吸入弁体32cとで形成し、吸入リー
ド弁32の帯状アーム部32bが当接する弁板面には、
接触面を凹状に穿設した帯状アーム部32bより細幅の
凹状溝40を設け、弁と弁板との接触面積を低減した構
成にしてある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、車両空調用を始めとする冷凍回路の冷媒圧縮に用いられる圧縮機の 吸入リード弁機構に関し、特に、シリンダブロックのシリンダボア内をピストン が往復摺動することにより冷媒ガスの吸入、圧縮、吐出を行うピストン式圧縮機 のシリンダブロック端面と吸入ポート及び吐出ポートを有した弁板との間に配設 され、ピストンの吸入ストロークに応動して吸入ポートを開口し、吸入室とシリ ンダボアとを連通させる吸入リード弁の作用、特に、開弁作用を円滑化し、延い ては冷媒ガスの脈動発生を防止して冷凍回路のエバポレータにおける共鳴騒音等 のオイズ音を低減し、また、ピストンの吸入ストローク時における冷媒ガスの吸 入抵抗を低減させて圧縮機の圧縮性能を向上させることを可能にするピストン式 圧縮機の吸入リード弁機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピストン式圧縮機は、クランク機構を内蔵したクランク式圧縮機、固定斜板の 回転に従ってシリンダボア内におけるピストンの往復動作を駆動する斜板式圧縮 機、傾斜角可変の揺動斜板を内蔵し、圧縮容量を冷凍負荷に応じて可変にした揺 動斜板形圧縮機等が周知であり、かつ、車両空調用圧縮機等として汎用されてい る。 このうようなピストン式圧縮機においては、冷凍回路から帰還した被圧縮媒体 である冷媒ガスを吸入室に導入し、ピストンの吸入ストロークに従って開弁動作 する吸入弁機構を介して冷媒ガスを同吸入室からシリンダブロックのシリンダボ ア内に吸入して圧縮すると共に圧縮した冷媒ガスはピストンの圧縮ストロークの 終期に吐出弁機構の開弁によって吐出室へ吐出し、その吐出室から冷凍回路へ送 出する構成が多く採られている。
【0003】 冷凍回路においては、圧縮された冷媒ガスはコンデンサで凝縮され、レシーバ タンクに受液され、そこから膨張弁で断熱膨張後にエバポレータに送られ、同エ バポレータで外部熱を奪取した後に、再び圧縮機で圧縮作用を受けるべく帰還す る循環回路が構成されている。 さて、上述したピストン式圧縮機の吸入弁機構には、吸入室を内部に形成、具 備した圧縮機ハウジングとシリンダブロックとの間に介挿された弁板の同シリン ダブロックに対向した面に薄板状の弁シートを取着し、その弁シートに、シリン ダブロックの各シリンダボアと対向した配置で舌状のリード弁を形成し、ピスト ンの吸入ストロークに従って同リード弁が開弁動作することにより、吸入室から シリンダボア内への冷媒ガスの流入を生起させる構成のものが従来から多く採用 されていた。
【0004】 因みに、米国特許第4,749,340号公報には、このようなリード弁を有 したピストン式圧縮機が開示されている。同公報の第1図に対応する図6は、両 頭型往復動ピストンを有したピストン式圧縮機のリヤ側に設けられた吸入弁機構 を示している。同図6において、ピストン式圧縮機1は、フロントシリンダブロ ック2a、リヤシリンダブロック2bを備え、両シリンダブロック2a、2bは 前後に結合されると共に内部に複数のシリンダボア3を有し、このシリンダボア 3内にピストン4が往復摺動可能に設けられ、両シリンダブロック2a、2bの 略結合部領域の内部に形成された斜板室内において回転駆動軸5上に取着されて 同駆動軸5と一緒に回転する斜板(図示に現れない)の回転に応じてシューを介 してピストン4が往復摺動し、以てシリンダボア3内で冷媒ガスの吸入、圧縮、 吐出が順次に繰り返される構成になっている。なお、フロントシリンダブロック 2aの前端にはフロントハウジング6aが、リヤシリンダブロック2bの後端に はリヤハウジング6bが密着、結合され、これら両ハウジング6a、6bの内部 には夫々、吸入室と吐出室とが形成されており、図6には、リヤハウジング6b にリブ状に形成された隔壁7cで分離された吸入室7aと吐出室7bとが図示さ れている。
【0005】 そして、リヤハウジング6bとリヤシリンダブロック2bの間にはシール11 を介して弁板8が挟持されており、この弁板8の両面に密着させて弁シートから 成る吸入リード弁9aと吐出リード弁9bとが設けられている。つまり、吸入リ ード弁9aは弁板8に形成された吸入ポート8aを開閉する弁として設けられ、 開弁時には弁板8の端面から同吸入リード弁9aが離隔して吸入ポート8aを開 口させ、故に、吸入室7aとシリンダボア3とが連通されて冷媒ガスが吸入室7 aからシリンダボア3内に吸入され、圧縮及び吐出時には同吸入リード弁9aは 閉弁動作して弁板8の対面に密着し、故に、吸入ポート8aは閉じられるように なっている。
【0006】 なお、圧縮行程ではシリンダボア3内の圧縮室10でピストン4による冷媒ガ スの圧縮が遂行され、同圧縮行程の進行に伴って吐出リード弁9bが当該圧縮行 程の終期にリテーナ9cで規制される位置まで開弁して圧縮冷媒ガスをシリンダ ボア3から吐出室7b内に弁板8の吐出ポート8bを通って吐出するようになっ ている。
【0007】 勿論、上記の吸入リード弁9aの開弁動作はピストン4の吸入ストロークに依 って生起され、リヤシリンダブロック2bの端面からリンダボア3の外周一部に 沈み形成された凹所13の底端を吸入リード弁9aが当接するストッパ13aと して開弁量を規制され、同吸入リード弁9aの閉弁と吐出リード弁9bの開弁は ピストン4の圧縮、吐出ストロークによって生起するものである。 さて、ここで図6を参照すると、図5の吸入リード弁機構が拡大図示されてお り、吸入機構の吸入リード弁9aの先端が凹所13の軸方向に見た底端から成る ストッパ13aによって開弁量が規制される様子を詳示している。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
さて、上述した構成から成るピストン式圧縮機の従来の吸入リード弁機構によ ると、吸入リード弁9aの開弁動作を規制するストッパ13aのシリンダブロッ ク2b端面からの軸方向沈み量が深いと、冷凍回路における熱負荷が低く、従っ て冷媒ガスの吸入経路における流量が少ないときに、吸入リード弁9aがストッ パ13aに当接するまで開弁しないため、冷媒ガスの流れに応じて振動現象を起 こし、その振動現象が冷媒ガス中に脈動を形成する結果となる。故に、この冷媒 ガスの脈動は冷凍回路のエバポレータで共鳴し、騒音を発生する問題がある。し かも、このような騒音の外部への漏洩を回避すべくマフラー装置を装着すると、 コスト高になる問題も発生していた。
【0009】 他方、吸入リード弁9aの上述した振動現象を抑止すべく、シリンダブロック 2bの端面に形成した凹所13の底端から成るストッパ13aの深さを浅く形成 して吸入リード弁9aの先端が開弁動作時に容易にストッパ13aに当接するよ うに形成すると、開弁量が自ずから低減されるため、特に熱負荷が大きく、多量 の吸入冷媒ガスが求められるときに、吸入抵抗が大きいために充分な吸入冷媒ガ スを得ることが困難になり、圧縮機の圧縮性能を低下させる一因になると言う問 題が有った。
【0010】 上述のような従来の吸入リード弁機構の問題点は、吸入リード弁の開弁動作が ピストンの吸入行程の開始に応じて円滑に生起しないこと、つまり、吸入行程の 開始時には吸入リード弁が未だ弁板端面に潤滑オイルの粘着性により密着し、吸 入行程が進捗して吸入圧が或る程度大きくなったとき、突然にオイルによる密着 力を打破して吸入リード弁が勢い良く開弁するため、同弁の弾性特性と相まって 自励振動を起こすものである。
【0011】 依って、本考案はこのような問題点を解消すべく、ピストン式圧縮機の各シリ ンダボアにおける吸入リード弁機構において、吸入リード弁がピストンの吸入行 程の開始に伴って円滑に開弁動作し得るような改良を提供をすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案によれば、シリンダブロックのシリンダボアを往復摺動するピストンに よって該シリンダボア内に冷媒ガスを吸入し、圧縮し、吐出するピストン式圧縮 機において、 前記シリンダボアと冷媒ガスの吸入室との間に介挿された弁板に穿設された吸 入ポートを前記ピストンの往復動に従って開閉する吸入リード弁機構を設け、前 記吸入リード弁機構の吸入リード弁は、前記弁板と前記シリンダブロックとの間 に挟持されたベース部と、該ベース部から前記弁板の吸入ポートの近傍まで延設 された帯状のアーム部と、前記アーム部の先端に設けられて前記弁板の吸入ポー トと対向され、前記ピストンの吸入および圧縮ストロークに応動して前記アーム 部と共に弁板面に対して離反動作と密着動作し、前記吸入ポートを開閉する吸入 弁体とを具備してなり、前記吸入リード弁の前記帯状アーム部が当接する弁板面 には、該帯状アーム部との接触面を凹状に陥設してなり、かつ、該帯状アーム部 より細幅の凹状溝が設けられて成ることを特徴としたピストン式圧縮機の吸入リ ード弁機構を提供するものである。 なお、上述の吸入リード弁機構において、上述の吸入リード弁の帯状アーム部 及び吸入弁体と対向した弁板の表面にはショットブラスト処理を施して閉弁時に おける吸入リード弁と弁板との密着性を低減し、かつ、弁板表面の粗面化による リード弁との接触面積の低減を図って吸入リード弁の開弁動作時の離反動作を促 進するように構成することが好ましい。
【0013】 更に、上述の弁板面に穿設された凹状溝は、該弁板に形成された上記の吸入ポ ートと隔壁により隔絶されているように形成することが好ましい。
【0014】
【作用】
上述のように、吸入リード弁の帯状アーム部と対向した弁板の板面に該帯状ア ーム部より細幅の凹状溝を設けて吸入リード弁と弁板との接触面積の低減を図っ た結果、同吸入リード弁の開弁時に弁板との接触領域に潤滑油が付着していても 吸入圧を受けて吸入リード弁は円滑に弁板面から分離し、開弁動作する。従って 吸入リード弁が急激に開弁することにより発生する自励振動が防止され、従って 吸入冷媒ガスの脈動を防止することができる。そして、結果的にエバポレータに おける共鳴騒音の発生を抑止することが可能であり、マフラを用いた防音対策の 必要は無くなるのである。 以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づいて、更に、詳細に説明する。
【0015】
【実施例】
図1は本考案による吸入リード弁機構の要部を示すピストン式圧縮機の一部分 を拡大した断面図、図2は図1の2−2矢視線の方向から見た吸入リード弁と弁 板に形成された凹溝との関係を図示した平面図、図3は吸入リード弁と弁板面と の接触面積の低減による効果を説明するための吸入リード弁の略示平面図、図4 は本考案の他の実施例に係る吸入リード弁機構の要部を示す、図1と同様なピス トン式圧縮機の一部分を拡大した断面図、図5は図4の4−4矢視線方向から見 た吸入リード弁と弁板に形成された凹溝との関係を図示した平面図である。
【0016】 図1を参照すると、ピストン式圧縮機は、シリンダブロック22に形成された 複数のシリンダボア23を有し、このシリンダボア23中でピストン24が往復 摺動することにより、冷媒ガスを吸入し、圧縮し、吐出する作用を行う。ピスト ン24の往復摺動は、駆動軸の回転に応じて回転する固定傾斜角型の斜板又は駆 動軸の回転に応じて回転する駆動円板に支持された傾斜角可変の揺動斜板を備え た回転ー摺動変換機構或いは駆動軸に連結したクランク機構等によって駆動され ることは周知のとおりである。
【0017】 上記シリンダブロック22には弁板25を介して圧縮機ハウジング26が締結 されており、このハウジング26には外部冷凍から帰還した圧縮前の冷媒ガスが 流入する吸入室27と圧縮後にシリンダボア23の圧縮室から吐出される冷媒ガ スを受容するための吐出室28とが設けられ、両室27、28は隔壁29により 気密に分離されている。 さて、弁板25には吸入室27から各シリンダボア23への冷媒ガスの吸入を 許容する吸入ポート30と、図示されていない吐出ポートとが形成され、吸入ポ ート30が、同弁板25とシリンダブロック22の端面との間に挟持された弾性 薄板から成る弁シート31に形成されている吸入リード弁32と協動して吸入リ ード弁機構を構成している。即ち、吸入リード弁32はピストン24が吸入スト ロークを行うときに、シリンダブロック22の端面からシリンダボア23の壁面 に凹設された凹所23aの底端23bによって形成されるストッパによって停止 される位置まで開弁し、これによって吸入室27とシリンダボア23とが連通し て冷媒ガスの吸入が行われる。他方、ピストン24が吸入ストロークの終端で圧 縮ストロークに転じ、シリンダボア23内の吸入冷媒ガスが漸次に圧縮されると 、その圧縮圧を受けて吸入リード弁32は吸入ポート30を閉鎖する閉弁位置へ 戻る。
【0018】 なお、吸入リード弁32は、図2に示す如く、略円板状のベース部32aと、 そのベース部32aからシリンダボア23を横切って吸入ポート30の近くまで 延設されるアーム部32bと、吸入ポート30に対向する弁体部32cとを有し てなり、開弁動作は、アーム部32bと弁体部32cとが一体と成ってピストン 24の吸入ストローク時に吸入冷媒ガスの流動圧を受けて弁板25の板面から離 反する方向に変形することにより遂行される。
【0019】 ここで、本考案によると、弁板25が吸入リード弁32のアーム部32bと対 向した位置、つまり、同アーム部32bが、当接する弁板面に吸入ポート30と 連通した凹溝40を形成し、従って吸入リード弁32が閉弁位置にあるとき、同 吸入リード弁32と弁板25の板面との当接による接触面積が凹溝40および吸 入ポート30の領域分だけ低減される構成となっている。
【0020】 ここで、吸入リード弁32の開弁動作を考察すると、ピストン24の吸入スト ロークに応じて吸入リード弁32が弁板25の板面から潤滑油の粘着力を克服し て開弁動作を開始するとき、吸入室27とシリンダボア23との両域における圧 力差をΔP、単位接触面積当たりの潤滑油粘着力をV、吸入リード弁32のアー ム部32b及び弁体部32cと弁板25の板面との接触領域の面積をS1、同吸 入リード弁32のアーム部32b及び弁体部32cにおいて、弁板25との接触 が無く、従って圧力差ΔP分を受圧する領域の面積をS2とすると、次式の関係 が確立される。
【0021】 (単位接触面積当たりの潤滑油粘着力V)×(吸入リード弁32のアーム部 32b及び弁体部32cと弁板25の板面との接触領域の面積S1) =(吸入室27とシリンダボア23との両域における圧力差ΔP)×(吸入リ ード弁32のアーム部32b及び弁体部32cにおける圧力差ΔP分を受圧する 領域の面積S2) 従って、上述の関係から、 ΔP=(V×S1)/S2 ・・・・(1) の関係が得られる。ここで、図3の(a)は従来の吸入リード弁を示し、S2 はシリンダボアと対向する領域部分だけである。然るに、図3の(b)に示され た本考案の吸入リード弁では、相対的にS2が増加し、S1が低減している。 この事実を上記の(1)式に導入すると、本考案の場合には、従来に比較して吸 入室27とシリンダボア23との両域における圧力差ΔPが小さくなることが分 る。このように、圧力差ΔPが小さくなることは、吸入リード弁32の開弁動作 が、小さな圧力で生起されることを意味し、故に、円滑な開弁動作を達成し得る ことを示している。なお、上述の構成において、凹溝40の溝幅は、当然、吸入 リード弁32の帯状アーム部32bの幅よりも細幅に形成され、従って吸入リー ド弁32が閉弁位置に在るときは、確実な閉弁作用がなされることは言うまでも ない。
【0022】 更に、潤滑油の粘着力を克服して吸入リード弁32の帯状アーム部32b及び 弁体部32cが弁板25の板面から離反し易くするために、同帯状アーム部32 b及び弁体部32cに対向した弁板25の表面にショットブラスト処理を施し、 粗面化すると、弁と弁板面との接触面積の低減が一層、促進されて開弁動作の円 滑性をより向上させることができる。
【0023】 図4及び図5は、本考案の他の実施例を示しており、本実施例は、図1及び図 2に示した実施例との相違点として弁板25の板面に形成した凹溝40は隔壁4 1により吸入ポート30とは切り離されている点である。このように、凹溝40 を吸入ポート30と切り離すことにより、吸入リード弁32と弁板25の板面と の閉弁状態における接触面積S1が低減されることは、前実施例と同様であるが 、凹溝40が独立の有底溝を形成していることから、ピストン24の圧縮行程の 間に、同凹溝40内に圧縮を受けた高圧の冷媒ガスが滞留することになる。この ようにして滞留した高圧の冷媒ガスは、次にピストン24が吸入行程を遂行する 初期過程で、吸入リード弁32を開弁位置へ向けて押圧し、故に、吸入リード弁 32の開弁動作を促進することができるのである。 なお、本実施例においても、弁板25の板面にショットブラスト処理を施して 吸入リード弁32との接触部における開弁時の離反を促進するようにすることが 好ましいことは前述した図1、図2の実施例と同様である。
【0024】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案によれば、ピストン式圧縮機において 、シリンダボアと冷媒ガスの吸入室との間に介挿された弁板に形成されいる吸入 ポートをピストンの往復動に従って開閉する吸入リード弁機構を設け、同吸入リ ード弁機構の吸入リード弁は、上記弁板とシリンダブロックとの間に挟持された ベース部と、同ベース部から上記弁板の吸入ポートの近傍まで延設された帯状の アーム部と、同帯状アーム部の先端に設けられて弁板の吸入ポートと対向され、 ピストンの吸入および圧縮ストロークに応動して上記帯状アーム部と共に弁板面 に対して離反動作と密着動作し、弁板の吸入ポートを開閉する吸入弁体とを具備 してなり、かつ、吸入リード弁の上記帯状アーム部が当接する弁板面には、該帯 状アーム部との接触面を凹状にえぐって形成され、かつ、該帯状アーム部より細 幅の凹状溝が設けられて成る構成としたから、吸入リード弁の弁板の板面との接 触面積を低減させることができ、故に吸入リード弁はピストンが吸入ストローク を開始する初期段階で僅かな圧力差が発生すると開弁するから、円滑な開弁動作 が促進され、自励振動の発生を阻止し、延いては、冷媒ガス流の脈動を抑止する から、エバポレータにおける共鳴騒音の発生を阻止することができる。
【0025】 更に、従来は、吸入リード弁の振動を抑止するためにシリンダブロックの端面 からシリンダボア内に向けて凹設した凹所の深さを浅くして、同凹所の底端で形 成されるストッパまでの開弁量を低減するようにしていたために、冷媒ガスの吸 入時における吸入抵抗が大きくなり、圧縮性能に悪影響を与えていたが、本考案 によれば、吸入リード弁の振動発生が抑止されるから、ストッパによる吸入リー ド弁の開弁抑止を解除すべく、凹所の深さを深くとりことができ、従って、冷媒 ガスは吸入ストロークの過程で大きな吸入抵抗を受けることはないから、圧縮機 の圧縮性能を高レベルに維持することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による吸入リード弁機構の要部を示すピ
ストン式圧縮機の一部分を拡大した断面図である。
【図2】図1の2−2矢視線の方向から見た吸入リード
弁と弁板に形成された凹溝との関係を図示した平面図で
ある。
【図3】吸入リード弁と弁板面との接触面積の低減によ
る効果を説明するための吸入リード弁の略示平面図であ
る。
【図4】本考案の他の実施例に係る吸入リード弁機構の
要部を示す、図1と同様なピストン式圧縮機の一部分を
拡大した断面図である。
【図5】図4の4−4矢視線方向から見た吸入リード弁
と弁板に形成された凹溝との関係を図示した平面図であ
る。
【図6】両頭型往復動ピストンを有したピストン式圧縮
機のリヤ側に設けられた従来の吸入弁機構を示してい
る。
【図7】図6に示した従来の吸入弁機構の部分的な拡大
図である。
【符号の説明】
22…シリンダブロック 23…シリンダボア 23a…凹所 23b…底端 24…ピストン 25…弁板 26…圧縮機ハウジング 27…吸入室 28…吐出室 29…隔壁 30…吸入ポート 31…弁シート 32…吸入リード弁 32a…ベース部 32b…帯状アーム部 32c…弁体部 40…凹溝 41…隔壁

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックのシリンダボアを往復
    摺動するピストンによって該シリンダボア内に冷媒ガス
    を吸入し、圧縮し、吐出するピストン式圧縮機におい
    て、 前記シリンダボアと冷媒ガスの吸入室との間に介挿され
    た弁板に穿設された吸入ポートを前記ピストンの往復動
    に従って開閉する吸入リード弁機構を設け、 前記吸入リード弁機構の吸入リード弁は、前記弁板と前
    記シリンダブロックとの間に挟持されたベース部と、該
    ベース部から前記弁板の吸入ポートの近傍まで延設され
    た帯状のアーム部と、前記アーム部の先端に設けられて
    前記弁板の吸入ポートと対向され、前記ピストンの吸入
    および圧縮ストロークに応動して前記アーム部と共に弁
    板面に対して離反および密着動作し、前記吸入ポートを
    開閉する吸入弁体とを具備してなり、 前記吸入リード弁の前記帯状アーム部が当接する弁板面
    には、該帯状アーム部との接触面を凹状に陥設して成
    り、かつ、該帯状アーム部より細幅の凹状溝が設けられ
    て成る、 ことを特徴としたピストン式圧縮機の吸入リード弁機
    構。
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