本実施形態に係る空気圧縮機は、モータを動力源とする圧縮空気生成部を備えるレシプロ型の空気圧縮機である。本実施形態に係る空気圧縮機の用途は特に限定されないが、圧縮空気の圧力によって釘やねじを木材などに打ち込む空気工具、例えば、釘打機に圧縮空気を供給する供給源としての利用に適している。
以下、本実施形態に係る空気圧縮機について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態の空気圧縮機10は、互いに平行な2つの空気タンク11,12と、2つの空気タンク11,12を支持する基台13と、を有する。空気タンク11,12内は、配管を介して互いにつながっており、空気タンク11内の圧力と、空気タンク12内の圧力とは同じである。空気タンク11,12の下部にゴム製の脚部14が2個ずつ、合計で4個の脚部14が取り付けられている。空気圧縮機10は、4個の脚部14によって設置場所に置かれる。また、基台13の両端部にハンドル15が設けられており、作業者は、ハンドル15を把持して空気圧縮機10を持ち運ぶことができる。
基台13には、動力源としてのモータ16と、圧縮空気生成部17と、が設けられている。モータ16及び圧縮空気生成部17は、カバー18によって覆われている。圧縮空気生成部17は、クランクケース19と、クランクケース19に設けた第1圧縮部20及び第2圧縮部21と、を有する。
モータ16は、ステータ22と、ステータ22の内側に組み込まれたロータ23と、ロータ23に固定した回転軸24と、を有する。ステータ22は、通電用のコイルを有し、ロータ23は、コアに永久磁石を取り付けたものである。モータ16は、クランクケース19の外に配置されている。回転軸24は、クランクケース19に設けた軸受25によって回転自在に支持されている。回転軸24は、軸線A1を中心として回転可能であり、回転軸24は、軸線A1方向の中央がクランクケース19内に配置され、軸線A1方向の両端がクランクケース19外に配置されている。回転軸24のうち、クランクケース19内に配置された箇所は、軸線A1から偏心した偏心部を有し、偏心部は軸線A1の周りを公転する。つまり、回転軸24はクランク軸である。
カバー18によって覆われた空間に、制御回路基板26が配置されている。制御回路基板26及びクランクケース19は、軸線A1方向に並べて配置されている。制御回路基板26は、モータ16をインバータ制御するための要素であり、制御回路基板26は、インバータ回路、コントローラを有する。インバータ回路は、オン・オフ制御される半導体スイッチング素子を有する。制御回路基板26は、ブラケットを介して空気タンク12に固定されている。軸線A1方向で、制御回路基板26とクランクケース19との間に冷却ファン27が配置されている。冷却ファン27は、回転軸24に固定されており、冷却ファン27は、回転軸24と共に回転して冷却風を生成する。冷却風は、制御回路基板26を冷却する。
また、カバー18で覆われた空間に冷却ファン28が設けられている。冷却ファン28は、モータ16、クランクケース19及び圧縮空気生成部17を冷却する。冷却ファン28は、回転軸24の動力で回転する。モータ16は、軸線A1方向でクランクケース19と冷却ファン28との間に配置されている。さらに、カバー18により覆われた空間にホール素子基板29が設けられている。ホール素子基板29は、軸線A1方向でモータ16と冷却ファン28との間に配置されている。ホール素子基板29は、ロータ23の回転位置を検出し、検出信号を出力する。検出信号は制御回路基板26へ送られる。制御回路基板26は、インバータ回路を経由してモータ16に印加する電圧を制御する。
第1圧縮部20と第2圧縮部21とは、軸線A1を中心とする回転軸24の回転方向で、180度異なる位置に配置されている。第1圧縮部20は、第1シリンダ30と、第1シリンダ30に固定された第1シリンダヘッド31及び第1弁座32と、第1シリンダ30内に収容された第1ピストン33と、第1シリンダ30内に形成された第1圧縮室34と、第1コネクティングロッド35と、を備えている。第1弁座32は、第1シリンダ30と第1シリンダヘッド31との間に介在されている。第1圧縮室34は、第1ピストン33と第1弁座32との間に形成される。第1弁座32の端面は、第1圧縮室34を形成する壁面である。つまり、第1弁座32は、第1圧縮室34を囲む壁の1つである。
第2圧縮部21は、第2シリンダ36と、第2シリンダ36に固定された第2シリンダヘッド37及び第2弁座38と、第2シリンダ36のピストン収容孔77内に配置された第2ピストン39と、第2シリンダ36内に形成された第2圧縮室40と、第2コネクティングロッド41と、を備えている。第2圧縮室40は、第2ピストン39と第2弁座38との間に形成されている。第2弁座38は、第2シリンダ36と第2シリンダヘッド37との間に介在されている。第1シリンダ30及び第2シリンダ36は、クランクケース19に、固定されている。
第1ピストン33は、第1シリンダ30内で往復動可能であり、第2ピストン39は、ピストン収容孔77内で軸線A1方向に往復動可能である。軸線A1はピストン収容孔77の中心である。第1コネクティングロッド35は、回転軸24の偏心部及び第1ピストン33に対して回転可能に連結されており、第1コネクティングロッド35は、回転軸24の回転力を第1ピストン33の往復動作力に変換する。第2コネクティングロッド41は、回転軸24の偏心部及び第2ピストン39に対して回転可能に連結されており、第2コネクティングロッド41は、回転軸24の回転力を第2ピストン39の往復動作力に変換する。
そして、第1圧縮部20は、第1ピストン33が第1圧縮室34の容積を縮小する圧縮行程であると、第2圧縮部21は、第2ピストン39が第2圧縮室40の容積を拡大する吸入行程である。一方、第2圧縮部21は、第2ピストン39が第2圧縮室40の容積を縮小する圧縮行程であると、第1圧縮部20は、第1ピストン33が第1圧縮室34の容積を拡大する吸入行程である。
さらに、クランクケース19の内外をつなぐ開口部が設けられ、開口部を覆うフィルタエレメント42及びフィルタカバー43が設けられている。フィルタエレメント42は、空気がクランクケース19内に吸入される過程で異物を除去する。また、クランクケース19の内部44は開口部につながっている。第1シリンダ30に吸気通路45が設けられ、吸気通路45は内部44及び第1圧縮室34につながっている。第1弁座32は、第1圧縮室34と吸気通路45とを接続する第1吸気口を有し、第1圧縮部20は、第1吸気口を開閉する第1リード弁を有する。
第1シリンダヘッド31に第1吐出室46が設けられ、第1弁座32に第1吐出口47が設けられている。第1弁座32の端面は、第1吐出室46を形成する壁面である。つまり、第1弁座32は、第1吐出室46を囲む壁の1つである。第1吐出口47は、第1吐出室46と第1圧縮室34とを接続し、第1吐出口47を開閉する第2リード弁48が設けられている。第1シリンダヘッド31にエルボ92が設けられ、エルボ92は第1吐出室46につながっている。エルボ92は配管49につながっている。
以下、第2圧縮部21の構造例を、順次説明する。
(実施の形態1) 第2圧縮部21の実施の形態1を、図3〜図9を参照して説明する。図3、図4及び図5のように、第2シリンダヘッド37に吸気通路50が設けられ、エルボ51が第2シリンダヘッド37に取り付けられている。また、図6のように、第2シリンダヘッド37及び第2弁座38は、ねじ69を用いて第2シリンダ36に固定されている。エルボ51は、吸気通路50と配管49とをつなぐ。第2弁座38を厚さ方向に貫通する吸気口52が設けられている。第2弁座38の厚さ方向は、第2ピストン39が第2シリンダ36内で往復動する方向と同じである。つまり、吸気口52は第2圧縮室40と吸気通路50とをつなぐ。また、第2圧縮部21は、吸気口52を開閉する第3リード弁53を備えている。
図7及び図8のように、第2シリンダヘッド37に第2吐出室54が設けられ、第2弁座38に第2吐出口55が設けられている。第2吐出口54は、図5のように、第2弁座38の底面視で、第2圧縮室40の配置領域内から配置領域外に亘って配置されている。第2吐出口55は、第2吐出室54と第2圧縮室40とを接続し、第2吐出口55を開閉する第4リード弁56が設けられている。第2シリンダヘッド37にエルボ57が取り付けられている。エルボ57は、配管を介して空気タンク11に接続されている。
さらに、空気タンク11の上方に、圧縮空気の取り出し口であるカプラ58が設けられ、空気タンク12の上方にカプラ59が設けられている。さらに、空気タンク11とカプラ58との間に減圧弁60が設けられている。空気タンク12とカプラ59との間に減圧弁61が設けられている。減圧弁60,61は、共に圧縮空気の圧力を調節する。減圧弁60によって調節された圧縮空気の圧力は、減圧弁60の近傍に設けた圧力計62によって計測される。減圧弁61によって調節された圧縮空気の圧力は、減圧弁61の近傍に設けた圧力計63によって計測される。
また、空気タンク11には、空気タンク11,12内の圧力が異常に高くなった時に、圧縮空気の一部を空気タンク11,12の外部に排出する安全弁64が設けられている。さらに、空気タンク12にドレン排出装置65が設けられている、ドレン排出装置65は、空気タンク11,12内に接続され、かつ、バルブを備えた配管である。また、ドレン排出装置65のバルブを開閉する操作部66が設けられている。作業者は操作部66を操作して、ドレン排出装置65のバルブを開閉する。ドレン排出装置65は、空気タンク11,12内の圧縮空気及び水分を、空気タンク11,12の外に排出する。
さらに、カバー18に操作パネル67が設けられている。操作パネル67は、電源スイッチ、回転数設定部を備え、作業者は操作パネル67を操作して、モータ16の回転と停止とを切り替え、モータ16の回転数を設定する。さらに、カバー18に通気窓68が設けられている。通気窓68は、カバー18の内外をつなぐ。
次に、第3リード弁53及び第4リード弁56の構造、第2弁座38の構造、第2シリンダ36と第2弁座38との固定構造、第2弁座38と第2シリンダヘッド37との固定構造を、図3〜図8を参照して説明する。第2弁座38と第2シリンダヘッド37との間にOリング70が介在されている。Oリング70は、吸気通路50と吸気口52との接続箇所をシールする。第2弁座38と第2シリンダ36との間にガスケット71が介在されている。ガスケット71は第2圧縮室40をシールする。第2弁座38と第2シリンダヘッド37との間にOリング72が介在されている。Oリング72は、第2吐出室54をシールする。
第2弁座38は、互いに平行な端面73,74を有し、端面73と第2シリンダ36との間にガスケット71が介在され、端面74と第2シリンダヘッド37との間にOリング70,72が介在されている。端面73は第2圧縮室40を形成し、端面74は第2吐出室54を形成する。端面73に凹部75が設けられている。凹部75は、軸線A1方向の深さを有する。第2シリンダヘッド37を底面視する図5において、凹部75は、第2圧縮室40に対応する領域と、第2圧縮室40の外側に対応する領域とに亘って、べルト形状に設けられている。軸線A1は、凹部75の幅方向の中央に位置し、軸線A1は、凹部75の長さ方向の端部78と端部79との間に配置されている。吸気口52は、凹部75が配置された領域内に形成され、かつ、軸線A1と端部78との間に配置されている。吸気口52は、第2圧縮室40の配置領域の内外に亘って配置されている。
第2弁座38を底面視すると、第2弁座38であって、凹部75が配置された領域内に、2つの溝76が設けられている。2つの溝76は、第2弁座38を厚さ方向、つまり、軸線A1方向に貫通していない。また、2つの溝76は、凹部75の長さ方向に沿って互いに平行に配置されており、軸線A1は2つの溝76の間に配置されている。2つの溝76は、第2弁座38の底面視で、互いに異なる位置に配置されている。2つの溝76は、第2圧縮室40に対応する領域と、第2圧縮室40の外側に対応する領域とに亘って配置されている。
2つの溝76は、長手方向で異なる位置に配置された端部76A,76Bを有し、端部76Aは吸気口52の配置領域内にある。端部76Bの配置領域は、第2吐出室54の配置領域内にある。端部76Bは、凹部75の長さ方向で、吸気口52に近い端部76Aの反対に位置する。2つの溝76の配置領域は、第2圧縮室40に対応する領域、及び第2圧縮室40の外側に対応する領域の両方で、吸気口52の配置領域と重なっている。吸気口52は、2つの溝76を介して第2圧縮室40とつながる。第2弁座38を底面視すると、2つの溝76の開口面積は、吸気口52の開口面積よりも広い。
第2シリンダヘッド37を底面視すると、凹部75が配置されている領域内に逃げ溝80が設けられている。逃げ溝80は、第2圧縮室40の領域内と、第2圧縮室40の領域外とに亘って配置されている。逃げ溝80は、2つの溝76の外側に亘って配置されている。また、第2弁座38は、図5及び図9のように、2つの溝76の間に配置された支持部84を有している。さらに、逃げ溝80が配置された領域内に、2つの溝76の外周をそれぞれ囲むリブ81が設けられている。2つのリブ81は環状であり、逃げ溝80の底面から軸線A1方向に突出している。
第3リード弁53は、ベルト状の弁体82と、弁体82を固定するねじ83と、を有する。弁体82は、金属、例えば、ステンレス鋼をプレス加工した板材であり、弁体82の長さ方向の端部がねじ83によって第2弁座38に固定されている。弁体82は、凹部75が形成された領域内に配置されている。弁体82は、凹部75の端部79に近い箇所でねじ83で固定されている。つまり、弁体82は、ねじ83で第2シリンダ36と第2シリンダヘッド37との間に固定され、片持ち梁の状態にある。弁体82は、第2弁座38及び第2シリンダ36に挟まれた箇所93を支点として、自由端82Aが厚さ方向に動作可能、つまり、弾性変形可能である。箇所93は、弁体82の固定端として機能する。第2シリンダ36の端面に凹部87が設けられており、ねじ83の頭部は凹部87に配置されている。
弁体82が2つのリブに密着すると、2つの溝76と第2圧縮室40とが遮断される。つまり、第3リード弁53は閉じた状態となる。これに対して、弁体82が2つのリブから離れると、2つの溝76と第2圧縮室40とが接続される。つまり、第3リード弁53は開いた状態となる。
また、第2シリンダ36であって凹部75の端部78に対応する箇所に押さえ部85が設けられている。押さえ部85は、第2シリンダ36の端面から窪ませた溝であり、弁体82の長さ方向の一部は、押さえ部85に配置されている。弁体82の長さ方向の一部は、第2シリンダ36と第2シリンダヘッド37とにより挟まれている。弁体82のうち、第2圧縮室40及び押さえ部85に対応する箇所に配置された部分は、第2圧縮室40の外周縁を支点として厚さ方向に弾性変形可能である。
さらに、弁体82を厚さ方向に貫通する通路86が設けられている。通路86は、弁体82の長さ方向に沿って設けたスリットである。第2弁座38を底面視した図5において、通路86の配置領域は、2つの溝76同士の間に配置されている。つまり、通路86の配置領域は、支持部84の配置領域内にある。通路86の幅C1は、溝76の幅C2よりも小さい。
第4リード弁56は、平板状の弁体88と、弁体88を第2弁座38に固定するねじ89と、を有する。弁体88は、第2吐出室54に配置されている。第2弁座38の底面視で、弁体88の配置領域は、第2圧縮室40の配置領域と重なる。弁体88の長手方向の中央部の配置領域は、凹部75の配置領域の一部、溝76の配置領域の一部、及び支持部84の配置領域の一部と重なる。第2吐出室54に押さえ板90が設けられており、ねじ89は、弁体88と共に押さえ板90を固定する。弁体88は、金属、例えば、ステンレス鋼をプレス加工したものである。弁体88は、ねじ89を支点として厚さ方向に弾性変形可能である。つまり、弁体88の自由端88Aは、弁体88の厚さ方向に移動する。また、弁体88は、押さえ板90と第2弁座38との間に配置されている。押さえ板90は金属製であり、押さえ板90の曲げ剛性は、弁体88の曲げ剛性よりも高い。
第2弁座38を底面視した図5において、第2吐出口55は、第2圧縮室40が配置された領域内であり、かつ、凹部75の領域外に配置されている。第2弁座38は、第2吐出口55を囲むリブ91を有する。リブ91は、第2弁座38の端面74から突出している。弁体88がリブ91に密着すると、第2吐出口55と第2吐出室54とが遮断される。つまり、第4リード弁56は閉じた状態となる。これに対して、弁体88がリブ91から離れると、第2吐出口55と第2吐出室54とが接続される。つまり、第4リード弁56は開いた状態となる。
ここで、弁体82の長さ方向に沿った中心線B1は、軸線A1と直角に交差する。中心線B1は、支点であるねじ89及び自由端88Aを通る。また、第2弁座38の底面視で、弁体88の長さ方向に沿った中心線B2は、中心線B1と交差する。具体的には、中心線B1と中心線B2とが直角に交差している。第2吐出口55の中心は、中心線B2と重なる。そして、弁体88は、第2圧縮室40が配置された領域内と、第2圧縮室40が配置された領域外と、に亘って配置されている。さらに、弁体82の配置領域と、弁体88の配置領域とが、一部で重なっている。
空気圧縮機10は、次のように動作する。モータ16の回転軸24が回転すると、回転軸24の回転力が第1ピストン33及び第2ピストン39の往復動作力に変換される。第1圧縮部20は、第1ピストン33が第1シリンダ30内で往復動すると、クランクケース19外の空気を吸入し、かつ、吸入した空気を圧縮して吐出する。具体的に説明すると、第1ピストン33が第1弁座32から離れる行程、つまり、第1ピストン33が下死点に向けて移動する行程で、クランクケース19外の空気は、フィルタカバー43を通り内部44へ吸い込まれる。第1ピストン33が第1弁座32から離れる行程で、第1リード弁が開き、かつ、第2リード弁48が閉じられる。このため、内部44の空気は第1圧縮室34へ吸い込まれる。
第1ピストン33が第1弁座32に近づく行程、つまり、第1ピストン33が上死点に向けて移動する行程で第1リード弁が閉じられ、かつ、第1圧縮室34の空気圧が上昇するととともに、第2リード弁48が開く。このため、第1圧縮室34で圧縮された空気は、第1吐出口47から第1吐出室46へ吐出される。
第2圧縮部21の第2ピストン39は、第1ピストン33とは逆向きに動作する。第1ピストン33が第1弁座32から離れる行程で、第2ピストン39は第2弁座38に近づく行程となる。第1ピストン33が第1弁座32に近づく行程で、第2ピストン39は第2弁座38から離れる行程となる。第2ピストン39が、第2シリンダ36内で往復動すると、第2圧縮室40に空気が吸入され、かつ、吸入した空気を圧縮して吐出する。第2圧縮室40内は第1圧縮室34内よりも高圧となる。つまり、空気圧縮機10は、2段階に空気を圧縮する、多段式の空気圧縮機である。
具体的に説明すると、第2ピストン39が第2弁座38から離れる行程、つまり、第2ピストン39が下死点に向けて移動する行程で、第2圧縮室40の空気圧が、第2吐出室54の空気圧よりも低圧となる。このため、弁体88は、第2吐出室54の空気圧を受けてリブ91に押し付けられ、第2吐出口55と第2吐出室54とが遮断される。つまり、第4リード弁56は、図7のように閉じた状態となる。
また、第2ピストン39が下死点に向けて移動する行程で、第2圧縮室40の空気圧が、吸気口52の空気圧よりも低圧となる。このため、吸気口52の空気圧を受ける弁体82は、第2弁座38及び第2シリンダ36に挟まれた箇所93を支点として弾性変形し、かつ、リブ81から離れる。その結果、吸気口52は溝76を介して第2圧縮室40に接続される。つまり、第3リード弁53は、図4のように開いた状態となる。
第3リード弁53が開くと、第1吐出室46から吐出された空気が、配管49、エルボ51、吸気通路50、吸気口52、溝76を介して、第2圧縮室40へ吸い込まれる。2つの溝76を通る空気の一部は、第2弁座38と弁体82との間を通り第2圧縮室40へ吸い込まれる。また、2つの溝76を通る空気の一部は、弁体82の通路86を通り、第2圧縮室40に吸い込まれる。なお、弁体82は、押さえ部85の内面に接触することで停止する。
第2ピストン39が第2弁座38に近づく行程、つまり、第2ピストン39が上死点に向けて移動する行程で、第2圧縮室40の空気圧が上昇する。第2圧縮室40の圧力が吸気口52の圧力よりも高くなると、弁体82は、第2圧縮室40の圧力でリブ81に押し付けられ、溝76と第2圧縮室40とが遮断される。つまり、第3リード弁53は、図3のように閉じた状態となる。
また、第2圧縮室40の圧力が第2吐出室54の圧力よりも高くなると、弁体88が第2圧縮室40の圧力を受けてねじ89を支点として弾性変形する。このため、弁体88はリブ91から離れ、第2吐出口55と第2吐出室54とが接続される。つまり、第4リード弁56は、図8のように開いた状態となる。また、ねじ89を支点として弾性変形した弁体88は、押さえ板90に接触して停止する。第4リード弁56が開くと、第2圧縮室40の圧縮空気は、第2吐出口55から第2吐出室54へ吐出される。第2吐出室54の圧縮空気は、エルボ57及び配管を介して空気タンク11,12へ送られる。
第2圧縮部21は、第3リード弁53が開いた状態になると、吸気口52が2つの溝76を介して第2圧縮室40に接続される。2つの溝76の開口面積は、吸気口52の開口面積よりも広い。つまり、第3リード弁53が開いた状態における空気の流路面積が増大し、第2ピストン39が1往復する間における空気の吸入量及び吐出量を、増加することができ、空気圧縮機10の性能が向上する。また、第3リード弁53が開くと、圧縮空気は第2弁座38と弁体82の外縁との隙間を通り、放射状に流れる。このため、吸気口52から、第2弁座38と弁体82の外縁との隙間までの距離が短く、圧縮空気の流路抵抗が低減される。また、吸気口52を通る空気の一部は、弁体82に設けた通路86を経由して第2圧縮室40に吸い込まれる。このため、第3リード弁53が開いた状態における空気の流路面積を、更に増大できる。
吸気口52の流量Q1と、2つの溝76及び通路86から第2圧縮室40に吸い込まれる空気の流量Q2との比である流量比は、次式で表すことができる。
流量比=Q2/Q1
流量比は、通路86の幅をC1とし、溝76の幅をC2として、
幅比=C2/C1=1
における流量を1とした場合に、幅比を変化させた場合の流量の変化割合を示す。
図10は、流量比と、溝76の幅C2と通路86の幅C1との幅比との関係を、シミュレーションによって検証した結果を表す。
図10の線図によれば、幅比1以下では、流量比1以下であり、幅比1を超えると、流量比1を超えることが分かる。幅比3を超えると、幅比が大きくなることに伴い、流量比が小さくなる傾向にある。実用上は、幅比1.5〜5の範囲内に設定することが好ましい。さらに好適には、幅比2〜3の範囲内に設定することが好ましい。例えば、厚さ0.3mmの薄板をプレス加工することで弁体82を製造する場合、製造上の制約から板厚に対する幅CB1の最低値は、例えば、板厚の3倍程度に制限される。このため、幅比は、弁体82の材質、弁体82の製造方法を考慮した上で、好適な範囲内に設定することが好ましい。
第2吐出室54の圧力P3が、第2圧縮室40の圧力P2よりも高い場合、図7のように、第4リード弁56は閉じられている。このとき、弁体88は、第2吐出室54から第2吐出口55に向けて押し付けられる圧力を受ける。弁体82が受ける圧力は、圧力P3と圧力P2との差に相当し、弁体88は、受ける圧力に応じた負荷荷重を受ける。
第2圧縮室40の圧力P2が、吸気口52の圧力P1よりも高い場合、図3のように、第3リード弁53は閉じられている。このとき、弁体82は、第2圧縮室40から吸気口52に向けて押し付けられる圧力を受ける。受ける圧力は圧力P2と圧力P1との差に相当し、弁体82は、受ける圧力に応じた負荷荷重を受ける。本実施形態では、2つの溝76の間に支持部84が設けられており、弁体82がリブ81に密着すると、弁体82は2つの溝76の間で支持部84に接触する。
このため、第2圧縮室40の空気圧で弁体82がリブ81に押し付けられる場合に、弁体82が受ける負荷を低減し、応力の集中を抑制できる。したがって、弁体82の耐久性が低下することを抑制できる。さらに、2つの溝76の間に支持部84が設けられており、支持部84は、2つの溝76を通る圧縮空気の流れを阻害しにくい。言い換えると、支持部84は、溝76を流れる圧縮空気のガイド機構として機能する。したがって、圧縮空気が溝76の端部76Bに向けて確実に供給され、圧縮空気の流通量を確保できる。
さらに、第2弁座38の底面視で、吸気口52は弁体82の自由端82Aに近い箇所に配置されている。このため、弁体82がリブ81から離れる場合、吸気口52と第2圧縮室40との圧力差で動作し易くなり、第3リード弁53の開き遅れを抑制できる。したがって、吸気口52から第2圧縮室40に吸い込まれる圧縮空気の量を増加できる。また、2つの溝76は、第2弁座38を貫通していないので、第2弁座38の強度が低下することを抑制できる。
(実施の形態2) 第2圧縮部21の実施の形態2を、図11〜図16を参照して説明する。実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成については、実施の形態1と同じ符号を付してある。第2弁座38は、2つの溝94,95を有し、2つの溝94,95は吸気口52につながっている。2つの溝94,95は、第2弁座38を貫通しておらず、2つの溝94,95は、第2圧縮室40につながる。2つの溝94,95は、中心線B1方向で異なる位置に配置されている。第2弁座38を底面視する図13において、溝94の配置領域は、第2圧縮室40の配置領域外にある。溝95の配置領域は、第2圧縮室40の配置領域内にあり、かつ、弁体88の配置領域外にある。2つの溝94,95の配置領域は、吸気口52の配置領域と重なっている。中心線B1に沿った方向で、溝94の端部94Aと溝95の端部95Aとは、最も離れた箇所にあり、吸気口52は、端部94Aと端部95Aとの間に配置されている。
第2弁座38は、中心線B1方向で、2つの溝94,95の間に配置した支持部96を有する。第2弁座38は、2つの溝94,95の周囲を囲むリブ97を有する。端面73に逃げ溝98が設けられており、リブ97は逃げ溝98の底面から突出している。リブ97及び支持部96の先端の高さは同じである。つまり、リブ97及び支持部96は、全体として数字「8」の形状に配置されている。弁体82は、中心線B2方向の幅が一定である。
実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成については、実施の形態1と同じ作用効果を得ることができる。実施の形態2の第2圧縮部21は、第2圧縮室40の空気圧で弁体82がリブ97に押し付けられると、吸気口52と第2圧縮室40とが遮断される。つまり、第4リード弁56は、図11及び図15のように閉じられた状態となる。また、実施の形態2の第2圧縮部21は、吸気口52の空気圧で弁体82がリブ97から離れると、吸気口52と第2圧縮室40とが接続される。つまり、第4リード弁56は、図12及び図14のように開いた状態となる。吸気口52の圧縮空気は、2つの溝94,95を経由して第2圧縮室40へ吸い込まれる。弁体82は、第2圧縮室40の空気圧でリブ97に押し付けられ、かつ、支持部96に押し付けられる。つまり、支持部96は弁体82を支持する。このため、弁体82で発生する負荷応力の増加を抑制できる。
第2弁座38の底面視で、第2圧縮部21は、吸気口52の配置面積よりも、2つの溝94,95の配置面積の方が広い。このため、吸気口52から第2圧縮室40に吸い込まれる空気量を増加することができる。
また、実施の形態2において、吸気口52の開口面積M1と、支持部96の占有面積M2との差M3との関係は、次式で表すことができる。
M1−M2=M3
M3>M2
例えば、開口面積M1と占有面積M2との比を、
4:6
に設定することができる。また、溝94の開口面積は溝95の開口面積よりも広く設定することができる。なお、実施の形態2において、支持部96は中心線B2方向に連続して配置される構造、または、中心線B2方向の一部に切り欠きが設けられている構造、の何れでもよい。支持部96に中心線B2方向で一部に切り欠きが設けられている場合、溝94と溝95とは、切り欠きを介してつながる。
第2弁座38が、支持部96及びリブ97を備えている場合、第2弁座38に取り付けることの可能な弁体82の他の例を、図16を参照して説明する。図16に示す弁体82は、中心線B2方向の両縁に切り欠き99が形成されている。弁体82は、切り欠き99が形成された箇所の幅は、切り欠き99が形成されていない箇所の幅よりも狭い。弁体82の幅は、中心線B2方向の幅を意味する。つまり、第2弁座38の底面視で、弁体82の外周形状が、リブ97の外周形状と近似する。このため、弁体82がリブ97に密着し易くなり、溝94,95を塞ぐ弁体82のシール性が向上する。また、リブ97から弁体82の外周までの距離が短くなるため、リブ97を通過した空気が第2圧縮室40に流入し易くなり、空気量を増大できる。
(実施の形態3)第2圧縮部21の実施の形態3を、図17〜図22を参照して説明する。図17〜図22に示す要素のうち、図3〜図7に示す要素と同じ要素は、同じ符号を付してある。第2弁座38は、凹部75内に配置した2つの溝100を有する。2つの溝100は、第2弁座38を貫通しておらず、2つの溝100の間に支持部101が設けられている。支持部101は、中心線B2方向で2つの溝100の間に配置されている。2つの溝100は中心線B1に対して平行であり、2つの溝100の端部は、共に吸気口52につながっている。第2弁座38は、図17及び図18のように、2つの溝100と吸気口52とを接続する内面106を有する。内面106は円弧状に面取りが施されている。
第2弁座38を底面視した図19において、吸気口52及び2つの溝100の配置領域はU字状である。2つの溝100の配置領域は、第2圧縮室40の配置領域内にある。2つの溝100の配置領域は、弁体88の配置領域内から配置領域外に亘っている。支持部101の先端102は、吸気口52の配置領域内にある。吸気口52は、中心線B1上で幅C2を有する。幅C2は、中心線B1上で、吸気口52の内面と、先端102との間の距離である。2つの溝100は、中心線B2方向で幅C3を有する。幅C2は幅C3よりも大きい。2つの溝100の端部103は、中心線B1方向で、箇所93と中心線B2との間に位置する。吸気口52の全面積M4と、支持部101と吸気口52とが重なる箇所の面積M5との関係は、次式のように設定されている。
M4>M5
M4−M5=M6
M6>M5
M6は、全面積M4と面積M5との差である。
第2弁座38の凹部75に、リブ104が設けられている。リブ104は、吸気口52及び2つの溝100の外周に沿って環状に配置されている。つまり、リブ104は、支持部101にも設けられている。また、第2弁座38は、凹部75に逃げ溝105を備えている。逃げ溝105は、リブ104の外周に沿って環状に配置されている。
第2圧縮部21における第3リード弁53の作用は、次の通りである。第2ピストン39が下死点に向けて移動する行程で、吸気口52の空気圧を受ける弁体82は、箇所93を支点として弾性変形し、かつ、リブ104から離れる。その結果、吸気口52は第2圧縮室40に接続され、かつ、2つの溝100は、第2圧縮室40に接続される。つまり、第3リード弁53は、図18、図21、図22のように開いた状態となる。第3リード弁53が開くと、吸気口52を通る圧縮空気は、第2圧縮室40へ吸い込まれる。また、吸気口52を通る空気の一部は、2つの溝100を経由して、第2圧縮室40へ吸い込まれる。
第2ピストン39が上死点に向けて移動する行程で、第2圧縮室40の圧力が吸気口52の圧力よりも高くなると、弁体82は、第2圧縮室40の圧力でリブ104に押し付けられ、吸気口52と第2圧縮室40とが遮断され、かつ、2つの溝100と第2圧縮室40とが遮断される。つまり、第3リード弁53は、図17及び図20のように閉じた状態となる。
第2圧縮部21は、第3リード弁53が開いた状態になると、圧縮空気は、吸気口52及び2つの溝100を介して第2圧縮室40に吸い込まれる。したがって、第3リード弁53が開いた状態における空気の流路面積が増大し、第2ピストン39が1往復する間における空気の吸入量及び吐出量を、増加することができ、空気圧縮機10の性能を向上することができる。また、第2弁座38の内面106は円弧状である。このため、吸気口52内の圧縮空気の一部が2つの溝100へ向かう通路の断面積が緩やかに変化する。したがって、圧縮空気の流れがスムースになる。
また、リブ104の外周に逃げ溝105が設けられているため、弁体82がリブ104に押し付けられる場合に、単位面積当たりの接触圧力が増加し、弁体82とリブ104との間のシール性が向上する。また、面積M5は面積M4よりも小さいため、吸気口52を通る圧縮空気が、支持部101の先端102によって阻害されず、圧縮空気の流通抵抗が増大することを抑制できる。なお、実施の形態3において、第4リード弁56の作用は、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
図23は、実施の形態3における第2弁座38の他の例を示す底面図である。第2弁座38は、凹部75に溝107を有する。溝107は、第2弁座38を貫通しておらず、溝107は、吸気口52につながる中間部108と、中間部108につながる2つの延長部109と、を有する。2つの延長部109は互いに平行であり、かつ、中心線B1に対して平行である。第2弁座38は、2つの延長部109の間に配置した支持部110を有する。第2弁座38は、中間部108と吸気口52とをつなぐ内面106を有し、内面106は円弧状である。支持部110の先端102は、吸気口52の配置領域外であり、かつ、弁体88の配置領域内にある。つまり、中心線B1方向で、支持部110の長さは、図19に示す支持部101の長さよりも短い。
第2弁座38の凹部75に、リブ104が設けられている。リブ104は、吸気口52及び溝107の外周に沿って環状に配置されている。つまり、リブ104は、支持部110にも設けられている。また、第2弁座38は、凹部75に逃げ溝105を備えている。逃げ溝105は、リブ104の外周に沿って環状に配置されている。
第2圧縮部21において、第3リード弁53が開閉する作用は、前述と同じである。第3リード弁53が開くと、吸気口52を通る圧縮空気は、第2圧縮室40へ吸い込まれる。また、吸気口52を通る空気の一部は、溝107を経由して、第2圧縮室40へ吸い込まれる。
第2圧縮部21は、第3リード弁53が開いた状態になると、圧縮空気は、吸気口52及び溝107を介して第2圧縮室40に吸い込まれる。したがって、第3リード弁53が開いた状態における空気の流路面積が増大し、第2ピストン39が1往復する間における空気の吸入量及び吐出量を増加することができ、空気圧縮機10の性能が向上する。図23に示す溝107の開口面積は、図19に示す2つの溝100の開口面積よりも広く、空気の流通量を一層増加できる。
ここで、本発明の構成と実施の形態で説明した構成との対応関係を説明すると、第2圧縮室40が、本発明の第1空気室に相当し、吸気口52が、本発明の第1通気口に相当し、第2弁座38が、本発明の弁座に相当し、溝76,94,95,100が、本発明の溝に相当し、弁体82が、本発明の第1弁体に相当し、自由端82Aが、本発明の第1弁体の自由端に相当し、弁体88が、本発明の第2弁体に相当し、自由端88Aが、本発明の第2弁体の自由端に相当し、支持部84,96,101が、本発明の支持部に相当し、端部76A,76B,94A,95B,103が、本発明の端部に相当し、端面73が、本発明の「第1空気室を形成する箇所」に相当する。
また、箇所93が、本発明の所定箇所に相当し、先端102が、本発明の自由端に相当し、第2吐出口55が、本発明の第2通気口に相当し、第2吐出室54が、本発明の第2空気室に相当し、中心線B1が、本発明の第1中心線に相当し、中心線B2が、本発明の第2中心線に相当し、通路86が、本発明の通路に相当する。また、第2弁座38の底面視が、本発明における「弁座の平面視」に相当する。底面及び平面は、共に軸線A1に対して垂直な面であり、何れの方向から見た場合も、本発明の発明特定事項に相違はない。本発明において、弁体の開き量は、弁体がリブから離れる量で表される。弁体がリブから離れる量は、弁体の長さ方向で異なるが、離れる量の最大値、最小値、平均値の何れで把握してもよい。要は、弁体の最大開度が規制されていればよい。
本発明の空気圧縮機は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明の弁体は、厚さ方向に弾性変形して通気口及び溝を開閉する弁体の他、支持軸を支点として厚さ方向に動作可能な平板状の弁体と、を含む。支持軸を支点として厚さ方向に動作可能な弁体は、弾性変形しなくてもよい。本発明は、弁体88が第2排気室の圧力でリブ91に押し付けられる場合に、実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態3のいずれかで説明した支持部を、第2弁座38の端面74に設ける構造を含む。この場合、第2吐出室54が、本発明の第1空気室に相当し、端面74が、本発明の「第1空気室を形成する箇所」に相当する。また、実施の形態1で説明した弁体の通路は、単数または複数の何れでもよい。弁体に複数の通路を設ける場合、通路同士の形状は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
さらに、本発明は、第1圧縮部20の吸気口を開閉する第1リード弁が第3リード弁53と同じ構造であれば、第1圧縮部20の吸気口を開閉する第1リード弁の弁体が取り付けられる第1弁座32に、何れかの実施の形態で説明した支持部を、第1弁座32の端面に設ける構造を含む。この場合、第1圧縮室34が、本発明の第1空気室に相当し、第1弁座32の端面が、本発明の「第1空気室を形成する箇所」に相当する。
また、第1圧縮部20の第1吐出口47を開閉する第2リード弁48が、第4リード弁56と同じ構造であれば、何れかの実施の形態で説明した支持部を、第1弁座32の端面に設ける構造を含む。この場合、第1吐出室46が、本発明の第1空気室に相当し、第1弁座32の端面が、本発明の「第1空気室を形成する箇所」に相当する。さらに、実施の形態2、または、実施の形態3における弁体82は、実施の形態1で説明した弁体82の通路86を備えていてもよい。第1リード弁の弁体または第2リード弁48の弁体に、実施の形態1で説明した通路86を設けてもよい。