JPH05881U - カーブ走行型移動間仕切りの吊設走行装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 収納レールから最後に引き出される間仕切り
に補助パネルを備えることなしに壁面との間に隙間なく
仕切ることができ、しかもレール幅の小さいカーブ走行
型間仕切りの吊設走行装置の提供。 【構成】 引き出しレール１と仕切りレール２は湾曲レ
ール５にて連結し、引き出しレールからは補助レール３
を延長し、又複数本の収納レール６を引き出しレールか
ら分岐し、これら各分岐部及び補助レールの分岐部には
レール上片にガイドレール２１，２２を配置し、最後に
引き出される間仕切りの後方走行具にはガイドを起立し
て構成した吊設走行装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカーブ走行を行なう移動間仕切りの吊設走行装置に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

移動間仕切りは大きな空間をより小さい空間に仕切るために収納部から引き出 しできるよう構成したもので、天井には走行レールが配設され、間仕切りの上端 に取着した走行具が上記走行レールに内装されて転がり移動する。このような移 動間仕切りには天井に配設される走行レールの形態によって、クロス走行型移動 間仕切りとカーブ走行型移動間仕切りとがあり、前者の間仕切りでは走行レール が十字状又はＴ字状に交差するのに対して、後者の間仕切りでは湾曲にカーブし たレールを用いている。勿論、各々に長所及び短所があって、用途に合わせて適 当なものを用いればよい訳であるが、本考案は後者のカーブ走行型移動間仕切り を対象としたものであり、図７は一般的なカーブ走行型移動間仕切りの概略を示 している。

【０００３】 ところで、同図に示すカーブ走行型移動間仕切りは収納部を２カ所に持ち、該 収納部に収納されている間仕切りを引き出して所定の部屋空間を仕切る訳である が、カーブ走行型である故に引き出しレール(イ) と仕切りレール(ロ) の境界Ａ部 には必然的に湾曲したレールが形成される。したがって、この部分は壁面と間仕 切り間に上記レールの湾曲度に応じた隙間が発生するために、最後に引き出され る間仕切りには補助パネルが取着され、該補助パネルにより上記隙間をカバーす る方法が採用されてきている。

【０００４】 図８は補助パネルによって上記隙間を閉じた場合で、間仕切り(ハ) を所定の箇 所に位置させたところで上記補助パネル(ニ) を閉じる。このように、間仕切り(ハ ) に補助パネル(ニ) を取着する場合、重量級の大型間仕切りともなれば更に重く なるため、該間仕切りを吊り下げ移動するための吊設走行装置の強度が問題とな り、必然的に補助パネル(ニ) を具備した間仕切りを基に、レール並びに走行具の 強度設計がなされる。更に、補助パネルを間仕切りに取着することは製造コスト を高くし、又柱(ホ) の寸法が大きくなる等の問題がある。

【０００５】 そこで出願人は、最後の間仕切りに上記補助パネル(ニ) を備えることなく、引 き出しレール(イ) を境界部においてそのまま延長した補助レールを設け、最後の 間仕切りに取着する後方走行具のみ上記補助レールへ導くよう構成した移動間仕 切りの走行装置を開発し、平成２年３月２９日付で出願している（実願平２−３ ３３７１号）。そして、上記走行具が補助レールへ導かれるように、走行用のロ ーラと同芯を成して突出した補助ローラを設け、補助レールの走行面には補助ロ ーラがガイドされるためのガイドレールを沿設している。したがって、最後のパ ネルの後方走行具は引き出しレールから仕切りレールへ走行せずに、補助レール へ直進することができるため、壁面との間に隙間を生じない。しかし、走行具の 走行用ローラから補助ローラを突出して設けることで、該走行具が走行する引き 出しレール(イ) の幅寸法は大きくなり、天井の外観を損なうのみならず、該引き 出しレール(イ) の強度が問題となる。

【０００６】 一般にレールの横断面は門型を成し、その両側片の下端から内側に屈曲して走 行片を有すもので、両側片間の幅寸法が大きくなって走行片の幅が拡大すること は、該走行片の先端部に走行ローラからの荷重が片持支持の状態で作用すること になり、レール全体としての強度低下を招く。同じ強度を確保するには各部の肉 厚を大きくすることが必要となる。

【０００７】

【本考案が解決しようとする課題】

このように、カーブ走行型移動間仕切りの吊設走行装置には上記のごとき問題 がある。本考案が解決しようとする課題はこれら問題点であって、補助ローラを 取着しないで走行具の幅寸法を小さくし、ひいてはレールの幅も狭くして強度を 高め、一方では天井の外観を損わない吊設走行装置を提供する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るカーブ走行型移動間仕切りの吊設走行装置の基本構造は従来型式 と同じである。すなわち、引き出しレールと仕切りレールをある大きさの湾曲レ ールによって接続し、又引き出しレールの途中には複数本の収納レールを分岐し て接続し、上記収納レールに収納された間仕切りを引き出しレールから湾曲レー ルを通して上記仕切りレールへ移動させ、該仕切りレールにて各間仕切りを配列 ・固定して所定の空間を仕切ることのできる吊設走行装置である。そして、レー ルを走行する走行具には収納レールとの分岐を所定の方向へ通過することができ るようにガイドローラを取着し、レールの上片にはガイドブロックを配置してい る。

【０００９】 ところで、本考案では上記吊設走行装置に補助レールを設け、最後に収納レー ルから引き出される間仕切りの後方走行具が引き出しレールを直進して補助レー ルへ移動するよう構成する。そのため、上記走行具の本体上面にはガイドを起立 し、レールの分岐部にはガイドレールを設ける。ガイドレールは各分岐点におい て後方走行具が曲がることなく直進することができるように規制し、又他の走行 具のガイドローラが接触することのない高さとなっている。以下、本考案に係る 実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案のカーブ走行型移動間仕切りの吊設走行装置の概略図である。同 図において１は引き出しレール、２は仕切りレール、３は補助レール、４は間仕 切りを示すように、引き出しレール１と仕切りレール２は湾曲レール５によって 連続して接続されている。そして、上記引き出しレール１からは４本の収納レー ル６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄが分岐し、これら収納レール６ａ、６ｂ及び６ｃ、６ ｄにはそれぞれ間仕切り４ａ、４ｂ…４ｚが収納される。したがって、上記間仕 切り４ａ、４ｂ…は収納レール６ａ、６ｂ…から引き出されて引き出しレール１ を通り、仕切りレール２へ移行し、該仕切りレール２下において空間を仕切るこ とになるが、これら間仕切り４ａ、４ｂ…には走行具７、７…がその上端に取着 されている。

【００１１】 図２は上記引き出しレール１に内装された状態での走行具７を示したもので、 走行具７はブロック状の本体８の両側に走行ローラ９、９…を回転自在に軸支し 、下方には安定ローラ１０を軸支するとともに連結棒１１を取着し、又本体８上 に固定した上盤１２にはガイドローラ１３ａ、１３ｂが軸支されている。レール １、２は断面四辺形を成す中空パイプであって、その底片１４の中央部は長手方 向に切欠いたガイド溝１５を有し、該ガイド溝１５には上記安定ローラ１０が遊 嵌され、走行具７の転がり走行とともに、連結棒１１の下端に取着された間仕切 りを移動する。

【００１２】 仕切りレール２に吊り下げられて空間を仕切った間仕切り４ａ、４ｂ…を収納 部へ戻す場合には、各間仕切り４ａ、４ｂ…は引き出しレール１から収納レール ６ａ、６ｂ…へ移行することが必要であって、それぞれの間仕切り４ａ、４ｂ… 上端に取着された走行具７、７…が、図１の分岐部Ｂ、Ｃ、Ｄにて所定の方向へ 進まなければならない。そこで、走行具７、７…の走行方向を規制するために、 上記分岐部Ｂ、Ｃ、Ｄのレールの上片１６にはそれぞれ突出高さの異なるガイド ブロック１７が配置されている。

【００１３】 図３、ｂ〜ｄは上記分岐部Ｂ、Ｃ、Ｄにおけるガイドブロック１７の高さを表 示したもので、例えばｂにおいて左側ガイドブロック１７ａは収納レール６ａに 、右側ガイドブロック１７ｂは引き出しレール１にそれぞれ配置され、両ガイド ブロック１７ａと、１７ｂの間には間隙２０を残している。これに対し、上記ガ イドブロック１７に規制されて所定の方向へ移行するために、走行具７の上盤１ ２上に軸支されるガイドローラ１３ａ、１３ｂの高さがそれぞれ異なる。

【００１４】 図４、ａ〜ｄは収納レール６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄへ移行する各走行具７、７ …のガイドローラ１３ａ、１３ｂの高さを表示したものである。したがって、ａ のガイドローラ１３ａ、１３ｂを配置した走行具７は分岐部Ｂにて収納レール６ ａ方向へ進入し、ｂのガイドローラ１３ａ、１３ｂを配置した走行具７は、分岐 部Ｂではそのまま直進して分岐部Ｃにて収納レール６ｂへ進入する。同じように ｃ、ｄの場合もそれぞれ所定の収納レール６ｃ、６ｄへ進入して間仕切り４ａ、 ４ｂ…を収納することができる。このように、引き出しレール１及び各収納レー ル６ａ、６ｂ…、更に走行具７、７…を構成することにより、各間仕切り４ａ、 ４ｂ…は収納レール６ａ、６ｂ…から引き出されて仕切りレール２へ移動するこ とができ、逆に仕切りレール２から収納レール６ａ、６ｂ…へ戻される。

【００１５】 ところで、本考案は考案の構成の欄にても説明したように、最後の間仕切り４ ｚに補助パネルを取着しない訳で、該間仕切り４ｚの走行具７ｚは湾曲レール５ へ移行することなく、引き出しレール１から直線状に伸びる補助レール３へ進入 する。走行具７ｚは前記図４ｄに示すようなガイドローラ１３ａ、１３ｂを有さ ず、図５に示す構造を呈している。該走行具７ｚは同図に示すようにガイドロー ラを持たず、その代りにガイド１８が本体８から垂直に起立している。ガイド１ ８は走行具７ｚの中立に位置し、レールの上片１６付近まで伸び、その長さに関 しての限定はないが、上記本体８の長さにほぼ等しくなっている。又は連続した 所定長さのガイド１８でなく、本体８の前・後端にそれぞれ分離したガイド１８ ａ、１８ｂを取着してもよい。

【００１６】 このように、本体８に垂直に起立したガイド１８を持つ走行具７ｚは、他の走 行具７、７…と同様に収納レール６ｄから引き出しレール１を通るが、湾曲レー ル５へ進むことなく補助レール３へそのまま直進する。又補助レール３へ移動し た走行具７ｚは、逆に引き出しレール１を直進して収納レール６ｄへ戻される訳 であるが、この場合、各分岐部Ｂ、Ｃ、Ｄにて収納レール６ａ、６ｂ、６ｃへ進 入しない構造となっており、更にこれら各分岐部Ｂ、Ｃ、Ｄにおいて、レール上 片１６に配置したガイドブロック１７が障害とならないようにしている。すなわ ち、ガイドブロック１７は前記図３、ｂ〜ｄに示すごとく、収納レール６側に配 置したガイドブロック１７ａと引き出しレール１側に配置したガイドブロック１ ７ｂとの間には、上記ガイド１８が通過可能な幅の間隙２０を設けている。した がって、ガイド１８は上記ガイドブロック１７に衝突することなく、その間隙２ ０を通過して移動する。

【００１７】 しかし、湾曲レール５と補助レール３の分岐部においては、走行具７ｚを除い た全ての走行具７ａ、７ｂ…が、該湾曲レール５の方向へ進むように図３ａに示 すガイドブロック１７を沿設している。そこで、走行具７ｚが湾曲せずに直進す るようにガイド１８を規制するためのガイドレール２１を設け、ガイドレール２ １は間仕切り４に取着した最も高いガイドローラ１３が接触しない高さに抑えら れ、上記ガイド１８のみが規制されるように設定されていて、ガイド１８が間を 通過することができるように間隙２０を残してガイドレール２１ａ、２１ｂで構 成している。ここでガイドレール２１ａは必ずしも必要とせず、湾曲レール５方 向への移動を阻止するには、ガイドレール２１ｂだけでも機能することができる 。

【００１８】 このように、走行具７ｚが補助レール３へ移動するためのガイドレール２１は 、該走行具７ｚの戻り行程において分岐部Ｂ、Ｃ、Ｄを通過する場合にも必要と なる。そこで、これら分岐部Ｂ、Ｃ、Ｄの分岐点付近であって、収納レール６ａ 、６ｂ、６ｃ側で引き出しレール１に並設してガイドレール２２、２２、２２を 設ける。勿論、ガイドレール２２の高さは上記ガイドレール２１と同じく、他の 走行具７ａ、７ｂ…のガイドローラ１３、１３…が抵触しない高さとなっている 。したがって、走行具７ｚは収納レール６ｄから出た後は、これら各分岐部Ｂ、 Ｃ、Ｄを直進して補助レール３へ入り、逆に補助レール３からは同じく分岐部Ｂ 、Ｃ、Ｄを直進して収納レール６ｄに戻る。

【００１９】 図６は最後の間仕切り４ｚの走行具７ｚが補助レール３へ進入した場合を示し ており、該間仕切り４ｚの他の走行具７_z-1 は湾曲レール５から仕切りレール２ へ移行した状態で、全ての間仕切り４ａ、４ｂ…４ｚが仕切りレール２に沿って 一直線状に配列される。以上述べたように、本考案の吊設走行装置は引き出しレ ールの延長線上に補助レールを設け、該補助レールと湾曲レールの分岐部並びに 引き出しレールと収納レールの各分岐部にはガイドレールをレール上片に配置し 、更に走行具には上記ガイドレールによって規制されるガイドを起立させたもの であり、次のような効果を得ることができる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案のカーブ走行型間仕切りの吊設走行装置では、補助レールが引き出しレ ールに延長されて設けられているため、最後に引き出される間仕切りの後走行具 は上記補助レールへ進入し、壁面との間に隙間を発生することなく空間を仕切る ことができる。したがって、従来のような補助パネルを間仕切りに取着する必要 性はなく、間仕切りの移動操作も容易であるとともに、該間仕切りの製作も簡略 化される。更に補助パネルを取着しないために走行レール及び走行具に作用する 負荷は小さくなり、その分だけ上記走行レールを細く、走行具をコンパクト化で きる。

【００２１】 一方、最後に収納レールから引き出される間仕切りの後方走行具は上方へ起立 するガイドを有し、該ガイドがレールの分岐部に配置したガイドレールに規制さ れて確実に補助レールへ進入し、又戻り行程においても各分岐部を直進し、所定 の収納レールへ戻される。このように、後方走行具には上方へガイドを起立し、 レール側に設けるガイドレールも上片に配置されるために、これら走行規制部材 によってレール幅寸法の拡大はなく、細いレールを採用することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のカーブ走行型間仕切りの吊設走行装置
を示す概略図。

【図２】吊設走行装置の断面図。

【図３】図１のＡ〜Ｄ部に配置されるガイドブロック。

【図４】走行具に取着されるガイドローラ。

【図５】最後に引き出される間仕切りに取着する後方走
行具が、レールに内装されている状態。

【図６】補助レールを用いて空間を閉じた状態。

【図７】従来のカーブ走行型間仕切りの吊設走行装置の
概略図。

【図８】従来の間仕切りで補助パネルを使用した場合。

【符号の説明】

１ 引き出しレール ２ 仕切りレール ３ 補助レール ４ 間仕切り ５ 湾曲レール ６ 収納レール ７ 走行具 ８ 本体 ９ 走行ローラ 10 安定ローラ 11 連結棒 12 上盤 13 ガイドローラ 14 底片 15 ガイド溝 16 上片 17 ガイドブロック 18 ガイド 20 間隙 21 ガイドレール 22 ガイドレール

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 複数本の収納レールを分岐した引き出し
   レールと仕切りレールを湾曲レールにて接続し、これら
   各分岐部のレール上片には所定高さのガイドブロックを
   配置し、又走行具にはガイドローラを取着したカーブ走
   行型移動間仕切りにおいて、上記引き出しレールを延長
   して補助レールを設け、湾曲レールと補助レールの分岐
   部並びに上記収納レールと引き出しレールの各分岐部に
   は、上記ガイドローラが抵触しない高さでガイドレール
   をレール上片に配置し、最後に引き出される間仕切りの
   後方走行具にはガイドレールに規制されるガイドを起立
   したことを特徴とするカーブ走行型移動間仕切りの吊設
   走行装置。