JPH0587358U - 回転変動吸収プーリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハブ１の外周側にベアリング２を介してプー
リ本体３を回転自在に配置し、前記ハブ１と前記プーリ
本体３を弾性体５を介して接続した回転変動吸収プーリ
について、弾性体５の耐久性を高めることを目的として
材料に硬めのものを使用してもバネ定数が極端に大きく
ならないようにする。 【構成】 弾性体５の半裁断面を略Ｕ字形としてその断
面における長さを長く設定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、回転変動吸収プーリの改良に関する。 本考案の回転変動吸収プーリは自動車エンジンのクランクシャフトから各種の 補機類へ回転トルクを伝達するために用いられ、かつこの回転トルクを伝達する 際にエンジン側を起振源とする振動（回転変動）を吸収減衰してこの振動が補機 類側へ伝わらないようにする。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、環状のハブの外周側にベアリングを介して環状のプーリ本体を回転 自在に配置し、前記ハブと前記プーリ本体を環状を呈するゴム状弾性材製の弾性 体を介して接続し、前記弾性体の半裁断面を矩形とした回転変動吸収プーリが知 られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

半裁断面を矩形とされた弾性体はハブとプーリ本体を直線的に最短距離で接続 し、その長さ（弾性体とハブの接続部と弾性体とプーリ本体の接続部を弾性体の 断面形状に沿って結んだ線の長さ、以下同じ）が短いものである。したがってそ の耐久性を高めることを目的として材料に硬めのものを使用すると、バネ定数が 極端に大きくなってしまう問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は以上の点に鑑み、上記従来技術にみられる問題を解消すべく案出され たものであって、この目的を達成するため、ハブの外周側にベアリングを介して プーリ本体を回転自在に配置し、前記ハブと前記プーリ本体を弾性体を介して接 続した回転変動吸収プーリにおいて、前記弾性体の半裁断面を略Ｕ字形としたこ とを特徴とする回転変動吸収プーリを提供する。

【０００５】

【作用】

弾性体の半裁断面を略Ｕ字形とすれば同じ間隔の二点を結ぶにしてもその長さ が従来より長くなる。したがって材料に硬めのものを使用してもバネ定数が極端 に大きくなることがない。

【０００６】

【実施例】

つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明する。

【０００７】 図１に示すように、環状のハブ１の外周側にベアリング２を介して環状のプー リ本体３が回転自在に配置され、かつこのハブ１とプーリ本体３が環状のゴム状 弾性材製の弾性体５を介して互いに接続されている。プーリ本体３の外周面には 無端ベルト（図示せず）を巻架するためのプーリ溝４が形成されている。

【０００８】 弾性体５はその半裁断面形状を内周側を開放した略Ｕ字形とされ、これにより その長さが同じ間隔の二点を直線的に結んだ場合より長く設定されている。また 弾性体５は、これを金型（図示せず）により成形（加硫成形）することができる ように、軸方向に二分割されて一対の環状の分割体６，７を有しており、この分 割体６，７を互いに拝み合わせに突き合わせている。分割体６，７の内周縁には それぞれ環状のスリーブ８，９が接着（加硫接着）されており、分割体６，７は それぞれこのスリーブ８，９をもってハブ１またはプーリ本体３に嵌着されてい る。分割体６，７の外周の互いの突き合わせ部には、両者が滑ることがないよう に、図２に示すような凹部１０と凸部１１の係合による滑り止めが設けられてい る。弾性体５の外周縁には、該弾性体５が回転時に遠心力によって外周方向へ拡 がる（伸びる）ことがないように、半裁断面略コ字形を呈する環状の、剛材製の 保形部材１２が取り付けられている。またハブ１とプーリ本体３には、過大なト ルクが入力したときに弾性体５が破断することがないように、図３に示すように 、両者の相対回転を所定角度θまでに制限する突起１３と突起１４の係合による ストッパが設けられている。

【０００９】 上記構成の回転変動吸収プーリは、例えばハブ１をもって自動車エンジンのク ランクシャフト（図示せず）の外周に装着され、プーリ溝４に無端ベルト（図示 せず）を巻架し、回転トルクをクランクシャフトからハブ１、弾性体５、プーリ 本体３を経由して無端ベルトに伝達し、更に無端ベルトから補機類へ伝達させる ものであって、このトルク伝達時にエンジン側を起振源とする振動（回転変動） を弾性体５の弾性によって吸収する。しかして上記構成の回転変動プーリによれ ば、弾性体５の半裁断面を略Ｕ字形としてその長さを長く設定したために、その 耐久性を高めることを目的として材料に硬めのものを使用してもバネ定数が極端 に大きくなることがなく、よってバネ定数を適度の大きさに保った上で弾性体５ の耐久性を向上させることができる。また半裁断面を略Ｕ字形とされた弾性体５ にはその長さが長い割りに占有スペースが小さい特徴がある。尚、この半裁断面 略Ｕ字形の弾性体５は、図４に示すように、一つのプーリに複数設けられること がある。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は次の効果を奏する。すなわち、弾性体の半裁断面を略Ｕ字形としてそ の長さを長く設定したために、その耐久性を高めることを目的として材料に硬め のものを使用してもバネ定数が極端に大きくなることがなく、よってバネ定数を 適度の大きさに保った上で弾性体の耐久性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る回転変動吸収プーリの半
裁断面図

【図２】弾性体の分割体の突き合わせ構造を示す説明図

【図３】図１におけるＡ−Ａ線断面図

【図４】本考案の他の実施例に係る回転変動吸収プーリ
の半裁断面図

【符号の説明】

１ ハブ ２ ベアリング ３ プーリ本体 ４ プーリ溝 ５ 弾性体 ６，７ 分割体 ８，９ スリーブ １０ 凹部 １１ 凸部 １２ 保形部材 １３，１４ 突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハブ１の外周側にベアリング２を介して
   プーリ本体３を回転自在に配置し、前記ハブ１と前記プ
   ーリ本体３を弾性体５を介して接続した回転変動吸収プ
   ーリにおいて、前記弾性体５の半裁断面を略Ｕ字形とし
   たことを特徴とする回転変動吸収プーリ。