JPH058683A - 配線機能付き鋼線輸送車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラムに巻取ったＰＣ鋼線を製造工場から工
事現場まで輸送し、荷台上から直接送り出して配線する
ことを可能ならしめた鋼線輸送車を提供する。 【構成】 大型トラック１の荷台上にドラムＡを回転可
能に支持するアンダーロール２と、ＰＣ鋼線Ｂを送り出
す繰出し装置５と、送り出し長さを測長する計尺装置４
を設置する。また、繰出し装置５の出口部にフレキシブ
ルなガイドパイプ６を接続し、このパイプの出口端に切
断機７を設ける。この輸送車は荷台上のドラムＡからＰ
Ｃ鋼線Ｂを引出してガイドパイプ６経由で配線口に案内
するので、ドラムを降ろす必要がなく、荷降し機器の無
い現場へも大型車を使って効率のよい輸送を行うことが
でき、荷降しに起因する荷崩れ、鋼線の傷付き等のトラ
ブルも起こらず、荷台上から安全かつ効率的な配線を行
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、輸送したＰＣ鋼線を
荷台上から直接送り出して配線することを可能ならしめ
た鋼線輸送車に関する。

【０００２】なお、この発明で云うＰＣ鋼線の中には複
数本の線材を集合してケーブル化したものも含む。

【０００３】

【従来の技術】ＰＣ鋼線はコイル状に巻取って製造工場
から工事現場までトラック輸送し、クレーンやフォーク
リフトを用いての荷降し後、工事現場の空きスペースを
利用して巻戻し、所定長さに切断して配線する方法が採
られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ＰＣ鋼線を巻取ったコ
イルの重量は、１コイル当り２〜３トンもある。従って
トラックからの荷降しにはクレーンやフォークリフトを
必要とするが、小規模な工事現場の場合、これ等の機器
が無いところが多い。そのため、このような現場へはク
レーン付きのトラックで製品を輸送することになるが、
このクレーン付きトラックは、大型車に対してはウェイ
トバランスの関係でクレーンを搭載し難いため、積載能
力が４トン以下に限られることが多い。

【０００５】一方、ＰＣ鋼線の納入単位は小規模現場で
あっても４トン以下であることは稀である。そのため、
クレーン付きトラックを用いる場合には輸送回数を増や
して対応せざるを得ず、重量当りの価格が安い鋼材製品
にとって、この輸送効率の悪さが大きな課題となってい
た。

【０００６】また、ＰＣ鋼線をコイルの荷姿で荷降しす
る従来の方法では、例え大型トラックによる効率的輸送
が可能であったとしても、荷降し作業中の荷崩れ、傷付
き等のトラブルが避けられなかった。

【０００７】この発明は、かかる課題の解決策となる鋼
線輸送車を提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の鋼線輸送車
は、ＰＣ鋼線を巻いたドラムを回転可能に支持するペイ
オフ装置と、上記ドラムから巻戻されるＰＣ鋼線を対の
駆動ローラ又はキャタピラ間に通して送り出す繰出し装
置と、ＰＣ鋼線の送り出し長さを測長する計尺装置とを
荷台上に設置し、さらに、上記繰出し装置の出口部にＰ
Ｃ鋼線を内部に通して配線口に案内するフレキシブルな
ガイドパイプを取付け、このパイプの出口端に鋼線の切
断機を接続して構成されたものである。

【０００９】

【作用】ペイオフ装置、繰出し装置、計尺装置を装備し
ているので、ドラムを荷台上の定位置で回転させながら
ＰＣ鋼線を必要な長さ巻戻して荷台上から送り出すこと
ができる。また、可撓性があってしかも出口に切断機を
備えるガイドパイプを具備しているので、このパイプの
位置を自由に動かして送り出したＰＣ鋼線を確実に配線
口に案内し、定尺長さに切断することができる。

【００１０】従って、荷台上からの直接配線が可能であ
り、コイルの荷姿での荷下ろしが不要となってこれに起
因した前述の課題が全て解決される。

【００１１】

【実施例】図１及び図２に、この発明の鋼線輸送車の一
例を示す。

【００１２】図の１は大型トラックであり、その荷台上
に図の場合ペイオフ装置となる３組のアンダーロール２
を設置している。ＡはＰＣ鋼線を巻取ったドラムであ
り、このドラムが工場からの出荷時にアンダーロール２
上に載せられ、ロール上から落下しないように荷締め或
いは仮止めして工事現場に輸送される。３はＰＣ鋼線Ｂ
を案内するガイドローラ、４はＰＣ鋼線の送り出し長さ
を測定する計尺装置、５は対の駆動ローラ間にＰＣ鋼線
を挟んで送り出す繰出し装置である。また、６は繰出し
装置５の出口に接続したフレキシブルなガイドパイプで
あり、このパイプの出口端には油圧式の切断機７が接続
されている。８は油圧ホースを介して切断機７に接続し
た油圧ポンプ、９は繰出し装置５と油圧ポンプ８の駆動
モータに電力を供給する発電機である。

【００１３】このように構成した輸送車は、現場に付い
たらＰＣ鋼線ＢをドラムＡから引出して計尺装置４、繰
出し装置５、ガイドパイプ６に通し、このガイドパイプ
の出口部まで案内しておく。そして、ガイドパイプ６の
出口端をＰＣ構造物Ｃの配線口と向き合う位置に固定
し、その後、繰出し装置５を起動して送り出しを開始
し、同時に計尺装置４による測長を開始する。これによ
りガイドパイプ６から送り出されたＰＣ鋼線ＢがＰＣ構
造物側に設ける被覆チューブ等の内部にそのまま送り込
まれていく。次に、送り出し長さが設定値に達したら計
尺装置４から信号が出て繰出し装置５が停止し、切断機
７が作動して所定長さ位置での切断が行われる。

【００１４】なお、ペイオフ装置は図示のアンダーロー
ルに限定されない。ドラムを回転可能に支持し得るもの
であればよく、さらに、繰出し装置５と同期してドラム
Ａを回転させる駆動源を備えていてもよい。計尺装置４
も図はロール式のものを示したがこれに限定されない。
繰出し装置５も対向一対のキャタピラ間にＰＣ鋼線を通
して送りをかけるものに置き換えることがある。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように、この発明の輸送車は
荷台上からの配線が可能であり、荷下ろしを必要としな
いので、輸送先が荷降し用機器の無い現場であっても大
型車を使用して効率的な輸送を行うことができる。

【００１６】また、荷降しが不要であるので荷崩れや鋼
線の傷付き等のトラブルを招かずに配線作業を安全に効
率良く進めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の輸送車の一例を簡略化して示す側面
図

【図２】同上の平面図

【符号の説明】

１ 大型トラック ２ アンダーロール ３ ガイドローラ ４ 計尺装置 ５ 繰出し装置 ６ ガイドパイプ ７ 油圧式切断機 ８ 油圧ポンプ ９ 発電機 Ａ ドラム Ｂ ＰＣ鋼線 Ｃ ＰＣ構造物

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 ＰＣ鋼線を巻いたドラムを回転可能に支
   持するペイオフ装置と、上記ドラムから巻戻されるＰＣ
   鋼線を対の駆動ローラ又はキャタピラ間に通して送り出
   す繰出し装置と、ＰＣ鋼線の送り出し長さを測長する計
   尺装置とを荷台上に設置し、さらに、上記繰出し装置の
   出口部にＰＣ鋼線を内部に通して配線口に案内するフレ
   キシブルなガイドパイプを取付け、このパイプの出口端
   に鋼線の切断機を接続して成る配線機能付き鋼線輸送
   車。