JPH0586258U - 空調用空気の吹出口を備えた寝具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空調効果が高く快適な環境が得られる寝具を
提供することにある。 【構成】 寝具の何れかの部分に備えた吹出口から空調
用空気が吹出すので、従来空調用空気が到達しなかった
部分にも到達するから空調が充分に行われ、除湿も行わ
れるから空調効果が高く快適な環境が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空調用空気の吹出口を備えた寝具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の寝具は寝具自体に空調の手段を備えている例は少なく、寝具を暖めたり 保温の為に電気ヒータを毛布に組み込んで電気掛毛布または電気敷毛布として市 販されている例がある。しかし冷房や除湿機能を備えている例は極めて少ない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように従来の寝具は冷房や除湿機能を備えていないから、夏期に寝室或 いは病室等において空調用空気の吹出口から吹出した冷い空気が身体に当たると その部分は快適に感ずるが、身体と寝具の密着している部分、即ち背中や脚部は 通風が無く体温の放散が出来ないので暑く、かつ発汗による湿度の上昇で不快感 が強い。特に病人は身体が寝具に密着する状態は長時間連続し、夏期における不 快感は耐え難い。また、寝具は上記のように就寝時の発汗により例えば約６Ｋｇ の綿の寝具は約８Ｋｇにもなる。このように湿気を多く含む寝具を太陽に曝して 乾燥させることは、雨天や降雪の場合に不可能となり晴天でも病人の場合は容易 では無い。また布団乾燥器なる装置で一時的に乾燥させても就寝中に再び湿気は 増加する。

【０００４】 本考案の目的は、上記問題を解決し空調効果が高く快適な環境が得られる寝具 を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、何れかの部分に空調用空気の吹出手段を備えたことにより達成さ れる。

【０００６】 上記目的は、何れかの部分に空調用空気を均等に分散させる溝を設けた分散板 と、該分散板の溝の上部に当接し弾性と通気孔を有する緩衝材と、該緩衝材に当 接し通気孔を有する表皮とを備えた空調用空気の吹出手段を設けたことにより達 成される。

【０００７】 上記目的は、何れかの部分に環境の雰囲気を吸入する吸入手段を備えたことに より達成される。

【０００８】 上記目的は、何れかの部分に環境の雰囲気の雰囲気を均等に吸入する溝を設け た分散板と、該分散板の溝の上部に当接し弾性と通気孔を有する緩衝材と、該緩 衝材に当接し通気孔を有する表皮とを備えた吸入手段を設けたことにより達成さ れる。

【０００９】

【作用】

上記構成によれば、寝具の何れかの部分に備えた吹出口から空調用空気が吹出 すので、従来空調用空気が到達しなかった部分にも到達するから空調が充分に行 われ、除湿も行われるから空調効果が高く快適な環境が得られる。

【００１０】

【実施例】

本考案の実施例を図を用いて説明する。

【００１１】 先ず本実施例の寝具の全体構成を説明する。

【００１２】 図１は本実施例の空調用空気の吹出手段を備えた寝具の平面図を示す。

【００１３】 空調用空気の吹出手段を寝具１に配置するパターンは冷房と暖房では異なり、冷 房の場合は身体の上半身の負荷が高いので、上半身の部分に空調用空気の吹出手 段の面積を広くとる。一方暖房の場合は、頭寒足熱の例えのように身体の下半身 の負荷が高いので、下半身の部分に空調用空気の吹出手段の面積を広くとる。ま た、複数の空調用空気の吹出手段を配置しそれぞれに供給する空調用空気の温度 レベルを変えることも効果が有る。

【００１４】 空調用空気の吹出手段の表面には空調用空気が吹出す表皮５があり、その下に 緩衝材４があり、その下に必要に応じてスポンジ膜３、更にその下に空調用空気 を均等に分散させる多数の溝を設けた分散板２がある。分散板２の下は発泡ポリ ウレタンのマットレスとなっている。

【００１５】 次に空調用空気の吹出手段の構成を説明する。

【００１６】 先ず空調用空気を均等に分散させる分散板２について説明する。分散板２の材質 は体重により溝の形状が変形すること無くかつ就寝した時に不快感や異物感を与 えないものが望ましい。例えばゴム、硬質ポリウレタンフォームが挙げられる。 分散板２に発熱体を組み込んで発熱させることも可能である。分散板２の端部に 空調用空気の供給及び雰囲気の吸入の為の接続パイプを設ける。

【００１７】 図２は分散板２の内部構造を示す横断面図である。図の正方形の部分がスポン ジ膜３に当接し正方形以外の部分は空間で溝を形成し、供給された空調用空気が ここで分散される。

【００１８】 図３は図２のＡ−Ａ断面図である。分散板２の溝の形状は図３に示すように等 ピッチの方形に限定されるものではなく、図４から図６に示すように溝の上下で 間隔が異なっても良い。また図７に示すようには分散板２の溝に堅い材質で小さ い孔をあけたパイプ６を通しその小さい孔から空調用空気を吹き出させても良い 。ベッドの場合は、分散板２の下にコイルスプリングが配置されるが、その形状 によっては分散板２の溝が圧迫され空調用空気の流れが阻止される恐れがあり、 溝の変形を防止するために分散板２の底部とコイルスプリングの間に堅い板を挿 入しても良い。分散板２の材質に通気性のある発泡ポリウレタンを用いれば緩衝 材４と兼用出来るから直接表皮５と接着することも出来る。

【００１９】 スポンジ膜３の材質は例えば発泡ポリウレタンで分散板２の溝による身体への 異物感を低減し溝に粉塵が侵入することを防止する。

【００２０】 緩衝材４は通常寝具に使われているもので弾力性と通気性のある材質例えば発 泡ポリウレタン、繊維等である。分散板２の溝と重なる位置に小さい孔をあけた り、分散板２の溝と重なる位置に溝を設ける。

【００２１】 表皮５は通気性があって肌触りの良い植物繊維、綿や麻或いはポリエステルと の混紡布を用いることが出来る。

【００２２】 次に空調用空気の吹出手段の製造方法を説明する。

【００２３】 図８は空調用空気の吹出手段を構成するスポンジ膜３、緩衝材４、表皮５の関 係を示す。図示せざる分散板２を寝具１の底部に接着する。分散板２の上に緩衝 材４を接着するが、必要に応じてスポンジ膜３を接着する。分散板２の溝の開口 部は緩衝材４若しくはスポンジ膜３で蓋をされた形状となり導管を形成する。

【００２４】 次に分散板２の導管と外部との連通を図る為に緩衝材４に空気抜孔をあける。 この空気抜孔の直径やピッチは寝具１に横になった時に異物感を与えない値とす る。空気抜孔の直径は１５ｍｍ以下であれば問題が無い。分散板２の材質により 分散板２と緩衝材４を一体で成型し分散板２の底部を寝具１に接着することも可 能である。分散板２を緩衝材４に接着する場合緩衝材４の上は表皮５となる。緩 衝材４の空気抜孔上の表皮５については材質により小孔をあけたり、メッシュ状 にする。また表皮５の材質により分散板２を直接表皮５に接着することも出来る 。更に、分散板２と表皮５を一体構造として分散板２の底部を寝具１に接着する ことも出来る。この時の表皮部の構造は上記と同様孔をあけたり、必要に応じて メッシュ状にする。

【００２５】 図９は上記の製造方法による空調用空気の吹出手段の断面を示す。

【００２６】 次に空調用空気の吹出手段の動作を説明する。

【００２７】 分散板２の端部に設けられた接続パイプに空調用空気の供給源からのパイプを接 続し、吹出手段の圧力損失に打ち勝つ圧力を有する空調用空気を供給する。暖房 の場合、送風機と分散板２の間に加熱器を備え加圧された空調用空気を分散板２ に供給する。また、分散板２に発熱体を組み込んである場合は送風機から空気の み供給し発熱体で加熱する。冷房の場合、送風機と分散板２の間に冷却器を備え 加圧された冷房用空気を分散板２に供給する。また、クーラーの冷空気吹き出し 口から送風機で吸引・加圧して分散板２に供給しても良い。車両の場合例えば大 型貨物自動車或いは大型旅客自動車の交代ドライバーの仮眠用ベッドでは近くに エアコンディショナの吹出口が配置されているので、そこから冷房用空気を取り 入れ必要に応じて送風機で吸引加圧して分散板２に供給する。冷房用空気を取り 入れるエアコンディショナの吹出口にダンパを設けておくと、空調用空気の吹出 手段からの冷房用空気を制御出来る。エアコンディショナを使用しない場合もあ るので、他に冷房用空気源を用意することが望ましい。このように分散板２に供 給された冷房用空気は均一に分散し、スポンジ膜３及び緩衝材４を通過し表皮５ から吹き出し、寝具内部を快適な温度・湿度に保ち空調効果を高める。また吹出 手段から冷房用空気を吹出すだけでなく雰囲気を吸入することにより発汗等によ る湿気を除き湿度を低下させることが出来る。

【００２８】 以上述べたように本実施例によれば、寝具に設けた空調用空気の吹出手段から 冷風、温風を吹出すことにより快適な温度に保つことが出来る。また吹出手段か ら雰囲気を吸入することにより発汗等による湿気を除き湿度を低下させることが 出来る。

【００２９】

【考案の効果】

本考案によれば、寝具に設けた空調用空気の吹出手段から冷風、温風を吹出す ことにより空調効果を高め、寝具の使用者に快適な環境を提供することが出来る 。 また吹出手段から湿気を含む雰囲気を吸入することにより発汗等による湿度 の上昇を防止する効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の空調用空気の吹出手段を備え
た寝具の平面図である。

【図２】本考案の実施例の空調用空気の吹出手段の分散
板の内部構造を示す横断面である。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図４】本考案の他の実施例の分散板の縦断面図であ
る。

【図５】本考案の他の実施例の分散板の縦断面図であ
る。

【図６】本考案の他の実施例の分散板の縦断面図であ
る。

【図７】本考案の他の実施例の分散板の縦断面図であ
る。

【図８】本考案の実施例の空調用空気吹出手段の構成を
説明する斜視図である。

【図９】本考案の実施例の空調用空気の吹出手段の縦断
面図である。

【符号の説明】

１ 寝具 ２ 分散板 ３ スポンジ膜 ４ 緩衝材 ５ 表皮 ６ パイプ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 何れかの部分に空調用空気の吹出手段を
   備えたことを特徴とする寝具。
2. 【請求項２】 何れかの部分に空調用空気を均等に分散
   させる溝を設けた分散板と、該分散板の溝の上部に当接
   し弾性と通気孔を有する緩衝材と、該緩衝材に当接し通
   気孔を有する表皮とを備えた空調用空気の吹出手段を設
   けたことを特徴とする寝具。
3. 【請求項３】 何れかの部分に環境の雰囲気を吸入する
   吸入手段を備えたことを特徴とする寝具。
4. 【請求項４】 何れかの部分に環境の雰囲気の雰囲気を
   均等に吸入する溝を設けた分散板と、該分散板の溝の上
   部に当接し弾性と通気孔を有する緩衝材と、該緩衝材に
   当接し通気孔を有する表皮とを備えた吸入手段を設けた
   ことを特徴とする寝具。